2007/11/14
山岳プロガイドによる『山歩き』からの『登山』入門 Vol.016
************************************************************************ 山岳プロガイドによる『山歩き』からの『登山』入門 【016】2007/11/14 ************************************************************************ いよいよ寒くなってきました。いかがお過ごしですか? エベレストへのトレッキングから帰りました。本来のメールマガジンも 追々発行しますが、今号からしばらくの間、ネパールという国の旅行記を 書きたいと思います。今回はネパールに到着しての感想などなど・・・ ************************************************************************ <<今回のお題>> ■山歩きの部■ ・実践山歩紀行−『ネパール・エベレストトレッキング報告〜プロローグ〜』 ネパールのクーンブ山域、数年後のエベレスト(チョモランマ)遠征登山 の準備の準備を兼ねて、その山の大きさを実際に自分の目で見るところから 始めたいと思います。今回のトレッキングの報告は下記のブログでも、写真 を付けたレポートでお送りしています。 ◇お知らせ◇ 『山登りなんでも相談掲示板』『やっほー掲示板』『山崎日記』移転しました ■山歩きの部■********************************************************** △ 実践 △ △△ 山歩紀行 △△ 『ネパール・エベレスト街道〜プロローグ〜』 --------------------------------------------------------------------- 今号のコ−ス:関西国際空港〜バンコク〜カトマンズ --------------------------------------------------------------------- 2007/10/27 『ネパールへ』 岡山駅前に5:00集合。直行バスで関西国際空港へ向かう。8:35に 関空着。直行バスはタイ航空のチェックインカウンター付近に着き、一旦荷 物を集めて人数確認。思えば今回のトレッキングで頻繁に行っていた人数確 認の、これが最初であった。往復の航空券を配布し、それぞれトイレや食事 のためにしばし解散。 ・・・7月の岡山県山岳連盟理事会に出席していたときだったか、今回のト レッキングを国体記念事業として県岳連の公式行事とすることが決定された。 長年細々と山岳ガイドを業としてきた私としては、大学山岳会の諸先輩や県 下各山岳会の先輩方の端っこに所属させていただき、私などよりはるかに長 く、戦後アルピニズムの黎明期から活躍されてきた先輩方の驥尾に付させて 頂いている。そんな先輩方の1人である県岳連会長から、このトレッキングの 実行委員長として現地まで同行するようにと言いつかったわけだ。突然であ った。参加するにしても日常の仕事をどうするか、それでなくとも最近慌し く心乱れている自分を自覚している、そんな状態で10日以上もトレッキング 隊をマネジメントできるのか・・・、そんなことを一瞬のうちに考えたが、 人間的にも尊敬する会長からの推薦でもある、次の瞬間にはこの役割を引き 受けていた。自分自身を見詰めなおす機会を、求めていた矢先だったのかも しれない・・・。 チェックインカウンターは受付開始時間直ぐには込み合う。30分ほどたっ て少し好いてきたところで、戻ってきた人から数名毎にチェックイン。その 後直ぐにセキュリティと出国審査を済ませ、出国ゲートにてタイ国際航空T G623便を待つ。関空を発った飛行機は、現地時間15:35にバンコクへつ いた。今夜の宿泊先、グランドインカムホテルの送迎バス2台に分譲して、ス ワンナプーム新空港から500Mくらいの近さのホテルへ15分。 初日は荷物の整理もあるのでシングルルームとした。夕食はホテルから歩 いて直ぐの地元人専用の食堂へ行ったが、口に合わない食べ物も多かったの ではないだろうか?思い切って食べれば安くて上手い。しかし旅の初日には 少し疲れる夕食だったかも知れない。 --------------------------------- 2007/10/28 『浮雲の思いの人々の国』 ホテルのビュッフェで朝食をいただき、送迎バスで新空港へ。タイ国際航 空TG319便でバンコクをあとにする。ここでは出国税が1人700バーツ( 約2,450円)が必要だそうだが、団体受付カウンターではじめてそれを知り、 早速集金して空港事務所で支払う。セキュリティチェくはわりと簡単。しか し新空港はとても広いので、搭乗ゲートまではかなりの歩きを強いられる。 現地時間12:45、日本とは3時間15分の時差があるので日本時間では午後4 時、ネパール王国(今のところ・・・)の首都カトマンズに到着。ボーイング 777の後部タラップから地面に降りる。空港内なのでコンクリートの地面では あるが、久しぶりにカトマンズ標高1,300mの大地に足をつけることが出来た。 すぐに人数確認してイミグレーション(入国審査)へ。今回はツアー会社に段 取りを依頼しての旅行ではないので、ここで自分たちでビザの申請をしなけ ればならない。日本から用意してきた写真と、県岳連事務局の舩越さんが参 加者1人づつに配布した30US$のビザ代金を申請書と共に提出。イミグレーショ ンの手前の銀行カウンターでビザ代金を支払い、入国審査を終えるのにかな りの時間がかかる。係員はそれぞれ知り合いと雑談しながらノンビリと仕事 を進めている。 空港を出ると、通訳のバイラジャ=シュレスタが出迎えてくれた。そのまま バスに乗り込んでマナスルホテルに向かう。相変わらず、空港からバスに乗 る間に勝手に荷物を運んで賃金を要求するものが数名。かわいそうだが、い まは遊んでいる暇がないので『ホイナ!(NO!)』と一蹴してしまった。彼らも 自分と家族が食べてゆくことに精一杯であろう。集金を諦めた彼らの立ち去 る姿は淋しそうだった。またまた、旅行者である自分の無用の感傷にいらだ つが、それも自然の感情に任せようと思う。とにかくマナスルホテルへ参加 者全員を無事に送り届けることだ。皆さん長旅で少々疲れても要るだろう。 明日からはトレッキング本番。今夜はゆっくり休んでもらわねばならない。 ホテルに向かうカトマンズの町は、やはり交通渋滞と排気ガスと埃でひど い有様である。王宮前を通過。今この王宮には国王家族はいないはずだ。 曲がりなりにも機能していた民主制を国王が強権で停止し親政を強いてか ら数年、それらの動きと長年積み重なる貧富差や地主制度に反発し、最終的 にはカトマンズ以外の地方を中心に国土の7割以上を自治区として実質武力支 配した毛沢東主義ゲリラグループ(マオバディ・マオイスト)の活動が活発化 した。