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新試験制度移行後の中小企業診断士試験【第2次試験】の過去問題を中心に、各設問に対するアプローチの仕方を今までの学習で得たノウハウを活用して詳細に解説していくメールマガジンです。

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2008/01/07

診断士2次試験突破のノウハウ[第86号]

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       中小企業診断士【第2次試験突破のノウハウ】

             第86号(2008/01/06)

     [発行者]経済産業省登録 中小企業診断士 相楽昌利

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当メルマガと連動する形で「事例構造化」資料を作成し、ホームページに掲載
しております。ここでの分析・解説の参考資料としてご覧ください。

※ホームページ http://www.geocities.jp/lazybird_jp/
 「事例構造化資料」の「平成15年度」から「事例IV」のリンクをクリック
 してください。


前回は「平成15年度:事例 III」の第4問の分析を行いました。

合格者の再現解答との比較を行ってみたところ、最も頻繁に登場しているキー
ワードは「リピーター」と「顧客情報(顧客データベース)」でした。設問文
で「どのような情報システムを構築し〜」に対応するのが、それらのキーワー
ドではないかと思われます。C社がシステムを構築する最も重要な目的は「リ
ピーターの増加」なんですね。与件文にもそのように書かれています。当メル
マガの参考解答には入れていませんでした。付加価値の向上だけでは今一歩と
いったところでしたね。

それでは、これまでと同様にまずは「平成15年度:事例IV」の与件文の構成、
および事例テーマの導出から始めます。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃                                 ┃
┃ 平成15年度 事例IV(財務戦略)                ┃
┃                                 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

【与件文の構成】───────────────────────────

平成15年度の財務戦略事例の与件文は大きく分けると以下のような構成にな
っていると考えられます。問題文を参照して確認してみてください。

 1.事業概要(事業内容、取引先、資産状況)
 2.経営環境(内部/外部)
 3.従業員構成と人事政策
 4.機械設備の状況
 5.原価管理の状況
 6.情報システムと取引金融機関の姿勢
 7.経営課題(経営改善計画の策定)
 8.B/S、P/L、製造原価報告書

まず、1.の部分でD社の事業内容(業種、業態)や取引先、そしてなぜか所
有している土地に関する記述もあります。なにやら坪数まで書いてあるところ
が意味ありげな感じですが...

次の2.でD社の経営環境が説明されています。いわゆる量産品は海外で特殊
品は国内でという流れと、D社の強み(小ロット/短納期対応の技術力)や弱
み(X社に対する交渉力や営業利益の赤字体質)が記述されています。

3.では経営者の交代、従業員の高齢化やD社の人事政策について触れられて
います。この段落を読む限り、人事については現在の社長がなかなか手を出せ
ない領域であることが窺えますね。新規採用が行われていない点も気になりま
す。

4.は現在の設備状況について書かれており、現在の設備が時代遅れとなって
いることがわかります。製造業を営んでいるD社としては、付加価値の低下を
招く大きな欠点と言っても良いのではないでしょうか。

5.では現在の原価管理の状況が書かれています。直接材料費と加工費の原価
見積はあらかじめ設定されたテーブルから算出しているようですが、肝心の実
績コスト(実際原価)が把握出来ていないため、受注案件ごとの収益性が不明
確となっているようです。

6.はD社に導入されている情報システムと取引のある金融機関の姿勢の変化
が書かれています。「融資先の選別」というキーワードがありますね。安定的
な返済能力、つまりは短期・長期の財務安全性を以前にも増して重視してきて
いると言うふうに捉えられます。

7.はD社の課題として「営業赤字からの脱却」とそのための「新設備導入に
よる付加価値の向上」が書かれており、事例の方向性がまとめられた形で締め
くくられています。

