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2009/10/26

● 薬局の薬の豆知識_174_考えさせられたメール

  
 こんにちは、大衆薬ライター新井佑朋(薬剤師)です。

 前回のメルマガでは、いつもより多くのメールが読者さんから
 来ました。

 今回はその中から、考えさせられたメールや印象に残ったメールを
 ピックアップしてお届けします。
 
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【おもいっきり具体的!薬局の薬(OTC薬)の豆知識 #174 】
  OTC医薬品について        2009/10/26                  
 
☆━━━━━━━━━ 読者様 1.8万人 感謝です o(*'o'*)o  ━━☆


 まずは、う~んと考えさせられたメールです。

 初めに申し上げておきますが、本メルマガは「ご意見」や「間違い
 のご指摘」は大歓迎です。

 いろいろな気づきが得られますので。
 では、さっそく1通目です。

■ インフルが流行る時期、解熱鎮痛薬のテーマは避けるべき!

 看護師(女性)のMさんより
--------------------------------------------

 新型インフルエンザが、
 これだけ、流行っているときに、
 栄養ドリンクは、ともかく、

 アセトアミノフェン「以外の」
 解熱鎮痛剤に関するメルマガは、
 どうかと思いますが、いかがでしょうか。

 私なら、避けます。

--------------------------------------------

 ▼ 新型インフルエンザを含め、インフルエンザが猛威をふるって
 いる今、高熱に対して、比較的安心して服用できるのは、アセト
 アミノフェンです。

 特に小児には、アセトアミノフェン以外の解熱鎮痛薬は使わない方が
 良いです。

 Mさんは看護師という立場上、インフルエンザの流行を肌身に感じて
 おられるのでしょう。

 この時期にアセトアミノフェン以外の解熱鎮痛薬を啓蒙するような
 メルマガテーマは、避けた方が良いというご意見でした。


 ▼ 私が、このメールを読んで感じたことは、OTC医薬品の新発売
 をご紹介するのは避けるべきではないが、インフルに対する配慮も
 必要であるということでした。

 バファリンは、医療用医薬品、OTC医薬品(市販薬)を含め、
 使用実績があり、生活者の認知度が高いビッグブランドです。

 そのバファリンブランドから、つい先日(2009年10月21日)新製品が
 発売されたという情報は、本メルマガのテーマとしては避けるべきで
 はないと私は考えます。

 おっしゃる通り、高熱の小児に対しては、第一選択薬はアセトアミノ
 フェンです。

 例えば、保護者が、家にある大人向けのOTC医薬品を自己判断で
 誤って小児に与えないように、注意喚起が必要です。

 なお、OTC医薬品における小児とは、15歳未満を指します。

 つまり、中学生・小学生・小学校にあがる前のお子さんに対しては、
 高熱の際には(処方薬の薬袋には38.5度以上とあることが多いが、
 38度以上を目安として)アセトアミノフェンを使うと覚えておいて
 ください。

 ● 注意事項 ● OTC医薬品の解熱鎮痛成分について

 OTC医薬品の添付文書には、服用可能な年齢区分や用法・用量が記載
 されています。

 ● 高熱の小児に対する第一選択薬は、アセトアミノフェン

 ● アスピリン(アセチルサリチル酸)、サザピリン、イブプロフェン
  は、小児には使ってはいけない

 ● イソプロピルアンチピリンは、ピリンアレルギーの人は使っては
 いけない

 ● アスピリン(アセチルサリチル酸)、サザピリン、サリチルアミド、
 エテンザミドなどは、サリチル酸系解熱鎮痛成分と言い、高熱の小児に
 使うと脳症などのリスクが高まる

 ● エテンザミドは、小児に使えるOTC医薬品に入っていることが
 あるが、高熱の場合、インフルの疑いがある場合、水ぼうそうの疑い
 がある場合は小児には使ってはいけない(脳症などのリスクが高まる) 


■ バファリンブランドの主成分を再確認しよう

 今回、バファリンブランドの主成分について混乱されている読者さん
 のメールも1通来ましたので、再確認しましょうね。(^ω^;)

▼ 解熱鎮痛薬バファリンブランドとは

 「バファリン」というブランド名は、「胃にやさしいアセチルサリチ
 ル酸」を意味する造語。「緩和するもの」という意味のBufferと有効
 成分のAspirinを組み合わせました。

● バファリンA(昔ながらのバファリン。当初と制酸成分は異なる) 

