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2009/11/18

経済ニュースゼミ(第607号)人民元切り上げを拒否

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 経済ニュースゼミ(第607号、2009,11,18) 人民元切り上げを拒否
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 seijiです、こんにちは。

 米中会談が行われたようですが、皆さんは、どうお感じになりました?

 上海での対話集会をみていると、若者の服装が、日本人の服装に似てい
ることに少し驚きました。中国も少しずつ豊かになっているということで
しょうか。それにしても、オバマ大統領は、民主主義や人権、そして少数
民族の問題に言及して、さぞかし中国側は嫌だったでしょうね。

 でも、私からみたら、日本の新政権も、中国が嫌がることを少しくらい
言うべきだ、と思うのですが‥。日本の場合には、相手が嫌がることは一
切なし。まあ、それがもめ事を起こさない否決であるのかも‥。


 で、肝腎の人民元切り上げ問題ですが、結局、進展はなし。

 ブログでは、オバマ大統領の発言について、解説しました。

 
 「人民元はどうなる?」
  ↓↓↓
  http://blog.livedoor.jp/columnistseiji/

 

 
 では、経済ニュースゼミを始めましょう。

 

 <本日のメニュー>

1.経済ニュース解説(人民元切り上げを拒否)
2.アダムスミスの国富論 その124(国の借金は資産?)
3.編集後記




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 経済ニュース解説 (人民元切り上げを拒否)
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 オバマ大統領とフウ・ジンタオ国家主席の首脳会談がありましたが、
どうも二人の表情が冴えませんね。

 何故か?

 それは殆ど目ぼしい進展がみられなかったからです。そして、その中
には人民元の問題も含まれます。つまり、中国側は、人民元の切り上げ
を断固拒否した、と。

 ですが、新聞報道などをみると、そこら辺りがイマイチすっきりしま
せん。

 確かに進展がみられなかったと書いているところが殆どですが、ある
新聞社のように、若干進展があったみたいにかいているところもあるか
らです。

 ある新聞社は、こう書いています。

 米中首脳会談:オバマ大統領、人民元切り上げに言及、中国の方針
 「歓迎」


 これだけ読むと、中国側が何か妥協したかのような。

 次のようにも書いています。

 17日の米中首脳会談でオバマ米大統領は、「中国が、為替レートをよ
り市場に基づいた制度に移す方針を示したことを歓迎する」と、間接的
な表現で人民元切り上げの必要性に言及した。


 中国は、人民元の切り上げを認めたということなのでしょうか?

 日経新聞の記者発表の要旨には次のように書いてありました。

 「より市場メカニズムを反映した為替制度に徐々に移行していくとす
る中国のこれまでの声明を評価する」


 さあ、謎が解けたでしょうか。それとも、謎が深まったでしょうか。
実は、中国側の声明というのは、今回なされたものではないのです。つ
まり、過去の話をオバマ大統領はわざわざ持ち出しているのです。

 英語では次のようになっています。

 I was pleased to note the Chinese commitment, made in past 

statements, to move toward a more market-oriented exchange 

rate over time.

 私は、中国のコミットメントに喜んで留意する、と。どんなコミット
メントかといえば、市場型の為替レートに時間をかけて移行するという
コミットメントです。ここまでの話であれば、大きな進歩です。

 しかし、そのコミットメントというのは、過去の声明で行われた、と
なっています。そうなのです、今回は何もなし。オバマ大統領が言って
いるのは昔の話なのです。

 では、何故、そんな過去のことを言うのか? そうでもしないと、何
もいうことがない、と。要するに、中国は断固人民元の切り上げを拒否
したということなのです。

 



 以上

 

 ご意見、ご質問は、次へどうぞ。
  ↓↓↓
 発行者メールアドレス:cute@columnist-seiji.com





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アダムスミスの国富論 その124(国の借金は資産?)
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 アダムスミスの国富論の第124回目です。

 本日は、国の借金は資産と考えていいのか、という問題です。

 国債を発行し過ぎると、借金のつけを将来の子や孫に押し付けるのか
という議論があります。それは海外でも同様です。

 確かに、国債を発行すると、その元利払いの負担が、将来世代に及び、
その意味で、将来世代は借金を背負わされることになり、気の毒な気が
します。しかし、その議論は、重要な事実を見逃しています。それは、
借金をツケを将来に回すのは、そのとおりなのですが、同時に国債の所
有者としての地位も将来世代に引き継ぐことになるということです。

 ということで、借金を背負わされても債権者としての地位も引き継ぐ
のであれば、プラスマイナスゼロになるという考えがあるのです。

 でも、そうした考え方は、財務省は昔から無視しています。そうした
考え方についてまで説明していると、議論が複雑になりすぎるからです
ね。

 では、皆さんは、どのように考えるでしょうか?

