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染料や顔料の研究・調査の発表、染料植物・天然顔料保全、伝統技法の保存活動、研究発表会、講座、ワークショップ、作品資料展などの案内や、地球環境を考えた天然の色の普及活動の報告など、一般公開型会報。

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2009/05/23

NDPC通信 第43号

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NDPC通信 第43号
天然染料顔料会議 Natural Dyes & Pigments Conference
http://ndpc.info office@ndpc.info
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                      2009年5月23日配信


☆★☆ 目次 ☆★☆
【1】天然染料顔料会議 第6回大会 in松山 のお誘い
【2】シリーズ「染織つれづれ」(2)
【3】ボルネオ島イバン族の織物と染色技術(1)
【4】事務局だより



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【1】天然染料顔料会議 第6回大会 in松山 のお誘い
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天然染料顔料会議2009年大会の開催が決定しましたのでお知らせします。

◆研究発表と実践報告・ワークショップ◆
日時:2009年9月12日(土)13:00〜17:00
会場:愛媛県民文化会館(ひめぎんホール) 別館
〒790-0843 松山市道後町2丁目9番14号
TEL:(089)923-5447
http://www.ecf.or.jp/m_facilities/index.html#access
主催:天然染料顔料会議
共催:NPO法人アースネットワーク
http://earthnetwork.info/

◆研修ツアー◆
日時 2009年9月13日(日)
行先は、シルク博物館(西予市野村町)、漆喰壁とうだつの町並(喜多郡内子町)
などを予定しています。

発表やワークショップの詳細については今しばらくお待ちください。


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【2】シリーズ「染織つれづれ」(2)
   天然染料顔料会議副会長 片岡 淳(琉球大学・教授)
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人間にしか「猿真似」はできないという。真似するところから他者との違いを認識でき、
独自のまた、自分らしい形になっていくという。人と人との関係性の中でオリジナリティ
はできていくものだという。
貴州省の砧打ちした藍染め衣裳やミャンマーの教本を包むカード織りの紐をネット販売で
求める。気付くと衣裳ケースにたくさんの染織品が納まり、部屋を侵食していく。これら
は講議に使う。趣味もアフガニスタンのヘラートの素朴な焼き物やアフリカのイスを置
き、週末はイラン関係の本をのんびり読む。これって恩師の真似をしていることに気付
く。類人猿と人間の違いは、ほめること、母親、父親の子育てのほか、社会が関わること
という。そして男、父親、教師いろんな役を演じることができることという。・・・昨今
の子育ては人間が猿化しているようだ。
先週案内をもらって読者に事前にお知らせ出来なかったが、5/17まで沖縄県立美術博物館
県民ギャラリーで「新垣幸子八重山上布展」が開催されている。日本民芸館や沖縄県立博
物館の復元衣裳と創作作品で構成されている。先人の優れた技を紐解いていくといろんな
ことがわかるいう。紅花で染めた「花色地総絣」は藍染めの経緯絣を織り上げた後に地染
めをするという。絣糸を染め分けると、藍染めしたところと紅花染めしたところの境界が
白くなるという。藍染めの時のアルカリが原因である。こういうことを積み重ねていくこ
とが、自身の創作につながると作家はしずかにしっかりとした口調で話した。八重山で
育ったその土地の苧麻(からむし)という草茎から繊維を採り糸績みして手織りする。作品
のほとんどが絣や捩り織りを加えた着物や帯である。人間が手を加えて出来上がる、ただ
の草が、藍やヒルギ、山桃などで染められると涼し気なさらりとした色とりどりの布がで
きる、なんとすばらしいことだろうか。
われわれはどんどん真似をして、真似られない自分の個性に気付き、オリジナリティあふ
れる作品作りや生き方を見つけていくのがいいだろう。そしていろんな役を演じることが
人生を豊かにするという。


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【3】ボルネオ島イバン族の織物と染色技術(1)
   藤澤 奈都穂(東京大学大学院農学生命科学研究科)
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◆イバン族の織物と伝統
ボルネオ島には、多くの少数民族集団が存在しており、それぞれが独自の文化や言葉を
もっています。彼らは昔から森林をうまく利用して生活してきました。食糧や薬などの必
需品だけでなく、家やボートの材木、工芸品や雑貨の材料も、森から調達していたので
す。染料もその一つです。しかし、これらの森林利用の知恵は、生活の変化にともなっ
て、近年急速に失われつつあります。彼らの知恵は今日では不必要なものなのでしょう
か。私は人々がどのように森林を利用し、そこに意義はあるのか検証したい、と考えまし
たが、対象が多種多様すぎるため、文化的に重要な、しかし生活には一見必需品ではない
染色の材料に注目し、調査を行いました。
イバン族の人々にとって、織物は大変重要な意味を持っていました。独自の信仰上、織物
は神の世界との懸け橋とされてきましたし、村でかつて頻繁に行われていた様々な儀式や
祭において、伝統織物の布は必需品でした。そのデザインは、相応の技術をもった女性に
神から享受されるもので、織の技術が村の女性社会の格付けをしていました。また、染色
の過程も非常に大切で、染色や、糸の前処理の技術が高い女性は、その村の最高位の女性
とされていました。イバンの女性たちにとって、位の高い布を作り上げることは、命を悪
霊にさらすことと隣り合わせの危険な戦いと考えられ、それは男性社会においての首狩り
の戦いに対応するものでした。イバンの人々は、彼らの染色と織物技術に誇りをもち、女
性は幼いころから農作業の合間に織物を作っていたのです。
(次号はイバン族の染色の材料と手順についてお送りします)


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【4】事務局だより
   天然染料顔料会議事務局長 澤田 圭司(NPOアースネットワーク)
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お待たせしました。前号でお伝えした藤沢さんの研究レポート「ボルネオ島イバン族の織
物と染色技術」連載スタートです。
これから3回に分けて、現地での貴重なフィールドワークの成果を紹介します。
時々刻々とアメリカナイズドされていくマレーシアという大国の辺境の島で、英語を解す
るのは村長さんだけという閉ざされた村で、原地の若者たちに「なんでこんな村のこんな
古くさい役立たずの染めなんか」という好奇の目で見られながら自問自答した日々が彼女
の思いを育んだのでしょう。

お金による比較競争を中心とした前世紀の価値観が急速に綻び始めている時代です。次の
時代を担う価値観は連帯、そしてそれを中心とした公共の概念と思います。真の公共の概
念とは、一人ひとりが公共に何を提供できるかを優先して考えるなかに生まれます。そう
した習慣や態度はone&onlyの知や技を育むことにつながり、エコロジカルニッチに基づく
自発的な分業社会を生むことにつながります。

ボルネオの伝統の知は、まさしくこの多様なニッチを保障するものだったのではないで
しょうか。生物多様性の保全を唱える以前に、私たちはこの生物の基本原則を文化として
意識的に守っていました。意識が無意識となり、その価値が人々の日常に触れないものと
なるにつれ、基本原則も薄れます。やがて文化は後退し、新しく生まれた文化にそのニッ
チを譲ります。それを必然のなりゆきとして捉える筋もありますが、その必然との葛藤の
なかに人間という稀有な種の宿命があるようにも思います。
つづきは次号をお楽しみに。

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