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2008/06/20

経済ニュースゼミ(第468号、2008,6,20 )

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 経済ニュースゼミ   (第468号)  2008年6月20日
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 こんにちは、seijiです。

 アメリカも中国も日本も水害で大変です。

 特にアメリカの洪水は凄いです。

 日本では、昨日、佐賀県の一部が浸水したみたいですが、直ぐに水が
引いて掃除をしている光景が映されていました。

 それに引き換え、アメリカは、もう何日も水が引かず、或いは引いても
家の中はぐちゃぐちゃで、使い物になりません。

 皆泣いています。

 で、こうして大洪水が起きるのは、温暖化が影響していると、米国の
国立海洋大気局が、はっきりと言明しました。

 本当に、アメリカはどう対応するというのでしょう。

 ブログでは、そのことについて書いています。


  「国立海洋大気局が温暖化の影響を発表」 
    ↓↓↓
  http://blog.livedoor.jp/columnistseiji/

 
 では、経済ニュースゼミを始めます。


 
 <本日のメニュー>

1.経済ニュース解説(米国の為替介入)
2.地球温暖化対策(その9)
3.編集後記







==================================
経済ニュース解説(米国の為替介入)
==================================

 本日は、読者の方からご質問を頂きましたので、先ず、それにお答え
したいと思います。(文章は、簡略化しています)

<質問1>

 中国は近年、巨額の元売り介入により国内に過剰流動性を発生させて
いると言われますが、なぜ中国は不胎化しないのでしょうか?

<質問2>
「中国は債券市場が未発達のため、不胎化が不完全」という解説を読ん
だことがありますが、どのような意味ですか。

<質問3>
 介入だけで元の対ドルレートを安定させられるのでしょうか。中国は、
経常収支に加え、資本収支も大幅黒字だと思うのですが、だとすれば両方
の黒字とつりあうだけ、元売り介入しないとレートは安定しないわけです
よね?




 先ず、中国は、何故不胎化しないか、という質問ですが、不胎化の努力は
しています。


 具体的な内容を探る前に、不胎化とはどういうことか考えてみましょう。


 日本を例にとって考えてみます。

 2004年3月まで、日本は、大規模なドル買い円売り介入を行っていました。

 それは、日本が不況から脱出できるようにするためです。

 円レートを安くすることができれば、それによって米国への輸出が促進さ
れると考えたからですね。


 で、ドル買い円売りの介入とは、どうやって行うのでしょう。

 介入は、国が為券という政府短期証券を発行し、それによって円貨を調達
し、次に外為市場においてその円貨でドルを購入するのです。

 で、こうした取引は、政府の外為特会を通じて行われ、取得したドルは、
米国国債などで運用されています。

 いずれにしても、政府が為券を発行し、それによって得た資金でドルが購
入されるのですが、もし、為券を購入するのが企業や家計部門であるという
のであれば、そうして介入を行ったとしても、介入の前後において市場にお
ける流動性に変化はありません。

 しかし、もし、その為券を日本銀行が一手に引き受けたとしたらどうで
しょう。

 そうすると、それは日本銀行がお札を刷って、それを政府に貸し付けたと
同じことになりますから、そうした資金によって介入を行うと、市場に流動
性が供給されることになります。

 で、景気が過熱気味のときに、そうした介入によって流動性が供給される
と、景気は益々過熱し、インフレになる可能性が出てきますので、そうした
資金を吸収することが考えられます。これを不胎化と呼びます。


 ここで注意すべきは、政府が為券を市場で発行して資金を調達し、そうし
た資金で介入行為を行う場合には、流動性は新たに追加されることはないと
単純に考えてはいけないということです。

 いくら市場で資金を調達したといっても、その大部分を日銀や政府部門が
引き受ける場合があるからです。



 で、中国は、何故不胎化を行わないのか、というご質問ですが、中国も不
胎化政策を採用しています。

 でも、その不胎化政策というのは、市場で債券を発行することによって資
金を調達し、それで介入するというやり方ではなく、介入は、刷ったお札で
行い、その上で、一旦市場に出回った流動性を、人民銀行がオペレーション
で吸収する方法をとっているのです。

