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2009/12/14

【インブル総研 13】 モラトリアム法(返済猶予法)について教えて!

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■□■□ 『インブル総研 最新の経営知識、はじめました。』  第13回
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■□        インブルームLLP 発行 http://www.inbloom.jp/foresight/
■                     読者数 6849人   2009/12/14
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 『結構使える!つまみ食い「新会社法」 速報版』を大幅リニューアル。
 各専門家が、“経営に役立ちそうな”
 最新の会計・税務・法務・金融情報をお送りいたします。
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◆◇ 目次 〔1〕 【Q&A】 モラトリアム法(返済猶予法)について教えて
◆◇     〔2〕 編集後記
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〔1〕 【Q&A】 モラトリアム法(返済猶予法)について教えてください。
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【ご質問】
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「モラトリアム法」について教えてください。
この法律が成立したことにより、借入金の返済を猶予してくれるのですか?
もう借入金の返済をしなくてもよいのでしょうか?


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【回答】
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モラトリアム法とは、正式には「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための
臨時措置に関する法律(中小企業金融円滑化法)」といい、2009年12月4日に
施行されました。また、本法は2011年3月31日までの時限立法となっています。

本法律の意味するところは、決して、“返済しなくても良い”ということではありま
せん。
返済猶予が認められるかどうかは、あくまでも金融機関との交渉の上決定します。

また、このモラトリアム法には強制力はなく、“努力義務”にとどまっています。

事業者等から条件変更の依頼があれば、
積極的に受けるように促進している法律なのです。


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・本法律の全体像について
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中小企業金融円滑化法の全体像ですが、
大雑把に言うと、次の通りです。


1.「金融機関の努力義務」について

 金融機関(銀行、信金・信組・労金・農協・漁協
 及びその連合会、農林中金)は、中小企業又は
 住宅ローンの借り手から申込みがあった場合には、
 貸付条件の変更等を行うよう“努める”。

2.「金融機関自らの取り組み」について

 ・金融機関の責務を遂行するための体制整備。
 ・実施状況と体制整備状況等の開示。
 (虚偽開示には罰則を付与。)

3.「行政上の対応」について
 
 ・実施状況の当局への報告。
 (虚偽報告には罰則を付与。)
 ・当局は、報告をとりまとめて公表。

4.「更なる支援措置」について

 ・信用保証制度の充実等
 (「条件変更対応保証制度」など)


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・努力義務だと条件変更に応じてくれないのでは?
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本法律においては、当初、亀井静香金融担当大臣が
言っていたような強行的な法律ではなく、あくまでも
“努力義務”にとどまっています。

しかしながら、努力義務としながらも、実施状況を開示・報告させる
ことになっていますし、さらに実効性を高めるため虚偽開示など
悪質なケースには罰則を科すことになっていますので、金融機関
としては非常に厳しい法律であることには変わりありません。

それと、条件変更を申し込む際には、法律で努力義務を科している
のだから条件変更に応じるのは当然だ・・・という姿勢ではなく、
当然のごとく、改善計画書や資金繰り表等を作成して話し合い、
交渉を進めてください。


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・「条件変更対応保証制度」について
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「条件変更対応保証制度」とは、これまで公的金融と取引のない
事業者でも、信用保証協会による返済負担軽減支援を受けること
ができる”というものです。


つまり、この制度は、原則として、公的金融(日本公庫、商工中金、
信用保証協会)を現在利用されていない中小企業者が対象となります。

要は、民間金融機関から、プロパー融資“のみ”の借入しかない
事業者については、条件変更の際、信用保証協会が40%債務保証する、
という制度です。

多くの零細・中小企業は、公的融資制度を中心に活用しており、
プロパー“のみ”という事業者は少ないと思われますので、
あまり対象にはならないでしょう。

具体的な内容についてですが、保証割合は40%、
保証期間は延長含め最長3年、保証料は2.20%、
保証限度額2億8000万円(8000万円超の無担保保証も相談可)
という制度です。

また、利用に際しては、金融機関とともに、
経営改善計画・返済計画を立てる必要があります。

また、その利用が一時的なものや少額にとどまるものなど、
実質的に利用していないと同様と認められる場合も対象となる
ケースもあるようです。

具体的な運用については、信用保証協会や各経済産業局・
中小企業庁まで問い合わせてみてください。



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・条件変更後に追加融資を受けることはできるのか?
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これは原則として非常に難しいと思われます。

常識的に考えてみてください。

金融機関としては、現在の借入の返済ができない企業に対して、
条件変更を呑むわけですから、さらにその企業に融資をすること
は非常に困難です。

そもそも、条件変更をする際は、
「条件変更期間中は借入ができない」という前提で
改善計画書を作成すべきなのです。

しかしながら、民主党中心の連立政権においては、
条件変更後においても新規融資を前向きに検討する
というような発言も出ています。

どこまで実現できるのかは何とも言い難いですね。
しかしながら、今後の政府の動向については注目してください。


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【結論・参考】
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この法律については、賛否両論あります。
メリット、デメリット、リスク・・・様々な要因があるでしょう。

条件変更をすれば、原則として、追加の融資は非常に難しいです。
利用する前にじっくりと検討するようにしてください。
“安易な”条件変更はお勧めできません。


また、来年に向けて、
さらに景気が悪化する可能性も否定できません。

現在、日本には約35兆円のGDPギャップが発生していますが、
政府はそれを埋めるどころか、需要(政府支出、投資等)を
削減することばかりしており、橋本政権、小泉政権の経済対策の
失敗を同時に実行している・・・ようなものです。
(ちなみに、財政出動を強く主張しているのは亀井大臣くらいです。)

景気が回復することを願うばかりですが、
デフレの進行と景気悪化は避けられないかもしれません。

そういう意味では、中小企業の資金繰りもさらに厳しくなる
可能性があります。いくら資金を貸してくれたとしても、景気が
回復しないと根本的な解決にはなりません。

よって、この法律も選択肢の一つです。
選択肢はいろいろあった方が良いに決まっています。

そういう意味では、より柔軟に条件変更に対応してくれるような
環境を作ってくれたことは意義のあることだと思いますが、
皆さんは、どう思われますか・・・?


<文責・吉田学>


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 日本の抱えている経済課題、民主党政権の景気対策の実態、
 経済音痴の極み?といえる政府、閣僚達の景気対策認識・・・。

 そして、今後の資金繰り対策はどうすればいいのか?について、
 12月16日に実施されるセミナーで、インブルームの吉田学が
 講演させて頂きます。

 よろしかったらご参加下さい。
 http://www.fukuda-ir.jp/blog/1301.html
 (※「インブルーム吉田の紹介」と一言添えて下さい。
 5000円になります。)
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〔2〕 編集後記
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 今回は、ニュース等でも話題になった「モラトリアム法」を取り上げました。

 亀井静香金融相の言動ばかりが記憶に残ってしまって、
 具体的な中身をご存じなかった方もいらっしゃったのではないでしょうか。

 政権の方針は、実体経済にも必ず影響を及ぼします。
 今後の政策にも注目していくべきでしょう。

 これからも“経営に役立ちそうな”会計・税務・法務・金融情報を
 タイムリーにお届けします。

 次回は来年の予定です。それでは、よいお年を。

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発行者:インブルームLLP

 山田真哉(公認会計士)・緒方美樹(税理士)・宮崎剛(税理士)
 木村聡子(税理士)・長江博仁(行政書士)・吉田学(資金調達専門家)
 URL http://www.inbloom.jp/foresight/

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