ビオトープって何だ! RSSを登録する

ビオトープ。それは生き物が生きていく為に必要な場所のこと。でも、間違ってとらえられていたりします。自然やビオトープについて、日常の中から発信します。正しい知識のもとに、いっしょに環境を考えていこう。

最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
2007/11/01

人と自然の研究所「ビオトープって何だ!」━ ダムがダメなわけ ━

この記事を取り寄せる

                     http://www.bio-inste.com/
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
             人と自然の研究所メールマガジン

         ■□■   ビオトープって何だ!   ■□■

                    NO.35
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

           ■□■━━ダムがダメなわけ━━■□■

 前号で書いた二つの'攪乱(かくらん)'について。その内の、'一部の自然を破壊する
洪水などの攪乱'は、それを必要としている生きものがいるのに、今日、ダムや堰ができ
たことによって洪水が減少し、それらの生きものに大きな影響を与えていると書きました。
(バックナンバーはこちら→ http://blog.mag2.com/m/log/0000145229/107394327.html )


 じゃあそもそも、そんなダムや堰は昔はありもしなかったのに、何故造られたのでしょうか?

 初めは明治維新の頃、日本がこれまでの自国の文化を捨ててしまうほどの勢いで西洋文化
をどんどんと取り入れ始めていたとき、ダムの文化も日本にやってきました。

 目的は、まず一つに貯水池として利用するため。私たちがいつも使っている水道水は、
ひねればいつも出てきますが、それは川をせき止めたダムによる貯水池が水の供給源と
なっているからですよね。

 また、ダムに貯まった水が落下する力で水力発電を行ない、電力供給を支えてくれています。
大量の雨が降った場合には一時的に水を貯め、少しずつ流すことで洪水を防いだり、砂防
ダムと呼ばれるダムがあるように、土石流から下流域の安全を図る役割も担っています。

 また、かんがい用水として作物を育てるために使っているところもあります。
 堰はダムより小さいものですが、これも土砂災害を防ぐ安全対策として造られています。

 このように、ダムを建設するということは、洪水などの水害対策としての'治水'と、水を
利用する'利水'という面で、日本の土木技術より進んでいて、地域の発展にも繋がる有益な
ものだと考えられてきました。


しかし、人間以外の他の生きものの視点ではどうでしょうか?

 アユやサケなど、産卵のために海から川へ戻ってくる魚たちは、ダムという巨大な壁によっ
て遡上できなくなって、子孫を残すことができません。
 これについては、'魚道(ぎょどう)'という、読んで字の如し、魚の上れる道を作って
あげるという対策がとられている場所もありますが、遡上する魚の全てがその魚道を利用し、
いくつもあるダムを上れるわけではけしてありません。

 また、前号で書いたような洪水による攪乱がダム建設によって減少し、カワラノギクなど
の種は絶滅を危惧されるほどの影響をうけています。

 こういった一つひとつの問題もさることながら、森→川→海という地球において重要な循環
をダムが分断することとなり、その影響は見えないところでも多くの生きものに影響を及ぼし
ているはずです。

 しかも、ダムは水以外に砂も溜め込んでしまうため、その堆砂によって徐々に貯水可能量は
減り、100年ともたずに意味を成さなくなってしまいます。これは海にまで流れるはずの砂が
流れないという問題にもなっており、その対策として黒部川の出し平ダムに代表される排砂
ゲートつきのダムも造られていますが、排砂された砂がヘドロ化していたため、黒部川沖の
富山湾では漁獲量が排砂以前の6分の1にまで減ったと言われています。※1


 このような事実は既に明らかなのに、それでもダムは造られようとしています。
 岡山県は吉井川の苫田ダムや、日本最大の多目的ダム・徳山ダムの建設時には、強い反対が
あったにもかかわらず、強行策で事業が進められていたといいます。今年完成してしまった
徳山ダムは、岐阜と愛知の人々に今までの2倍以上の水を与えたというのですが、はたして
それは本当に必要なものだったのでしょうか?
 そうやって造られた一つ一つのダムに、豊かな自然と共に生きてきた何千人もの人たちの
生活の知恵や文化、それら全てが沈められてしまったのです。

 国民の生活を守るためのダムだったはずなのに、これではいったい誰のためにあるのか
わかりません。


 そんな中、もうダムはダメだと分かったアメリカや欧米では、ダムを壊す公共事業なども行
われています。しかしながら、日本はいまだにダムの建設計画が500近くあるといいます。※2

 その結果なのか、今、日本にダムのない川というのはほとんど存在しません。森と海を繋ぎ、
地球の血管ともいえるような川のほとんどが、ダムによって分断されてしまっているのです。


 今、「緑のダム」という言葉があるのをご存知でしょうか?これは、広葉樹を中心とした
保水力のある森であれば、水源涵養機能(森林の土壌が雨水を貯め、河川へ流れ込む水量を
ならして、河川の流量を安定させる働き)がちゃんとあり、コンクリートのダムでなくても
ちゃんと洪水などの被害を緩和する役割を果たしてくれることから、緑のダムと言われている
のです。

 もう既にコンクリートのダムがダメだと分かった今、森を緑のダムと位置づけてちゃんと
管理することや、昔の人の知恵を活かした治水や利水の方法を取り入れていくことで、人も
含めた全ての生きものが安心して暮らしていけるような方法を、私たちは見つけていかなけ
ればなりません。その義務が、私たち人間にはあるのではないでしょうか。

 巨額な借金と死んだ森と川を子孫に残すのか、それともあらゆる命を育てる豊かな森と川を
未来に残すのか、私たちがはっきり選択をしなければならないときにきています。


※1,2 参考文献「ダムと日本」を参照

参考文献
 天野礼子(2001)「ダムと日本」岩波書店


─────────────●information1●─────────────

         第4回ビオトープ実践フィールド講座開催
          −C.W.ニコル アファンの森−
          森を再生するために必要なことを学ぶ

 生物多様性豊かな森づくりを目指しているC.W.ニコル・アファンの森から
「森を学ぶ」フィールド講座です。

森の再生をはじめて20年の「C.W.ニコル・アファンの森」で、植生調査など
「森を知るための方法」とともに、森の再生、森づくりの精神を学びます。
定員にはまだ若干の余裕があります。この機会に是非ご参加下さい!
 
