2006/09/20
山岳プロガイドによる『山歩き』からの『登山』入門 Vol.012
************************************************************************ 山岳プロガイドによる『山歩き』からの『登山』入門 【012】2006/9/19 ************************************************************************ 久しぶりのメールマガジン発行です。大変お待たせしました。この夏は北 海道のガイドプランを3回実施し、例年のとおり準備に山にと忙しい日々で したが、このシーズンはなかなか好天に恵まれなかったという印象がありま す。皆さんの山登りはいかがでしたか? ************************************************************************ <<今回のお題>> ■山歩きの部■ ・実践山歩紀行−『旭岳・黒岳石室・北鎮岳〜愛山渓温泉/北海道』 □登山の部□ ・アルピニズム的こころ『天気図を見ましょう・第5回』 〜雷のメカニズム〜 ◇掲示板より◇ 『地図の読み方』 ◇お知らせ◇ ・インターネット講座予告『天気図を見ましょう』『地図・道迷い防止講座』 ・『トムラウシ/北海道+携帯トイレ実践レポート』予告 ・『アルパインアドベンチャー2006』募集 ■山歩きの部■********************************************************** △ 実践 △ △△ 山歩紀行 △△ 『旭岳・黒岳石室・北鎮岳/北海道』 --------------------------------------------------------------------- コ−ス:旭岳温泉〜旭岳〜黒岳石室(泊)〜北鎮岳〜愛山渓温泉 --------------------------------------------------------------------- ◎以下の記事(写真入)はこちらでもご覧頂けます → http://www.cbn-inc.com/yama/articles/01_asahikurohokutin.htm http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin001.jpg 今年(2006年)の夏シーズンは、大雪山系の旭岳から北海岳、黒岳、北鎮岳と、 御鉢平の4分の3くらいを縦走するルートと、トムラウシ温泉からトムラウシ山 を越えて天人峡温泉へ至る縦走ルートを歩きました。今回は旭岳温泉〜旭岳〜 黒岳石室(泊)〜北鎮岳〜愛山渓温泉の縦走を紹介しましょう。 このルートは旭岳温泉〜旭岳〜黒岳石室(泊)〜層雲峡という一日縦走ルート、 またはその反対コースが一般的なので、そのメジャールートと重なる部分はと てもよく整備されています。とはいえ北海道の山はやはり道標も少なく、営業 山小屋も本州のように至れり尽くせりは考えてはいけません。何事も自分たち の体力と知識と準備を頼りとして、歩く姿勢を問われる山々と感じます。 出発は旭岳温泉のロープウェイ。これで約10分程度で姿見の池まで登ります。 このロープウェイの部分にも登山道があり、こちらを歩けば約2時間30分で姿見 に到着。ここから避難小屋を経て、左に地獄谷の盛んな噴煙を見ながら、約2時 間30分で旭岳の山頂に着きます。ここまでの登りルートは一定の傾斜で規則的 なリズムて登れるでしょう。ニセ金庫岩から山頂までの短い区間は少し複雑(と いってもそこまで単調な登りに比べればというだけですが)ですが、ホワイトア ウトなどしていなければ特に問題ありません。山頂に向かって左へ大きく曲が る辺りには、右手に立入り禁止ロープがあります。これは旭岳からガスの中を 姿見に向けて下降する場合、忠別側に迷い込みやすいためです。 旭岳山頂(2290.3M)は広場になっていて、一等三角点があります。今回は初め てGPSを持ってゆきましたが、この山頂で緯度経度を測定してみると、国土地理 院が作った三角点記念碑に書かれている北緯、東経にぴったり!その時点の誤 差が2メートル。GPSって良いですね。もちろん持参した25000分の一地形図には 10分単位で経緯線を書き込んで、雨に濡れてもよいようにレトルトパウチして あります。北海道の山はガスで視界が利かないことが多いのですが、地形図で 小まめに読図すると主に、GPSと地形図で位置を確認しておけば万全です。 旭岳山頂からは1時間弱の下りで、快適な裏旭キャンプ場へ。この下りでは、 毎年かなりの雪渓が残っています。裏旭キャンプ場は、広くて水も豊富。ロー プウェイを使わずに旭岳に登頂するならば、1日目はここでテント泊しても楽し いでしょう。 