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2008/12/26

人と自然の研究所「ビオトープって何だ!」━ それぞれの冬越し ━

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                                     NO.49
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                   ■□■━━ それぞれの冬越し ━━■□■


 師走に入り、コートやダウンが欠かせないようになってきましたね。年内に
やり残したことを済ませるべく、忙しくしている方も多いことでしょう。

 それと同時に、きたる冬本番にむけて、色々な冬支度も必要になってきますね。
それは人間だけではなく、生きものにとっても同じで、冬に向けて色々と準備を
始めています。


 そもそも冬とは、一年の中で最も寒い期間。緯度の違いやその土地の標高など
で寒さは大きく変わりますが、日本では12月〜3月くらいが冬ですね。そういった
寒い時期というのは、人間も含め生きものにとっては活動がしづらく、下手を
すると命を落としかねない危険な季節でもあります。

 とはいっても、私たち人間にとっては服を着たり暖をとったりして寒さをしのぎ
ながら活動できる程度で、命に関わる問題というところまではいきません。
 しかし、生きものによってはちゃんと冬越ししなければ、次の春を迎えることが
できない場合もあります。冬をどう乗り切るかは、生きものの生き残り戦略とも
言えるんですね。
 ちゃんと春を迎えるために、生きものたちはそれぞれの方法でうまく冬を越して
います。


 では、どんな生きものがどんな冬越しをするのか、少し紹介しましょう。

 まずは、カエルやヘビ。彼ら両生・爬虫類は変温動物です。なので、気温が
下がると自らの体温も下がって省エネモードになり、冬はあまり活動ができなく
なります。そのため、冬は土中などの温度があまり下がらない場所で冬眠します。
リスなどは哺乳類で恒温動物ですが、体温を下げて冬眠します。食料の少ない冬に
備えて先に食糧を蓄えておき、たまに目覚めては食べ、冬を越すのです。

 冬眠といえばクマを想像する人も多いでしょう。しかし、クマは正確には冬眠
ではなく、長い睡眠のような「冬ごもり」をします。リスなどの冬眠と違い、
体温低下も少ししかなく、ちょっとした刺激で起きるくらいの睡眠状態なのです。
しかも、メスはこの冬ごもり中に子どもを産むという特徴があります。

 では、鳥はどうでしょうか?みなさんご存知かと思いますが、鳥には「渡り」
をするものがいます。これは、時期によって生息地を移動することで、中には
3万キロ以上を移動する渡り鳥もいます。これらの鳥が移動する主な理由が冬越し
です。寒くなると鳥たちは暖かい場所を求め南下していきます。そうすれば、
そこにはまだ餌もあり、活動に不自由しないのです。
 長距離を移動することはリスクでもありますが、そのように地球規模で自然
環境を利用するというのも、戦略の一つなのです。

 昆虫は、ライフサイクルの中で卵、幼虫、蛹、成虫といった変化をしますが、
種によって冬越しするときの状態が全く違います。ムラサキツバメ(チョウ目)
やナミテントウなどのように、成虫の状態で集団で集まって冬越しするという
昆虫もいます。

 トンボでは幼虫か卵で冬越しするものがほとんどですが、日本には3種だけ成虫
のまま冬越しをする種がおり、その中にはオツネン(越年)トンボという名前が
つけられている種もいます。冬場の体色は褐色で、枯れ草や朽木などにとまって
目立たないようにして春を待っているのです。

 かたや国境を越えて冬の寒さから逃れる鳥、かたや形を変えてエネルギーを
使わずにじっとしている昆虫。規模は違えど、それぞれに冬を越す戦略を持って
いるんですね。


 それでは、植物はどうでしょうか?
 一見、たたずんでいるだけのようですが、植物にも冬越しの仕方があります。
落葉樹は冬に葉を落とし、厚く覆われた冬芽をつけて春を待ちます。草本では、
葉を落として種子、地下茎、球根などに栄養を蓄えた状態で冬越しするものが
います。それ以外にも、タンポポのように葉を残したまま地面にべったりと広げ
た状態(ロゼット)で、地面のあたたかさを利用して冬越しする植物もあります。


 生きものの冬越しについて色々な方法を挙げていきましたが、私たち「ヒト」
は、どのような冬越しをしているでしょうか?

 基本的には前述した生きものたちとは違い、他の季節とあまり変わらないです
ね。ですが、冬用の服に衣替えしたり、暖をとるためにストーブを使ったり、
そのための灯油を買ったり、といったことはしますよね。
 一昔前を考えてみるとまた違います。今の灯油の代わりに、暖をとるための薪
や炭を作っていましたし、冷蔵庫がないので食料は穴倉を作って保存したり、
干し柿や漬物などの保存食を自分達で作ったりしていました。

 人間の今の冬越しというのは、一昔前に比べてどこか自然と切り離された方法
のうに感じます。昔は周りにある自然のものを上手く活かして冬を越していた
んですね。


 冬越しというのは、その厳しい季節をいかに乗り越えて、次の暖かい季節を迎
えられるかということにつきます。生きものたちは自分の生息・生育環境の中で、
そのために自分達ができるベストの方法をとっています。
 ヒトも、いかに寒さをしのぐか、いかに栄養を確保するかといった点を工夫し、
実行しているという意味では、他の生きものと同じなのかもしれません。

 しかし、今の人間の冬越しの仕方や、普段の生活にいたっても、私たちはベスト
な方法をとっているといえるのでしょうか?ビオトープのなかで生きものがして
いる冬越しや生活を思って、私たちヒトの生活についても、一度改めて考えて
みませんか。




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