 アスピリン+制酸成分ダイバッファーHT

 ※アスピリン=アセチルサリチル酸のこと
 ※ダイバッファーHT=合成ヒドロタルサイトのこと

● バファリン顆粒(粉薬。バファリンAより制酸成分が多い)

  アスピリン+制酸成分ダイバッファーHT

 ※アスピリン=アセチルサリチル酸のこと
 ※ダイバッファーHT=合成ヒドロタルサイトのこと

● バファリンプラス(2つの解熱鎮痛成分と、催眠鎮静成分を配合した
 バファリン)

 アスピリン+アセトアミノフェン+催眠鎮静成分+カフェイン

 ※アスピリン=アセチルサリチル酸のこと

● バファリンプラスS(シリーズで一番新しいバファリン)

 バファリンプラスに制酸成分を加え、錠剤を小さくした

● バファリンルナ(痛みに負けるな!生理痛にアピールするバファリン)

 イブプロフェン+アセトアミノフェン+催眠鎮静成分+カフェイン

 ベッキーさんのTVCMでは「ここ(頭)でなく、ここ(下腹部)」
 「痛みに負けるな♪」のフレーズを用い、生理痛への効果をアピール
 しています。

● OTC医薬品(市販薬)のバファリンでは、小児用バファリンCII、
 小児用バファリンチュアブルなどが、アセトアミノフェン製剤です。

 OTC医薬品の小児向けのバファリンシリーズにはアセトアミノフェ
 ンが配合されています。

 ここまでが、OTC医薬品のバファリンです。
 次は、医療用医薬品のバファリンについてです。

▼ 医療用医薬品のバファリンは、アスピリン(アセチルサリチル酸)
 製剤のみです。

 医療用医薬品のバファリンは、1錠につきアスピリンが330mg入った
 ものは、おもに解熱鎮痛薬として、また1錠につきアスピリンが81
 mgと少量のものは、おもに血栓予防薬として用います。


 最後のメールです。


■ タウリンに言及してほしかった

 男性読者のDさんより
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 毎々、大変参考になります。

 今回少々残念だったのは、某製薬会社が強調する「タウリン」について
 明確な言及がなかったことです。
 
 滋養強壮剤、たとえばリポビタン系のCM・CFに必ずと言って良いほど
 出てくる成分ですから、詳しくない私が聞かれるぐらい一般知名度は
 あると思います。
 
 「基本的には肝臓を助ける物質。だが人間も作り出すことはできるので、
 一度に大量に採っても代謝されてしまう」という意味のことをソフトに
 説明するようにしています。

 代謝が分からないという人には、食事中などでない場合は「尿に出る」
 と言っています。ただ、前述の通り私は薬に詳しくありません。
 
 途中から購読を始めましたので、すでに解説があったのかもしれません。
 その場合にはお詫び致します。

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 ▼ Dさんは何度かメールをくださっている方です。

 Dさん、タウリンはいままでに取り上げていますヨ。(*´▽`*)

 ちょっと話がそれるようですが、以前にある編集さんに、「主な薬効を
 一巡すると、マイナーな薬効がテーマになってきますよね。」

 と言われたことがあります。

 私は頭のどこかで、今までに取り上げたテーマはもう現在の読者さんに
 伝え終わっているような気になっていました。

 このメルマガは、今年で5年目に入ります。

 今までに取り上げたテーマでも主な薬効については随時、取り上げて
 いかないといけない、とDさんのメールで気づかされました。
 そんな訳で、最後にタウリンについてです。

■ タウリンって、なぁに?

 タウリンは、アミノ酸の一種です。
 イカ、タコ、貝類、マグロの血合いなど、魚介類に多く含まれます。

 冬によくある、カキ鍋で、タウリンが摂れる!などと有名です。
 タウリンは、動物のほとんどに含まれ、植物には含まれません。

 「タウリン、1000ミリグラム配合!」で有名な、リポビタンDなど、
 栄養ドリンクの多くに配合されています。

 皆さんも、タウリンが何かは知らなくても、

 タウリンって、滋養強壮成分なんだな。
 タウリンって、力がつきそうだなー。

 そう漠然と思っておられるのではないでしょうか?
 しかし、タウリンは、スタミナをつける成分ではありません。

 体の中の機能を一定に保ち(ホメオスタシス)、
 肝臓の解毒作用を助けたりする、サポーターなのです。


■ タウリンは、体重の0.1%、私たちの身体の中にある!