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin002.jpg 《写真:地獄谷を背景に旭岳への登り》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin003.jpg 《写真:噴煙はかなり盛んです》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin004.jpg 《写真:単調な登りですが何故か飽きない》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin005.jpg 《写真:旭岳山頂(2290.3M)》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin006.jpg http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin006b.jpg 《写真:一等三角点選点記念碑》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin007.jpg 《写真:旭岳からの下降 ここからはぐっと人が少なくなります》 裏旭キャンプ場からは御鉢平の”ふち”を目指して登り再開。赤い斜面を15 分も登ると、間宮岳への稜線、つまり御鉢のふちに出ます。ここからは左手に 御鉢平(現在立入り禁止)を見ながら、間宮岳(2185M)、松田岳、北海岳(2149M) を経て、一旦北海沢まで下り、黒岳石室に至ります。 間宮岳からは北鎮岳へ直接向かうルートの分岐、北海岳からは白雲岳を経て トムラウシ方面へ向かう分岐がそれぞれ分かれています。季節中にもよります が全コースに渡って、とにかく花が多い。特に黒岳手前の北海沢をわたる雪渓 付近、ここは層雲峡から登れば近いと思いますが、この付近のお花畑はすごか った。 黒岳石室は小さいものの快適でのんびりした小屋でした。水(要煮沸)と燃料、 食材が入手できます。それからこの石室の入り口にある手書のルートマップは なかなか見る価値有り。 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin008.jpg 《写真:裏旭キャンプ場から御鉢のふちへの登り》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin009.jpg 《写真:御鉢のふちへもう少し 背後に裏旭》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin010.jpg 《写真:御鉢のふちの稜線 平方面はガス》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin011.jpg 《写真:ガスの中に御鉢平が見え隠れしています》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin012.jpg 《写真:松田岳 しかしこの標識は地形図で見ると山頂ではないようです》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin013.jpg 《写真:御鉢平と高山植物》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin014.jpg 《写真:黒岳石室》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin015.jpg 《写真:黒岳石室内部》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin016.jpg 《写真:黒岳石室キャンプ場 後ろは凌雲岳》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin017.jpg http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin017b.jpg 《写真:石室にあるルートマップ》 翌朝、朝食前に桂月岳に登ってご来光を見てから出発準備、2日目は旭岳に次 ぐ大雪第2の標高の北鎮岳を経て、愛山渓温泉に下山です。 黒岳石室を出てしばらくすると、雲の平の広大はお花畑が迎えてくれます。 やがて北鎮分岐を通って、雪渓を少し登り北鎮岳(2244M)へ。御鉢平の景色とは ここでお別れです。 北鎮岳からまだところどころ高山植物の群生が驚きを与えてくれます。鋸岳 の斜面をトラバースして愛別岳への分岐を右に見る当たりは景色が一変して、 赤土の荒涼とした斜面が永山岳まで続きます。永山岳はあまりピークらしくな い山頂ですが、ここからの長い下りに備えてここで一休み。そこからはただた だ下りで愛山渓温泉へ。少し道が悪いかもしれませんが、滝コースを降りる場 合に村雨の滝横の下りに注意が必要なくらいです。 