2007/01/06
診断士2次試験突破のノウハウ[第81号]
■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■ 中小企業診断士【第2次試験突破のノウハウ】 第81号(2007/01/06) ■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■ ※このメルマガは御使用のメーラーの設定を「等幅フォント(MS ゴシック など)」にしてご覧ください。(MS Pゴシック等のプロポーショナルフ ォントではレイアウトが崩れ見づらくなります) ご講読いただきましてありがとうございます。 このメールマガジンでは、新試験制度移行後の中小企業診断士【第2次試験】 の過去問題を中心に、解答作成のプロセスを詳細に解説していきます。 ※バックナンバーはこちらからご覧ください。 → http://blog.mag2.com/m/log/0000147650/ +─────────────────────────────────+ | ★☆ お 知 ら せ ☆★ | +─────────────────────────────────+ 当メルマガと連動する形で「事例構造化」資料を作成し、ホームページに掲載 しております。ここでの分析・解説の参考資料としてご覧ください。 ※ホームページ http://www.geocities.jp/lazybird_jp/ 「事例構造化資料」の「平成15年度」から「事例 III」のリンクをクリッ クしてください。 前回は「平成15年度:事例 III」の第1問(設問1)の分析を行いました。 合格者の再現解答との比較を行ってみました。まず事業機会については、消費 者ニーズの多様化や高付加価値品の需要増加といった視点からの解答が多いよ うです。サイズや形状への細かい要求や足へのフィット感など与件文の顧客か らのクレームに関する記述から引用したキーワードを使用している方が多く見 受けられました。一方、強みや弱みは内容に多少のバラつきが見られます。し かし、そうは言っても強み/弱みともに必ず書かれているものが1つずつある んですね。強みでは自動測定装置が、弱みでは価格・納期が必ずと言っていい ほど挙げられています。合格者の答案の方向性は概ね同じ、ということを裏付 ける結果と言えそうです。まぁ上記の強み/弱みはほとんどの受験者が書いた のではないかと思われるほど、与件文に明確に記述されていますので、さすが に合格者がこれらを外すということは無いんでしょうけどね。 それでは、「平成15年度:事例 III」の第1問(設問2)の分析を始めます。 <<<<<<<<<< 分 析・解 説 >>>>>>>>>> ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃ ┃ ┃ 平成15年度 事例 III(生産・技術戦略) ┃ ┃ ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 【第1問(設問2)】///////////////////////// Z社に対する競争優位の構築という観点から、C社の今後とるべき方策を(a )欄に、その理由を(b)欄にそれぞれ80字以内で簡潔に説明せよ。 /////////////////////////////////// 【題意の把握】──────────────────────────── 前回の第1問(設問1)との関連性が強い設問です。前回がSWOT分析を行 わせる設問でしたので、その結果を受けて戦略を策定しましょうという流れを 作っているようです。 解答として記述すべきことは明確です。 「C社の今後とるべき方策とその理由」 要はC社がこれからどういった戦略(戦略ドメイン)を選択していくべきなの か、ということと、なぜそれを「選択すべき」なのか、あるいはなぜそれが「 選択できる」のかといったことを書いていけば良さそうです。 ただし、今回の設問もやはり制約がかかっています。 「Z社に対する競争優位の構築という観点」 という部分がそれにあたります。したがって解答として記述する内容が、Z社 を意識したものとなっていなければ得点は期待できないと考えたほうが良さそ うです。 前回の設問でZ社との比較に基づいたSWOT分析を行いましたから、その結 果を利用すればおのずと解答は導けそうです。が、そうは言っても与件文の確 認をしないわけにはいきませんので、次の【与件文との関連】では与件文を再 確認しつつ、前回の内容も参考にしながら検討していきたいと思います。 【与件文との関連】────────────────────────── まずは今後C社がとるべき方策を考えてみます。