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2009/11/11

経済ニュースゼミ(第605号)藤井・ガイトナー会談

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 経済ニュースゼミ(第605号、2009,11,11) 藤井・ガイトナー会談
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 seijiです、こんにちは。

 慌ただしい日が続きますが、皆さま如何お過ごしですか。

 天気も悪いことですし‥

 ところで、アメリカのガイトナー財務長官が初来日し、日米の財務相会
談が行われたわけですが、他のニュースがあったためか殆ど注目されてい
ませんよね。まあ、会談の中身をみたら、注目すべきようなこともない訳
ですが、少し寂しい感じがします。
 


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 では、経済ニュースゼミを始めましょう。

 

 <本日のメニュー>

1.経済ニュース解説(藤井・ガイトナー会談)
2.アダムスミスの国富論 その122(トンチン年金)
3.編集後記




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 経済ニュース解説 (藤井・ガイトナー会談)
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 昨日、就任後初めて来日したガイトナー財務長官と藤井財務大臣の会談
がありました。

 就任後半年以上も経っての来日だということで、米国はやはり日本パッ
シングの姿勢なのかという気持ちもするのですが、会談の内容をみると、
これだから急いで来日する必要もなかったということが改めて分かりまし
た。

 要するに、会談の中身がない、ということです。

 日米の両財務相は、どんなことを発言したのでしょう。ピックアップし
てみます。

<藤井財務相>
 「貴方が強いドルを求めていることについて私は多としている」
 「ドル安を変えていこうというのは正しいことだと思う」

<ガイトナー財務長官>
 (頷く)

<藤井財務相>
「ドル経済が基本。国際協調で一番大事なのは日米が仲良くすることだ」


 そして、2人は、世界経済の不均衡を是正をしていくことで一致し、米
国が貯蓄率を引き上げ、日本が内需中心の経済に切り替えていくことを
確認したのだと、か。

 こんな話を聞かされて、私は、「新しい酒は、新しい革袋に」という言
葉を思い出しました。日本が内需を拡大し、米国が貯蓄率を引き上げる必
要があるなんて、もう四半世紀も前から言ってきたことと同じではないか、
と。もちろん、その処方箋に効果があれば、それはそれなりに‥。しかし、
実際には世界経済の不均衡は是正されるどころか、むしろ拡大。

 そして、その一方で、ドルは強くあって欲しいと藤井大臣は言う訳です。
ドルが強いままでは、経常赤字を小さくすることは難しくなるばかりでは
ないでしょうか。

 でも、あまり理屈を言い立てるよりも、2人仲良くしている姿を記者の
前に披露した方が有益だと思ったのでしょうか、2人とも笑顔で写真に収
まっています。

 結局、ガイトナー財務長官の頭の中は中国や人民元のことで一杯で、日
本について考えている余裕はないし、また、その必要性もないということ
なのでしょう。

 こんなに金融を緩和し続けて、再びバブルが再発する恐れはないのだろ
うかとか、2人は突っ込んだ話はしなかったのでしょうか?

 いずれにしても、世界経済の不均衡是正の必要性を認めながら、強いド
ルを求めるというのは、何か矛盾するような気がします。また、日本が内
需拡大をこれまでアメリカから繰り返し求められてきた結果が、多額の国
債の残高となって残っているわけですから、財政を悪化させることなく内
需拡大を実現する方法を国民に示すことができないと、意味がないでしょ
う。




 以上

 

 ご意見、ご質問は、次へどうぞ。
  ↓↓↓
 発行者メールアドレス:cute@columnist-seiji.com





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アダムスミスの国富論 その122(トンチン年金)
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 アダムスミスの国富論の第122回目です。

 本日は、トンチン年金のお話です。トンチン年金って、聞いたことが
ありますか?

 「聞いたことない。それに、どうして国債の話のところで、年金が登場
するの?」

 そうお感じの方もいるかもしれません。国の借金と年金がどのように関
係するのか、と。でも、実は、関係が大ありなのです。

 それは何故か?

 というのは、年金という仕組みは、債務者側が、年金契約の加入者に毎
年決まった額を給付するものですが、その前提として加入者は、債務者側
に予めお金を払い込む必要があるからです。そして、債務者としての国は、
その払い込まれたお金を自由に使うことができる、と。で、その支払いは、
毎年少しずつ行えばいいということで、永久公債と似たような仕組みにな
ってるからです。

 要するに、国において歳入不足が予想されるときには、国債を発行して
資金を調達してもいいし、国債ではなく、年金という金融商品を国民に購
入してもらって資金調達をすることもできるというわけです。

「そういうこと?」

 はい、そういうことです。

 アダムスミスによれば、年金には、期間の定めのある有期年金と期間の
定めがない終身年金があるといいます。そして、有期年金については、
1693年に、次のような条件で売り出すことを認める法律が成立したと言い
ます。

