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2005/07/14

戦う行政書士の交通事故必勝ポイント! 第15号

□□  戦う行政書士の交通事故必勝ポイント! 第15号  □□

 目次
  1.はじめに
  2.後遺障害(5)
  3.あとがき
  
───────────────────────────────────
1.はじめに
みなさん、こんにちは。 「戦う行政書士」の江本です。
九州や北陸東北の方で豪雨による被害がすごいです。
ここ大阪は今日はとても暑い。
一体どうなっているのでしょう。

各地の被災者の皆様、お見舞い申し上げます。

1053名の方に登録していただきました。!!感謝! 
──────────────────────────────────
2.後遺障害(5)ー 後遺障害の損害は? パート2 ー

前回の続きで、今回は「就労可能年数と中間利息控除」についてです。
後遺障害の損害のうち、「逸失利益」の計算は、

逸失利益 = 年収 X 労働能力喪失率 X 後遺障害確定時における就労可能年
数のライプニッツ係数

であることは前回にも書きましたが「後遺障害確定時における就労可能年数のライ
プニッツ係数」が判りにくいと思います。

まず、後遺障害の損害の計算は、症状固定時の年齢が基準となります。事故日では
ありません。
その時点での就労可能年数は何年あるか、それにたいして中間利息を控除した場合
はどうか、という計算です。ただし、就労可能年数はあくまで自賠責の場合です。

まず、就労可能年数は18歳以上の者について67歳を基準としています。ただ
し、55歳以上は平均余命の2分の1で端数は切り上げの年数。
また、幼児等18歳未満の場合は、症状固定時の年齢より67歳までの年数の対応
する係数から、就労の始期(18歳)までの年数に対応した係数を控除した係数で
もって計算します。(ちょっと判りにくいので後ほど説明します。)

ライプニッツ係数が「中間利息控除」と呼ばれる考えを反映したものです。

日本では、損害賠償は年金型で支払われることは認められていないません。
従って、「一生分の損害を計算したものを一括して前もって受け取る」わけであ
る、一括して受け取ったものは一定の利率で運用すれば利益がでる、当然その分不
当利得となるので、その「運用益」をあらかじめ控除しなければならないという考
え方です。
ライプニッツ係数はその利息を複利で計算した数字です。

ここで、つい最近に最高裁で 重要な判決が下されました。

 私は、かねがね疑問に思っていたことなんですが、この交通事故の場合の計算で
はこの利息を民法の法定利息である年5%でもって計算しておりました。
 ところがバブル以降の10年以上にわたってゼロ金利の時代がつづいており、こ
れが上昇する気配すら見られない現状で、生保や銀行など金融機関のプロ中のプロ
ですら5%での運用が出来ない時代に、被害者という弱者が5%で運用できるはず
もなく、そんな世の中の実態にあわせて、この中間利息の5%はもっと低く計算す
べきだと考えておりました。(これは運用益は5%以下では5%と比べてすくない
ので、控除される金額が少なくなり、当然に賠償金が高額になります。)
一部の裁判所では5%以下とする判決がいくつか出ておりましたが、今回最高裁の
判決で 「民事法定利息の5%で計算すべき」 と結論が下されました。

 http://courtdomino2.courts.go.jp/schanrei.nsf/FormQry?OpenForm&Seq=1
の「平成16(受)1888損害賠償請求事件」参照 

  非常に残念な結論です。

主文で、「・・・しかし,民法404条において民事法定利率が年5%と定められ
たのは,民法の制定に当たって参考とされたヨーロッパ諸国の一般的な貸付金利や
法定利率,我が国の一般的な貸付金利を踏まえ,金銭は,通常の利用方法によれば
年5%の利息を生ずべきものと考えられたからである。そして,現行法は,将来の
請求権を現在価額に換算するに際し,法的安定及び統一的処理が必要とされる場合
には,法定利率により中間利息を控除する考え方を採用している・・・」と述べら
れ、「法的安定及び統一的処理が必要とされる」ために「通常の利用方法によれば
年5%の利息を生ずべきもの」という仮定の数字が基準となってしまいました。

法的安定や統一的処理を求めることは賛成ですが、そのために非現実的で殆どの
人が実現できない数字でもって、被害者の生活の糧となる損害の額を左右する重大
な要素が、「・・5%の利息を生ずべきものと考えられたから・・」と仮定的な考
えで決められてしまったこわけです。

この訴訟は、全ての保険会社が注目していたことと思います。

そして、この判決で、全ての保険会社はとても安堵したでしょう。

表面的な利害は当事者だけですが、しかし、弱者に与える影響は極めて大きいものと思います。

  づづく



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