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CMの本当の効果って???。作品賞を獲るCMが必ずしも優れた広告とはいえません。テムズが18年間700素材を越えるCM分析とコンサルティングの知見から、最近のCMをマーケティング視点から鋭く斬ります。

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2006/11/01

広告の真の効果と狙いが見える 「CM Marketing eye」 vol.17

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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 2006.11.1  vol.17 ◇◆◇

 
 広告の真の効果と狙いが見える
 
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          \\ CM Marketing eye \\ 

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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ http://www.tems.ne.jp ◇◆◇


  10月24日、ついに携帯電話のキャリア(利用会社)が替わって

  も、電話番号が継続できるナンバーポータビリティが開始となりま

  した。

  とはいえ、騒いでいるのは、マスコミと通信業界関係者たちで、当

  のユーザーであるお客さんは意外と冷静だったりするのですが。。。

  携帯電話業界へ新規参入となるソフトバンクでは、今回のナンバー

  ポータビリティの機会を捉えて、新聞号外の形式を使ったり、記者

  会見で突然の割引制度を発表したりと、とかく斬新で目立つコミュ

  ニケーション展開を行っています。

  さてさて、広告とは、目立って話題性があり、商品が短期的に売れ

  ることだけに主眼を置いていれば良いのでしょうか?

  今回は、広告における「ルールとマナー」がテーマです。

    
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【今回のCM&Topic】
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◇◆
◆◇  
◇◆  「0円」のツケは高くつく???
◆◇     
◇◆    ソフトバンク
◆◇  
◇◆   予想外割引 \0   (キャメロン・ディアス)
◆◇      
◇◆
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◆◇  「予想外」は「想定内」

  ソフトバンク「通話料0円!!」。 「なるほど、ソンして得と

 れか!」と一瞬思ったのですが、どうもそんな簡単なものではなか

 ったようです。


◆◇  価格破壊??? 冷静に考えれば。。。
 
  『「0円」これは価格破壊だ。。。』と、つい先日まで多くのマ

 スコミを騒がせていました。これって本当に画期的な大幅値下げな

 のでしょうか?

  通話料0円やメール料0円は、ソフトバンク契約者間に限られて

 いるわけで、携帯電話のキャリアシェアが僅か16%であることと

 固定電話への通話も考えると、その恩恵にあずかれる機会は極端に

 減ってきます。もちろん、アツアツのカップルが2人ともソフトバ

 ンクとなれば、ちょっと話は変わりますが。。。。

  だからこそ、その条件となる「但し書き」を十分に伝える必要が

 あったと思います。TVCM・ポスターなど、どれをとっても「但

 し書き」が小さく、あげくの果てに、報道に終始取り上げられた記

 者会見での提示ボードには、但し書きが全くないというのはいかが

 なものでしょうか。景品表示法の広告の不当表示について、公正取

 引委員会が動き出したようですが、「広告ルール」の遵守について、

 今後の裁定も気になるところです。


◆◇  auのひとり勝ち

  ナンバーポータビリティのスタート後6日たった10月29日時

 点の加入者の移動状況は、KDDIの「au」が約8万件加入増加

 した一方で、NTTドコモは約6万件、ソフトバンクモバイルは約

 2万件の加入減となり、当該制度導入に関しては、auの一人勝ち

 となっているようです。

  そんななか、ソフトバンク側のシステムトラブルで、キャリアの

 変更が自由にできなくなったということは、実質、ソフトバンクか

 らの流出を防いでいるということでしょうか。



◆◇  開き直りにも見えた謝罪会見

  10月30日の夕方、孫社長自らの謝罪会見が行われました。

 「システムに一時障害が起き、私どものお客さまだけでなくNTT

 ドコモとKDDIにも迷惑をおかけしてしまった」と。この謝罪会

 見の前後でも、販売受付窓口は通常サービスに戻れないなか、ソフ

 トバンクの「0円」CMは流れ続けていました。さらには、価格破

 壊を目玉とした孫氏は、「想定以上の顧客が来たのは、それだけ料

 金が高いと思っていた人がたくさんいたということでもある」とま

 で、問題をすり替え、謝罪の場をPRの機会にすら利用しているよ

 うな強気の発言でしたが。。。。


◆◇  広告を停止させない倫理観と自信とは???

