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2007/12/25

本物の企業価値「顧客の維持・創造」(その3)

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 ◆--- 目次 ---------------------------------------------------------◆

  〔1〕今回のテーマ:本物の企業価値「顧客の維持・創造」(その3)

  〔2〕オススメ情報:ユダヤ5000年の叡智「富と成功の秘訣」

  〔3〕編集後記  :「愚直」と「本気」

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 〔1〕今回のテーマ:本物の企業価値「顧客の維持・創造」(その3)
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  前回に引き続き、このプロジェクトのなかでのR常務の認識と言動の変化
  とそれによって生じた定性的・定量的成果の変遷を述べていきます。


  なお、これらの変化・変遷は、

  「・・・・・」:私のR常務への質問

  ”・・・・・”:R常務の返答や言葉

  の形式で記述します。


  今回は、プロジェクトの第11週から最終の第19週までをお伝えします。



   ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 



  <プロジェクト第11週>


  R常務とこれまでの認識と行動の変化を振り返る打合せを行った。


  「経営においてなぜ『意図』が必要か?経営幹部の『意図』と部長を
   含めたメンバーの行動のギャップを解消しなければいけないのは
   なぜだと考えるか?」


  ”自分としては意図を持って粛々とやっているという認識だったが、
   こんなに開きがあるとは思わなかった。

   100%にできるとは思えないが、100%に近づくような努力は
   していかないといけない。

   そこは自分の弱さかもしれない。

   できれば『いい子でいたい』というのがあるのかもしれない。

   厳しいけれど何かの縁で同じ釜の飯を食っているんだから
   言っていくしかない。

   私の意図と違うなと思った時には、その場で言っていくようにします。

   K部長なんかは、まだミスしないようにやろうとしていると感じる。

   彼にはI事業部を背負ってもらわないといけない.”


  I事業部週次進捗会を振り返る中で、


  ”今回はK部長とYグループマネジャーと『意図して何を変えようと
   しているか?』を話し合って、互いの考えを共有できた。”


  「確かにそうですね。ただ3人だけの話でとどめようとしていました。

   RさんがKさんに、部員一人ひとりまで巻き込み、共有された考えや
   想いを伝播させていこうと働きかけなかったのはなぜですか?」


  ”本音は、“大の大人”なんだから、お前達が考えて部員にやりなさいよ
   と言いたい。

   『そこまで言わんといかんのか、いい加減にしてくれ』
   という思いがある。”


  「Rさんが言わなくても部長ができるのなら構わないですが、
   できていると言えますか?」


  ”何回も言うしかない。

   私が口に出すのは彼らの為でもあるし、自分の為でもある。

   『4回同じことを言わないと人の行動は変わらない』と
   昨日言ったばかりだし・・・”



  <プロジェクト第13週>


  R事業部長の意図とK部長の行動のギャップをプロジェクト進捗報告会で
  の決定事項である7/15の期限までにどのようにして埋めていくかを
  聞いた。


  ”彼にはもう1ランク上を求めているが、気づいたらその場その場で
   愚直に言うしかない。

   彼はまだ部下に遠慮している。

   お互いの意図のギャップはないだろうが、彼の行動とのギャップがある。

   『攻めの営業』を具体的なアクションに繋げて、従来の延長上にない
   行動をK部長とYグループマネジャーがとったことにより、製品HCが
   42tから48t位になりそうな目処がついた。

   『ご苦労さん』と褒めた上で、私から見て、欠けている点を
   きちっと話そう。

   ただ、彼は言えば分かると思うので、次にどう行動を取らせるかが
   ポイント。”


  この話し合いの上で、

  (1)今週中にR事業部長のK部長への期待と現状のギャップを話し合う。

  (2)I事業部月次会議、週次進捗会、日次でのミーティングなどの場で
     R事業部長の期待していることと異なる行動を見つけた場合に、
     その場でフィードバックしていく。