 払込額:100万ポンド
 年金額:14%の年金(14万ポンド)
 期間:16年間

 最初に、100万ポンド払い込んで、その後毎年14万ポンドを16年間に渡
り受け取ることができるわけですから、14×16=224万ポンドということ
です。

 単純化して考えると、その224万ポンドのうちの100万ドルが元本部分と
いうことになるので、ということは残り114万ポンドが利息部分となるわ
けです。複利での運用などという面倒臭いことを抜きにすれば、その114万
ポンドが16年で得られるわけですから、年間では、114÷16=7.125の利息
を受け取るのと同じことになり、そうなれば利回りは7%程度だと考えるこ
とができるわけです(但し、これは厳密な計算方法ではありません)

 で、そうした期間の定めのある年金の他に、期間の定めのない終身年金
も売り出したといいます。終身年金は、契約者が生存している限り、毎年
決まった年金が支払われる仕組みになっている年金ですので、そうした年
金に加入して損か得かは、後になってみないと分かりません。国の立場か
らいえば、皆が長生きすればするほど負担が重くなっていくわけですが、
加入者からすれば長生きすればするほど得になる、ということです。



 で、本日のテーマであるトンチン年金ですが、アダムスミスは次のよ
うに説明しています。

 Annuities for lives have occasionally been granted in two 

different ways; either upon separate lives, or upon lots of 

lives, which in French are called Tontines, from the name of 

their inventor. 

「終身年金は、2つの異なった方法により支給されてきた。1つは、個々の
生命対するものであり、今1つは、グループ毎の生命に対するものである。
後者は、考案者の名前をとってフランスではトンチン(トンティーヌ)と
呼ばれている」



 When annuities are granted upon separate lives, the death 

of every individual annuitant disburthens the public revenue 

so far as it was affected by his annuity. 

「年金が個々の生命に対して支給されるときには、全ての年金加入者の個々
人の死は、財政が年金によって影響を受ける限りにおいて、財政の負担を軽
くすることになる」


 When annuities are granted upon tontines, the liberation 

of the public revenue does not commence till the death of 

all the annuitants comprehended in one lot, which may sometimes 

consist of twenty or thirty persons, of whom the survivors 

succeed to the annuities of all those who die before them; 

the last survivor succeeding to the annuities of the whole lot.

「年金がトンチン年金によって支給されるときには、財政の債務からの解
放は、そのグループに属する年金加入者の全てが死なないと始まらない。
そのグループは時には20人か30人のグループであり、生存者たちが先に死
んだ者の年金を引き継ぐことになる。そして、最後の生存者が全ての年金
を引き継ぐ」


 Upon the same revenue more money can always be raised by 

tontines than by annuities for separate lives. An annuity, with 

a right of survivorship, is really worth more than an equal 

annuity for a separate life, and from the confidence which every 

man naturally has in his own good fortune, the principle upon 

which is founded the success of all lotteries, such an annuity 

genarally sells for something more than it is worth.


「同じ国の財政でも、トンチン年金の方が個別の終身年金に比べより多く
の資金が調達できる。生存者の権利を認めた年金は、同等の個別の終身年
金よりも実際に高い価値がついている。それは、全ての人間が持っている
自分の運の良いことに対する自信から来るものであり、そして、それは全
ての宝くじが拠って立つ原理であり、そのような年金は通常、その価値よ
りも高い価格で売れるのである」



 In countries where it is usual for government to raise money 

by granting annuities, tontines are upon this account generally

preferred to annuities for separate lives. The expedient which

will raise most money, is almost always preferred to that which

is likely to bring about in the speediest manner the liberation 

of the public revenue.

「政府が、年金を支給することによって資金調達を行うことが普通である
国々においては、この理由によって通常トンチン年金の方が個別の終身年
金よりも好まれる。最も沢山の金を集めることができるという便利さが、
財政を債務から一刻も早く解放させるということよりも殆ど常に好まれる
のである」



 トンチン年金の仕組みがお分かり頂けたでしょうか。

 要するに、自分は他人よりも長生きすると思えば、トンチン年金には是
非加入すべきだという判断に至るわけです。だって、他人がもらっていた
年金も他人が死ぬと自分のものになるからです。

 でも、考えたら少し怖いです。というのは、他人が自分よりも早く死ね
ば儲かるなんて考えることが、極めて不健全であるからです。

 


 次回に続く

 

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編集後記
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 前回は、経済ニュース解説(タバコ税の増税)の記事に誤りがあり、
迷惑をおかけし、お詫びいたします。

 配信して暫くして、自分で考え直しているうちに間違いに気がついた
訳ですが‥。

 今週オバマ大統領が来日しますが、普天間基地の問題は先送りするこ
とが決まっているので、結局、あまり話し合うこともないということに
なるのでしょうか。

 二人とも気候変動問題については熱心だったはずなのに、そのことに
ついては熱く語り合うことはないのでしょうか。

 
 
 

 では、次回まで
 
 

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