2007/11/22
山岳プロガイドによる『山歩き』からの『登山』入門 Vol.019
************************************************************************ 山岳プロガイドによる『山歩き』からの『登山』入門 【019】2007/11/22 ************************************************************************ エベレストトレッキング第4回目です。 ************************************************************************ <<今回のお題>> ■山歩きの部■ ・実践山歩紀行−『ネパール・エベレストトレッキング報告 〜転結・エピローグ〜』 ネパールのクーンブ山域、数年後のエベレスト(チョモランマ)遠征登山 の準備の準備を兼ねて、その山の大きさを実際に自分の目で見るところから 始めたいと思います。今回のトレッキングの報告は下記のブログでも、写真 を付けたレポートでお送りしています。 ◇お知らせ◇ 『山登りなんでも相談掲示板』『やっほー掲示板』『山崎日記』移転しました ■山歩きの部■********************************************************** △ 実践 △ △△ 山歩紀行 △△ 『ネパール・エベレスト街道〜転結・エピローグ〜』 --------------------------------------------------------------------- 今号のコ−ス:ナムチェバザール〜ルクラ〜カトマンズ --------------------------------------------------------------------- 2007/11/3後半 『高度障害』 本隊はタンボチェから往路をナムチェへ戻り、16:00に全員ナムチェに到 着、山崎と合流した。途中、Oさんの疲労はかなり強くなっているようだ。シ ェルパやポーターに背負われてナムチェに降りたものの、ロッジでは酸素吸 入しながら寝ているしかない。Mさんも少し疲れ気味で酸素を使用するが、こ ちらは短時間で回復。Oさんには夜中も酸素吸入するように手配し、食事もお 粥を部屋まで運んで食べていただくが、かなり顔色が悪い。K会長と相談して 、明日はOさんをヘリでカトマンズまで下ろし、できる限り早く医師の診断を 受けさせることに決定。昨日のうちにナムチェに降ろすことも考えたが、や はりそうしたほうが良かったのだろうか?しかし、昨日はナムチェまで降り る時間が足りなかったことも事実だ。 直ぐにカトマンズのラムさんに電話して、明日早朝のヘリを手配、その後 空港まで出迎えて病院に行くまでの段取りを打合せ決定。一切の費用はラム さんの会社で一時立て替えていただき、後日清算とする。また、病院などで 英語での会話が必要なこともあり、MさんにOさんの付き添いをお願いする。 ところで、本隊と一緒に私を残したままタンボチェに行ってきた私個人の 荷物バッグがやっと戻ってきた。待ち焦がれていたのはパンツだ。履いてい たものは汚れたので捨ててしまった。それ以来3日間は尻にトイレットペーパ ーをあてがってのノーパンである。睡眠中に突然下痢に襲われ、ズボンまで その被害にあった時などは、ノーパンのトイレットペーパーに直接レインウ ェアを着て寝た。・・・人間こうなってしまえば、実にたわいのないものだ。 オレンジジュースと薬とトイレットペーパーを持ってきてくれるシェルパニ だけが頼りなのだ。大事なのは、たわいのない自分を受け入れて生かしてく れる人や自然に、愛情を持って生かしてもらうことではないだろうか? この晩、Fさんはロッジ内のゴンパ(寺院)部屋に泊まることとなった。K 会長も同室だったが、ゴンパ部屋の独特の居心地から食堂で寝ることにされ たらしい。私はこのロッジの娘さんの部屋を与えられたが、寝台が小さすぎ るのでK会長と同じく食堂で寝ることとする。 --------------------------------- 2007/11/4 『救出と再会』 この日はOさん、MさんとTさん以外の本隊でナムチェを出発、ルクラに帰る。 5:00起床。夜半からOさんの酸素ボンベ交換に人が動いている。シーガルト ラベルのラムさんとの電話連絡で、ヘリフライトは予定通りOK。 6:00に朝食を頂いて、本隊はルクラへ出発。Oさんにはサーダーのラクパ =テンジンとMさんが付き添って、ナムチェ街区上部にあるヘリポートからカ トマンズへ飛ぶ。Oさんは夜中に酸素マスクを外すと咳き込み、のどの痛みな ど風邪のような症状となている。軽い高度障害と極度の身体的精神的疲労と いうところか?とにかく、一刻も早く安全にカトマンズの病院に送り届けた い。身体を壊してはしまったが、それだけ辛い思いをしなければ見られない 光景を見てきたのだと、無事帰国後に思っていただきたい。 私にとっては思いがけず長いことお世話になったナムチェバザールに別れ を告げ、ロッジのゴンパ部屋で般若心経を読経3回。お土産に祭壇の仏陀の 前においてあった組紐を頂く。我々はドゥードゥコシ沿いの道をルクラへ向 かう。Fさんは昨日から胃腸を壊して、頻繁に林の中に入っておられるので気 の毒だ。私のほうは、ヘリの手配や病院の手配で忙しく動いているうちに直 ってしまったらしい。 ナムチェからの急坂を降りる途中で、Oさん、Mさんを乗せたヘリが頭上高 くを飛び去った。カトマンズ空港ではラムさんとプラビンさんが待機してく れているはずだ。それにしてもナムチェまでの道は遠い。最後にパグディン からルクラへの登りは、体力を消耗している場合はかなり辛かったと思う。 AさんとDさんが疲れている。シェルパメンバーが大勢ついてサポートし、励 ましながらひたすら歩くのみ。 17:00前。小雨が降る中を全員がルクラに到着。Aさんは感動の涙。皆、本 当に辛い道程だった。ナワン=ユンデンのロッジに入り、カトマンズと通信。 Oさんはラムさんと病院にいるとのこと。酸素吸入を止めると症状が悪くなる (血中酸素飽和濃度が酸素吸入中の90%台から70%台まで落ちる)ので、ま だ病院からは出られないが命に別条はないとのこと。これで一安心。 お別れパーティーは日本・ネパールの歌と踊りで盛り上がった。