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新試験制度移行後の中小企業診断士試験【第2次試験】の過去問題を中心に、各設問に対するアプローチの仕方を今までの学習で得たノウハウを活用して詳細に解説していくメールマガジンです。

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2006/06/03

診断士2次試験突破のノウハウ[第72号]

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       中小企業診断士【第2次試験突破のノウハウ】

             第72号(2006/06/03)

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しております。ここでの分析・解説の参考資料としてご覧ください。

※ホームページ http://www.geocities.jp/lazybird_jp/
 「事例構造化資料」の「平成15年度」から「事例II」のリンクをクリック
 してください。


前回は「平成15年度:事例II」の与件文の構成の分析、および事例テーマの
導出を行いました。

平成13、14年度に続き、またもやブランド戦略を中心とした事例となって
います。中小企業のブランド戦略の重要性を認識させる目的があるのかも知れ
ません。与件文の分量は、多いと感じた平成14年度とほぼ同程度となってい
ます。平成14年度で頻繁に出てきた「Mシェフ」のごとく登場する「イカ味
揚げせんべい」。B社のブランドで売っちゃえば良いのに、なんて思ったりも
しますが...そんなことするとTコンビニに怒られるのかな?それと今回の
事例で特徴的なのが「社長の夢」というキーワードです。これまであまり使わ
れなかったキーワードですね。その夢をぜひとも叶えることが出来るような提
案を解答に盛り込んでいきたいものです。

それでは、「平成15年度:事例II」の第1問の分析を始めます。

<<<<<<<<<<    分 析・解 説    >>>>>>>>>>

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃                                 ┃
┃ 平成15年度 事例II(マーケティング・流通戦略)        ┃
┃                                 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

【第1問】//////////////////////////////

 Tコンビニとの取引を開始してから約1年後に大手X社、準大手Y社が同様
の商品に参入し、B社の商品と競合することになった。それにもかかわらず、
B社は棚を維持することができた。
 これはTコンビニ本部の判断によるものであるが、なぜそのような判断をし
たのか。100字以内で述べよ。

///////////////////////////////////

【題意の把握】────────────────────────────

設問文の前半部分については与件文にも同様の記述があるにもかかわらず、同
じような記述を繰り返しており、何かしらの意図があるのではないかと思われ
ます。どうも大手X社、準大手Y社とB社との比較をさせたいのではないか、
とも取れますね。

与件文との関連で取り上げるべきなのかもしれませんが、一先ずTコンビニと
の取引の経緯を時系列で見てみます。

 [Tコンビニとの取引開始] ────┐
       │            │
       │            │
     約1年間          │
       │            │
       ↓
 [大手X社、準大手Y社が参入]  約2年間
       │           ~~~~~~~~
       │            │
    次の一手となる         │
   新商品の開発要求        │
       │            │
       ↓            │
 [Tコンビニとの取引契約終了] ──┘

新商品の開発要求があってから契約終了までの期間がどの程度だったのかにつ
いては与件文からは読み取れません。しかし、大手企業の参入があったにもか
かわらず1年もの間、Tコンビニの棚を「中小企業」であるB社が確保できた
ことは確かです。

取引条件が厳しいと評判のTコンビニに「なぜ」B社は納入し続けることがで
きたのか、しかも競争相手は大手、準大手の企業である。この「なぜ」に対す
る答えを求められているようです。

今回の場合、2つの視点からこの「なぜ」を考えることができるのではないか、
と考えています。

 1.なぜ、B社はTコンビニから選ばれ続けたのか
 2.なぜ、TコンビニはB社を選び続けたのか

同じことを言っているように思われてしまうかもしれませんが、この2つは微
妙に違うという認識を持っています。

具体的には、1.については

 B社は大手X社や準大手Y社とどのように差別化されているのか

という視点で、2.については

 TコンビニはB社との取引においてどのようなメリットがあったのか

という視点です。B社が差別化された商品を持っていること自体がTコンビに
とってのメリット、と言えばそれまでなのかも知れませんが、Tコンビニにと
って取引先が大手や準大手の企業ではなく、中小企業であるB社のほうが都合
が良いこともあったのではないか、というのが2.の視点です。

と、ここまでは勝手な憶測なのでこれら与件文との関連を見ていくわけですが、
上記の視点を意識しつつ、今回の設問の題意である

 「TコンビニがB社との取引継続を判断した項目とその判断基準」

を考えていきたいと思います。

【与件文との関連】──────────────────────────

上記の【題意の把握】で挙げた2つの視点を意識しながら、与件文から関連の
ありそうな箇所を抽出してみたいと思います。

まず、1つ目のB社が差別化されている点ですが、与件文前半の

 「それまで類似の商品があったが、B社が過去の経験を生かして独自に改良
  したもの」

 「イカの味が良く感じられるもので、食べた人からは好評を博していた」

といった記述から、B社の「イカ味揚げせんべい」の商品力を窺い知ることが
できます。いわゆる強力な「独自性」を持った商品の開発、あるいは改良のノ
ウハウそのものによって、X社やY社と差別化されていたと考えられます。