□日 程:2007年11月3日(土)〜4日(日)  午後3時30分黒姫駅解散予定
      ※お近くの方は日帰りでの参加も可能です(2日間通しに限る)
□集 合:11月3日(土)午前11時15分 JR黒姫駅
□場 所:長野県黒姫・アファンの森
□参加費:受講生 23,000円(これまでに当研究所通信講座を受講されている方)
     一 般 30,000円  
 ◇参加費に含まれるもの:講習費、資料代、3日夕食、4日昼食、保険料、
   消費税、集合場所(3日黒姫駅)から解散(4日黒姫駅)までの交通費
□宿泊費:宿泊される方は、次のいずれかをお選びください。
     1、ホテル宿泊コース:8,000円(朝食付)
      ※混雑時は相部屋となることがあります。予めご了承ください。
     2、エコノミーコース:1,000円(宿泊のみ)
      ※当方でご用意する宿舎(相部屋)に宿泊。男女各6名限定です。
□プログラム 
   1日目 ◆森づくりを学ぶ              − 午前・午後
        ・ビオトープの再生と生物多様性の回復を目指した森づくり
       ◆森を知るための方法               − 午後
        ・植生調査の実習
       ◆アファンの森の概要と植生調査等の解説&意見交換等 − 夜
   2日目 ◆森の管理作業                  − 午前
       ◆森づくりディスカッション            − 午前
       ◆良い森を見る                  − 午後
□申し込み:先着15名様
      【住所】【氏名】【年齢】【電話番号】【受講生or一般】
      【宿泊コース】【交通機関(電車等or自家用車)】
      を明記の上、メール、FAX、電話のいずれかにてお申し込みください。
□交 通:
  電車:東京方面より:東京駅から新幹線あさま号にて長野駅へ約1時間40分
     名古屋方面より:名古屋駅からJR特急しなの号にて長野駅へ約3時間
     長野駅からはJR信越線で黒姫駅まで約30分
   車 :上信越自動車道 信濃町I.C.より5分(黒姫駅)
□協 力:財団法人C.W.ニコル アファンの森財団
□主 催:人と自然の研究所

─────────────●information2●─────────────

★人と自然の研究所は、自然やビオトープについての正しい知識を身につける
「ビオトープ管理者養成通信講座」を開講しています!
ビオトープ管理士資格取得の勉強にも最適です!

★「ビオトープ管理者養成通信講座」受講者の方には、現場研修会の機会も
あります!

詳しくはこちらをご覧下さい→ http://www.bio-inste.com/

───────────────────────────────────

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜      
         ★ 「ビオトープ管理士」について ★
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
● (財)日本生態系協会より認定される資格で、
 「地域の自然生態系を守り、取り戻すビオトープ事業・自然再生事業を
 効果的に推進するために必要な知識、技術、評価・応用能力をもつ者に
 与えられる資格」とされています。
  
 試 験 日:毎年9月 最終日曜日
      申込期間: 6月初旬〜8月中旬

 ビオトープ管理士の概要はこちらで紹介しています。
 http://www.bio-inste.com/biotope.htm/

●ビオトープ管理士の資格は、環境省の入札参加資格審査申請における
有資格者として指定されているほか、宮城県、長野県、京都府をはじめ
各地の自治体で、業務入札の際の要件などとして活用されています。
また、三重県 や茨城県では施設の職員の採用条件として、最近では
埼玉県などのように指定管理者の選定理由として活用されるケースも
増えています。
京都議定書も発効された今、さらなる活躍が期待されます。

詳細は(財)日本生態系協会 http://www.ecosys.or.jp/eco-japan/
へご確認ください。
───────────────────────────────────

----------------------------------------------------------------
■ 発行:人と自然の研究所   月刊・第3金曜日発行予定
  http://www.bio-inste.com/
■ 「ビオトープってなんだ!」登録・解除
  http://www.bio-inste.com/merumaga.htm
■ バックナンバー
  http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000145229
■ ご意見・ご感想・情報の提供は、bio@bio-inste.com までお願いします
  ぜひ、お友達にも紹介して下さい!
※ このメールマガジンは、インターネットの本屋さん
『まぐまぐ』( http://www.mag2.com/ )を利用して発行しています。
----------------------------------------------------------------

***************************************************
人と自然の研究所「ビオトープ管理者養成通信講座」

〒150-0001東京都渋谷区神宮前6-28-5 宮崎ビルA-502
TEL 03-5485-6778(平日10:00〜18:00)
 FAX 03-5485-6654(24時間受け付け)
URL http://www.bio-inste.com
E-mail bio@bio-inste.com
***************************************************

(C) NATURE CITIZEN INSTITUTE. All rights reserved.

この記事を取り寄せる
最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る