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ビオトープ。それは生き物が生きていく為に必要な場所のこと。でも、間違ってとらえられていたりします。自然やビオトープについて、日常の中から発信します。正しい知識のもとに、いっしょに環境を考えていこう。

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2008/11/28

人と自然の研究所「ビオトープって何だ!」━ 田んぼは誰のためにある? ━

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                ■□■   ビオトープって何だ!   ■□■

                                     NO.48
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                ■□■━━ 田んぼは誰のためにある? ━━■□■


 師走も近づき、だいぶ寒さが身に沁みるようになってきました。各地で雪も
降り始めましたね。秋の鳴く虫たちもみんな静かになりました。

 前号では日本の秋の風景に欠かせない赤とんぼ「アキアカネ」にスポットを当てて、
田んぼとその関係性を見ていきました。ですが、田んぼには赤とんぼだけではなく、
他にも多くの生きものが暮らしています。
(バックナンバーはこちら→ http://archive.mag2.com/0000145229/index.html )

 そんな多くの生きものたちの中にも、やっぱりその数が減っている種がいます。
田んぼを生息場所として利用している生きもので環境省の絶滅危惧種に指定されて
いる種には、コウノトリ、メダカ、ミヤコタナゴ、ホトケドジョウ、タガメ、
ゲンゴロウなど沢山います。

 何故こんなにも田んぼの生きものが減っているのでしょうか? 


 その原因の一つに、圃場整備があります。
 前号に書いた休耕田等の増加などもありますが、圃場整備による田んぼの環境の
改変が生きものに大きな影響を与えているのです。

 そもそも圃場整備とはどのようなものなのでしょう。
1960年代から、他産業と農業との所得均衡の必要性や労働力不足などを背景として、
生産性向上を目的とした機械化や管理の簡易化のために、区画整理や用排水の整備
などを行ったのが圃場整備です。それによって生産性は向上、農村地域の社会経済は
安定し、農家の人々の苦労も減ったとされています。現在、全国の水田の60%以上が
近代的な圃場に整備されています。


 では、その圃場整備が何故生きものたちの減少の原因になっているのでしょう。
 例えば、圃場整備によってその多くが素掘りの土水路からコンクリート三面張り
になってしまった用排水路は、直線で流れが早くメダカは棲めません。入排水が
しやすいように水路と田んぼにできた大きな落差は、産卵のために水路から田んぼへ
移動するドジョウの行き来を阻みます。土や植物もないので生きものが隠れたり
産卵する場所もありません。

 また、機械が導入しやすいように現在のような乾田になった田んぼは、冬場は水を
落としてしまうため、水辺を必要とする水生昆虫や、冬に渡ってきてそれらを食べる
シギやチドリの仲間などにとっては、とても暮らせる場所ではありません。

 このように、圃場整備には、人間には都合がよくても生きものには都合の悪いこと
が沢山あったのです。


 しかしながら、圃場整備によって、農家の人たちが少ない負担で収穫を得たり、
私たち消費者も食べ物に困らずに暮らせるようになったという事実はあるかもしれ
ません。ただ、それでも生きもののことを考えないわけにはいきません。かといって、
昔と同じやり方に今から戻すことはできるでしょうか?いえ、きっと難しいでしょう。
では、どうしていけばよいのでしょうか。


 コウノトリを人工飼育し放鳥に成功した兵庫県の豊岡市では、肉食であるコウノトリ
の大切な餌場にもなっている田んぼを、生きものが沢山いる環境に戻してやることが
必要でした。そのために、既に圃場整備された場所において、田んぼと用排水路の
落差対策として魚道という魚の通り道を作ったり、田んぼの水を抜いた際の生きものの
避難場所としてビオトープを作ったり、冬にも水を張る冬期湛水という農法をとるなど
の対策を行いました。

 すると、魚道では多くのドジョウや魚が通るのが確認されて数も増え、ビオトープ
や冬期湛水の田んぼは、多くの水生生物が年間を通して生きていける場所になりまし
た。こうしてコウノトリも沢山餌をとれるような環境が整い、やっと野生で生きて
いけるようになってきたのです。


 田んぼは、圃場整備がされてしまったからもうダメなのではありません。その現状
からいかに生きものと共生できるような田んぼにするかを、しっかり考えて実行し、
それを継続的して行っていくなどの工夫はできるのです。そうすれば、昔の田んぼ
には戻れなくても、より良い田んぼのありかたが見えてきます。

 そうやって考えていくと、日本にはまだ圃場整備がされていない伝統的な田んぼが
40%も残っていることになり、同時にそれはとても貴重な場所だということが分かり
ます。

 田んぼそのものが何よりも大切なビオトープであるということ、それが一番重要
なのです。少なくとも、これから圃場整備が入る田んぼには全国画一的な整備では
なく、近代的農業の良いところを取り入れつつも、その地域の生きものと共に育つ
ような、日本本来の伝統的な田んぼの整備のあり方を考える必要があるのです。

 そして消費者である私たちは、生物の少ない不自然な田んぼで育てられたお米
なのか、生物の多様な環境で育てられたお米なのかをしっかりと見極め、自分たちが
食べるものをちゃんと選択すれば、それが田んぼを守ることに繋がるのではないで
しょうか。




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● (財)日本生態系協会より認定される資格で、
 「地域の自然生態系を守り、取り戻すビオトープ事業・自然再生事業を
 効果的に推進するために必要な知識、技術、評価・応用能力をもつ者に
 与えられる資格」とされています。
  
 試 験 日:毎年9月 最終日曜日
      申込期間: 6月初旬〜8月中旬

 ビオトープ管理士の概要はこちらで紹介しています。
 http://www.bio-inste.com/biotope.htm/

●ビオトープ管理士は、環境省の入札参加資格審査申請における有資格者
として指定されているほか、国土交通省、農林水産省、宮城県、長野県、
岐阜県、京都府 をはじめ各地の行政機関で業務入札の際の要件などとし
て活用されています。また、三重県や茨城県では施設の職員の採用条件、
最近では埼玉県などのように指定管理者の選定理由、民間でも企業の
採用条件や社会貢献活動の実務者育成のために活用されるケースも増え
ており今後ますます活躍が期待されてきています。

詳細は(財)日本生態系協会 http://www.ecosys.or.jp/eco-japan/
へご確認ください。
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『まぐまぐ』( http://www.mag2.com/ )を利用して発行しています。
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〒150-0047東京都渋谷区神山町3-4 i.VILLAGE
TEL 03-5465-2927(平日10:00〜18:00)
FAX 03-5465-2939(24時間受け付け)
URL http://www.bio-inste.com
E-mail bio@bio-inste.com
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