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2009/07/10

中小企業経営者に贈る人事労務管理の豆知識 第110回

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       中小企業経営者に贈る人事労務管理の「豆知識」

  
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                            VOL.110

   

                    人事コンサルティング事務所
                     オフィス ジャスト アイ

                     http://www.just-eye.com






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           わしらの給料どうなんねん      


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     NHKが「わしらの給料どうなんねん」というタイトル

     のドキュメント番組を放送していた。そこでは広島電鉄

     を取り上げ、正社員と非正規社員の給料格差を解消する

     試みを伝えていた



     広島電鉄の市電、バスの乗務員は現在1300人で、その8

     割が正社員、2割が契約社員という非正規労働者となっ

     ている。正社員も契約社員も勤務実態や仕事の内容、責

     任は同じで、同じ労働組合に所属している



     給与体系は正社員は年功序列賃金、契約社員は昇給はな

     く、1年単位の契約期間が繰り返され、3年間が終われ

     ば、その後は定年まで働くことができる



     会社は人件費の高騰を抑えるため、8年前に乗務員の正

     社員募集を凍結し、新規採用はすべて契約社員とするこ

     とにした



     ここ数年組合内部では、契約社員の組合員が増えるにつ

     れ、同じ仕事でどうして給料がこんなに違うのか、とい

     う不満の声が上がり始める



     これを受け組合は3年前から正社員と契約社員の給料体

     系を一本化するよう経営側に提案し、経営側もこれを了

     承した



     経営側は給与体系の一本化の案として、現在の年功序列

     賃金制度を廃止し、人事考課により賃金に差を付け、月

     額給与30万円まで昇給すればその後は昇給しない仕組み

     を提案してきた



     人事考課によって給料に差がつくということは、先輩と

     後輩の給料が逆転する可能性があり、現在30万円以上の

     給料の正社員にとっては減給となる



     これに対し組合側は現在の正社員の年功序列の賃金体系

     の基本は維持しつつ、昇給のカーブを抑えることによる

     一本化を提案した



     こうすれば正社員は従来よりも昇給のペースは落ちるが

     年功による昇給や序列は保証され、契約社員も昇給の恩

     恵を受けることができる



     放送時点では労使交渉は続けられており、未だに結論に

     至っていなかった(その後交渉は経営側の主張を受け入

     れ、代わりに定年を65歳まで延長することで一致した)



     経営側は組合側と合意ができなければ現状のままでも構

     わないという姿勢だった。退職するのは給料の高い正社

     員ばかりで、採用するのは契約社員だけだから当然だ。

     現状を維持しても毎年確実に総額人件費は低下していく



     これに対し組合では経営側の案を受け入れるか、現状を

     維持するか決めかねていた



     契約社員の間では経営側の案であれ、組合側の案であれ、

     確実に今より待遇改善となるため、早期の合意を求めて

     いた。彼らが最も恐れているのは交渉が決裂し、現状維

     持が続くことだ



     これに対し正社員組合員は給料の減額幅の大きさ、年功

     序列賃金の廃止、人事考課による格差などに対する不平

     ・不満・不安がある




                 ☆




     広島電鉄のような事例は給料体系を見直す際にはよくあ

     る問題といえる。乗務員のようにある程度の年数を経過

     すれば仕事の成果に大きな差が生じない仕事での年功序

     列賃金は、会社側の負担を重くする



     かつてのように経済が高成長すればこうした課題は解決

     されるが、いまの日本にそれは見込めない。人事考課も

     実態としてはほとんど形式化、形骸化してほとんど機能

     しないとなると、こうした仕事には職務給が相性がよい



     ○○○という仕事なら給料は誰でも年齢、性別、入社年

     次、雇用形態に関わらず同じ給料、というのが職務給だ。

     職務給はいわば仕事に値札がついているようなもので、

     同一労働・同一賃金ということになる(実際は範囲職務

     給といってある程度の幅を持たせて運用する)



     これに対し職能給はAさんはいくら、Bさんはいくらと

     いうように社員一人ひとりに給料という値札が付いてい

     るようなものだ。だから人事異動で仕事が変わっても給

     料の増減はない



     職務給は仕事に値段がつくため、不公平感がなく、差別

     もない。欧米の会社の多くが職務給を採用している背景

     には、差別に対する訴訟リスクが極めて高いことがある



     職務給制度ではもっと給料が欲しければスキルを磨いて

     別の職務に就くしか方法がない。また情勢が変化し自分

     が就いている仕事がなくなればより低賃金の職務へ異動

     させられるか、リストラされる



     人事異動も困難になる。異動させると異動先の職務の賃

     金になるし、異動先の職務に就く経験やスキルの無い人

     を異動させるわけにはいかない。ある職務が空けば社内

     でその職務に即戦力で対応できる人を探し出すか、外部

     から調達することになる



     日本では圧倒的に職能給が多いのだが、今後はこうした

     職務給の採用も広がってくると思われる







        ◎ ご意見・ご感想 お待ちしています ◎
     
          http://form.mag2.com/probineast







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              決算書の不思議                 


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     「ヒト」「モノ」「カネ」は経営の3大資源と言われて

     います。しかし、決算書を見ると「モノ」や「カネ」は

     貸借対照表の「資産の部」に計上されていますが、「ヒ

     ト」はどこにも見当たりません



     唯一関係しそうなのは、損益計算書の「給料」や「労務

     費」という経費でしょう。「ヒト」は3大経営資源であ

     りながら、なぜ資産として計上されないのでしょう



     それは、そもそも決算書は税務署が税金を徴収するため

     企業に作成を命じているからです。税務当局にとっては

     会社が儲かろうと、赤字であろうと、知ったことではな

     く、税金をしっかり、モレなく徴収できればそれでよい

     のです



     人材のように移動が激しく、登記簿もなく、取得原価も

     わからないものを資産計上すると徴収業務が煩雑になる

     だけです



     だから会社にとって人材は必要不可欠な資産でありなが

     ら決算書のどこにも計上されないという奇妙なことにな

     っています。決算書をいくら分析しても経営が改善しな

     い原因の一つはここにあります



     私たち人事コンサルタントは決算書に載っていない資産

     である人材を有効に活用できるよう企業にアドバイスを

     行っています。ご相談はお気軽にどうぞ




 
           justeye367@yahoo.co.jp






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      梶 川 和 重  
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