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500以上の四字熟語を文中に挿入した、四字熟語てんこもり小説。お見合い経験約五十回の筆者が綿密な(?)取材と、実体験を元にして書いた奇想天外、前代未聞のドタバタお見合い恋愛物語。

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2008/04/09

【如是我聞】【張三李四】<四字熟語物語ー平成のたちくらみー>

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  《第九章》  アサミクレヨの過去(その8)


「ところで、お前、クレヨはどうだ?」

「アサミさんのことか。どうだって、どういう意味だよ?」

「実はな、どうも、あいつお前の事が気に入ったらしいんだ。それ
で、どうも悩んだり、ふさぎ込んだりしているらしいんだ」

「な、なんだって!」

 ヒロキは口にしたコーヒーを一気に吹き出しながら、そう叫ぶの
だった。

「あのな、お前、びっくりするのはいいけど、人の顔にコーヒーを
吹き掛けるのはやめろ。この服、安月給で、やっと買ってもらった
んだぞ」

 ユタカはおしぼりで顔を拭いながら、憮然とした表情で言うの
だった。

「す、すまん。そりゃ本当なのか?」とヒロキはまだ信じられな
い。

「※348【如是我聞】」

「い、一体誰から聞いたんだ?」

「この間、機会があって、あいつの妹の(李り四よ)[李四を使っ
た四字熟語に朝三李四(ちょうさんりし)がある、本当は※349
【張三李四】が正しい。ごくありふれた人、名も知れぬ人々、平凡
な人のたとえ]に会ったんだ。それで、話を聞いて……」

「だけど、そりゃ、何かの間違いじゃないのか?」とヒロキは答え
る。彼にはユタカの言ったことが、即座には信じられなかったのだ。



(つづく)


【四字熟語解説】

348如是我聞(にょぜがもん)

 仏典の冒頭に置かれる言葉で、「わたしはこのように聞きました」
という意味。
 それが仏の説であるということを表すために、釈迦が弟子の阿難
(あなん)に経典の冒頭に付けさせたといわれている。
 大変限定的に使われる四字熟語で、普通、『僕はそう聞いたよ』な
どという軽いノリで会話に入ってくる言葉ではないのだが、ストーリ
ーの流れからはまず使われる状況が生まれてこないため、このような
使い方をしてみた。
 この熟語を小説の中で実際に使った作家は平成以降、まずほとんど
おるまい。
 などと自慢をしてみたりして……


349張三李四(ちょうさんりし)

 張家の三男、李家の四男という意味で、どこにでもいるありふれた
人のこと。
 張も李も中国ではごくありふれた姓で、(日本でいえば鈴木さんと
佐藤さんというところかな)そこらへんにゴマンといる平凡な人々の
たとえ。
 日本の落語の『ハさん、熊さん(ありふれているかどうかは疑問だ
が)』の意味。
 これも日常会話で使うのは至難の技の四字熟語で、筆者の苦労が分
かってもらえれば幸いである。
 ただ用例としては使えませんのであしからず。
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メルマガ発行者:玉木 義大(たまき みちひろ) 
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