また、独自の改良による味の良さから、Tコンビニの設定した売上数量のハー
ドルをクリアできた点も与件文には記述されています。

次に、2つ目のTコンビニのメリットという視点については

 「B社は企業規模でも、営業力でもX社、Y社に劣っている」

といった与件文の記述からB社とTコンビニとのパワーバランスが推測できま
す。B社には「イカ味揚げせんべい」という独自の商品はありますが、力関係
ではTコンビニが優位に立っていたと考えられます。

そのあたりを匂わせる記述が与件文の2ページ目中盤からの

 「取引条件が厳しく、普通の煎餅メーカーではなかなか納入しにくい〜」

の段落にあります。この段落の中で

 「10日目の売上数量のハードルをクリアするまでは、気が気ではなく」

 「パートを多数採用して業務量の増大に対応した」

など、B社がTコンビニとの取引に徐々に依存していく様子が描かれています。
TコンビニにとってB社は非常にコントロールしやすい相手だったのかもしれ
ません。これが大手企業だったらどうだったでしょうか。

要するに、Tコンビニに非常に協力的であり、かつ商品の安定的な供給に努め
た点が評価されたのではないでしょうか。

以上の2つの視点からTコンビニがB社との取引継続を判断したと考えられま
すので、この検討内容をもとに参考解答を書いてみたいと思います。

【使用可能なキーワード】───────────────────────

ここまでの検討で参考解答に使えそうなキーワードを抽出しておきます。

 ・独自の改良ノウハウ
 ・商品力
 ・売上数量の基準達成
 ・商品の安定供給

あまりキーワードらしきものは無かったですね。今回の設問は与件文の整理的
なところもありますので、あまりキーワードのようなものは使用しないほうが
無難なのかもしれません。

【文章構成の設計】──────────────────────────

設問文の「なぜそのような判断をしたのか」に対応するには

 「なぜなら〜」

と書き始めたいところですが、それはちょっとどうかと思いますので

 「理由は〜」

のような形に収めておきたいと思います。できれば「結論先出し」型の文章構
成にしたいところですが、今回は「理由はこれです」とズバリ言い切れるもの
が見つからなかったので、

 ・商品力
 ・基準値のクリア
 ・商品供給能力

などを列挙するような構成で記述していけば良いのではないでしょうか。

ここで当時の再現解答を振り返っておきたいと思います。書かれている内容を
要約すると以下のようなことが含まれていました。

 ・他社へのスイッチングコストが高いと判断
 ・厳しい取引条件をB社はクリアした
 ・大手とは言え実績の無い企業との取引を敬遠した

...これは何と言ったら良いのか...かなり思い込みの激しい解答ですね。
こういう見方もあるのかも知れませんが、出題者のロジックとはかけ離れてい
るような気がします。

B社が新商品の開発要求に応えられなかったらあっさりと契約を終了していま
すから、スイッチングコスト云々はあまり判断材料にはなっていないと思われ
ます。

「参考解答」=============================

理由は、1)独自の改良による「イカ味の揚げせんべい」が顧客から好評を博し
ていた、2)Tコンビニの設定した売上数量の基準を達成した、3)業務量の増大
に人員の増加などで対応し安定的に商品を供給できた、等である。

===================================

ほとんど「ヒネリ」の無い内容ですね。まぁ今回の設問は「提案」や「類推」
ではなく、与件文の整理ですからこんな感じにならざるを得ないのかも知れま
せん。もう少しキーワードを駆使してカッコよく書いてみたいところですが、
そこをグッとこらえてこの程度に収めておきたいと思います。

今回はここまでとさせていただきます。
次回は「平成15年度:事例II」の第2問(設問1)から分析します。

→ 次回の予定は【6月11日(日)】です。

**** 編集後記 ********************************************************

 診断士試験受験者にもなじみの深い「まちづくり三法」の一つ、都市計画
 法がこのたび改正されました。延べ床面積1万平方メートルを超える大型
 商業施設の出店可能な用途地域が「近隣商業」「商業」「準工業」の三つ
 に縮小されたようです。これまで郊外大型店の多かった「第二種住居」「
 準住居」「工業」の各用途地域に加え、都市計画規制の空白地や農地への
 立地も制限されるなど、大型商業施設の出店を成長のよりどころとしてい
 る企業にとってはかなりの痛手となりそうです。このあたりについては昨
 年の中小企業白書にも記載がありました。P.146からのコンパクトな
 まちづくりが望ましいと言った内容がそれです。確かに、郊外の大型店は
 地域の方にとっては買い物の場所として魅力があるため、中心市街地は衰
 退する一方となることは明らかですし、シャッター商店街化の問題も深刻
 です。しかし、出店地域規制をかけるだけで中心市街地に活気が戻ってく
 るとは思えません。商店街の自助努力や自治体の取り組みなど、これまで
 も努力はされていると思いますが、総合的・戦略的な施策の必要性が今後
 さらに高まるのではないでしょうか。

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