  の2点を決め、(1)は当日に実施した。


  週次進捗会にI事業部2部の全員を出席させ、『行動の変化状況』と
  『目標達成状況』を議論した。


  冒頭に、

  ”来週までに私と両部長、両部長と部員の想い・意図のギャップを
   間違いなく、無くします。

   今日はそのための大事な進捗会です。

   I事業部は、他部門に比べて遅れています。”


  最後の総括では、

  ”『行動の変化状況』を今の時期にやらないといかんというのは、いかに
   遅れているかということの証拠で、非常に恥ずかしいことなのです。

   遅いけど、他部門に追いつき追い越しましょう。

   『攻めの営業』を実践しつつあるので、数字は上がり始めています。

   それで何としても3月までの業革目標を達成させましょう。”



  <プロジェクト第14週>


  週次進捗会の冒頭に、

  ”今週は、私−両部長−部員の間のギャップを解消しようという重点週間。

   この会でもギャップを解消していく場にしたい。”


  1部のZ課長から、行動の変化状況の発表を聞いた後、机を叩きながら、

  ”『しなくちゃいけない』じゃなくて、するんだよ。その辺は全然違う。

   全然スピードがないじゃないか!もう考えている時じゃないんだ!

   行動しているステージなんだ! というよりも定着しているステージに
   くるんだ!

   より強く意識・意図して『こういう行動を取り続けるんだ』ということ
   を強くイメージしろ!。”


  全員から行動変化の発表を聞いた後、

  ”まだ、職責間のギャップは埋まっていない。

   今週末までにギャップを埋めるために具体的な行動を強く取るように。”


  進捗会の最後には、

  ”今日の会議で100%ギャップがなくなった実感を私は持てていません。

   プロジェクト進捗報告会の中で決まった期限の7/15までの
   あと3日間の間でギャップを解消して欲しい。”



  <プロジェクト第15週>


  事業部日次ミーティングにおいて、N部長が出張で週次進捗会に
  出席できない件について、

  ”君の欠席は3回目になる。

   私から見ると2部は遅れているんだよ。

   出張は本当に行かないといけないのか? 完全にプレーヤーと化して
   いるじゃないか!

   もっと部下に仕事を任せて部長の仕事をしないといけない。”


  両部長に対して、

  ”ギャップ解消重点週間でやってきたが完全には埋めきれていない。

   引き続き出来ていないところはやって欲しい。”


  私との個別打合せの中で、

  「Rさんの意図とNさんの行動のギャップ解消は、どうしていきますか?」


  ”Nとは個別に『業革で君がどう変わるのか?部長としてのマネジメント
   が問われているんだぞ!』とまで話した。

   今日、Nは出張に出ているが、敢えて何か反応があるか待つ。

   反応がないようだともっと厳しくやるしかない。

   場合によっては『出張に出なくていい』『許可しない』くらいは
   言わないといけない。”


  その上で、N部長とのギャップを解消するアクションとして
  (1)売上▲5.5億円のリカバリー策を立案させ、7/22までに
  提出させることを決めた。


  ”昨日、Nからなんらかのリターンがあると思っていたが、
   なくてがっかりしている。

   『何を考えているんだ』というのが本音。

   これからすぐに電話をして、決めたことを確約させて、やらせる。

   現実を直視させることは非常に大事だと思っているし、甘えさせない
   ように対処する決意をしている。

   そこまでやりたくはなかったが、ことの重要性を分かっていないのなら
   やらざるを得ない。

   この時期にこんな状態なら、肚を括ってとことんやるしかない。”



  <プロジェクト第16週>


  月曜の早朝ミーティングで『今週のゴール』を打合せる中、

  ”本来は7/15までに達成しないといけなかったギャップ解消を
   今週中に必ずやる。

   特に2部は全体で見ても遅れており、それははっきり言っていく。

   Nに対して何回もしつこく言っていこうと思っている。

   前は『何で私がここまで言わんといかんのか』と思っていたが、
   今は全くそう思っていない。

   『4回言う』だけでなく、『何度でも』言うことに決めた。

   私が言わないと誰も言わないでしょうから。”