 最近では、政府が国債を発行しても、その一方で、その国債を国民が
保有するのであれば、国全体としては、負債が増えると同時に資産も増
えるのであるから、全く問題ないのだ、と考える人もいるようです。

 本当に安心していいのでしょうか。


 アダムスミスは、そういう問題について次のように言っています。


 In the payment of the interest of the public debt, it has

been said, it is the right hand which pays the left. The 

money does not go out of the country. It is only a part of 

the revenue of one set of the inhabitants which is 

transferred to another; and the nation is not a farthing the

poorer.

「公債の利子の支払いにおいて、左手に支払うのは右手なのだ、というこ
とが言われてきた。お金は国の外に出ていかない、と。一団の住民の収入
の一部が他の一団の住民に移転させられるに過ぎないと。従って、国家と
しては一銭も貧しくなってはいない」



 This apology is founded altogether in the sophistry of the

mercantile system, and after the long examination which I

have already bestowed upon that system, it may perhaps be

unnecessary to say any thing further about it.

「この弁明は、重商主義の詭弁の中に根拠を置くものであり、私が重商主
義について長い検証を行った後においては、多分それ以上のことを言う必
要はないかもしれない」


 It supposes, besides, that the whole public debt is owing

to the inhabitants of the country, which happens not to 

be true; the Dutch, as well as several other foreign nations,

having a very considerable share in our public funds.

 But though the whole debt were owing to the inhabitants of

the country, it would not upon that account be less pernicious.


「それに、公債の全部が、その国の住民に対するものであるという前提が
あるが、そうでない場合もある。オランダは、他の幾つかの国と同じよう
に我々の公債のうち相当のシェアを有している。しかし、もし全ての債務
がその国の住民に対するものであったとしても、そのことによって借金の
有害性の度合いが小さくなることはない」


 さあ、如何でしょうか。アダムスミスは、国の借金というものは大変に
危険なものだ、と強調しているのです。少しだけ説明をすると、重商主義
の考え方というのは、金や銀をどれだけ保有しているかが、国が豊かであ
るかどうかの尺度であるというものです。ですから、その考え方からすれ
ば、幾ら政府が借金をしても、国民から借金する限り金貨や銀貨が海外に
出て行くことはないので、心配は要らないと言うのでしょう。しかし、ア
ダムスミスは、重商主義の考え方そのものを否定する訳ですから、そうし
た論法は通用しないということです。

 では、アダムスミスは、何が国の富の尺度であると考えたのでしょう。
そうです、アダムスミスは、毎年国家が、お金で買う対象になるものをど
の程度生産しているかで決まる、と考えたわけです。ですから、お金その
ものは富とは直接の関係がない、と。アダムスミスが言うのは、お金が如
何に使われるかが大切だ、というのです。つまり、お金が、モノの生産能
力を高めるために使われれば、その国は益々豊かになるし、その反対に、
単に消費のために使用されるのであれば、国の生産能力が次第に低下して
いくから貧乏になるであろう、と。

 ですから、右手から左手にお金が移転するだけだ、などという議論は、
アダムスミスにとっては、全く滑稽に思えたということでしょう。


 では、今の日本のついても考えてみましょう。

 先ほど言いましたように、いくら政府の借金が増えても、それに見合っ
た資産が国民の側に計上され、国全体としてネットでみれば、借金が増え
たことにならない、という議論はどうでしょうか。

 実は、とりあえずの一国全体としてのバランスシートの変化を見る限り
では、そのとおりだと考えていいでしょう。政府部門の負債が増えると同
時に、国民部門の資産が増える、と。プラスマイナスゼロだ、と。

 しかしですね。この議論、重要な事実を見逃しているのです。確かに国
民部門の資産は増えるでしょう。ですが、その資産が不良資産化する恐れ
があるということです。いくら資産としてバランスシートに計上していて
も、返済されない可能性があれば、その資産は割り引いて考えなければい
けないということです。

 ということで、結局、貴重なお金を国全体として、どのように有効に使
うかということが国の発展にとって極めて重要だ、ということが分かると
思います。そして、そのことをアダムスミスは200年以上も前に警告してい
たということです。

 
 


 次回に続く

 

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編集後記
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 オバマ大統領のアジア歴訪は、最後の韓国にステージが移ろうとしてい
ますが、韓国では何かサプライズがあるのでしょうか?

 それにしてもG2の時代とか言われますが、なかなか米中の関係も複雑で
すよね。

 中国には3泊もしてという向きのありますが、それだけ問題が山積して
いるという風に理解すべきではないのでしょうか。

 そのうちに日本の良さに気がつくのかも知れませんね、そうでもないか。
 
 

 
  

 では、次回まで
 
 

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