2006/10/19
得か損か?住宅ローンの期限前返済の経済的効用 □セミリタイヤ資産運用心得帖<第46回>□
◆□◆ 南山宏治の”セミリタイヤ資産運用心得帖” <第46回> ◆□◆ <得か損か?住宅ローンの期限前返済の経済的効用> 金利が上昇するというので、住宅ローンを早めに借りて、駆け込み で住宅を買おうという動きが顕在化しています。 金利上昇の読みは本当に難しいのですが、景気回復が鮮明になっ てきている現在、横ばいもしくは上昇する方向を考えておくのは賢 明だと思います。 さて、不動産価格が上昇しつつある中、住宅ローンを借りて自宅を 買おうという動きが旺盛な一方、住宅ローンを期限前に繰り上げ返 済しようという動きも活発です。 これから住宅ローンを借りようとする方は、なるべく低い金利で、長 期間借りたいはずです。 期限前返済をしようというは、これから金利が上がって返済負担が 増えたり、返済期間が延長するかもしれない?という不安がありま すから、お金が貯まったところで返済を計画するわけです。 今回の心得帖では、この住宅ローンの期限前返済の損得勘定をシ ンプルに考えていきます。 ****************** 1. 期限の利益 一種の法律用語ですが、これは、「期限が来るまで支払を待っても らえるローン借入人の権利」です。 つまり、毎月キッチリ返済を行っていれば、銀行から返済を迫られる ことはないということです。 言い換えれば、20年とか30年の間、毎月決められた金額以上に 返済する必要はないのです。 ある意味時間を味方に付けているのですから、期限前返済によって その期間を短縮した場合、その権利を放棄していることになります。 宝くじに当たって一括返済が可能にでもなれば、期限前返済も意味 があると思いますが、数万円の元本を返済しても大きな経済的利益 を享受できるかどうかは分かりません。 2. キャッシュフロー 期限前返済をするためには、住宅ローンの返済資金とは別に、その 原資を貯めておく必要があります。 通常、住宅ローン返済と並行して預貯金をしていくのは、相当の努 力が必要です。また、その預貯金は教育費やその他の出費に備え て行うものです。 期限前返済にこの原資を使うことは、家計のキャッシュフローの悪化 を招き、資金の運用もできないことになります。 住宅ローン恐怖症の方は、返済を急ぐために期限前返済をしがちな のです。ただし、住宅ローンが一部残って、預貯金ゼロになるとする と、収入が減ったり、何らかの事情でキャッシュフローが悪化した場 合、家計のクッションがなくなります。 そうなると、どこかからお金を借りないとならないわけです。気づいて みたら借り入れコストが、住宅ローンの何倍にもなっている可能性が あります。 安易な期限前返済はキャッシュフローの悪化をまねくことを念頭に 入れておいてください。 3.住宅ローン減税 一時期よりもその所得控除額が少なくなったとはいえ、次のような 住宅ローン減税制度がまだ存在しています。↓↓ http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/063.htm つまり、住宅ローンの元本の1%〜0.5%がその年の所得から引か れますから、税金も下がるというわけです。 たとえば、年2.5%で住宅ローンを借りていれば、1%が返ってくると すると、実質的に年1.5%で借りているのと同じことになります。 期限前返済をする(=元本を返済する)ということは、この減税の権 利を一部捨て、金利引下げ効果を犠牲にしているとも言えます。 減税メリットを捨てでも、期限前返済をする価値があるかどうか、よく 検討しないといけません。 ****************** このように、期限前返済は。確かに元本を減らす効果はありますが、 様々な副作用がついてきます。 安易な期限前返済は、家計のキャッシュフローを悪化させ、結果的に タイトな資金コントロールを強いられる可能性があるのです。 重要なことは、「期限前返済手数料無料」とか、「いつでも期限前返 済可能」といったうたい文句に踊らされて住宅ローンを借りるのでは なく、本当に住宅ローンを借りてまで自宅が必要か?という根本的な 問題を解決してから資金を借り入れ、返済していくべきなのです。 時として、ローンを借り入れることは、資産運用よりも知恵が必要と なる場合があるのです。 バックナンバーはこちら↓↓ http://www.grosscreate.com/kokoroe/index.html 「無料お試し相談室」はこちら↓↓ http://www.grosscreate.com/inq.aspx グロスクリエイト 南山宏治 info@grosscreate.com http://www.grosscreate.com http://ameblo.jp/to11017/ (ブログ) 【ご注意】このメール上及びリンク先の情報、記事、レポート 等はすべて、運用判断の参考となる情報提供を目的としたもの です。運用の最終決定はご自身で判断なさるようお願いいたし ます。無断転載使用を禁じます。 Copyright(C) 2004−2006 Grosscreate All Rights Reserved.