  週次進捗会の冒頭に、

  ”今日の会はギャップ解消のための進捗会です。

   その為に2部は全員出てもらった。

   I事業部、特に2部は業革の進行が遅れています。

   はっきり言うと先週N部長はこの週次進捗会を欠席した。

   私から厳しく『何を考えているんだ!』と言いました。

   2部は他に追いつき業革を成功させるという強い意識を持って
   やって欲しい。”



  <プロジェクト第17週>


  週次進捗会の冒頭に、

  ”元々7/15期限のギャップ解消を7/29まで延ばし、
   更に8/3まで延ばした。

   なんとしても今日ギャップ解消したということを確認したい。”


  その後、2部のN部長からのギャップ解消状況の発表を受け、

  ”前にN君とグループマネジャーD君で腹を割って話したが、
   その後ギャップが出てきたのは事実。

   そこで今回N君も相当悩んだと思うが、N君自身の結論としてD君を
   一人前にするには事前の相談、事後の報告をしっかりやって自分は机に
   居るということをやると決めたということ。

   期限通りにはならなかったが、悩んだ分だけこれから2部がいい形に
   なってくればいい。

   事業部としてギャップは一旦解消されたと思う。

   これからギャップがまた出たらスピーディーにその場で解消していくこと。

   この活動は何度も言いますが、『当たり前のことを当たり前にやること』
   です。

   これが難しいんだけど、こうすることで皆が成長するのは楽しいことだし、
   そうすることでお客さんの信頼も得られる。

   会社も活気が出てくる。

   これで終わったわけでなく、これからが大事ですからね。”


  週次進捗会を振り返るなかで、

  「9月末のゴールの

   『業革目標をクリアし、I事業部が他部門をリードしている』

   『事業部全体でスピードを持った攻めの営業が実践されている』

   ということを、熱意を持って4回繰り返されたのが、さすがだと
   思いました。」


  ”『攻めの営業』が功を奏し、数字の裏づけができつつある。

   従来の延長線上にない行動がばんばん出てきて、数字が伸びてきた。

   そういう意味で、私は、業革プロジェクトをやりやすくなっている。

   良い方向に向かっている。

   『攻めの営業』を標榜してからの具体的な取り組みの成果で、ざっくり
   粗利益で(業革目標より)1-2億は出るだろうなと思っている。

   待っていたら変わらない、動けば情報が取れる。

   K部長・Yグループマネジャーの頑張りで製品HCに関して今期52.5t、
   来期90t体制の話が出てきた。

   まさか、こんなことになるとは夢にも思っていなかったが、営業の
   アプローチを脳みそに汗を掻いて変えたのが、成果に繋がった。

   個々のメンバーからも活動のなかで、夢のある話が出てきている。

   07年までは10年をにらんで、新中期の見直しをキチンとやって
   路線をひいていきたい。”



  <プロジェクト第19週>


  週次進捗会(今回は事業部全員および大阪営業部が出席)の中で、

  ”今、一番大事なのが10月以降も業革を根付かせていくことです。

   業革を開始した時にまず身近で当たり前にやれることからやりましょう
   と5Sの整理・整頓・清掃・清潔・躾をやってきた。

   今後、東京オフィスでは各部門で5Sの徹底をやっていきたい。

   5Sは『当たり前のことを当たり前にやる』という業革の原点になります。

   業革を継続していくためには、この精神を忘れちゃいけない。

   皆さん、自分の身の回りを整理整頓して欲しい。”

