NDPC通信-天然染料顔料会議  RSSを登録する

染料や顔料の研究・調査の発表、染料植物・天然顔料保全、伝統技法の保存活動、研究発表会、講座、ワークショップ、作品資料展などの案内や、地球環境を考えた天然の色の普及活動の報告など、一般公開型会報。

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2009/07/30

NDPC通信 第45号

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NDPC通信 第45号
天然染料顔料会議 Natural Dyes & Pigments Conference
http://ndpc.info office@ndpc.info
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                            2009年7月30日配信


☆★☆ 目次 ☆★☆
【1】天然染料顔料会議 第6回大会 in松山 のお誘い
【2】シリーズ「博物館・美術館紹介」(24)
【3】天然染料と顔料だけのギャラリーができました
【4】ボルネオ島イバン族の織物と染色技術(3)
【5】事務局だより


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【1】天然染料顔料会議 第6回大会 in松山 のお誘い
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開催の近づきました天然染料顔料会議2009年大会(9月12~13日)
について、プログラムと参加方法をご案内します。

◆研究発表と実践報告・ワークショップ◆
日時:2009年9月12日(土)13:00~17:00
会場:愛媛県民文化会館(ひめぎんホール)別館
〒790-0843 松山市道後町2丁目9番14号 TEL:(089)923-5447
http://www.ecf.or.jp/m_facilities/index.html
参加費:会員3,000円、一般5,000円
定員:50名(申込先着順)
内容:
研究発表「天然染料で染めるということ」牛田智(武庫川女子大学教授)
研究発表「天然染料と絣」片岡淳(琉球大学教授)
実践報告「津屋崎藍いろの会の実践活動」(ポスター)渋田和美(NPO法人アー
スネットワーク)
実践報告「北海道産染料・薬用植物:紫根、黄檗ー薬用分野との資源相互利用の
試みと染色方法1」(ポスター)角 寿子(NPO法人アースネットワーク)

☆引きつづき発表者の募集中です。奮ってご参加ください。

◆研修ツアー◆
日時:2009年9月13日(日)10:00~17:00
行先:民芸伊予かすり会館(松山市久万ノ台)、シルク博物館(西予市野村町)、
漆喰壁とうだつの町並(喜多郡内子町)など
参加費:実費(入館料、交通費等)
定員:特に無し

◆参加申し込み・お問い合わせは◆
NDPC(天然染料顔料会議)事務局
〒113-0031 東京都文京区根津2-34-21
tel & fax:050-7532-2330
e-mail:office@ndpc.info

主催:天然染料顔料会議
共催:NPO法人アースネットワーク
http://earthnetwork.info/


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【2】シリーズ「博物館・美術館紹介」(24)
Maiwa Textile Symposium
天然染料顔料会議会長 牛田 智(武庫川女子大学・教授)
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INDIGO A WORLD OF BLUE というDVDを発売している、カナダのMaiwa
Handprints Ltd.という会社が、今年の9月から11月に、Maiwa Textile
Symposium 2009 というイベントを開催するとの案内が届きました。開催場所
は、バンクーバーのようです。講演が14、ワークショップが38、イベントが5
つあるとのことで、詳細は
http://maiwa.com/symposium/index.html
にあります。
講演には、ミッシェル・ガルシアさんの、「天然染料植物の庭作り」や、日本人の
森本喜久男さんによる「カンボジアの織物の復興」が目を引きます。
森本さんは、手描き友禅の工房での修行ののち、タイやカンボジアで活動をして
おられる方で、2008年1月にNHKブックスから、「カンボジア絹絣の世界-ア
ンコールの森によみがえる村」という本を出しておられます。


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【3】天然染料と顔料だけのギャラリーができました
NPO法人アースネットワーク(http://earthnetwork.info/)
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日本在来染料植物の保全と栽培を目的としたギャラリーを小樽市銭函に開設しま
した。
北海道産の紫根や黄檗、胡桃やはんの木などの植物染料はじめ、茜や槐、藍顔料
や土顔料、それらを使って制作された作品が展示されています。
テキストや色サンプル、教材、またコレクションの天然染料、ケルメスや貝紫、
フランスやマリのウォードボール、種子島の虫こぶ!・・・・が並びます。
お近くにおいでの際は、ぜひお立ち寄りください。