と行きたいところですが、と るべき方策とその理由は切り離して検討できるものでは無いと思われますので、 ここでは同時並行的に考えていくスタイルをとってみようと思います。 また、上記の【題意の把握】にも書きましたが 「今後とるべき方策 = 今後の戦略ドメイン」 として「誰に、何を、どのように」といった観点で解答を検討していきたいと 思います。先にフレームワークありきで検討するのはちょっと危険な気もしま すが... ということで、まずは「誰に」から。これは既に明確になっていますね。第1 問(設問1)の問題文にもあるように 「靴に足を合わせるのではなく、足に靴を合わせる」 というニーズを持つ消費者が該当すると思われます。なぜなら、今回の設問文 にもあるとおり、近年の消費者ニーズは大きく変化しており、オーダーメイド 紳士靴市場の成長が期待できるためです。 次に「何を」を考えていきます。 「一人ひとりの足にフィットする付加価値の高い紳士靴」 こちらについてはC社顧客からのクレームをもとに考えてみました。与件文に 記述されている2つのクレームは、どちらも靴に「こだわり」があるからこそ 発せられるものであると思われます。 それらのクレームを店頭でのヒアリングや製造工程などに反映させていくこと で、顧客にとってより付加価値の高い商品となるのではないでしょうか。 一方のZ社では、そもそも顧客が細かな要求を伝えること自体が困難な販売の 仕組みを採っているため、クレームもあまり発生しないと思われます。 となると、C社の方がより消費者の声を聞く機会が多いということになり、Z 社に対する大きなアドバンテージがあると考えられそうです。 最後は「どのように」を考えてみたいと思いますが、ここではC社の強みを中 心に挙げてみます。 ・製靴ノウハウを活かした独自の計測装置 ・店頭での詳細なニーズ聞き取りとフィット感のチェック ・熟練の製靴技術 最初の2つは前回の設問でC社の「強み」として挙げた項目です。1つ目の計 測装置についてはC社の独占的なノウハウとなっており、Z社に対する大きな 競争優位性といえそうです。 2つ目の店頭での顧客とのやり取りについてもZ社は現在実施しておらず、自 社の商品を購入する顧客の顔が全く見えていない状況にあると言っても過言で はありません。この点についてもC社が有利と考えられます。 3つ目の項目については、与件文に繰り返し出てくる 「熟練技能者」 というキーワードをもとに挙げています。リストラ後に残った熟練技能者6名 が与件文中に3回登場しており、出題者の何らかの意図を感じたため挙げてお きました。 一方、Z社を紹介する文面には「ブランド力」は書いてあるのですが、技術力 については特に書かれていません。したがって、C社の「熟練技能」はZ社に 対して競争優位性があると考えました。 また、C社の最重要目標として与件文に書かれている 「リピーターの増加」 も今後とるべき方策の一つとして強く意識したほうが良さそうな気がします。 リピーターの増加を含める理由としては、与件文の6段落目にある 「年間10,000足程度の安定した受注を確保したい」 という経営者の考えがあるためです。C社の経営者は多店舗化も視野に入れて おり、リピーターの増加はC社の安定成長には欠かせないキーワードと言えそ うです。 【使用可能なキーワード】─────────────────────── ここまでの検討内容を整理しながら、解答作成に使えそうなキーワードを抽出 してみます。 【今後とるべき方策】 ・足へのフィット感を重視する消費者 ・顧客ニーズを踏まえた高付加価値な紳士靴 ・リピーターの増加 【その理由】 ・オーダーメイド紳士靴市場の成長(靴へのこだわりのニーズの高まり) ・製靴ノウハウを活かした独自の計測装置 ・詳細なニーズ聞き取りとフィット感のチェックを店頭で行える ・熟練の製靴技術 といったところでしょうか。【与件文との関連】で戦略ドメインの「どのよう に」の箇所で検討した内容が、今後とるべき方策の【その理由】に入ってるの が気になりますが... 「どのように」の箇所で挙げた内容が、Z社に対する競争優位性に関するもの となっていたのが良くなかったのかも知れません。 それと【その理由】に挙げた内容は、前回の設問でC社の強みとして挙げたも のが多くなっており、今回の解答にそれらを含めると解答内容に重複感が出て しまう恐れがあります。 それを回避することと、今回の設問では「Z社に対する競争優位の構築」を解 答に含める必要があるため、 「C社の強み = Z社に対するVRIO」 であることを証明するような内容の解答のほうが、より高得点を得ることがで きるのではないかと考えられます。 