再生と成長のマネジメント【丹田シップと経営の秘訣】  RSSを登録する

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2007/06/04

こんなモノサシでは企業価値は測れない<第2回>

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 ◆--- 目次 ---------------------------------------------------------◆

  〔1〕今回のテーマ:こんなモノサシでは企業価値は測れない<第2回>

  〔2〕オススメ情報:心理的トリガー

  〔3〕編集後記  :禁断症状の鈴の音

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  ちょいと間延びしてしまいましたが、前回の続きです。


  実際の事業部長とのやりとりをドキュメンタリータッチで描いていきます。


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 〔1〕今回のテーマ:こんなモノサシでは企業価値は測れない<第2回>
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  <プロジェクト第1週>

  ≪第1日目≫ 最初の顔合わせ。現状の課題認識と当プロジェクトで
         成し遂げたいことなどのヒアリングの実施。


  「今回のプロジェクトをHさん自身どのように位置付けていますか?
   またどのような心構えで臨んでいますか?」


  「業革の目的は、予算を達成すること。社長からもしっかりやれと
   言われた。」


  「部下の数字への執着についてどのように思いますか?決めたことを
   やり抜くということへの執着についてはどのように思いますか?」


  「数字への執着は、以前と比べたら高くなってきているとは思う。
   以前は成り行きだったですから。」


  「経験上、人に動いて貰うには何が重要だと思いますか?」


  「権限、責任を与えて、仕事をさせること。もちろん、ちゃんとやれる
   ように見ていかないといけない。」


  「このプロジェクトが終了したときに、何がどういう状態になっていたら
   いいと思いますか?その為に何をいつまでにしようと考えていますか?」

  「まず認識については?」


  「とことん客観的事実にこだわれるようになれているといい。
   思い込みとかなくして。」


  「行動については?」


  「みんなが事業についてよく考えてから行動するようになるといい。」


  「結果については?」


  「予算達成。新中期計画達成のために、何をするかは今はまだ言える状況
   じゃない。予算と新中期計画の乖離をどうするか考えることから始めな
   いといけない。」


  「このプロジェクトは、新中期計画達成のために、Hさん自身が相当行動
   を変える必要があります。相当大変ですが、やり抜く覚悟は如何ですか?」


  「やるしかないとは思っていますよ。」


  ここで、「今日のインタビューを聞いている限り、Hさんが本音で話して
  いるとは思えない。本気でやろうとしているとは聞こえない。」と言った
  ところ、

  「そんなつもりはない。別にウソを言っているわけじゃない・・・」

  と目が泳ぎ、たじろいだ。


  1時間30分を要した重要なヒアリングだったが、どうにも伝わってくる
  ものがなかった。


  言葉が上滑りしている。


  そこで、先ほど質問したことを書いたインタビューシートを渡し、
  再度各質問について再考してもらうよう依頼し、2日後に同じヒアリング
  を行った。


  ≪第3日目≫・・・第1日目に実施したヒアリングの再実施。(質問は同一)


  「今回のプロジェクトをHさん自身はどのように位置付けていますか?
   またどのような心構えで臨んでいますか?」


  「予算達成、新中期計画達成に向けてワークしていく上で、どうしても
   従来の枠から抜け出せない部分を今回の業務革進を通して抜け出し、
   ビジネスマンとして成長したい。」

   * 前回ヒアリング時には、「業革の目的は、予算を達成すること。
     社長からもしっかりやれと言われた。」と言っていた。


  「部下の数字への執着についてどのように思いますか?決めたことをやり
   抜くということへの執着についてはどのように思いますか?」


  「基本的にはあると思うが、外部環境が大きく変化していて、その対応力、
   スピードという面で不十分だった。

   事業が自分のものであるという意識を強く持つことで、本来持てるはず
   の数字への執着を強めさせたい。

   私自身もあるつもりだが、もっと強く持たないといけない。

   その為には、今回、とことん数字にこだわって、部下にも要求し続け
   ないといけないと思っている。」

   * 前回:「数字への執着は、以前と比べたら高くなってきている
         とは思う。以前は成り行きだったですから。」


  「経験上、人に動いて貰うには何が重要だと思いますか?」


  「部下を信頼して権限と責任を与え、自分で考え、決定し、実行する経験
   を積み重ねさせることが重要だと思う。

   その時に大事なのは、私自身が部下の能力を見極め、与える権限の範囲
   を決めることで、それが私の責任にもなってくる。

   そして、基本的なことを繰り返し話して、理解させることを続けないと
   いけない。

   人間は簡単には変われないし、当たり前のことをやることがなかなか
   できないから。」

   * 前回:「権限、責任を与えて、仕事をさせること。もちろん、
         ちゃんとやれるように見ていかないといけない。」


  「このプロジェクトが終了したときに、何がどういう状態になっていたら
   いいと思いますか?その為に何をいつまでにしようと考えていますか?」

  「認識については?」


  「事実にとことんこだわる姿勢を持って、仕事に望んでいる状態。それを
   部下に問い続ける、話し続けられている状態。」

   * 前回:「とことん客観的事実にこだわれるようになれているといい。
         思い込みとかなくして。」


  「行動については?」


  「よく考え、決定したことが、当たり前のようにスケジュール化され、
   目標に対して成果を上げていく動きが出ている状態。」

   * 前回:「みんなが事業についてよく考えてから行動するように
         なるといい。」


  「結果については?」


  「予算を確実に達成し、新中期計画達成への見通しが開けている状態。」

   * 前回:「予算達成。新中期計画達成のために何をするかは、今は
         まだ言える状況じゃない。予算と新中期計画の乖離を
         どうするか考えることから始めないといけない。」



