2006/06/12
米ウォルマート・韓国から撤退 □セミリタイヤ資産運用心得帖<第36回>□
◆□◆ 南山宏治の”セミリタイヤ資産運用心得帖”◆□◆ このメルマガは、資産運用を通じて人生を成功させる みなさんへの贈り物です。 どうぞ、お楽しみください! ******** お知らせ ******** 1.「“ワイルドインベスターズ” 開業記念セミナー」 への多数のお申込み、まことにありがとうございました。 グロスクリエイト分は満員となっています。残席について はこちらへどうぞ。↓↓ http://tinyurl.com/rxx83 2.岩元貴久さんが新刊を出されます。 『仕事が嫌になった人へ Happy@Work』(PHP研究所)↓↓ http://tinyurl.com/gpnux Web2.0の時代のビジネスや人間の行動に関する本です。 よければ、ご一読下さいね。 さて、今週のメルマガです。 <米ウォルマート・韓国から撤退> 世界最大の小売業で、世界最大の売上げを誇るアメリカの ウォルマートが韓国からの撤退を決めました。 ↓↓ http://tinyurl.com/eeylc 日本では、「業績不振が原因で撤退」というトーンで報道 されています。 ところが、ウォルマート本社のアナウンスメントは、「韓 国の新世界(Shinsegae)グループに売ってあげた。」と いうようなニュアンスになっているのです。 ↓↓ http://tinyurl.com/lwkc9 ま、会社のIR(インベスターズ・リレーション=投資家向 け広報)ですから、その会社のイメージを損なう表現はあ りえません。 ですので、韓国のことを知らないアメリカ人一般投資家が このアナウンスメントを読むと、やっぱりこのように勘違 いするのではないでしょうか。 「おらが町のウォルマートは、なまら、すんげー。韓国ば ってところの商売を地元の業者に売ってあげたんだんべ」 と、アーカンソー州の住民の間ではそうなっているかもし れません。 撤退といっても、韓国での売上高は1000億円程度でし たから、全世界での売上が20兆円を超える企業にとって、 業績上のインパクトはほとんどありません。 それよりも、同社の海外進出は一部を除いて、連戦連敗で あるというインパクトのほうがより大きいのです。 さて、世界最大の小売業をもってしても、アジアでのビジ ネスが上手くいかないのはなぜか?とても興味があります よね。 同社の海外戦略が上手くいかない理由はいろいろあるでし ょうが、私はアメリカでの強烈な成功体験を、無理やり海 外に移植しようとするからではないか、と考えています。 <ウォルマートのビジネスモデル> (1)アメリカの主に農村地帯の商圏を巨大店舗でカバー。 (2)商品の一括大量仕入をおこなう。 (3)商品管理は自社システムで実施。 (4)どこの店舗でも同じ商品が、低価格で買える。 (EDLP=Every Day Law Price) アメリカでは、ゾーニングといってその地域の利用方法が 厳しく定められています。ニューヨークやロスアンゼルス の大都会ならいざ知らず、アメリカの広大な面積を占める 郊外(要するに田舎)では、そんじゃそこらにお店やさん どころか、自動販売機もありません。 (アメリカの田舎を旅したことがある方はわかると思いま す。) そのような地域では、消費者は何でも安く揃う巨大スーパ ーがあれば、当然支持されでしょう。また、人口密度も低 い場所では、小規模な小売業ではやっていくのが大変です。 そこに目をつけたのがウォルマートってわけです。 やるう!サム・ウォルトンさん。 ところが、どっこい、韓国はアメリカと同じような市場や 商圏の構造にはなっていないのです。 韓国では、人口の85%は都市部に住んでいます。特に、首 都のソウルには全人口の2割に当たる約1000万人が住んで います。私も昔一回だけ行ったことがありますが、繁華街 の雰囲気は新宿とか渋谷の趣があります。 ソウルを中心とした首都圏には全人口の半分近くが住むと いう一極集中が起きているのです。 資料1 <世界の大都市圏の人口と、その国の人口密度> ---------------------------------------------------------------- 都市圏 国 都市圏人口 集中度 人口密度 (百万人)(都市圏/全国)(全国平方km) 1. 