2006/08/25
ご当地ファンドの存在意義 □セミリタイヤ資産運用心得帖<第41回>□
◆□◆ 南山宏治の”セミリタイヤ資産運用心得帖” <第41回> ◆□◆ <ご当地ファンドの存在意義> 今年の夏の甲子園は早稲田実業が優勝して幕を閉じました。 地元の栄誉と誇りにかけて優勝を狙うのですから、見るほうも 応援するほうもメチャメチャ盛り上がります。 さて、地元代表の高校野球ではありませんが、資産運用の世界 でも、地元を代表企業に投資していこうという、”ご当地ファンド (投資信託)”が注目を集めています。 地元の優良企業を応援していくのは地域経済にも貢献します。 また、業績が上がってその地域の税収も増えれば、その地域の 住人にとってもメリットがあるでしょう。 では、投資家から見た場合、これらのご当地ファンドに運用する 価値が本当にあるかどうか考えてみましょう。 *主なご当地ファンドはこちら↓↓ http://tinyurl.com/lvs3w ********* (1)ご当地ファンドの運用対象地域 ご当地といっても、上場企業が多く本社を構える都市は限られて います。 まず、東京、大阪、名古屋、福岡といった大都市を中心とした地 域が”ご当地”に該当するでしょう。 それ以外の都市では、上場会社の絶対数が少ないのです。 例えば、東京都に本社を置く上場企業は約1900社にもなります が、青森県は5社、沖縄県は6社となっています。 事実上、上場会社は大都市圏以外では少数ですから、業種や企 業規模を考えても、地元だからといって、5社や6社に集中して投 資するのはリスクが高すぎます。 時価総額の大きなトヨタ系の企業が数多くある愛知県を応援す る”味噌カツファンド”は成り立ちますが、上場企業が4社しかない 佐賀県を応援する”がばいばあちゃんファンド”なかなか成り立た ないのはお分かりになると思います。 (2)運用対象資産 ”ご当地”の企業を応援するのですから、当然それらの企業の 株式か債券だけに投資するって考えますよね。 「えっ?そうではないのですか?」 はい、実際そうではない投資信託もあるのです。 たとえば、最近設定された「沖縄ご当地ファンド」を売りとしてい る投資信託は、実際は沖縄以外の銘柄がほとんどで、おまけに スペインやギリシャの外国債券にも運用しています。(気候は似 ているかも!)↓↓ http://tinyurl.com/hny9y 運用成績の殆どの要因は、”沖縄以外”から発生しますから、 ギリシャがコケたら沖縄ファンドもコケる可能性はあるわけです。 ご当地ファンドは、とんだ”ご当地”である可能性もあります。 (3)ご当地ファンドはご当地を救わない!? ご当地の企業を応援したいという気持ちはよくわかるのですが、 その投資信託を買ったとしても、その企業の業績が上がって、 結果として、その地域が潤うかどうかはわかりません。 極端な話、株主がAさんからその投資信託に変わるだけですか ら(正確には信託銀行名義)、名義が変わっただけでは地元へ の貢献が増す保証は全くありませんよね。 結局、株主が変わろうが変わるまいが、その企業の業績が上が り、利益も増え、支払うべき法人税も増えなければ、地元に対す る経済的な貢献度がより高まるということは考えられません。 (もちろん、地元志向の安定株主が増えて、経営者は安心して 経営に徹することができるという効用は考えられます。) (4)のぞましいご当地ファンド 世界の株式や債券に投資する投資信託は、数多く設定され金融 機関の窓口を飾っています。 さらに、世界のある一定の地域に投資する投資信託も昔から存 在し、大阪証券取引所にはカントリーファンドとして上場されてい るものもあります。↓↓ http://www.ose.or.jp/stocks/st_cfkd.html したがって、日本の国内であっても、十分に分散が可能な銘柄 数が存在するある一定の地域を対象としたご当地ファンドは投 資するに値すると思います。 例えば、「東京オリンピック No.2 応援ファンド」とか「福岡オリン ピックちょっと無理かも?ファンド」とか。ご当地だけなんてセコイ こと言わないで、イベントと地域を合体させた、夢と希望のある 投資信託を作ってほしいものです。 このように、地域に貢献するような企業に投資したいと考えた場 合、投資対象をしっかり把握しておくことや、本当に地元に貢献 できる企業かどうかを自分なりに判断しなければなりません。 「貯蓄から投資へ」という流れが不可逆であるように見えますが、 どんな金融商品についても、構造や中身をしっかり検討する重 要性がますます必要になっています。 ブランドやキャッチフレーズ、外見に惑わされるのではなく、しっ かりとしたコンセプトと中身を判断することが、利回りの極大化に つながることが多いのです。 では! バックナンバーはこちら↓↓ http://www.grosscreate.com/kokoroe/index.html グロスクリエイト 南山宏治 info@grosscreate.com http://www.grosscreate.com http://ameblo.jp/to11017/ (ブログ) 【ご注意】このメール上及びリンク先の情報、記事、レポート 等はすべて、運用判断の参考となる情報提供を目的としたもの です。運用の最終決定はご自身で判断なさるようお願いいたし ます。無断転載使用を禁じます。 Copyright(C) 2004−2006 Grosscreate All Rights Reserved.


