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2008/01/23

【インブル総研 03】 税金の世界、今年は何が変わるのか? そして、来年には大きな変化も。

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■□■□ 『インブル総研 最新の経営知識、はじめました。』  第3回
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■□        インブルームLLP 発行 http://www.inbloom.jp/foresight/
■                     読者数 8822人   2008/1/23
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 『結構使える!つまみ食い「新会社法」 速報版』を大幅リニューアル。
 各専門家が、“経営に役立ちそうな”最新の会計・税務・法務・金融情報を
 お送りいたします。
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◆◇ 目次 〔1〕【Q&A】 平成20年度税制改正のポイントは?
◆◇     〔2〕編集後記
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〔1〕 【Q&A】 平成20年度税制改正のポイントは?
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【ご質問】
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 税制改正というのは毎年あるようなのですが、
 今年の税制改正について、教えてください。

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【回答】
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 昨年12月、自民党によって、来年度以降の税制改正の内容が
 「平成20年度税制改正大綱」として公表されました。
 与党に引続き、民主党も「税制改革大綱」を公表しています。
 
 今月11日に要綱が閣議決定され、国会で法案が審議されますが、
 参議院での与野党逆転という状況のもと、例年どおり、3月末までに
 すんなり法案通過となるかどうか、先行き不透明感はあります。

 では、与党の税制改正の主要項目をご紹介します。

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【解説】
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 平成20年度税制改正の主な項目のまとめ
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 「社会保障給付」や「少子化対策」の安定的な財源の確保の
 ために、「消費税を含む税体系の抜本的改革」の必要性が
 唱えられていますが、

 平成20年度税制改正は、税体系の抜本的改革に
 向けた「橋渡し」と位置づけられるにとどまりました。

 というわけで、消費税や相続税などの抜本的な改正は、
 来年度以降の税制改正にゆだねられ、平成20年度は、
 いささか「おとなしめな」改正項目となりそうです。
 一般の納税者に関係ありそうな、主要項目をいくつかご紹介します。

 (減税か増税か、効果がわかるものについて、減税項目を(▽減税)、
  増税項目を(▲増税)と記しております。)

 ●個人の税金
  
  【金融・証券税制】 
    
     上場株式の譲渡益課税 軽減税率の廃止(▲増税)

     上場株式の配当課税 軽減税率の廃止 (▲増税)

 
  【事業承継税制】

     相続税の課税計算方式の見直し

     自社株の納税猶予制度の創設


  【その他】
     
     エンジェル税制・・・投資金額を寄付金控除の対象に (▽減税)

     土地売買等にかかる登録免許税の軽減措置の縮小 (▲増税)


 ●企業の税金

  【地域間の税収格差の是正】 
            
     法人事業税の一部を国から召し上げて各都道府県へ分配


  【中小企業の活性化】
    
     研究開発税制の見直し  (▽減税)
                  
     情報基盤強化税制の見直し (中小企業は▽減税)

     人材投資促進税制の見直し (大企業は▲増税)

  
  【適用期限が到来した制度の延長(中小企業関連)】 

     30万円未満の減価償却資産の全額即時償却

     創業5年以内の中小企業の欠損金の繰戻還付

     交際費の90%相当額の損金算入(年400万円まで)


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 株の売却益、配当が増税に(金融・証券税制)
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 上場株式の譲渡益、配当に対する10%の軽減税率が廃止され、
 平成21年1月から20%とされます。
 
 ただし、平成22年12月末までの2年間は、譲渡益は
 年間500万円以下の部分、配当は年間100万円以下の
 部分については、10%の税率のままとなります。

 平成23年からは、譲渡益、配当ともに、金額にかかわらず、
 20%の税率となります。

 また、所得税は平成21年から、住民税は平成22年から、
 上場株式の譲渡損を配当から控除する「損益通算」が
 認められるようになります。


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 中小企業の相続で「納税猶予」(事業承継税制)
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 中小企業の代替わりの際の事業承継を円滑にするために、
 「中小企業の事業の継続の円滑化に関する法律(仮称)」の
 施行が、平成20年10月に予定されています。

 この法律の成立を受けて、自社株相続について相続税の特例を
 平成21年度税制改正で創設し、平成20年10月(予定)に遡って
 適用することが、明らかにされています。

 自社株の評価額が高額の場合、中小企業の株式は換金がなかなか
 できないのに、多額の相続税を払わなければならず、土地や家を
 売ったり借金しなければ納税できない、というのが大きな問題と
 なっていました。

