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2009/10/23

「兵庫県弁護士会メルマガ通信」(第59号)

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    ◇◆◇◆ 「兵庫県弁護士会メルマガ通信」(第59号)  ◇◆◇◆ 
     ◇◆◇◆     (2009.10.23配信)     ◇◆◇◆ 
      ◇◆◇◆  http://www.hyogoben.or.jp/  ◇◆◇◆ 
             発行:兵庫県弁護士会 
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 ◆ 目次 
 
 ◇ 平成21年度多重債務者相談強化キャンペーン 
 
 ◇ 今月の法律相談のページ 
 
  「亡父が知り合いの保証人になっていた-知って3カ月以内なら回避可能」 
                    執筆者:竹内和哉 弁護士 
 
  「養育費払わぬ前夫-まずは『履行勧告』手続きを」 
                    執筆者:小川政希 弁護士 
 
 ◇ ニュースの読み方 
    ~正当行為~ 
                    執筆者:井上 篤 弁護士 
 
 ◇ 法廷のウラ・オモテ(7) 
    ~保釈こぼれ話~ 
                    執筆者:藤本尚道 弁護士 
 
 ◇ 編集後記 
 
 ■□■□■□ 平成21年度多重債務者相談強化キャンペーン ■□■□■□ 
 
  内閣に設けられた「多重債務者対策本部」が、今年度も9月1日から12月3 
 1日の期間に「多重債務者相談強化キャンペーン2009」を実施することを受 
 け、「兵庫県多重債務者対策協議会」では下記のとおり、「兵庫県多重債務者相 
 談強化キャンペーン」を実施します。 
 
 1.兵庫県弁護士会・兵庫県司法書士会等合同無料相談会 
 ○神戸地域 
  12月2日(水)13:30~16:30 
  神戸地方合同庁舎7階会議室 近畿財務局神戸財務事務所 
  予約:078-391-6941 
 
 ○阪神南地域 
  10月29日(木)13:30~16:30 
  芦屋市役所 北館2階会議室2・4 
  予約:0797-38-2179(芦屋市消費生活センター) 
 
 ○阪神北地域 
  ・10月19日(月)13:30~16:30 
  宝塚市役所 広聴相談課相談室 
  予約:0797-81-4185(宝塚市消費生活センター) 
  ・11月27日(金)13:30~16:30 
  川西市役所 2階市民相談室 
  予約:072-740-1333(川西市消費生活センター) 
  ・12月24日(木)13:30~16:30 
  三田市まちづくり協働センター 
  予約:079-559-5032(三田市まちづくり協働センター) 
 
 ○東播磨地域 
  ・11月30日(月)13:30~16:30 
  稲美町立コミュニティセンター 
  予約:079-492-9168(稲美町危機管理課) 
  ・12月3日(木)13:30~16:30 
  高砂市役所 南庁舎2階会議室 
  予約:079-443-9078(高砂市市民活動推進課) 
  ・12月8日(火)13:30~16:30 
  加古川市役所 生活・交通安全課相談室 
  予約:079-427-9120 
 
 ○北播磨地域 
  11月11日(水)13:30~16:30 
  西脇市生涯学習まちづくりセンター 
  予約:0795-22-3111(内線391、西脇市消費生活相談室) 
 
 ○中播磨地域 
  12月18日(金)13:30~16:30 
  姫路市役所1階 市民相談センター 
  予約:079-221-2102(姫路市市民相談センター) 
 
 ○淡路地域 
  ・10月29日(木)13:30~16:30 
  洲本市役所北庁舎第1・2会議室 
  予約:0799-22-2580(洲本市人権推進課) 
  ・11月12日(木)13:30~16:30 
  淡路市役所 相談室1・2 
  予約:0799-64-0001(淡路市市民課) 
  ・11月5日(木)13:30~16:30 
  南あわじ市三原市民センター小会議室 
  予約:0799-43-5023(南あわじ市市民課) 
  ※相談は個室で行います。 
 
 2.土曜日、水曜日夜間の相談 
 ○日時 
 (1)平成21年10月~12月の第2・4土曜日 13時~15時 
 (2)毎週水曜日 17時30分~20時 
 ○場所 
  弁護士会神戸相談所 
  神戸市中央区東川崎町1-1-3 神戸クリスタルタワー13階 
 ○予約 
  電話:078-341-1717 (9時30分~12時、13時~16時) 
 
 
 ■□■□■□■□ 今月の法律相談のページ ■□■□■□■□ 
 
 ◇◆  「亡父が知り合いの保証人になっていた 
              -知って3カ月以内なら回避可能」  ◇◆ 
 
                 執筆者:竹内和哉 弁護士 
                   神戸新聞2009年8月4日掲載 
 
 Q:1年前に亡くなった父が知り合いの保証人になっていたことが、つい最近わ 
 かりました。亡くなった際には、何の責任も負債もないと考え、手続きもとって 
 いませんでした。私には保証人としての責任があるのでしょうか。 
 
