広告の真の効果と狙いが見える「CM Marketing eye」 RSSを登録する

CMの本当の効果って???。作品賞を獲るCMが必ずしも優れた広告とはいえません。テムズが18年間700素材を越えるCM分析とコンサルティングの知見から、最近のCMをマーケティング視点から鋭く斬ります。

最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
2006/05/31

広告の真の効果と狙いが見える 「CM Marketing eye」 vol.16

この記事を取り寄せる

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 2006.5.31  vol.16 ◇◆◇

 
 広告の真の効果と狙いが見える
 
         ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        
          \\ CM Marketing eye \\ 

           ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ http://www.tems.ne.jp ◇◆◇


 皆様、大変ご無沙汰しておりました。

  本業の広告コンサルティングが多忙を極め、メールマガジンの発行

  に間が空いてしまい、大変申し訳ありませんでした。

  さて、景気が悪くなると、真っ先に削られるのが広告である反面、
  
  景気上昇にいち早く反応し、たちどころに活性化してくるのも、こ

  の業界です。

  昨今、景気回復が叫ばれるなか、まさにその象徴ともいえるような

 素材を今回は取り上げています。「安い」ことが絶対的に良いとさ

 れた時代から、「高い」ことへの肯定を堂々と成立させたCMです。

    
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【今回のCM&Topic】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆
◆◇  
◇◆  値切りを許さない、「根切りもやし」!
◆◇     
◇◆   雪国まいたけ
◆◇  
◇◆  雪国もやし (はなわ)
◆◇      
◇◆
------------------------------------------------------------------


◆◇  逆手にとっての開き直り

  「絶対するな」と言われると、ついやってしまいたくなる。子供

 のころのあの衝動を、このCMから思い起こした人も多かったので

 はないでしょうか。

  「高いから絶対買うな!」と、CMでここまでキッパリと言われ

 ると、かえって好奇心がそそられます。通常、CMにおいて、商品

 をさげすむことは、基本的に禁じ手といわれています。そんななか、

 この見事な「開き直り」は、むしろ商品自体の「相当の自信」を感

 じさせます。


◆◇  シンプルで、頭に残るメロディー
 
  さて、このCM、徹底的にオリジナルソングを活用しています。

 最初わたしも、TVの音声だけを聞いたのですが、「あれ、はなわ

 の新ネタ???」と、一瞬耳を疑いました。再度、注意深く聞いて

 みると、なんと本物のCMでビックリ。

  このように、メロディーによる耳からの伝達をシンプルに行って

 いることが、インパクトによる残存効果をより強くしています。普

 段の何げない日常生活のなかでも、はなわの歌が頭をグルグルと回

 ってしまいます。そのメロディーがスーパーの野菜売り場の前では、

 さらに増幅されることに違いありません。
 
  また、家事との「ながら視聴」が多い主婦への対応が、耳からの

 確実な伝達で、しっかりとられていることも見逃せません。


◆◇  もやしの地位向上

  もやし単品のCMは今までほとんど流れたことがありません。レ

 タスやキャベツなどのメインとなる野菜に比べ、もやしの存在自体

 をあまり気にしていませんでしたが、このCMで妙に地位が上がり、

 もやしなどの周辺野菜にも目が向くようになった気もします。かつ

 ての舞茸のように、CMで需要の掘り起こしのできる、隠れた商品

 カテゴリーが他にもあるのかもしれません。


◆◇  雪国まいたけのブランドをバックグランドに

  何も知らない・聞いたこともない商品ブランドで、「高いよ〜」

 といわれたら躊躇しますよね。このCMは、既に実績のある「雪国

 まいたけ」をバックグランドとしていることにより、成立している

 ことにも注目したいと思います。適正価格で良いものを世に送り出

 してきた実績のあるブランドをベースに販売される、高品質の「根

 切りもやし」だからこそできる「開き直り」なのです。


◆◇  これからは、「高い!」がプラスの言葉にも

  景気が低迷していたここ最近、生鮮食品や日用品などの消費財で、

 「高い」=「悪」と決め付けてしまうところが強く感じられていま

 した。そしてその結果、「安さ絶対主義」からくる、昨今のデフレ

 を生みだす元凶のひとつとなったとも思います。

  これからは、良いものを適正価格で手に入れることが、お互いの

 メリットへとつながることにメーカーも生活者も、もっと気付くべ

 きでしょう。そして、もやしに代表される低価格帯商品のなかでも

 「高くても生き残れる」ことが、付加価値のある商品の証につなが

 り、安全性を含めた高い品質を裏付けることにもなると思います。

  「まずい。もう一杯!」と俳優の八名信夫が顔をゆがめている青

 汁のCMがありました。こんな一見すると、逆説的ではあるものの、

 必ずしもネガティブにならないインパクトを持ったキーワードが、

 世の中にはまだまだ存在しているのかもしれません。


------------------------------------------------------------------

【CM内容・ナレーション】

●「雪国もやし」 出稿開始日2006年4月29日 15秒素材

 −映像−
    スーパー店内で歌っている、はなわ
    はなわの唄を聞いて、
    隣の人のカゴにもやしを入れて満足する眼鏡の主婦

 −音声−
    はなわ :♪雪国もやしは〜
          めちゃめちゃ高いから〜
               みんな絶対買うなよ〜
          雪国もやしっ
      
               高いよ!
      
 −画面テロップ−
    雪国まいたけ


動画リンク:http://www.maitake.co.jp/05special/cm_hanawa.html
*動画・画像はスポンサーのホームページへのリンクとなります。
 リンク先が変更されている場合がありますがご了承ください。

◇◆----------------------------------------------------------◆◇

【発行者】CMコンサルティング (株)テムズ 代表取締役 鷹野義昭

【ホームページ】http://www.tems.ne.jp

【バックナンバー】
   http://www.tems.ne.jp/marketing-column/column_backno.html

【ご意見・ご感想・ご質問】info@tems.ne.jp
 
 このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用し
 ています。配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000140927.htm

◇◆----------------------------------------------------------◆◇ 


<あとがき>

 私たちが新商品の開発を担当するとき、商品の値付けに非常に苦

 労します。生活者にとって高く感じられることなく、競合他社と

 の競争に十分耐えられ、なおかつメーカー側の利益が確保できる

 価格帯を設定するわけです。

 特に生鮮食料品は、スーパーなどの流通の店頭に、商品を置いて

 もらわなければ始まりませんので、とりわけ価格の設定に敏感に

 なります。新商品を店で取り扱うかどうかを決める流通のバイヤ

 ーからの、「もっと安くしなければ、店頭に置けないよ」の一言

 に、もろくもメーカーは屈し、値崩れの引き金となる場合もしば

 しばあります。

 しかしながらこれからは、今までのような大量に商品を売りさば

 き、薄い利益を積み上げていく「売上高」の増大よりも、高付加

 価値商品として高い「利益率」を確保していくことに目が向いて

 いくことになるでしょう。

 メーカー側の企業も臆することなく、品質の「良いものは良い」

 という信念を原点として、生活者の判断力を信じて、しっかりし

 た値付けをしていく自信と勇気も今後は必要だと思っています。


------------------------------------------------------------------

この記事を取り寄せる
最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る