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin018.jpg 《写真:桂月岳からの日の出》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin019.jpg 《写真:同じく雲海の朝焼け》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin020.jpg 《写真:朝食前に桂月まで約30分で往復できます》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin021.jpg 《写真:桂月からの下りで右に北鎮岳 左に北海岳》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin022.jpg 《写真:同じく北海岳と黒岳石室と御鉢の位置関係が分かります》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin023.jpg 《写真:コマクサ》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin024.jpg 《写真:桂月の下りから 右端が北鎮岳 雪渓が鳥の形で・・・何鳥だったか?》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin025.jpg 《写真:雲の平の入り口付近から黒岳石室を振り返る》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin026.jpg 《写真:展望台から御鉢平の向こうに間宮岳》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin027.jpg 《写真:御鉢平》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin028.jpg 《写真:北鎮への登り 背後の山は凌雲岳》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin029.jpg 《写真:北鎮岳山頂》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin030.jpg 《写真:北鎮から鋸岳の稜線を見る 鋸の歯の手前にトラバースルートが》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin031.jpg 《写真:永山岳山頂》 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/asahikurohokutin032.jpg 《写真:愛山渓温泉 素朴で良いところです 熱い豊富な温泉 1週間いたい》 北海道ではいろいろ発見があります。今回は愛山渓温泉の下山口で多くの参 加者が携帯トイレ専用のゴミボックスにお世話になりました。北海道で感じる ことの一つに、環境保全への真剣さがあります。携帯トイレもかなり開発に手 がかかっていると思われるものが400円で入手できます。これがあれば何処でも 安心できるという以上に、入手場所や処理ボックスの整備が進んでいることが 普及の鍵となっているようです。この携帯トイレの実践レポートは『トムラウ シ山』の山行報告と一緒に掲載する予定です。 (^^)メールはこちらまで→ mailto:yamahiro@cbn-inc.com □登山の部□************************************************************ ◇◇アルピニズム的こころ◇◇ 『天気図を見ましょう・第5回』 〜雷のメカニズム〜 --------------------------------------------------------------------- ◎以下の記事(写真入)はこちらでもご覧頂けます → http://www.cbn-inc.com/yama/articles/02_20060919_kishou5.htm 前回の講座では、特に低気圧について、それに伴って発生する前線(温暖 前線と寒冷前線)が起こす天気の変化についてを解説しました。 今回は、登山にあたって特に注意が必要な雷について勉強しましょう。 ---------------------------------------------------------------------- 1966年(昭和41年)西穂独標において松本深志高校パーティーが落雷に遭い、 11名死亡、13名重軽傷という惨事がありました。この事故の分析も多くなされ ていますので、当時の遭難パーティーの行動と被害状況を知ることが出来ます。 そうした資料によれば、落雷は遭難者の1人の足から体内に入ったとの記録があ ります。全く恐ろしいことですが、私たちの普段生活している街での雷と、高 い山岳での雷は全く違うものと考えなくてはなりません。山岳での雷は、上か ら落ちてくるだけでなく、上下左右から襲いかかってきます。 ---------------------------------------------------------------------- 湿潤な空気が上昇すると、空気は徐々に冷やされて飽和水蒸気温度(水蒸気 が水滴に変わる温度)に達し、水蒸気が凝結して水滴(雲粒)となります。こ の雲粒が成長すると雨・雪・あられ等の降水粒子となりますが、雷の電気エネ ルギーが雲の中に電荷として生まれるのは、降水粒子が雲の中で上昇・下降運 動を繰り返すうちに帯電・蓄積されるからと考えられています。 