◆「ギャラリー月」11:00~16:30(水、日曜休み)
場所:小樽市銭函2-30-3 自遊林内(国道5号線沿、JR銭函駅より徒歩7分)
開館時間:11:00~17:00(水曜、日曜休み)
http://www.earthnetwork.info/modules/blog2/index.php?p=30

◆展示内容
国産染料植物の展示販売:紫根、黄檗、胡桃、ミズナラ、虫こぶ、晩秋には日本
茜(生)など
☆植物顔料、土顔料、バインダー、染料セットや顔料セットの販売、
☆国内外から集めた染料植物や貝等、天然繊維の展示と解説、
☆植物染や織作品、天然顔料による絵画や造形作品の展示と販売、
☆テキストや染織関係の機関誌の販売と案内、入会案内

これらの売上から運営費を引いた残りは、染料植物の保全活動と採取や栽培農家
からの染料植物の仕入にあてられます。


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【4】ボルネオ島イバン族の織物と染色技術(3)
藤澤 奈都穂(東京大学大学院農学生命科学研究科)
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◆染料植物の意義と展望
村の人々が染料植物を利用するとき、材料が近くの森になく、奥地まで探しに行
く必要のある場合、できる限り近くで栽培をしていました。栽培不可能な材料は、
今あるものを保護し、無くならないように配慮しながら利用してきたようです。
このことから、染料植物を利用するということは、森林内の材料植物のモニタリ
ングの意味があり、また枯渇しないように利用していることから、森林内の生物
多様性の維持に貢献しているともいえます。
しかしもしも商品価値があがり、染料植物の利用量が急激に増加し資源を枯渇さ
せたり、逆にあまりにも大規模に栽培してしまったのでは、森の多様性にとって
逆効果です。
今回の染料植物に注目した調査の中で、染色の技術だけでなく、イバンの人々の
様々な森林利用の知恵が急速に減少しているのを感じました。おじいさんおばあ
さん世代の人々の森に対する知識に対して、若い人々の森の利用の知恵は比べ物
にならないほど少ないことがほとんどでした。知恵を伝えていくためには、需要
が必要ですが、一つの技術に固執し、たとえば織物の商品価値だけをあげて、染
料の需要が増えすぎると、無計画な栽培や採集が進み多様性に悪影響を及ぼすか
もしれません。なにか一つの技術に偏って注目するのではなく、様々な知恵に価
値をみいだして、幅広い森林利用の知恵を活用していくことが大切だと感じまし
た。
私はこの研究をするまで、染色について何もしらず、ものすごく注目していたわ
けではありませんでしたが、いろんな人が芸術性や化学、自然など、様々な角度
から染色に注目していることを知り、楽しんで学ぶことができました。私の調査
も、また違った角度から染料というものに注目したつもりです。少しでも楽しく
読んでいただけたら幸いです。ありがとうございました!!

(おわり)


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【5】事務局だより
天然染料顔料会議事務局長 澤田 圭司
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第43号から3回に分けて連載させていただきましたボルネオ島イバン族の研究
レポートはいかがでしたか?
染料植物の利用と保全、その意義と展望について、若手研究者の瑞々しい感性で
お送りしました。

「なにか一つの技術に偏って注目するのではなく、様々な知恵に価値をみいだし
て、幅広い森林利用の知恵を活用していくこと」
知恵が資源を守り、環境を守るというこの推論は、文化の価値についての私たち
の見解を新たにしてくれるものです。
文化とはこれら公共の資源が時代の変遷とともに切り捨てられるのを防ぐための、
いわば資源のゆりかごでした。
文化を守ることは資源を守ることであり、多様な生物とそのエコロジカル・ニッ
チを守ることであり、すなわち危機的状況に瀕して機能するセーフティーネット
を守ることです。
加えて私たちは、文化のなかに形あるものとあわせて思いや願いを織り込み、後
世へ伝えることを習慣として生きてきた生物です。
そこでは文化は子どもたちを喜ばせ、未来への希望を託すための器として機能し
てきました。
後世に希望や思いを託すことで初めて、安心して今を生きる勇気を得られる奥ゆ
かしい生物であった私たちが、今こうして見ている未来はどんな色でしょうか。

物質的にも精神的にも資源欠乏が最大の課題となる今世紀。
今なお経済効率と合理性の名のもとに世界中で日々、こうした文化が消えていき
ます。
私たちが信頼と連帯の名のもとにこの危機を乗り越えられるかどうか、その判断
は今ここにある文化を守れるかどうかにかかっているものと思います。

ご意見・ご感想お待ちしています。

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