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2008/07/18

経済ニュースゼミ(第478号、2008,7,18 )

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 経済ニュースゼミ   (第478号)  2008年7月18日
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 こんにちは、seijiです。

 梅雨は明けたということになっているのですが、イマイチすっきりと
しません。

 皆様のところは如何でしょう。

 まあ、それにしても全国的に暑いですよね。

 この分だと、とても長い夏になるような予感がします。

  ブログでは、ちょっとだけ衝撃的なテーマを取り上げました。

  「日本政府、海外から50兆円の借金」 
    ↓↓↓
  http://blog.livedoor.jp/columnistseiji/

  読んでみて下さい。

 
 では、経済ニュースゼミを始めます。


 
 <本日のメニュー>

1.経済ニュース解説(全国一斉休漁 その2)
2.アダムスミス(分業)
3.編集後記







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経済ニュース解説(全国一斉休漁 その2)
==================================

 前回、全国の漁業団体が一斉に休漁をした件を扱いましたが、本日は
その続きを。

 読者の皆様から、メールを頂きました。

 要点だけ、ご紹介しますね。

 先ずは、Gさんから。

 「漁師さんが一斉休業まで追い込まれているのですが、例えば仲買さん
    達はどうなのでしょうか?
  養殖や輸入品であまり影響ないとも聞きますが、結局そこの利幅は
  何も変わっていないという事なのでしょうか。」

 次は、Tさん。

 「原油が高くなった分のお金は、日本から産油国へ流れてしまうので、
  結局、日本の誰かが、その分のお金を負担しなくてはならないわけ
  ですよね。

  単純に考えれば、原油が高くなった分、価格転嫁して消費者みんなで
  負担をすればいいんでしょうけれど、それでは消費者に理解されない
  かもしれない。

  というわけで、燃油サーチャージのようなことを魚でも行えばいいの
  ではないかと、思いました。

  なので、“燃油サーチャージ税”を導入したらどうでしょう。
  原油高の時だけ発生する税。」

 
 Gさん、Tさん、ご意見有難うございます。

 先ず、Gさんのご意見ですが、良い点を突いていると思います。

 テレビなどマスコミの報道をみていると、どうしても漁師さんと消費
者の行動だけに光が当てられているように思います。


  漁師さんたちは、重油の値上げで苦しい。
   ↓↓↓
  しかし、その分を価格に転嫁しようとしても難しい。
    (消費者が、値上げをすると買わない)
   ↓↓↓
  そうなると、重油の値上げ分は漁師さんの負担になるが、それでは
    赤字になり漁を続けられない。
   ↓↓↓
  従って、政府が面倒を見るべき。
  (放っておくと、廃業する漁師が増え、市場に出回る魚が少なくなっ
   て、十分な魚が確保できない)


 でも、ですね。魚の小売価格に占める漁師さんの受取額は、どの程度か
ご存知ですか?

 何と、漁師さんたちの取り分は、平均24%だと。

 1匹100円で売られている魚があったとしたら、漁師さんは24円しか受け
取っていないというのです。

 ということは、その間で76円分が誰かの収入になっているというのです。

 先ず、市場の人々。卸売業者、運送業者、そして小売業者と。

 ということは、かりに100円という小売価格が変わらなくても、漁師さん
たち以外の取り分を少しだけ減らしてもらうことによって、重油代の値上
げ分を多くの関係者で分担することができるということです。

 でも、結局、小売の方の力が漁師さんたちの力に優り、なかなか漁師さん
たちの声が伝わらないと言います。

 何故か?
 
