2009/07/17
【インブル総研 12】 借入の返済不能→なにをすればいい?
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ■□■□■ ■□■□ 『インブル総研 最新の経営知識、はじめました。』 第12回 ■□■ ■□ インブルームLLP 発行 http://www.inbloom.jp/foresight/ ■ 読者数 6853人 2009/7/17 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ──────────────────────────────────── 『結構使える!つまみ食い「新会社法」 速報版』を大幅リニューアル。 各専門家が、“経営に役立ちそうな” 最新の会計・税務・法務・金融情報をお送りいたします。 ──────────────────────────────────── ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ 目次 〔1〕 【Q&A】 借入の返済できなくなったらどうする? ◆◇ 〔2〕 編集後記 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ──────────────────────────────────── 〔1〕 【Q&A】 借入の返済できなくなったらどうすればよいのか? ──────────────────────────────────── ------------------------------------------------------------------------ 【ご質問】 ------------------------------------------------------------------------ 現在、緊急保証制度やセーフティネット貸付を活用して 資金繰りを凌いでますが、今後、借入の返済が出来なくなるくらい 収支が悪化したら、その時はどうすれば良いのでしょうか? また、それに対する政府からの何らかの支援はあるのですか? ------------------------------------------------------------------------ 【回答】 ------------------------------------------------------------------------ 先ずは、返済できないからといって、高利の貸金に手を出すようなこと だけは絶対にしないで下さい。“返済のための高利からの借入”は、 何の解決策にもなりません。傷口をさらに悪化させるだけです。 返済できなくなった時には、取引先の金融機関にしっかりとその旨を 伝えて、借入返済条件の変更を申し入れてください。 また、現在、政府からも金融機関等に「条件変更等には応じるように」 との主旨の通達が発信されています。 ------------------------------------------------------------------------ 【解説】 ------------------------------------------------------------------------ -------------------------------------------- ・直近(6月)の倒産状況と今後の行方について -------------------------------------------- 帝国データバンクによりますと、6月の実績は、 倒産件数は1294件(前月1057件、前年同月1065件)で、 前月比は、22.4%の増加、前年同月比も21.5%の増加。 13ヵ月連続で前年同月を上回り、2008年10月の1231件を 抜いて集計基準変更の2005年4月以降で最多を更新。 負債総額は4744億7200万円で今年最低の記録とのことです。 負債総額が“今年最低の記録”ということは、それだけ、 中小企業の倒産ウエイトが高くなっているということです。 セーフティーネットによる金融支援が功を奏していたことも事実ですが、 依然として中小企業の状況は厳しいということです。 今期の後半については、一部の企業においては、緊急保証制度等 の元本返済が始まりますので、この夏以降は、中小企業の資金繰り がさらに悪化する可能性も否定できないでしょう。 その時に業績等が回復していれば、さらなる借入にて 何とか凌げるかもしれません! しかし、追加の借入もできずに、 返済することすらできなくなる可能性もあります。 -------------------------------------------- ・絶対に高利には手を出さない! -------------------------------------------- 先ずは、高利の金融には手を出さないようにしましょう。 一時しのぎになるものの、傷口をさらに広げるだけです。 特に闇金などには絶対に手を出さないようにして下さい。 また、ノンバンクからの借入も止めるべきでしょう。 但し、ノンバンクからの借入ができれば事業改善ができる! という明確なプランがあるのならば、検討してもいいのかもしれませんが、 基本的には、避けるべきです。 資金繰り表を作成して、「どうしても、やはり、返済できない……」 ということならば、その穴を埋めるための、“返済のための借入” は止めましょう。 その時は、思い切って取引先の金融機関に 「返済条件の変更(リスケジュール)」の依頼を行ってください。 -------------------------------------------- ・金融機関に対して条件変更を申し込む! -------------------------------------------- その際は、「返済できません。ごめんなさい」だけではなく、 当然ですが、再生案を持参するようにしてください。 