東京 日本 36,5 28.6% 337人 2. サンパウロ ブラジル 22,7 12.3% 22人 3. ニューヨーク アメリカ 22,3 7.6% 30人 4. メキシコシティ メキシコ 22,1 21.1% 53人 5. ソウル 韓国 22,0 45.0% 493人 ---------------------------------------------------------------- 資料2 <ウォルマートのアメリカ国外の店舗数> ---------------------------------------------------------------- 1.メキシコ - 626店 2.イギリス - 269店 3.カナダ - 236店 4.ブラジル - 144店 5.ドイツ - 92店 6.プエルトリコ - 53店 7.中国 - 47店 (出典:ウィキペディア) ---------------------------------------------------------------- 何か、気がつきませんか? そう、アメリカのような人口密度の低い国では、ウォルマ ートの海外ビジネスもそこそこ上手くいっています。メキ シコ、ブラジル、カナダの店舗数は多いですよね。 ところが、人口密度の高い韓国や日本では、うまくいって いないのです。 (日本では、ウォルマートは西友と組んでいますが、パッ としません。) 言い換えれば、牛や馬に囲まれた農村地域での商売を得意 とするウォルマートが、16倍も人口密度が濃いソウルで、 すでにガッチリ消費者を掴んでキムチやホルモンを売って いる地元スーパーと、真正面から勝負を挑まないといけな いのです。 いくら、どこの店舗でも同じ商品が低価格で買えたとして も、消費者にわざわざ新しいスーパーで毎日の買い物をさ せるためには、EDLPではない仕掛けが絶対に必要になって きます。 それは? 冷麺を買えば、近所の焼肉屋さんのカルビ割引券がもらえ ることなのでしょうか? 辛ラーメンが今日だけ500ウォンで買える特価日なのでし ょうか? マグロの解体ショーなのでしょうか? いずれにせよ、 「韓国では、ウォルマートの商売のやり方は通用しなかった。」 ということです。 ビジネスも資産運用も共通点があります。継続することは 非常に重要ですが、上手くいかないときはやり方を変える 必要があるということを、世界一の会社が教えてくれてい ます。 韓国では、ウォルマートが撤退する前は、フランスのカル フールが撤退しています。日本でも、すでにカルフールは 撤退しました。それ以前にもイギリスのMarks and Spencer やアメリカのSafewayが進出しましたが、いまはカゲもカ タチもありません。 私の近所では、オオゼキ(7617)とサミットがしのぎを削 っています。 サミットは住友商事とアメリカのSafewayの合弁事業を、 今から43年前にスタートさせましたが、その一年後Safeway は日本から撤退しました。 ウォルマートは、日本で西友と組みました。 日本でシェアを取っていくには、企業文化の移入、仕入方 法の見直し、商品管理システムの変更程度の小手先作戦だ けでは、大勝負はできないと考えています。 少子高齢化を迎えた日本で、小売業がどのような戦略で消 費者を獲得していくのか、とても興味深い時代になってき ました。 では、ご質問・ご疑問がありましたら、いつでもホームペ ージの「無料お試し相談」にお越しください。 「無料お試し相談室」は、こちら↓↓ https://www.grosscreate.com/inq.aspx バックナンバーはこちら↓↓ http://www.grosscreate.com/kokoroe/index.html グロスクリエイト 南山宏治 info@grosscreate.com <http://www.grosscreate.com> 【ご注意】このメール上及びリンク先の情報、記事、レポート 等はすべて、運用判断の参考となる情報提供を目的としたもの です。運用の最終決定はご自身で判断なさるようお願いいたし ます。無断転載使用を禁じます。 Copyright(C) 2004−2006 Grosscreate All Rights Reserved.