  さて、事業部長との対話を披露してきたが、奇麗事をいくら言っていても、
  考えているか考えていないか、やっているかやっていないかの差が歴然と
  表れてくるのが、よくわかると思う。


  この事業部長のインタビューの後、社長に以下のようなメールを送った。


  ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

  Hさんには、『部下を失敗させてはいけない』ということを伝えました。


  これは、文字通り読むと、『失敗から学ぶ経験を通じて成長すること』を
  否定しているようにも取られかねない言葉で、よく誤解されるのですが、
  『意図して失敗させ、その経験を踏まえて成長させる』というマネジメント
  行動も包括した考えで、決して過保護的なものではありません。


  中核には「個々人のポテンシャルははかりしれない。そのポテンシャルを
  引きだし、部下を成長させることによって、自分自身も成長することがで
  きる」という信頼関係をベースにした本質的なWin-Winの考えが厳然として
  存在します。


  これを真剣に実践するためには、

  ・部下の元来持っている力を信じ抜くこと
  ・その力をフルに引き出してあげること

  の2つがマネジャーの重要な役割のひとつであり、

  ・『全員落伍させない』と決めること、また宣言すること
  ・そう信じ、決めたことに基づいて、あらゆる手段を使ってとことん
   部下に働きかけること

  その結果として、「短期的業績向上のみならず、永続的な行動変化を
  定着させ、文化をも創出する基盤となりうる」とイメージできること
  などが、マネジャーがその役割を果たすための必要条件になります。


  これは頭では理解できることですが、なかなか現実には実行できません。


  しかし、半信半疑で実行するなかで、「そういうことだったのか」と
  気づくことが多々あります。


  これから、各部門で差は出てくるでしょうが、こういうことに気づき、
  体現できてきた経営幹部が、徐々にその人にしか表せない言葉を使って、
  現場の一人ひとりに深く強い働きかけを行えるようになってきます。


  Hさんはその第一の候補者です。

  ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^


  ここからは、H氏の私とのやりとりや、事業部員、とりわけ部長に対して
  働きかけたことの抜粋を見ていただくことにする。


  毎週毎週の変化に着目していただきたい。



   ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 



  さて、ここからプロジェクトは佳境に入っていきますが、それは次回の
  お楽しみということで!



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 〔2〕オススメ情報:心理的トリガー
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  エレン・ランガー(ハーバード大の社会学者)が行った実験があります。


  その実験の内容は、図書館のコピー機の順番待ちをしている人たちの中で
  行われ、実験者が、列の前にいる被験者に、

   「コピー機を先に使わせてください」

  とお願いをするというものです。


  1番初めの実験に使われた、お願いの表現方法は、次のような内容でした。


  「すいませんが、ちょっと急いでいるので、先にコピーを取らせてもらえ
  ないでしょうか?」というものでした。


  ここでは、(急ぐものですからという)理由が、表現の中には使われており、
  この要求の仕方では、94%の承諾率を獲得する事が出来ました。


  しかし、次の実験者は理由を言わずに、「すいませんが、先にコピーさせ
  てもらっていいですか?」と要求だけをした場合、承諾率は、たったの
  60%で、大幅な減少が見られました。


  どうでしょうか?次は、更に驚くべき結果です。


  上記2つの要求で、結果に違いをつくった原因は、追加情報である
  「ちょっと急ぐものですから」が入っているかどうかだったはずです。


  しかし、それは正しい見解ではなかったのです。


  なぜなら、3回目の実験では、「すいませんが、コピーをしなくちゃなら
  ないので、先にコピーさせてもらえませんか?」という表現を使いました。


  特にここでは理由は述べられておらず、新たな情報も提示されていません。 
  要するに、ただ「 〜ので」 という言葉だけが使われている事になります。


  そして、要求をされた人の実に93%の人が、「〜ので」という言葉だけ
  に反応して承諾をしたのです!


  理由を明らかにする事さえ、とくに重要な事ではなかったのです。


  単に、「〜ので」という言葉だけが、この見事な承諾率を引き出したのです。


  この心理的『トリガー』を同じように、あなたの仕事やビジネスで応用すれば、
  成功率は大きく高まるんじゃないでしょうか。


  この話は、実は、あるレポートに書かれていたものです。


  お読みになりたい方は、下のリンクから無料で手に入れられます。

   → http://tinyurl.com/256y4g



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 〔3〕編集後記:禁断症状の鈴の音
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  3日前から禁煙(休煙が正しいか?)をはじめて、今は禁断症状が最高潮
  といったところ。


  この禁断症状でおもしろいのは、頭のテッペンから軽やかな鈴の音が
  聞こえてくることです。


  ところで、断食をした人が話してましたが、断食35日目を過ぎた頃、
  この世のすべては波長であり、今の自分は『永い魂の流れ』の一部に
  過ぎないということを知らされるらしい。


  そうして、瞑想していると、音が爽やかというか、実に心地よい音が
  たくさん聞こえてくるらしいんです。


  なんだろうと空を見上げると、青い空が広がっていて、そのブルーの色が
  『ラ』の音に近い音になって聞こえてくるという。


  この話を持ち出すのは少し気がひけますが、禁断症状の鈴の音もこんな
  感じなんですね。


  まあ、ほんとのところは、ニコチンに慣れた頭の細胞がキリキリと文句を
  言っている、そんなところかもしれません。



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 ■発行元:RGMF(Regeneration and Growth Management Forum)
      「再生&成長マネジメント・フォーラム」
       http://rgmf2005.hp.infoseek.co.jp/

 ■発行責任者:澤 一生

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