現状分析、今後の再生プラン、損益計画、資金繰り計画表など……、 簡単、かつシンプルな資料だけでも結構ですから、きちんと数字を 示しながら説得するようにしてください。 再生プランは5年計画くらいで立てるといいでしょう。 (この“5年”には根拠があります。後ほど説明します) 基本的には、「1年間、利息だけの支払いでお願いします」という パターンが多いのですが、今後の再生計画によって、その要請内容 も変わってくるはずです。 また、信用保証付き融資の場合は、ケースによっては、 信用保証協会への交渉が必要な場合もあります。 それと、公庫ですが、「うちは政府系金融機関ですからできません」 と言うのが彼らの断り文句のようですが、そんなことはありません。 多くの経営者は、“うちは政府系金融機関……”と言われると、 妙に納得してしまうようですが、しっかりと交渉してください! ポイントは、感情論ではなく、数字で客観的に 改善プランを訴えて交渉することです。 そして、それでも金融機関がどうしても条件変更を呑まない場合でも、 それはそれで対策はあります。 しかしながら、その際は、事業再生 やリスケジュールの専門家にご相談するようにして下さい。 できれば、条件変更の申し出をする際には、 “なるべく早め”に、専門家に相談することをお勧めします。 -------------------------------------------- ・政府の対応策について -------------------------------------------- 現在の政府の方針ですが、セーフティネットを強化しつつも、 貸し手側に対して、「返済に関する相談にも積極的に乗るように」 との通達も出されています。 たとえば、4月に公表された経済危機対策においては、 以下のような内容が盛り込まれています。 ・「元本返済猶予など既往債務の条件変更への積極的な対応」 (日本政策金融公庫・商工中金において1.5兆円を目処に対応) こういった通達が総理大臣の命によってなされているわけです。 公庫の「うちは政府系金融機関ですからできません」という 断り文句は通用しません。 また、金融庁からは、 「再建計画が概ね5年以内で、計画終了後に正常先になると 判断できれば、貸し出し条件を変更しても不良債権に分類しなくてよい」 との改定、通達が公表されています。(先ほどの“5年”の根拠です) このように麻生政権下では様々な施策が取られていますので、 要は、経営者が最新の情報を知っているかどうか? ということなのです。 経営者がこういう情報を知らないと、 やはり金融機関ペースで交渉が進んでしまいます。 ------------------------------------------------------------------------- 【結論・参考】 ------------------------------------------------------------------------- 一部のエコノミストによりますと、 この大不況からの完全脱却には10年はかかる……そうです。 楽観的に判断したとしても、これまでに政府が実施してきた 経済対策の効果が、来年以降に顕著に現れて欲しいものです。 今、中小企業の第一優先は、“生き残る”ことです。 戦略的“撤退”というような考え方もあるようですが、 今は、何とか事業を継続できるように最善を尽くしましょう。 (当然、限度はありますが) ―――――― 生き残る最終手段が、今回、説明した 「返済条件の変更/リスケジュール」なのかもしれません。 この手法や考え方について、経営者及び税理士の方々には、 是非知って欲しいと思います。 そこで、7月24日に「事業再生/リスケジュール」をテーマに 資金調達会計人会(http://www.fa-ps.com/)主催にて、 セミナーが開催されます。 事業再生の専門家によるセミナーです。 是非、この機会に基礎知識を吸収して下さい。 よろしかったらご参加下さい。 <詳細、お申し込みはこちらまで> http://www.mbs-con.com/seminar724.html ※「インブルのメルマガ読みました」と一言添えて下さい。 8,000円のところ5,000円に割引いたします。 <文責・吉田学> ──────────────────────────────────── 〔2〕 編集後記 ──────────────────────────────────── 今回は、借入金の返済が滞ったときの対処法について取り上げました。 不況も底を打ったと言われますが、我慢のしどころはまさにこれからです。 偏った知識、誤った対処法こそが、会社を本当にダメにします。 正確な情報を身につけ、この苦境を乗り切りましょう。 これからも“経営に役立ちそうな”会計・税務・法務・金融情報を タイムリーにお届けします。 それでは、また次回も宜しくお願いいたします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行者:インブルームLLP 山田真哉(公認会計士)・緒方美樹(税理士)・宮崎剛(税理士) 木村聡子(税理士)・長江博仁(行政書士)・吉田学(資金調達専門家) URL http://www.inbloom.jp/foresight/ ======================================================================== 当メールにより生じる損害等について責任は一切負いません。 本メールマガジンの内容の無断転載を禁じます。 ======================================================================= ■Copyright(C)2009 in bloom LLP All rights reserved. ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