したがって、上記で挙げた【その理由】の内容をそのまま解答に書くのではな く、VRIO分析を通した結果に落として書いたほうがいいかも知れません。 【文章構成の設計】────────────────────────── 今回の設問は【今後とるべき方策】と【その理由】が共に80字という解答ス ペースが与えられていますので、それほど要約に時間を掛けなくとも言いたい ことを収めることができそうです。 まず【今後とるべき方策】については 「今後は〜」 で書き始め、 「○○に対し、××を△△によって提供する」 のようにまとめれば良いのではないでしょうか。もしくは「△△(どのように )」は【その理由】に入れてもしまったほうが良いのかも知れません。 一方【その理由】については 「理由は〜」 で書き始め、 「〜が可能である」 「〜する必要がある」 といった理由を箇条書き形式にするか、もしくは 「理由は、1)〜、2)〜、3)〜により競争優位性の構築が可能なため」 のように文末を締める形式でも良いのではないでしょうか。 最後に自身の再現解答を振り返っておきたいと思います。記述内容を要約して みました。 【今後とるべき方策】 ・コンサルティングセールスの実施 ・細かい要求やニーズに対する提案やアドバイスによる差別化 【その理由】 ・Z社のインターネットによる販売における顧客の不満点 ・顧客の不満点を解消することによる顧客満足度の向上 これはヒドイ内容です。かなり恥ずかしいですが敢えて書いてみました。前回 の設問との関連をまったく無視した内容である、ということが改めてわかりま した。この内容ではほとんど点数はもらえなかったと思われます。 おそらく、この年の本試験の直前の受験校での受講内容が大きく影響している ような気がします。要するに、与件文を無視して勝手な思い込みで解答を書い てしました、ということです。 「参考解答」============================= (a) 今後の方策は、足へのフィット感を重視する消費者に対し、顧客ニーズを踏ま えた高付加価値な紳士靴を提供し、リピーターの増加と多店舗展開による安定 成長とすべきである。 (b) 理由は、独自の計測装置による正確な足の計測値、および店頭での詳細なニー ズの聞き取り結果を、熟練の製靴技術と組み合わせることでZ社製品との差別 化が可能なためである。 =================================== ちょっといろいろ考えすぎかも知れませんね。しかし、第1問(設問1)での 結果をそのまま反映すれば良いというものでもなさそうなので、思考プロセス が紆余曲折してしまった感があります。あまりうまく整理できていないという か...【その理由】についてはZ社が模倣しにくい点を中心に挙げてみまし た。 今回はここまでとさせていただきます。 次回は本年度の第2次筆記本試験へどう対応したのかについて、および口述試 験での質問内容などを書いてみたいと思います。 次々回は「平成15年度:事例 III」の第2問から分析します。 → 次回の予定は【1月14日(日)】です。 **** 編集後記 ******************************************************** 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。 またまた1ヶ月ぶりの配信となってしまいました。2次筆記の合格発表の あとは口述対策や年末年始のイベントごとなど慌しく過ごしていました。 そして今年は2月/3月の実務補習を終えることで、いよいよ診断士とし てのスタートを切ることになります。資格試験にはとりあえず合格できま したが、どう活用していくか、どのくらい企業に貢献できるのかは自分次 第ということになります。自身の得意分野の拡充やコンサルティング能力 の向上など、合格バンザイと喜んでばかりはいられません。これからも今 まで以上に精進が必要であると感じています。来月の実務補習が今から楽 しみです。仕事との両立が大変そうですが...もし読者の方でご一緒す る場合は是非ともよろしくお願いします。 ********************************************************************** ─────────────────────────────────── このメールマガジンに対するご意見・ご感想などありましたらゲストブックに 書き込んでください。 http://www.geocities.jp/lazybird_jp/ (上記ホームページから「ゲストブックにログイン」をクリック) 意見交換や知識交換の場になれば幸いです。 よろしくお願いします。 ───────────────────────────────────