 今回、創設される特例は、事業の後継者である相続人の
 自社株関連の相続税の80%相当額について、
 納税を猶予するというものです。

 発行済議決権株式の総数の3分の2までの特例で、
 事業の後継者以外の相続人には、使えません。

 また、株式の「評価減」ではなく、「納税猶予」というところも
 留意が必要ですが、自社株相続の際の選択肢が増えるという点では
 喜ばしいことです。
 自社株対策も、この制度を念頭に考えていくこととなるでしょう。


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 今後、相続税の計算方法が変わる!?
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 また、上の話にあわせて、平成21年度税制改正では、相続税の
 計算方式を「遺産取得課税方式」することを検討するなど、
 総合的な見直しも予定されています。

 「遺産取得課税方式」で計算した場合、
 相続人の中でも、遺産をたくさん取得する人の
 相続税負担が、今よりも、増えるといわれています。
 基礎控除や税率控除などの見直しも行われる可能性も
 強いです。

 平成18年分申告事績では、被相続人(死亡者数)約108万人に対し、
 相続税が課税されたのは45,000人(4.2%)ですが、
 来年度の見直しにより、この割合も変化するかもしれません。


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 地域格差の是正
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 企業関係の税金では、事業税の税率が下ります。

 といっても、減税にはなりません。
 
 下った分だけ、新しく創設される「地方法人特別税」として、
 課税されるのです。

 この「地方法人特別税」の収入額を都道府県に分配することに
 よって、地域間の税収格差を是正するのです。

 平成20年10月1日以後に開始する事業年度から適用の予定です。

 事業税は「都道府県民税」、地方法人特別税は「国税」ですが、
 企業は、地方法人特別税を事業税と一緒に、都道府県に納付する
 ことになります。


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 「税額控除制度の見直し」「エンジェル税制」
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 経済活性化、競争力強化策として、「税額控除制度の見直し」が
 予定されています。

 試験研究費がある場合、セキュリティに特化したソフトウェアなどを
 取得した場合、教育研修費がある場合などは、
 その支出額等をもとに計算した、税額控除を受けられるのですが、
 今回の税制改正では見直しがされています。

 税額控除なので、いずれも法人税を支払っている黒字の企業にしか、
 関係ありません。

 なお、人材投資促進税制(教育研修費)については、資本金
 1億円以上の法人に対する適用は取りやめになりました。


 また、ベンチャー企業投資の税制支援策(エンジェル税制)として、
 上限1,000万円の寄付金控除制度が設けられています。
 
 個人が、創業3年以内の一定のベンチャー企業に出資した場合、
 その出資額のうち、1,000万円を限度として寄付金控除を認める
 というものです。

 ベンチャー企業投資が「寄付金」と位置づけられてしまったところが、
 その覚悟で投資しろということなのか、妙な現実味をもっていて、
 面白いです。


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【結論】
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 ご紹介したのは一部で、この他にも公益法人課税の見直し等、
 いろいろな項目がありますが、来年度以降の抜本的改革を控えて、
 なんとなく「嵐の前の静けさ」を感じさせます。

 政府の試算では、株式配当課税の軽減税率の撤廃や、
 土地売買の登録免許税の軽減措置の縮小などの要因で、
 国・地方あわせて、平年度ベースで約4,200億円の実質増税となる模様です。

 <文責・緒方 美樹>



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〔2〕 編集後記
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 今回は、税制改正について取り上げました。
 例年行われていることですが、今年は「衆参のねじれ」があるため、
 すんなり法案が成立するかどうかは不透明です。

 これからの季節、ニュースでもたびたび話題に上ることは
 間違いないので、要注目です。
 ガソリン税(揮発油税)の暫定税率廃止などは、どうなるのでしょうね。


 それでは、次回も“経営に役立ちそうな”
 最新の会計・税務・法務・金融情報をお送りいたします。
 次回の配信は、2月になります。

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発行者:インブルームLLP

 山田真哉(公認会計士)・緒方美樹(税理士)・宮崎剛(税理士)
 木村聡子(税理士)・長江博仁(行政書士)・吉田学(資金調達専門家)

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うら編集後記 〜第76回です〜

 『さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学』
 『食い逃げされてもバイトは雇うな 禁じられた数字・上』
 と続いた、「さおだけシリーズ」の第3弾・完結編が、
 2月15日(金)に発売されます。

 今回のタイトルは、

 『「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い 禁じられた数字・下』


 ……お気づきかもしれませんが、前作とはまったく逆のタイトルです。

 内容も逆でして、『食い逃げ〜』では、数字・会計のプラス面を
 取り上げましたが、『〜なんて大間違い』では、数字・会計のマイナス面と
 その対策を取り上げます。

 そのほか、「う、うまいなぁ」と思わず唸ってしまうビジネスも
 数多く紹介いたします。

 書店で見かけたら、ちょっと手にとってくださいませ。
                                  (山田真哉)
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