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2008/04/03

人と自然の研究所「ビオトープって何だ!」━ 食料自給率が示すもの ━

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                 ■□■   ビオトープって何だ!   ■□■

                                   NO.40
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                  ■□■━━食料自給率が示すもの━━■□■


 前回は、中国製冷凍ギョーザに混入していたメタミドホスなど、化学物質の
恐ろしさについて書きましたが、今それに関連して‘食料自給率’についても
話題になっています。
(バックナンバーはこちら→http://archive.mag2.com/0000145229/index.html )


 食料自給率とは、国民の食料を自国でどれだけ賄っているかを示す値ですが、
日本はカロリーベースでなんと約40%しかありません。簡単に言えば、私たちが
食べている食料の4割は国内で自給しているが、あとの6割は外国産(輸入)という
ことです。

 いわゆる先進国では、2003年のデータでアメリカ128%、フランス122%、
ドイツ84%、イギリス70%(資料:農林水産省試算)などで、比較すると日本は
著しく低いことが分かります。


 では、何故低いと問題なのでしょうか?

 例えば、ある輸入先の国が政治的な問題や、何か別の問題を抱えてしまったとき
に、食料の国外への輸出などがままならなくなってしまうかもしれません。

 また、ある国が干ばつなどの異常気象や自然災害等で大凶作になった場合など、
自国の消費を優先すれば、外国へ輸出する余裕はなくなってしまうかもしれません。
それ以外にも様々な理由で日本が食料を輸入できなくなる可能性が大いにあるのです。

 現在、大豆はその95%以上を輸入に頼っていて、そのうちの3/4はアメリカから
の輸入です。これだけアメリカに依存しているということは、何かが原因で輸入が
止まってしまったら、日本の食卓に欠かせない醤油、味噌、納豆、豆腐などの食品
は、ほとんど食べることができなくなってしまいます。

 しかし、それはまだ良い方かもしれません。万が一輸入が全てストップすると
いう事態が起きた場合、自給できている食料は40%ですから、単純に考えて人口の
40%しか生きていけないということになります。考えるだけで恐ろしいですね。


 フードマイレージ(=食料の輸送距離)という考え方で見てみれば、国産の食料
より圧倒的に輸入している食料の方が大きい数値になり、それだけ多くのエネル
ギーを消費しているということになります。地球環境レベルでも大きな負荷をかけ
ているんですね。


 また問題なのは、安い輸入品に押されて日本国内の農業がどんどん衰退していって
いるということです。農業はお金にならないからと若い担い手が少なく、現在の農業
従事者の7割は60歳以上とも言われています。とすると、あと10年20年したら、
日本の農業は誰が支えていけばよいのでしょう?

 このような状況は、これまで農地だった場所が放棄され使われなくなり、土地が
荒れていることにも繋がっています。


 農地が耕作放棄されてしまうと、そこは‘やぶ’状態になり、色々な問題が発生
します。外来種の温床となって地域の固有種が絶滅に追いやられたり、他の農地に
影響を与える病害虫の温床となったり、中山間地域の耕作放棄地にはクマが下りて
くるようになり、いわゆる害獣と化してしまったり。それは、地域の生態系のバラ
ンスさえも崩してしまっているんですね。
 人のための農地といっても、実は他の生きものにとっても大きな役割を果たし
ている場所なんです。

 それに、いざ食料が必要となったときに、放棄されていた農地ではまともに収穫
するのに時間と手間がかかってしかたありません。また、‘農’の知識を持った人が
極端に減ってしまっていることが予想されるので、収量を増やそうと思っても即座
に対応できないでしょう。


 食料自給率の40%という値。実際の生活ではあまり実感しにくい数値ですが、
それが示しているものは想像以上に危機的な状況なものかもしれません。

 あと何年か、まだ‘農’のプロフェッショナルが第一線で活躍している間に、
ちゃんと日本の農業を復活させるための手を打つことが今、必要でしょう。
でなければ、私たちは本当にあらゆるものを失ってしまうような気がします。





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