その数年間、登山やトレッキングでネパールを訪れる旅行者が激減し、 老舗のホテルシェルパなど多くのホテルやエージェントが体力を使い果たし て破綻した。この夏にネパール政府と毛沢東主義ゲリラグループの和平交渉 が実現し、マオイストは議会に席を占めることとなった。議会は武装解除を していないマオイストの瀬戸際交渉術(いつでも連立政権を離脱して闘争に戻 る覚悟)におされ気味。王宮を国有財産とするとの決議を議会採択したことに 国王が反発、というか半ば拗ねて王宮から出て行ってしまった。今は王族の プライベートな資産である別荘に滞在しているという。 国内の貧富差、それを生み出す行政制度の腐敗は確かにひどいものがある。 ヒンズー独特の混沌を政治がそのまま反映している感じだ。もっと救いがた いことは、そのような貧富の差そのものは結果として受け入れざるを得ない ものの、その是正を期待できるような教育やビジネスの機会まで、富める階 層が独占していることだろう。地方で児童労働を強いられている子供たちに もっとよりよい教育と子供らしい子供時代を保証することが政治の義務であ る。 しかし、そのような改善を標榜しているはずのマオイストですら、指導者 連中は本当の貧困からは遠いところで、貧困を取り扱う政治ゲームに終始し ている。そして貧しいものは、他の貧しい同胞に対して厳しく闘争心をあら わにし、富める者には愛想をする。人間の自然状態は、万人の万人による闘 争であるのか、その混乱を避けるために、人間の天賦の権利を政府(または 国王)に対して譲渡する社会契約論も、もはや王政を合理化する理論とはな り得ない。悲しいことだが、この国に公平が実現することはもう無理なのだ ろうか、国としてまとまってゆくことは出来るのだろうか・・・古京はすで に荒れて、新都はいまだ成らず。ありとしある人は皆浮雲の思いをなせり。 というわけで自己防衛本能むき出しでバラバラになっている。すべてを決め るのは我々旅行者ではもちろんないし、国連の監視団でもない。 夕食はマナスルホテル(小ぢんまりとして庭園と赤レンガの建物が良い)の レストランでネパール料理をビュッフェ形式で頂く。今夜限りでアルコール を控えてください。とは言ってみたものの、皆さん、いや何人かはかなりの 上戸のようだ。少し心配だが、上戸には上戸の自己管理方法がおありだろう。 ノンアルコールを強制はせず、よく様子を見てゆこうと思う。 (^^)メールはこちらまで→ mailto:feo_fuerte_y_formal@msn.com ◇お知らせ◇************************************************************ 下記のように移転しました!コメント・投稿をお待ちしています! --------------------------------------------------------------------- \(^o^) 山登りなんでも相談掲示板 (^o^)/ \(^o^)/やっほー掲示板〜山の写真・報告・ご意見用〜\(^o^)/ http://bbs5.fc2.com/php/e.php/yahho/ 山登りについてのいろんな疑問や不安について、たとえば..装備の選び方、 山の天候のこと、バテない登り方とか、何でも相談してください。 山岳プロガイド山崎、またはそれぞれのご相談に適した専門家が回答します。 誰でも投稿可です。プライベートな山の写真などの画像が投稿できます。 --------------------------------------------------------------------- (^_^)v 山崎日記 (^_^)v http://kangchenjunga.blog121.fc2.com/ 以前は『閑話休題』として書いていたものですが、再開しました。 週1回更新が目標です。 ************************************************************************ ◇017号掲載予定◇ ・『ネパール・エベレスト街道〜ナムチェバザール〜』 ************************************************************************ ※図表が崩れて見える方は、 http://www.mag2.com/faq/mua.htm を参考に、 等幅フォントに設定してご覧ください。 ************************************************************************ 【発行者略歴】 山崎裕晶(やまざきひろあき)。1966.3.3兵庫県出身。山岳プロガイド。 アルピニスト。岡山大学山岳会会員。国内難ルート冬期登攀。ガッシャブルム 主峰(8,068m)西陵の初登攀などの海外遠征。ニュージーランドでの山岳ガイド を経て、国内山岳ガイド多数。過去5年間のガイド登山で述べ7,000名以 上をガイド。現在も毎月約120名をガイド。 アルバム=> http://kangchenjunga.web.fc2.com/yama/history/01.htm Eメール => mailto:feo_fuerte_y_formal@msn.com ************************************************************************ 【発行者】山崎裕晶(やまざきひろあき) 【発行者サイト】 http://kangchenjunga.web.fc2.com/yama/ ************************************************************************ このメールマガジンは『まぐまぐ!』http://www.mag2.com/ を利用して 発行しています。 配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000143198.htm ************************************************************************ ※許可無く転載することを禁じます。 ※受信者個人の責任においてご利用ください。 ************************************************************************ Copyrights Hiroaki Yamazaki 2004-2007 All Rights Reserved ************************************************************************ ↓まぐまぐからのお知らせ↓