つまり、降水粒子が雲の中で上昇・下降運動を繰り返すような気象条件が、 雷を発生させやすい天候といえるでしょう。そうした気象条件の代表的なもの には、日射による上昇気流と前線があり、それぞれ発生させる雷のことを『熱 雷』『界雷』と呼びます。 ---------------------------------------------------------------------- ◇熱雷(ねつらい)◇ 夏山の斜面などが強い日射により暖められ、暖められた地表付近の空気が熱 せられて上昇します。夏の間、内陸山岳部で多くみられる成因で、これを熱雷 と言います。特に山岳部では発生頻度が多く、しかも毎日5分程度のずれを生じ ながら、一定時間に落雷、集中降雨が起こります。 ---------------------------------------------------------------------- ◇界雷(かいらい)◇ 前線で寒気団と暖気団が接する部分で、寒気団が暖気団を押し上げたり(寒 冷前線)、暖気団が寒気団の上を上昇する(温暖前線)時の上昇気流により発 生します。寒冷前線による場合が多く、強い降雨と前線通過後の気温低下にも 注意が必要です。 ---------------------------------------------------------------------- その他には、台風や発達した低気圧の上昇気流による渦雷(うずらい)など があります。 ---------------------------------------------------------------------- 落雷を避ける方法として、金属を身に着けていると危ないというので、金属 類を外すべきと言われるのは迷信で、人間の体そのものが放電を誘導しやすい 避雷針のようなものなのです。そして背の高さなどほん少しの高さの違いが電 位差を生み、高い位置にある導電体(登山者のこと)ほど落雷を誘いやすいと いうことができます。なので、もしも登山中に落雷の危険があると考えられる 場合は、 ・岩場や稜線から離れる。(ただし転滑落に注意) ・斜面や窪地などで姿勢を低くし、雷が収まるのを待って、安全な場所(山小 屋等)へ避難する。 ・樹木を介して被雷することもあるので、樹木の下に避難してはいけない。 などの対応が必要です。 また、そうした退避行動をする場合に、その時に起こっている雷の現象が、 『熱雷』なのか『界雷』なのか、天気図の配置から予想して、どれくらい継続 すると考えられるのか、ということを知っておくことも大事です。 そういう情報を把握することは、雷に遭いそうなリスクが登山中のどの時点 で考えられるかの予測にもつながり、その予測に基づく対策をあらかじめ講じ ておく、つまりはリスクマネジメントを実行できることに繋がります。 ---------------------------------------------------------------------- 第1回 『天気図を見ましょう』 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/02_20050305_kishou1.htm 第2回 『天気図の見方・気象用語の整理』 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/02_20060417_kishou2.htm 第3回 『高気圧と低気圧の中の空気の流れと天気の関係』 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/02_20060512_kishou3.htm 第4回 『低気圧に伴う前線の周囲の様子』 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/02_20060624_kishou4.htm 第5回 『雷のメカニズム』 http://www.cbn-inc.com/yama/articles/02_20060919_kishou5.htm 第6回 『気象通報の詳細/天気図の購入方法/r2win32 の紹介』 (^.^)/~~~メールはこちらまで→ mailto:yamahiro@cbn-inc.com ◇山登りなんでも相談掲示板◇******************************************** http://www.cbn-inc.com/treebbs2/3/index.html 山登りについてのいろんな疑問や不安について、たとえば..装備の選び方、 山の天候のこと、バテない登り方とか、何でも相談してください。 山岳プロガイド山崎、またはそれぞれのご相談に適した専門家が回答します。 --------------------------------------------------------------------- 『地図の読み方』掲示板より 【質問】 初めまして。山岳部に所属している高校2年です。山に登り始めて2年目に なりますが、今だ歩いているときの地図上の自分の位置が分かりません・・・。 