 タウリンは、体重の0.1%、
 体重50キロの方なら、50グラム持っています。

 つまり、ニンゲンは、タウリン、5万ミリグラム配合~!なのです。

 ヒトは、必要最低限のタウリンを、自ら合成することができます。
 赤ちゃんは、タウリンを合成する能力が低いので、粉ミルクにも
 配合されています。

 また、猫は、まったく合成することができないので、
 食べ物から摂る必要があります。

 タウリンはアミノ酸ですが、他のアミノ酸のようにつながって、
 タンパク質を構成することなく、タウリン単独で存在します。

 タウリンは、心臓、骨格筋、肝臓、腎臓、肺、脳や、
 生殖器、網膜などに、広く含まれています。

 タウリンは、筋肉が正しく動くのをサポートするので、
 こむら返りなども防止するといわれます。


■ タウリンについて Q&A

 Q.市販のタウリンは、天然モノですか?

 A.化学合成品ですが、天然のものと同じものです。


 Q.タウリンに、副作用はありますか?

 A.医療用のタウリン(1回1000mg、1日3回服用)において、
  1,064 例中 30 例(2.82 %)38 件の副作用が認められました。

 その主なものは、吐き気5件、下痢4件でした。
 なお、重大な副作用は報告されていません。

 栄養ドリンクには、タウリン1000mg配合のものが多く、
 その他、500、1500、2000、3000mg配合のものもあります。


 Q.タウリンは、熱に弱いですか?

 タウリンの融点(溶ける温度)は、311~312℃です。
 ふつうに加熱調理しても、タウリンはこわれません。


 Q.タウリンは、どうやって排泄されますか?

 一部、胆汁中に排泄されますが、かなりの部分はそのままの形で
 尿中に排泄され、便中には、投与量の2%以下が排泄されます。


 タウリンは、縁の下の力持ちです。
 目薬にも入っていて、角膜を保護するといわれているんですよ。

 ▼ 追記:タウリンは、お酒を飲むとできるアセトアルデヒド(顔を
 赤くしたり「酔い」の原因となる成分)にくっつく作用があります。

 なので、お酒を飲む前後にタウリンをとっておくと、適量の飲酒なら、
 二日酔いしにくくなります。

 タウリンは、もともとは、解毒成分であったり、内臓や筋肉のはたら
 きをサポートしたりする成分です。

 ▼ なお、解毒作用は、システインやグルクロノラクトンという成分
 にもあります。

 グルクロノラクトンは、おもに栄養ドリンクやビタミン剤などに、
 システインは、おもにしみ・そばかす用剤に配合されています。

 システインの入ったしみ・そばかす用剤には、「二日酔い」の効能も
 あります。


 ~ それでは、また次回をお楽しみに ~ (*´▽`*)


■ 編集後記(インフルとおたふく)

 私の周辺では、インフルも流行っていますが、おたふくも流行っています。
 おたふく(流行性耳下腺炎)は、大人がかかると重症化しやすいといわれ
 ます。

 私の知人は、おたふくにかかり、「首がなくなるほど腫れちゃった」そう
 で、私も実は罹っていないのでおびえています。 

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 ■ 今週の好き勝手バナ:本を出してみて思うこと

 本を出して嬉しいなと思う反面、インターネット社会なので、
 否定的な意見も目にします。

 「こんな本役にたたん!」というようなレビューにも出会います。

 そんな時は、布団にくるまってシクシク泣きます・・・というのは冗談
 ですが、やっぱりグサッ!ときます。

 けっこう小心者なんです。(´;ω;`)

 そんな時は、役に立ったというレビューを読んで、自分を慰めます。
 人生はワンツーパンチさ。汗かきべそかき歩くのさ。

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 掲載実績(最新)

● 日経ドラッグインフォメーション(日経BP社)
  http://di.nikkeibp.co.jp/

 「今日から使えるOTC実践知識」連載中(2007年10月号~毎月)
 2009年 8月号「外用消炎鎮痛剤」
     9月号「強心剤・循環器用剤」
    10月号「高コレステロール改善剤」

● 日経ヘルス 8月号、9月号、11月号(日経BP社)

● 日経トレンディネット(日経BP社)ウェブ記事
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20091008/1029493/

● ミサワホームグッドオーナー10月号「薬の最新事情」

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 友人で大学病院に勤める看護師さんがいますが、「このままのペースだと
 【学校】閉鎖も近いかも」とのこと。
 この冬はどうなることやら心配です。(>人<;)     
             
      
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