2009/02/10
広告の真の効果と狙いが見える『CM Marketing eye』vol.24
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 2009.2.10 vol.24 ◇◆◇ 広告の真の効果と狙いが見える ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ \\ CM Marketing eye \\ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ http://www.tems.ne.jp ◇◆◇ 全4回にわたって連載するCM Marketing eye「プロダクト・ライフサ イクル(商品の“寿命”)篇」も第3回目を迎えました。「ストロン グ7」、「のどごし<生>」に続いては、現在キリンビールの主力商 品「キリン一番搾り」について徹底分析です! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【今回のCM&Topic】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◆ ◆◇ ◇◆ 商品の“年代”にあわせたCM表現! その3 ◆◇ ◇◆ ◆◇ 「一番搾り」は存在感で売れる! ◇◆ ◆◇ ◇◆ ------------------------------------------------------------------ キリンを支えるブランドと言っても過言ではない「キリン一番搾 り」は、1990年の発売以来19年、売上でも、ビールとしてはアサヒ スーパードライに次ぐ2位の座を獲得しており、日本を代表するビ ールブランドとなっています。 「プロダクト・ライフサイクル(商品の“寿命”)」上では、 「商品成熟期」に位置するこの「キリン一番搾り」。果たして、そ のCM戦略はどのようなものでしょうか。 前回紹介した「ストロング7」や「のどごし<生>」のような 「インパクト」「勢い」などの直球表現だったCM表現に比べて、 「キリン一番搾り」がCMに求めているものは全く異なります。 例えば歴代のキリン一番搾りのメインキャラクターに起用されて いるタレントは佐藤浩市や役所広司、中山美穂といったメジャータ レントばかり。「キリン一番搾り」にとって必要なのは、「メジャ ー感」であり、「本物の風格」があるタレントなのです。 また、登場人物たちが食事をしながらビールを味わうCMの設定 はアルコール飲料CMの王道表現。しかし、焼肉やお好み焼きとい った定番おつまみを「キリン一番搾り」は使用しません。「加茂茄 子」「寒ブリ」「湯葉」、キリン一番搾りのCMに登場する食材は、 どれも通が好む逸品ばかりです。 そして、そんな食材とともに味わう「キリン一番搾り」は、『一 番搾りだけ』というナレーションと相まって、“本物”であること が訴求されているのです。 一方、このCMの中で、商品名が語られるのはわずか2回しかあ りません。もはや、誰もが知っているメジャー商品「キリン一番搾 り」にとって、商品名を覚えてもらうことは必要ないのです。この CMで伝えられるのは、「キリン一番搾り」の「世界観」、別の言 葉で言えば「ブランド」です。 確固たるイメージが完成したこの「商品成熟期」になすべきこと は、まず「ブランド力の維持」。「本物」「通好み」「安定」「定 番」といったイメージによって、「一番搾り」のブランドを作り上 げ、強化していこうという戦略がこのCMの裏には存在しています。 商品の「味」のみならず、「本物」「王道」「通好み」といった 「ブランド」がきちんと商品に付加価値を与えているからこそ、 消費者は発泡酒よりも100円ほど高価な「キリン一番搾り」を選ぶ のです。 そして、「商品成熟期」においては、初めて商品を買う「トライ アルユース」はほぼ完了し、「リピートユース」が購入の大半を占 めることとなります。従って、CMの役割は新商品や競合商品に追 いつかれないための「リマインド」と呼ばれる思い出し効果になり ます。 広く一般に向けた大規模キャンペーン・大量出稿などの必要はな く、定期的な出稿によって存在感を維持していれば売上は安定して 推移していきます。宣伝担当者にとっては、かなり楽なポジション であり、広告費も抑えられるのが「商品成熟期」なのです。 しかし、ここにも思わぬ落とし穴が存在します。「現状維持で…」 という方針を続けていると、いつの間にか商品に新鮮さが失われて いきます。次々と活発な表現で切り込んでくる新商品の新鮮さは消 費者にとっては魅力的なもの。スーパーなどで「新商品か…」と思 わず手を伸ばしてしまった経験は、誰しもが持っているのではない でしょうか?そんな“若造”に顧客を取られてしまわないような宣 伝活動を行っていかなければなりません。 結論としては、まず、「定期的な出稿により、既存の存在感・ブ ランド力を保ち続けること」そして、「ともすると古臭いと思われ がちなブランドイメージをフレッシュにしていくこと」、この2つ の働きをCMが担うことによって、「商品成熟期」を長引かせられ、 売上も増大していくのです。 ※次週のCM Marketing eyeで、プロダクト・ライフサイクル の章は最後になります。 キリンビールの看板商品といえば「ラガービール」。 往年の勢いも若干失いつつあり、「商品衰退期」に位置して いるともいえるこのブランドに、キリンはどのような戦略を 実行しているのでしょうか? お楽しみに!! ◇◆----------------------------------------------------------◆◇ 【発行者】CMコンサルティング (株)テムズ 代表取締役 鷹野義昭 【ホームページ】http://www.tems.ne.jp 【バックナンバー】 http://www.tems.ne.jp/marketing-column/column_backno.html 【ご意見・ご感想・ご質問】info@tems.ne.jp このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用し ています。配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000140927.htm ◇◆----------------------------------------------------------◆◇ ニホンモニター株式会社と共同で開発 『CM Streaming Research』 好評サービス提供中! インターネットを利用した動画提示によるTVCM広告効果測定調査。 より正確な広告効果測定を可能にした画期的なこのサービスは、雑誌 『宣伝会議』にも取り上げられました。 詳しくはホームページにて。 http://www.tems.ne.jp/ ---------------------------------------------------------------