  通常、不祥事やトラブルなどでCMを流すことが相応しくない際

 には、関連する広告のオンエアを広告主の判断で即座に自粛します。

 そして、その枠を公共広告機構(AC)*に無償で譲り渡していく

 のが、法的な拘束力がない場合でも、広告業界の「マナー」となっ

 ています。 

  今回のトラブルにも関わらず、広告の大量集中投下の継続は、新

 規参入者であるソフトバンクの「結果を早く出そうとしているが故

 の無理」を感じてしまいます。かつて、J−PHONEから

 Vodafoneに移行したとき、広告予算を極端に絞り込みました。

 その結果、企業イメージが低下し、1強・2追から、完全な3番手へ

 と落ちていったという過去の経緯をも背景としているのでしょうか。

  そう考えながらTVを見ていると、「ナショナルの石油ファンヒー

 タ回収のCM」がいまだに流れていました。事故について記憶から薄

 れていただけに「ナショナルってまじめね」とつくづく感心してしま

 いました。昨今、強く叫ばれはじめた「企業倫理」や「企業姿勢のあ

 り方」が、CM展開から伝わるということを、改めて痛感しました。


◆◇  これからが真の正念場
 
  さて、ソフトバンクの「0円」戦略、契約のピークとも考えられる

 3連休を前にした今日も、相変わらずの広告投下量ペースを継続して

 います。今後、処理をパンクさせない受け皿体制も、さぞや自信のあ

 ることかと思っていますが、結果は週明けといったところでしょうか。

 広告としては素晴らしい出来栄えの「予想外」のキャッチコピーが、

 「想定外」となる「シニカルな週刊誌の記事見出し」に使われないこ

 とを願ってやみません。


 *公共広告機構(AC)については近々号で、詳しく取り上げたい
  と思います。


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【CM内容・ナレーション】

●「Soft Bank」 出稿開始日2006年10月26日 15秒素材

 −映像−
    オフィス街を携帯電話をかけながら歩く
    キャメロン・ディアス

 −画面テロップ−
    ¥0
    Soft Bank
    通話料、メール代
    ¥0
                他

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【発行者】CMコンサルティング (株)テムズ 代表取締役 鷹野義昭

【ホームページ】http://www.tems.ne.jp

【バックナンバー】
   http://www.tems.ne.jp/marketing-column/column_backno.html

【ご意見・ご感想・ご質問】info@tems.ne.jp
 
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<あとがき>

 私たちマーケティングに携わる者は、クライアントのみならず、

 絶えず競合他社の動きを細かくみています。今回のドラスティッ

 クなモバイル通信業界の動きに対しても、予測のために事前に綿

 密な調査が行われています。

 今回は、事前調査の結果にみる加入者移動状況予測の確度の高さ

 にもちょっと驚きましたが、その「ソフトバンクが伸び悩む」と

 いうデータがNTTドコモ・auの冷静な判断につながっている

 といえましょう。このような、事前の予測結果を仮に持っていな

 いと、他社も「短絡的に値下げ」に追随し、市場はビジネス対象

 として崩壊していくことになるのでしょう。そういった意味では、

 ソフトバンクでは、既存顧客をむしろ奪われるという予測を前提

 に、それを覆すための秘策として「0円」をぶつけてきたのかも

 しれませんが。。。

 また私たちは、広告展開と同時に、報道といったPR、販売店の

 対応・説明、商品の販売後のお客さんの満足、口コミなど、あら

 ゆる面での配慮をしていきます。小さなことから予想外の結果が

 起きないよう、想像力をフルに働かせます。

 今回の予想外割「0円」は、「事前に情報が漏れるのを防ぐため、

 社内の大多数、販売店や営業マンにも発表当日まで知らせなかっ

 た」といいます。サプライズを優先させ、PR効果を狙うのは気

 持ちはわかるのですが、そんな状況下で、販売店がお客さんに責

 任ある十分な説明ができるとはとうてい考えられません。

 生活者の目は大変厳しいものです。過去の事例からも、「ルール

 とマナー」が尊重できない企業に対しては、それなりの評価が下

 されていくようです。

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