 例えば、人民銀行が保有する国債を市中銀行に引き渡す代わりに、資金を
吸収するようなことです。

 しかし、今の日本と違って、かつての人民銀行は、保有する国債が限られ
ていたのです。そのため、今度は、自らが発行する債券を市中銀行に引き渡
して資金を吸収するようなことをしています。

 また、それと同時に、預金準備率を引き上げるようなことによって資金
の吸収を行っているのです。

 で、そうした不胎化が徹底していれば、過剰流動性が発生することはな
かったと思うのですが、徹底されていなかったいうことなのです。

 というか、もし、徹底した不胎化を行うということになれば、中国国内
で金利の上昇が起き、それによって人民元レートには上昇圧力がかかるの
で、元々為替レートを低く抑えつつ、不胎化をしようというのは矛盾した
行為であるのです。

 換言すれば、自国通貨のレートを安く保ちながら、同時に金融を緩和さ
せないというのは、無理な注文だということです。



 次に、「中国は、債券市場が未発達なために、不胎化が不完全」という
のは、買いオペや売りオペの対象となる債券が市場に十分に存在しないた
めに、オペレーションをやりたくてもなかなか効果的なオペにはならない
ということです。

 現在の不胎化の基本は、人民銀行が発行する債券を売り渡す方式ですが、
考えて見て下さい。


 というか、ここは、日本を例にとりましょう。

 日本銀行が、市場に過剰流動性が発生しているから、それを回収しようと
して債券を発行したとします。

 そして、市中銀行がそのオペに応じたとしたら、確かに現金は日銀に回収
されます。

 でも、市中銀行には、日銀の債券が残ります。(現実には、今、そのような
債券はありませんが‥)

 しかし、よく考えてみると、現金と、そのような日銀の債券とは、どこ
がどう違うのでしょう。

 法的には、支払い手段として強制力があるとかないとかの違いがあるで
しょう。

 でも、発行しているのが同じ日本銀行だとすれば、その債券も、現金に
準じた流動性が認められる可能性があります。

 とすれば、いくら狭義の現金を回収したからといっても、過剰流動性を
完全に解消したとは言えないということなのです。



 3番めの、介入だけで元レートを安定させることができるのか、という
ご質問ですが、これ、何か誤解されているのではないでしょうか。

 「安定」というのを、どういう意味で使われているのかはっきりしないと
お答えができないのですが、仮に、「安定」というのが、人民元の価値を保
つということであれば、確かに、介入だけで通貨価値を維持することが大変
難しいことを我々は経験から知っています。

 でも、中国が行っている介入は、人民元のレートを相対的に低く保つこと
を目的としているので、価値を上げるための介入と違って比較的容易なので
す(完全変動相場制を採らなければの話ですが)。

 ということで、確かに、経常収支だけではなく、資本収支も黒字になって
いても、それに見合うだけの介入を行っているので、人民元レートが少しず
つしか上昇していないのです。