8.は設問の一部となっており、これについては後ほど触れていきたいと思い
ます。

ちなみに各設問と上記に挙げた与件文の区切りとの関連性を考えてみます。

 ┏━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 ┃設問        ┃関連すると思われる与件文の区切り     ┃
 ┣━━━━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
 ┃設問内容                            ┃
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
 ┌──────────┬─────────────────────┐
 │第1問       │2./3./4./5./6./8.    │
 ├──────────┴─────────────────────┤
 │経営分析(事業継続上、緊急度の経営指標)            │
 └────────────────────────────────┘
 ┌──────────┬─────────────────────┐
 │第2問(設問1)  │8.                   │
 ├──────────┴─────────────────────┤
 │変動費率と固定費の算出                     │
 └────────────────────────────────┘
 ┌──────────┬─────────────────────┐
 │第2問(設問2)  │8.                   │
 ├──────────┴─────────────────────┤
 │(a)損益分岐点売上高                     │
 │(b)収益構造上の問題点と解決策                │
 └────────────────────────────────┘
 ┌──────────┬─────────────────────┐
 │第3問(設問1)  │5.                   │
 ├──────────┴─────────────────────┤
 │採用すべき原価計算の種類とその計算方法             │
 └────────────────────────────────┘
 ┌──────────┬─────────────────────┐
 │第3問(設問2)  │5./6.                │
 ├──────────┴─────────────────────┤
 │(1) 既存システムのデータの原価計算への活用           │
 │(2) 追加すべき情報システムおよびデータ             │
 └────────────────────────────────┘
 ┌──────────┬─────────────────────┐
 │第4問(設問1)  │                     │
 ├──────────┴─────────────────────┤
 │経営改善計画のキャッシュフロー算出               │
 └────────────────────────────────┘
 ┌──────────┬─────────────────────┐
 │第4問(設問2)  │                     │
 ├──────────┴─────────────────────┤
 │経営改善計画に対するアドバイス                 │
 └────────────────────────────────┘

事例IVの特徴でもあるのですが、経営分析の設問以外は与件文との関連が他の
事例と比較して薄く、特に第4問の設問1などは設問文だけ読めば解答が可能
となっています。

もちろん他の事例でも一般論的な解答を求められる場合もありますが、それで
も一応は事例企業の事情を考慮して解答を記述しますので、その辺りが事例IV
は他の事例と毛色が違うと言われる所以ではないでしょうか。

平成14年度の事例IVとの違いとしては、為替リスクに関する設問などの突拍
子もない問題が無いという点が挙げられます。問題をパッと見た瞬間の受験者
の気持ちとしては安心感のある問題と言えそうです。

代わりにCVP分析や原価計算など管理会計の王道的問題が多くなっているの
が傾向の変化点と言えるのかも知れません。

【事例テーマ】────────────────────────────

「事例構造化」資料のタイトルには以下のようにテーマを記述しました。

 「付加価値向上のための設備投資による競争力強化とP/L改善による経
  営の安定化を目指す板金加工メーカー」

テーマ導出のプロセスですが、今回の事例企業D社の最重要課題である

 「営業利益の黒字化」

を可能とするための

 「付加価値向上のための設備投資」

を最初に持ってきてみました。営業赤字の企業にとって設備投資の実現性はど
うなのか、といった疑問もありますが、建坪の3倍近い広さのある土地に目を
付けています。実際、設問4では土地の売却を前提とした設備投資計画が策定
されていますしね。

近年の受注価格低下や受注量減少は、海外との競争力低下や設備老朽化による
D社自身の技術力低下にも一因があると考えられるため、生き残るためには設
備の高度化は避けられない課題であると考えています。

また、金融機関の選別から振り落とされないようにとの思いも込めて

 「P/L改善による経営の安定化」

を入れました。この中身としては

 ・製造コストの適正化(特に人件費)
 ・原価管理の強化

などが、与件文から想定できます。この辺りは設問1の経営分析で再度検討し
てみたいと思います。

内容としてはここ数年、中小企業白書でも重要テーマとして掲げられている「
企業再生」的なものとなっているようですね。過去の白書を見てみると、20
03年版に記載の「平成14年に講じた施策」として中小企業再生支援協議会
の設置が挙げられています。結構タイムリーな事例だったんですね。

───────────────────────────────────

今回はここまでとさせていただきます。
次回は「平成15年度:事例IV」の第1問から分析します。

→ 次回の予定は【2月3日(日)】です。

**** 編集後記 ********************************************************

 明けましておめでとうございます。久々の発行となります。前回の発行か
 ら半年近く経ってしまい、この間に1次試験、2次試験そして口述試験ま
 で行われ、本年度の最終合格者も発表されています。今回も約800名の
 方が診断士の仲間入りを果たされたようです。おめでとうございます。こ
 の後はお楽しみの実務補習が待っています。仕事との兼ね合いでスケジュ
 ール的に厳しいと思いますが、終了後の充実感が得られることに加え、貴
 重な仲間にめぐり合える機会でもありますので、是非頑張ってください。
 当メルマガの発行は仕事の関係でしばらくこんなペースとなってしまいそ
 うです。申し訳ありませんが、バックナンバーがメルマガサイト上に約3
 年分ありますので、これから学習される方はそちらも読んでみてください。

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よろしくお願いします。

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