 それは、漁師さんたちは、ばらばらで結束することが少ないからです。

 日本には、約12万の漁業関係者がいるといいますが、そのうちの9割は、
家族経営だとか。

 これが、もし、大資本の下に多くの漁業経営が営まれていたとすれば、
漁師さんの側の価格決定力ははるかに大きかったと思います。

 でも、そうなると、結局高い魚を消費者が買わされるということになる
のです。

 そこのところが我々には、痛いですよね。

 
 次に、サーチャージを課したらどうかとのTさんのご意見ですが、お魚の
サーチャージということがどういうものかイマイチはっきりしませんが、
仮に、ご提案が、

 「国民が、例えば所得に応じて、燃料代の上昇に見合うだけの追加的な
所得税を負うものだとして、そのサーチャージで、漁師さんたちを支援す
るというもの」

 だとすれば、

 きっと、国民は怒るでしょうね。

 ガソリン代の値上がりで生活がきつくなっているのに、さらにサーチャー
ジまで課せられるのかと。

 ということで、実現は困難でしょう。

 では、漁師さんたちだけが負担を負うことになるのでしょうか。


 そんなことはないのですよ。


 以前、イカ釣り漁師さんたちのストに際して、なかなかイカの価格に
転嫁するのは難しいと私は言いました。

 それは、イカが高いのなら、他の魚にしようと皆が思うからです。

 でも、イカだけでなく、あらゆる種類の魚の値段が上がるとなると、
イカを止めて他の魚にしようとすることはできなくなります。

 まあ、暫くの間は、魚の量を減らすかという人も出ては来ると思います
が、でも、今までの食生活をそう簡単に変えることができないのも事実
です。

 そうなると、ある程度の値上がりは止むを得ないかなということに
なり、重油代の値上がり分の一部は、価格に転嫁されることになると思
います。

 
 質問に対するコメントは以上ですが、重油代高騰に対応するための
方策はないのか、さらに考えてみましょう。


 先ず、今、重油代が上がっても、価格に転嫁することができず、生活が
苦しくなっている漁師さんたちの現実があります。

 で、何とかしてくれということになっています。

 単純に考えれば、苦しいのなら、補助金でもあげてということになるの
ですが‥

 でも、問題の本質を探る必要があります。

 それは、一つには、この重油高騰が一時的なものかどうか、将来も
この調子で高値が続くのか、といことの見極めが必要です。

 それによって答えは違うと思います。

 もし、重油の高騰がこれからも続き、しかもそれを魚の価格に転嫁する
ことができないのであれば、それは構造的にこれまでのやり方による漁業
が成り立たなくなることを意味します。

 ですから、その場合は、一時しのぎの補助金の支給は意味をなしません。

 当然、漁業関係者の廃業ということも出てくると思います。

 しかし、これは如何なる産業においてもみられる現象ですから、あまり
感傷的に反応することは適当とは言えません。

 で、採算の合わない漁師は廃業することになると、当然魚の供給量が制
限され、価格が上昇し、自然にまた状況は落ち着くと思います。


 ただ、廃業する漁師さんがかわいそうではないか、という声があると思
いますが、転職などの支援の面で、政府が必要な対策を打つ必要はあると
思います。

 また、採算がなかなか取れないけど、どうしても漁師さんを続けるため
に何か良い方法はないかということになれば、一つ方法があります。

 それは、自分でとった魚をブランド化することです。

 同じような鯵や鯖でも、べらぼうに高い値段がついたのがあるでしょ?


 それに成功すれば、経営は安泰ですが、それも簡単には行きませんよね。


 いずれにしても、先進国の人口こそ横ばいですが、世界全体の人口は増え
ているわけですし、これから、高級志向で魚の消費量が増えるとも思われる
ので、漁業に将来性がないというわけでは決してないと思います。


 ということですので、今重油が上がっているという現象面にまどわされず、
漁業の長期ビジョンを考えるのが政府の第一の仕事だと思います。



 

 以上

 
 
 

 


 皆さんからのご意見を待っています。


 どんな意見でも結構です。
 ↓↓↓

 発行者メールアドレス:cute@columnist-seiji.com 









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アダムスミス(分業)
==================================

 前回からアダムスミスの「国富論」を皆さんと一緒に勉強しています。

 前回言いたかったのは、「国富論」には、「諸国民の富」というタイ
トルもあるが、「諸国民の富」という言い方では、著者の言いたいこと
は伝わらないのではないかということでしたね。