 質問者は、介入の規模が少ないと考えていらっしゃいますが、介入の規
模の大きさは、中国の外貨準備高の急増に反映されています。



 以上が、ご質問のお答えですが、これからが本日の本題。



 米国の為替介入です。


 世界中は、今、原油高に悲鳴を上げています。

 そして、最近では、ドル安と原油高が連動しているとも言われています。

 そこで、米国の政権は、原油高を止めるためにドル安を食い止める手がな
いかと考えているのです。


 さあ、ドル安を食い止める手っ取り早い手段はないのでしょうか。

 あります。

 金利を引き上げることです。

 そうすれば、ドルは強くなるでしょう。

 しかし、それができる位なら、苦労はありません。

 不況が長期化する中で、金利の引き上げはなかなか困難なのです。

 だからこそ、米国は、口先介入をしているのです。

 「ドル高は国益だ。世界もドル高により恩恵を被る」と。


 しかし、それだけではドル高には向かいません。

 口先介入の効果は限定的です。


 とすれば、実際に介入をしたらどうか、という考えが浮かびます。

 ドル高に誘導するには、ドル買いユーロ売りなどの介入が考えられます。

 ドル買い円売りもあるかもしれません。


 いずれにしても、先ず、米国側は介入に必要は外貨を調達する必要があり
ます。そして、外為市場で外貨を放出し、ドルを手に入れます。

 そうすると、ドルが市場から吸収されることになるので、上に述べてきた
ことと逆の状況が発生します。


 流動性が市場から吸収されてしまうのです。

 そうするとどうなるでしょう。

 金利が上昇してしまいます。


 これ、自動的に金融を引き締めているのと同様なのです。


 で、それではと、連銀が資金を市場に放出したらどうなるのでしょう。


 そうなると、金利は再び低下するかもしれませんが、そうなると、また
ドルが安くなってしまうということです。

 要するに、金融を引き締めることなしに、ドルを短期間に強くするという
のは大変に困難な話だということです。


 そのことを理解してもらいたかったのです。

 アメリカに、なかなか良い方法がないことがお分かり頂けたでしょうか。



 以上


 皆さんからのご意見を待っています。


 どんな意見でも結構です。
 ↓↓↓

 発行者メールアドレス:cute@columnist-seiji.com 


 

 以上









==================================
地球温暖化対策について(その9)
==================================

 米国の国立海洋大気局が、温暖化の影響に関するレポートを発表してい
ます。

 温暖化が進行すると、台風が大型化する、熱波が襲う、旱魃が多くなる、
サンゴ礁が白化するなどということは、IPCCが既に発表しているところで
すが、米国政府(国立海洋大気局)によって具体的な影響が予想されたこ
との意味合いは大きいと思います。


 あれほど、温暖化について懐疑的であった米国政府が、温暖化の悪影響
について認めているからです。


 懐疑論者の方々は、これをどのように受け止めるのでしょうか。

 まあ、あまり変わらないかもしれませんね。

 米国においても、この手のニュースに対して、相変わらず、根拠がない
ことだとする書き込みが見られるからです。

 地球温暖化の議論というのは、「空が落ちてくる」と警告するのに似た
ようなものだと。


 でも、温暖化ガスの濃度が増すことによって大気や海洋の温度が上昇し、
それが異常気象につながるという説明は、私にとって大変分かりやすいも
のです。

 それに何よりも、そうした異常気象を我々が経験し始めているからです。

 今回の九州での大雨も1時間当り100ミリを超えているところがありますが、
昔は、1時間当り100ミリを超える雨など、そうしょっちゅうは降りませんで
した。

 何十年に1度とか、50年に1度とか、或いは100年に1度とかではなかったの
でしょうか。


 それが、そういう異常な大雨が増えているのです。

 いずれにしても、今、アメリカや日本で洪水に遭っている人からすれば、
理由は何であれ、もう勘弁してくれというところではないでしょうか。


 懐疑的な人々は、こうした異常気象が頻発している理由を何に求めるので
しょうか。

 そして、その対策というものがあるのでしょうか。

 
 

 以上



 


==================================
編集後記
==================================
 
 北朝鮮の問題、東シナ海の油田の問題、どうも釈然としないことばかり
です。

 ああいう対応をして、政府の支持率が上がるはずがありません。

 どうして、それが分からないのでしょうか。

 それとも、支持率が下がっても、そのような対応を取るより他に方法が
ないということでしょうか。

 もし、それよりもいい方法が思い浮かばないなら、総辞職した方がいい
のではないでしょうか。

 総理は、外国人の記者に対し、「解散などしている暇はない」と言って
いましたが、それは中身のある政策を実行している政権がいうことではな
いでしょうか。 



 
 来週月曜日の配信は、都合によりお休みします。


 悪しからず



 では、次回まで
 

 
 





□■□■□■□■□■□■□■□■
 経済ニュースゼミは、『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 
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 配信中止: http://www.mag2.com/m/0000143981.htmから。

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