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500以上の四字熟語を文中に挿入した、四字熟語てんこもり小説。お見合い経験約五十回の筆者が綿密な(?)取材と、実体験を元にして書いた奇想天外、前代未聞のドタバタお見合い恋愛物語。

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2008/07/09

【清廉潔白】【謹厳実直】【言行一致】【勧善懲悪】【金科玉条】<四字熟語物語ー平成のたちくらみー>

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  《第十章》  官僚のアプローチ(その1)

「始めまして。草井金男(くさいかねお)と申します、今日は宜し
くお願い申し上げます」と男は真面目くさった顔で、アヤコにペコ
ンと頭を下げる。それが、三十六才、某省庁官僚、大地主の御曹司
である彼の第一声だった。

「は、始めまして、竹田アヤコと申します」

 アヤコも上ずった声で挨拶をする。

「今時、官僚というと、悪いイメージばかりを強調されていますが、
私は※378【清廉潔白】、※379【謹厳実直】、※380【言行一致】
※381【勧善懲悪】を※382【金科玉条】としておりますので、ど
うかご理解いただきたいと思います」

 彼は相変わらず無表情のまま、そう念を押した。ぼそぼそとして、
抑揚のない、こもった声がちょっと聞き取りにくい。ううん、早く
も肩が凝ってきた。いったいこれから、どうなるのかしら。


(つづく)


【四字熟語解説】

378清廉潔白(せいれんけっぱく)

 心が清らかで、私欲がなく、後ろ暗いことが一切ないさま。
 この小説を書いた頃(十年ほど前か)はまだ現在のようにぞろぞろ
とスキャンダルが出て来ていたわけではなく、(一部の高級官僚によ
る収賄などが問題になっていた)、よもや日本の役人がここまで腐っ
ているとは思わなかったが、税金で身を立てる立場になるとどこかで
『お上』という傲慢な気持ちが生まれてくるんだろうなあ。
 しかし、税金でタクシーに乗り、揚げ句の果てに金品を要求するな
んて、セコいね。
 彼等には税金を上げるという発想はあっても、節約したり、もらう
金を削ったりする発想は微塵もないんだろうね。


379謹厳実直(きんげんじっちょく)

 つつしみ深く、控え目でまじめなさま。
 融通が利かず、あまり気の利いた冗談も言わないかわりに、まじめ
で誠実、悪いことは一切やらない、という人物の形容に用いられる。
 役人というのは見ていてあまり楽しそうな仕事とは思えないが(安
定はしているが)、必要なことをきちんと処理してくれる、という意
味で、このような人物には向いていると言えよう。


380言行一致(げんこういっち)

 読んで字のごとく、言っていることと、やっていることが一致して、
一切矛盾がないこと。
 考えてみれば人として当たり前のことなのだが、常にそれを実行し
続けるというのはなかなか難しいことである。
 その時は嘘をつくつもりがなくても、状況が変わったり、諸般の事
情でできなくなることはいくらでもあることだからである。
 余計なことは言わなければ一番良いのだが、つい人間、希望と実際
できることとごっちゃにして話してしまうので、このような事態に
陥ってしまう。
 かくなる状況においてよく用いられる四字熟語が『臨機応変』と
いうことになるわけである。


381勧善懲悪(かんぜんちょうあく)

 善を勧め、悪を懲らしめる。
 ということで、善良な行動や人物を奨励して、悪人を徹底的に懲らし
めること。
 ものを善と悪とに分けて、悪を善が徹底的にやっつける、というやり
かたは特に子供の領域(アニメとか特撮物など)ではごく一般的だが
(子供のうちから悪が善を滅ぼしてしまうようなストーリーをみせてし
まうと、倫理観、道徳観が養われないんだろうなあ)、大人になって考
察してみると、このように分かりやすい世界というのは滅多にないこと
に気が付く。
 例えば戦争をするにしても、双方ともに言い分があり、どちらも自分
の方が正しいと思っている。
 世界征服をたくらむ悪(自分が悪いと認識している)の組織など歴史
上存在したことがなく、必ずそこにはなにか言い分があるはずなのであ
る。
 しかし、さらに深く考えてみると彼等は世界征服を成し遂げた後、何
を目指そうというのだろう(多分、達成できないというのが前提でスト
ーリーが作られているので、何も考えていないと思われる)。
 悪にとって栄光の結末というのはどういうものなんだろうか。
 理念通り、裏切りや悪が日常化した世界で、秩序を作り上げ、運営す
るのはなかなか難しいと思うのだが……


382金科玉条(きんかぎょくじょう)

 黄金(金)や珠玉(玉)のように善美を尽くした法律や規則のこと。
 転じて、人が行動する上で絶対的な規範として存在する規則や法律のこ
と。
 現在では自分の主張や立場を支えるために絶対的なよりどころとなる信
条や教訓などに使われる場合が多い。
 また、常に一つのことを振りかざし、融通の利かない人に対して否定的
に用いられる場合もある。
 ある一つの信条を規範として行動や発言を組み立てると、一本筋が通っ
て、ブレがないため、会社の社是や社訓(金科玉条)として大きく掲げて
いる所も多い。
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メルマガ発行者:玉木 義大(たまき みちひろ) 
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