先生は周りの尾根と谷がどういう風になっているかをみればすぐにわかると おっしゃるのですが、まだその感覚がつかめていません。どうすれば初めての 山に行っても地図で自分の位置がわかるようになるのでしょうか?教えてくだ さい。 【回答】 読図に関しては、先ずオリエンテーリング的な読図と、実際の山登りの場面 での読図を区別して捉えたほうが分かり易いと思います。 これはどういう意味かというと、オリエンテーリングは自然の地形を利用し たスポーツとしての側面が大きく、地図を読んで現在位置や周囲の地形を分析 するという作業も、スポーツゲームの中での頭の体操ですから、あくまでも安 全を確保された中で、難問題に集中することが出来るという前提での作業です。 こういう場面では、じっくりと周囲の地形から情報収集して分析して結論を 出すという作業も可能ですね。 しかし実際の山の中では、その周囲の地形がいつも見えているとは限りませ ん。また天候も不安定で、時間も限られている、時間を超過したり、道迷いに 陥れば、遭難や事故に発展してしまうかもしれない可能性といつも直面してい るわけですから、純粋にスポーツゲームとして読図を楽しむ状況ではないと考 えた方が良いでしょう。 ではそんな場合の読図とはどういうものなのかというと、、、 (1)先ず地図上のルートはあらかじめ頭に入っていて進行時間やルートの傾 斜などから、大体今どの辺りに居るかが想定できること。「時間とルートの様 子からすると、今はこの辺りだろう」という想定ですね。 (2)自分で想定している現在位置を仮定として、そこまでのルートの形状と そこからのルートの形状を地図で確認すること。「今この辺りだとすると、こ こまでの地形はこんな感じだったので、地図上の地形と一致する。ここからは、 地図上ではこんな感じだと思われるから、歩きながら確認しよう。」という作 業。 (3)もし周囲の顕著な地形が見えれば、自分の現在位置との関係を地図上で 照合してみること。 この3点が基本です。 こうして考えると、周りの谷や尾根などの地形を使う確認は、位置確認の方 法としては一番最後に行う確認となりますね。その理由は、もし(3)の確認 方法をを最初に行うと、周囲の地形を自分の都合の良い情報として解釈してし まうリスクがあるのです。つまり、「あのピークは地図上のこのピークに違い ない」と確信できたとしても、それは「あのピークは地図上のこのピークであっ てほしい」という願望が先にたってしまう危険性があるということですね。こ れは道迷いのメカニズムとしては基本的な心理状態といわれています。 ですから、やはり前もって地図を十分に読んで、頭の中で3次元の空間が想 像できるくらいに事前のシミュレーションをしておくことが大事です。(1) ですね。 それから山の中では小まめに地図を出して、特に事前シミュレーションで分 かり難そうだと思う部分では頻繁に確認すること、そうやって確認ライン(現 場で正しいと確認できているルート上のライン)を少しづつ伸ばしてゆくこと です。これが(2)ですね。 こういうことを山の中で継続してやっていると、そのうちに勘という物も働 くようになってきます。もっともそれは勘に過ぎないのですが、これに助けら れることも多々あると思います。まぁ、これは余談として、地図の活用、基礎 や習慣が大事ですから、がんばってください。 ◇お知らせ◇************************************************************ □インターネット講座予告 『ナレッジサーブ http://www.knowledge.ne.jp/ 』を利用したインターネッ ト講座を配信する予定です。 基本的には『天気図を見ましょう』講座のようにメルマガとホームページ上 で公開したものをベースに、アニメーションや写真、資料などを充実させた内 容をネット講座として配信します。(2006年10月より) 『天気図を見ましょう 全6回』(2006年10月より予定) 第1回 『天気図を見ましょう』 第2回 『天気図の見方・気象用語の整理』 第3回 『高気圧と低気圧の中の空気の流れと天気の関係』 第4回 『低気圧に伴う前線の周囲の様子』 第5回 『気圧配置と日本の天候・春夏秋冬/台風/雷/梅雨/豪雪など』 第6回 『気圧配置と日本の天候 ・気象通報の詳細/天気図の購入方法/r2win32の紹介など』 ---------------------------------------------------------- 平成18年日本山岳協会遭難対策総会の資料によれば、平成14年以降警察庁発 表の山岳遭難データの統計から、中高年の遭難割合が圧倒的に多く、また女性 に遭難が多いという分析が出ています。またその遭難事故の内容・原因として は、(1)道迷い、(2)転滑落、(3)病気の順に多いという結果となっています。( 2)の転滑落にしても、道迷いの結果としての事故というものもあるでしょう。 簡単な結論ですが、今できることとして中高年・女性の道迷い遭難を防ぐこと が出来れば、相当数の遭難事故を無くすことが出きるということです。 では、そもそも人は何故道に迷うのか?間違ったルートに入り込む時、そし てそのルートを修正出来るか出来ないかの分岐点で、登山者の心理に何が起こ っているのか?