ルクラで 元気に合流されたTさんを含むトレッキング隊員、シェルパたち、キッチンメ ンバー、ポーターやヤク使いまで加わって、全員で歌って踊ってお開き。パ ーティーの最初にK会長の要請で岡山大山岳部歌(六高山岳部歌)を歌ったの だが、歌詞をすっかり忘れている。明日はカトマンズフライトで5時起き。い ろいろあって疲労しているのか、9時には寝てしまった。 --------------------------------- 2007/11/5 『旅の終わり』 ルクラ発カトマンズ着の予定。早朝、ルクラより国内線航空機でカトマン ズへ。朝一番シリーズ便の3番目の飛行機であった。操縦士はルクラに来たと きと同じ。カトマンズ空港への着陸は旋回しながらのアプローチで着陸した。 良い腕である。マナスルホテルでMさんと合流。昨日のヘリフライト以降の詳 細な報告を頂いた。本当にありがとうございました。しばらくしてOさんも合 流。意外と元気そうで安心。昼ご飯はカトマンズの日本料理店『古都』です き焼き定食やカツどんを食べる。言わずもがなだが・・・美味しい。その後、 ダルバルスクエアからアサントーレ、タメルを通って歩いてホテルへ帰る。 途中タメルでFさんとバイラジャ一行にばったり出くわして、お土産購入。お 酒も考えたが、ご本人へはトピ(ネパール式帽子)、奥様にパシュミナとい う組み合わせで購入。夕食はネパール料理と民族舞踊。観客注目の中で1人踊 りだすFさんのパワーに度肝を抜かれる。 --------------------------------- 2007/11/6 『日本へ』 朝からFさんとタメルへ。今回世話になったバイラジャに参加者皆さんの寸 志でノースフェースのザックを購入。寄せ書きと一緒にプレゼントした。カ トマンズ発は滞りなく、長いフライトとバンコクでの長いトランジットを経 て、11/7早朝に関西国際空港に帰ることができた。 (^^)メールはこちらまで→ mailto:feo_fuerte_y_formal@msn.com ◇お知らせ◇************************************************************ 下記のように移転しました!コメント・投稿をお待ちしています! --------------------------------------------------------------------- \(^o^) 山登りなんでも相談掲示板 (^o^)/ \(^o^)/やっほー掲示板〜山の写真・報告・ご意見用〜\(^o^)/ http://bbs5.fc2.com/php/e.php/yahho/ 山登りについてのいろんな疑問や不安について、たとえば..装備の選び方、 山の天候のこと、バテない登り方とか、何でも相談してください。 山岳プロガイド山崎、またはそれぞれのご相談に適した専門家が回答します。 誰でも投稿可です。プライベートな山の写真などの画像が投稿できます。 --------------------------------------------------------------------- (^_^)v 山崎日記 (^_^)v http://kangchenjunga.blog121.fc2.com/ 以前は『閑話休題』として書いていたものですが、再開しました。 週1回更新が目標です。 ************************************************************************ ◇020号掲載予定◇ ・『奥穂高岳/長野県』 ・『アルピニスト列伝−ワルテル=ボナッティ(Walter Bonatti/伊)』 ************************************************************************ ※図表が崩れて見える方は、 http://www.mag2.com/faq/mua.htm を参考に、 等幅フォントに設定してご覧ください。 ************************************************************************ 【発行者略歴】 山崎裕晶(やまざきひろあき)。1966.3.3兵庫県出身。山岳プロガイド。 アルピニスト。岡山大学山岳会会員。国内難ルート冬期登攀。ガッシャブルム 主峰(8,068m)西陵の初登攀などの海外遠征。ニュージーランドでの山岳ガイド を経て、国内山岳ガイド多数。過去5年間のガイド登山で述べ7,000名以 上をガイド。現在も毎月約120名をガイド。 アルバム=> http://kangchenjunga.web.fc2.com/yama/history/01.htm Eメール => mailto:feo_fuerte_y_formal@msn.com ************************************************************************ 【発行者】山崎裕晶(やまざきひろあき) 【発行者サイト】 http://kangchenjunga.web.fc2.com/yama/ ************************************************************************ このメールマガジンは『まぐまぐ!』http://www.mag2.com/ を利用して 発行しています。 配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000143198.htm ************************************************************************ ※許可無く転載することを禁じます。 ※受信者個人の責任においてご利用ください。 ************************************************************************ Copyrights Hiroaki Yamazaki 2004-2007 All Rights Reserved ************************************************************************ ↓まぐまぐからのお知らせ↓