 The wealth of nations

 nationには、国とか国民とかいう意味がありますが、我々日本人がいう
「国民」は、一個人としての国民を指す場合が多いのですが、英語の
nationは、集団としての国民を指しているので、そのことを理解していな
いと意味がよく伝わらないということでした。

 
 それはそれとして、国富論というのは、一体、どういうことを言ってい
るのでしょう。

 ずばり、

 国は、どうしたら裕福になれるか。

 もっと俗っぽくいえば、国はどうしたら金持ちの国になれるか。



 明治時代に、富国強兵ということが言われましたが、富国になるための
教えが示されているのです。

 では、アダムスミスは、どうしたら豊かな国になることができると
言っているのでしょう。


 それは、ずばり、分業によってです。

 国富論は、5編から構成されていますが、第1篇第1章でそのことが述べら
れています。

 ご存知かもしれませんが、1人でピンを作るよりも、10人で分担して
ピンを製造すると、はるかに効率的に製造ができるという話です。

 これは、そう難しい話ではありませんよね。

 少し想像力を働かせれば、容易に理解できることです。


 では、その第1章の冒頭の部分をみてみましょう。

 その前に言いますが、これまた非常に分かりにくい日本語です。(岩波
文庫の「国富論」より)


 「労働の生産力の最大の改良と、それがどこかにむけられたり、適用さ
れたりするさいの熟練、腕前、判断力の大部分は、分業の結果であったよ
うに思われる」


 どうでしょう。この意味理解できます?

 分かったような、分からないような‥、そんな気分になっていませんか?

 では、またしても、原文に当ってみましょう。


 The greatest improvement in the productive powers of labour,

and the greater part of the skill, dexterity, and judgement 

with which it is any where directed, or applied, seem to

have been the effects of the division of labour.


 英語の方も、長ったらしい文章です。これ、主語が二つです。

ですから、文章を二つに分けてしまいましょう。


 The greatest improvement in the productive powers of labour
 
seem(s) to have been the effects of the division of labour.

 「労働の生産力の最大の改善は、労働の分割(要するに、分業のこと)の
結果であるようにみえる」

 もう少し分かりやすくいえば、

 労働者の生産力が大きく改善しているのは、分業を行ったからだと
思える、ということです。

 これなら、よく分かりますよね。

 でも、主語は他にもあります。

 The greater part of the skill, dexterity, and judgement 

with which it is any where directed, or applied, seem(s) to

have been the effects of the division of labour.

 「技能、器用さ、そして判断力というものの大きな部分は、技能、器用さ、
そして判断力というものとともに労働が如何なるものへ向けられようと、
分業の結果であるようにみえる」

 これ、分かりやすく言えば、

 「どのような労働であろうと、労働がなされるには、技能や判断力が伴う
のであるが、技能や判断力の向上が起きたのは、分業を行った結果であるよ
うにみえる」

 ということです。


 で、冒頭で、結論を述べたあと、ピン工場の様子を描写しながら、具体
的に分業によって生産能力が拡大していった様子を説明するのです。




 もっと手っ取り早く理解したいと思っている人へ。

 分業とは、ある仕事を1人で行うのではなく、細かく分解してそれぞれが
一部を分担することによって行うものです。

 で、その際、どのような部分を分担するかといえば、各人が得意とする
仕事を分担しますよね。

 だから、効率的になり、生産力は拡大するのです。

 
 みなさん、夏休みの間に、気長に国富論を勉強しましょう。




 230年ほど前の人が考えていたことが分かります。


 以上


 「マクロ経済学がよ〜くわかる本」(秀和システム)は、もっと手っ取り早
く経済学がわかる本です。お薦めします。





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編集後記
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 アダムスミスの国富論を少しずつ読んでいきます。

 気長に行きましょうね。

 そのうち面白い部分も出てきます。

 それに先に進むと、アダムスミスさん、それはどうなの?という部分も
出てくると思います。

 そうです。貴方が、あの偉大なアダムスミスの意見を批評できるように
なるかも‥

 気持ちいいですよ。


 


 では、次回まで











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