そうした心理状況を認めた上で、個人差なく基準と出来る道迷 い防止の方法は何か?その点について、『道迷い遭難を防ぐ地図講座』として 講座を配信する予定です。 『道迷い遭難を防ぐ地図講座 全8回』(2006年11月以降予定) 第1回 道迷い遭難のメカニズム 第2回 道迷い実験 第3回 道迷いメカニズムの体験と対策 第4回 通過点での毎回読図(確認ライン)の実践 第5回 現在位置の確認方法各種の習得 第6回 単純な地形での読図 第7回 複雑な地形の読図 第8回 現在位置の確認方法各種の実践 --------------------------------------------------------------------- □『トムラウシ/北海道+携帯トイレ実践レポート』予告 今年はガイド登山として、旭岳・黒岳石室・北鎮岳の縦走と共に、トムラウ シ温泉からトムラウシ山、化雲岳を越えて天人峡温泉へ下山するルートの縦走 をしました。次々号の『実践山歩紀行』では、このときのトムラウシ縦走のレ ポート(忠別川源流のヒグマも出てきます)、それと共に北海道でスタンダー ドとなりつつある携帯トイレについての実践レポートをお送りします。お楽し みに! --------------------------------------------------------------------- □『マウンテンアドベンチャー2006』 『アルパインアドベンチャー2006』募集 毎年恒例の夏の登山プログラム『マウンテンアドベンチャー2006』が悪天候 のため順延となり、10月に実施することとなりました。また、冬の『アルパイ ンアドベンチャー2006』も予定のとおり実施されますので、ぜひご参加くださ い。これらの登山プログラムは岡山県山岳連盟と岡山大学山岳会の後援をいた だいています。 どちらも小学生高学年から中学生向けの内容ですが、お問合せはこちらまで メールで受け付けています。→ mailto:yamahiro@cbn-inc.com 『マウンテンアドベンチャー2005』報告ページ http://www.cbn-inc.com/yama/ma2005_rpt/photo_catalog.html ************************************************************************ ◇次号掲載予定◇ ・『三倉岳(ミクラダケ/広島県)』 ・『アルピニズム的こころ−天気図を見ましょう・第6回』 〜気象通報の詳細/天気図購入方法/r2win32 紹介〜 ************************************************************************ ※図表が崩れて見える方は、 http://www.mag2.com/faq/mua.htm を参考に、 等幅フォントに設定してご覧ください。 ************************************************************************ 【発行者略歴】 山崎裕晶(やまざきひろあき)。1966.3.3兵庫県出身。山岳プロガイド。 アルピニスト。岡山大学山岳会会員。国内難ルート冬期登攀。ガッシャブルム 主峰(8,068m)西陵の初登攀などの海外遠征。ニュージーランドでの山岳ガイド を経て、国内山岳ガイド多数。過去5年間のガイド登山で述べ7,000名以 上をガイド。現在も毎月約120名をガイド。 アルバム=> http://www.cbn-inc.com/yama/history/01.htm Eメール => mailto:yamahiro@cbn-inc.com ************************************************************************ 【発行者】山崎裕晶(やまざきひろあき) 【発行者サイト】 http://www.cbn-inc.com/yama/ ************************************************************************ このメールマガジンは『まぐまぐ!』http://www.mag2.com/ を利用して 発行しています。 配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000143198.htm ************************************************************************ ※許可無く転載することを禁じます。 ※受信者個人の責任においてご利用ください。 ************************************************************************ Copyrights Hiroaki Yamazaki 2004-2006 All Rights Reserved ************************************************************************ ↓まぐまぐからのお知らせ↓