  と言った後、

  ”業革目標を設定した時、みんな『こんな数字、行きっこない』と思って
   いたと思います。

   正直言って、私自身も『これは無理なんじゃないか』と最初は思って
   いました。

   しかしながら、I事業部の現状は、今のまま大きな変動や皆さんが
   安心して手抜きすることがなければ何とか目標達成可能です。

   というよりも、設定した目標よりも営業利益ベースで2億円くらい
   上回るような状況にある。

   そうすればI事業部が全社を引っ張っていくことが可能と思っています。

   私が何回も言い続けてきた『攻めの営業』の4つの切り口を実行に
   移してくれたこと。

   『スピード』を合言葉に数値のギャップの解消や、上長とメンバーとの
   意図と行動のギャップを解消してくれたこと。

   皆さんの日頃からの努力の積み重ね、小さな成功体験の積み重ねで
   何とかここまできました。

   私も、全社目標を達成させたいと心底願っていますが、その前に
   『I事業部がこけるわけにはいかない』という思いを今も強く持って
   います。

   ぜひ業革を根付かせ、全社目標をクリアしたいので、これからが正念場
   になると思いますが、この4ヶ月あまりで、無形の財産とでも呼べる
   ものが出てきたと思っています。

   一つ目は一体感。

   明らかに事業部内の壁がなくなってきた。また、衆知結集を実践し、
   2人より3人、全員で考えているから今までになかったような良い
   アイデアが出ている。

   もう一つは、達成感。

   『やればできるじゃないか』と本当に思うようになった。
   自信が出てきた。

   これは、チャレンジして、やれば『できる』という文化に繋がると思う。

   推進力は、一人ひとりの小さな成功体験の積み重ねだ。

   06年3月には業革目標を達成する。

   08年3月末には新中期計画を達成する。”



   ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 



  プロジェクトを通して、R常務の認識と言動の変化、それによって生じた
  定性的・定量的成果の変遷を見てきました。


  次回は、最終回として本シリーズの総括をしたいと思います。


  それでは、次回をお楽しみに。



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 〔2〕オススメ情報:ユダヤ5000年の叡智「富と成功の秘訣」
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 〔3〕編集後記:「愚直」と「本気」
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  昨晩、若手漫才日本一を競う「M−1グランプリ2007」の決勝戦を
  テレビで楽しみました。


  サンドウィッチマンというコンビは、優勝しただけあって、実にその漫才
  が面白かったし、なんとも言えない味わいがありました。


  それは「プロ」の味わいとでも表現したらよいかもしれません。


  「プロ」とは「プロフェッショナル」、日本語では「玄人(くろうと)」
  と訳しています。


  老子が、あらゆる妙なる働きが出てくる根源を「道(タオ)」と言い、
  それを何とか工夫を凝らして表現しようとつけた呼び方が「玄」です。


  そうすると、「プロ」とは「あらゆる妙なる働きが出てくる根源に通じて
  いる人」なのかもしれません。


  ちなみに、私は「プロ」を表現する言葉として、

   「アマチュアは何らかの外部基準をもとに上手く出来たかどうかだが、
    プロは自分の感性の下で生きているかどうか自分に問うことである。」

  というのが気に入っています。


  「プロ」と言われる人たちの、次のような言葉があります。


   「芸人狂いで身上を潰したその道楽が資本だす。」
    <吉本せい/吉本興業創業者>

   「誰か他の人のようになろうとすれば、人生の四分の三を失う」
    <ショーペンハウアー>

   「本物のプロフェッショナルなら、観客が減ったのを知っただけで
    立ち直らねばと気をおこすものだ。」
    <サミー・デイヴィス・Jr.>

   「やらされると思ったら負けや!」<不詳>

   「間窮すれば通ずるものだ。手が使えなければ足を使う。
    足が使えなければかみついても試合はできる。」
    <力道山/プロレスラー>


  これらの言葉を眺めていると、あらゆる妙なる働きが出てくる根源に
  通じるためには、どうも「愚直」と「本気」というようなものが
  鍵を握っているような気がします。


  本物の(企業)価値も、こんなところにありそうです。



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 ■発行元:RGMF(Regeneration and Growth Management Forum)
      「再生&成長マネジメント・フォーラム」
       http://rgmf2005.hp.infoseek.co.jp/

 ■発行責任者:澤 一生

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