 A:相続人は、被相続人(相談者の場合は父親)の財産だけでなく、負債や義務 
 も受け継ぐことになります。 
  被相続人の負債が多いなどの理由で、相続人になりたくないときは、自分が相 
 続人となったことを知ったときから3カ月以内に相続放棄などの手続きをする必 
 要があります。この3ヶ月の期間を「熟慮期間」といいます。 
  熟慮期間に何もしなかった場合は、相続をしたものとみなされ、その後は相続 
 放棄などの手続きをすることは出来ないのが原則です。 
  しかし、あなたのように熟慮期間が過ぎてから、被相続人が借金の保証人をし 
 ていたり、多額の借金があったりしたことがわかった場合に、相続放棄などを一 
 切認めないのでは、相続人は安心して相続をすることができません。 
  そこで、裁判所は、熟慮期間中に相続放棄等をしなかった理由が借金などはな 
 いと信じていたためであり、かつ、このように信じたことについて相当の理由が 
 ある場合には、借金などがあることを知り、もしくは知るべきだった時から3カ 
 月たつまでは相続放棄などをすることが出来ると判断しています。 
  あなたの場合、父親が亡くなったことを知ってから1年の間、相続に関し何の 
 手続きもしていませんでしたので、このままではあなたの相続分に従い、父親の 
 保証人としての責任を引き継ぐことになってしまいます。 
  しかし、父親が誰かの借金の保証人になっていたということは、通常あなたに 
 は知りようのないことです。 
  よって、あなたは、特段の事情が無い限り、父親が知り合いの保証人になって 
 いたことを知ってから3カ月以内であれば、相続放棄などの手続きをとり、保証 
 人としての責任を回避することができます。 
  なお、相続放棄などの手続きは父親の最後の住所地の家庭裁判所で行う必要が 
 ありますので注意して下さい。 
 
 
 ◇◆  「養育費払わぬ前夫-まずは『履行勧告』手続きを」  ◇◆ 
 
                 執筆者:小川政希 弁護士 
                   神戸新聞2009年8月18日掲載 
 
 Q:3年前に夫と調停離婚しました。その際、私が育てる子の養育費を月3万円 
 と決めましたが、最近支払いが滞っている。どうすればいいのか。 
 
 A:解決策は3つあります。(1)調査官から前夫に連絡してもらう(2)前夫に心理的 
 圧迫をかける(3)預金や給料等を差し押さえる-という3つの方法です。 
  まず(1)は「履行勧告」と呼ばれる簡易な手続きです。費用は無料です。調停を 
 した家庭裁判所で申立用紙をもらい必要事項を記入します。裁判所の調査官が前 
 夫に対し、支払いを促す連絡をしてくれます。強制力はありませんが、神戸家庭 
 裁判所での意見交換会(平成17年)によれば、およそ半数以上の支払い義務者 
 が支払うようになったとのことです。 
  履行勧告でも支払わなければ、(2)の方法(間接強制)があります。「○日以内 
 に○万円を支払え。支払わない場合には1日につき○円支払え」との決定を裁判 
 所に求めるものです。支払われない限り一定期間制裁金が加算されるという心理 
 的圧迫を与え、自発的な支払を促します。過去の不払い分はもちろん、6カ月以 
 内に期限が来る養育費も含めて申し立てることが出来ます。相談者のケースでは、 
 例えば前夫が平成21月6月分から8月分の養育費の支払いを怠っているとする 
 と、3万円×3カ月分=9万円と、平成21年9月から平成22年2月までの養 
 育費の支払い命令(支払いは各月)と、上記各金額それぞれを支払わなかった場 
 合の制裁金を定めてもらえます。 
  (3)の方法もあります。給与債権については、給与から税金や社会保険料を控除 
 した後の2分の1の金額まで差し押さえることが出来ます。過去の不払い分はも 
 ちろん、これから支払い時期が来る月の養育費も差し押さえられます。ただし、 
 給与債権を差し押さえると、前夫が失職して差し押さえるべき給与が無くなる場 
 合もあります。 
  結論として、相談者のケースでは、まず(1)の履行勧告を試み、それでも支払わ 
 れなければ、(2)か(3)の方法によるのが良いでしょう。 
 
 
  ※「今月の法律相談」のページは、神戸新聞に毎月第1、3火曜日に掲載され 
 ている「くらしの法律相談」から、神戸新聞の了承を得て転載しています。 
  なお神戸新聞のサイトは、 http://www.kobe-np.co.jp/ です。 
 
 
 ■□■□■ ニュースの読み方 ~正当行為~ ■□■□■□ 
 
                 執筆者:井上 篤 弁護士 
 
  先日、F1レースでフェラーリのフェリペ・マッサ選手にほかのレースカーから 
 落下した物が当たって大怪我を負うという事故がありました。元チャンピオンの 
 ミハエル・シューマッハ選手がフェリペ・マッサ選手の代わりにレースに出場す 
 ることを検討したことが話題になったため、覚えていらっしゃる方も多いと思い 
 ます。 
  残念ながらミハエル・シューマッハ選手の復帰はかないませんでしたが、レー 
 スなどのスポーツで事故が起こった際に、その原因となった選手が処罰されない 
 のか疑問に思ったことはありませんか。 
  もし処罰されるとなると、F1のような危険な行為は一切できなくなってしまい 
 ます。F1だけではないですね。一般的に行われているほとんどのスポーツができ 
 なくなる可能性が出てきます。 
  このような事から、スポーツにおいて一般に予測できるような事故が発生した 
 場合には、一般社会においては処罰されるような行為であっても処罰されないこ 
 ととされています。法律上の根拠は刑法35条の「正当行為」に当たると思われま 
 す。判例上もダートトライアルが危険であることを知ってこれに同意し同乗して 
 事故死してしまった場合に、「生命を侵害する危険があることを認容した同乗で 
 あり、引き受けた危険の中に死亡が含まれていてもスポーツ活動においては社会 
 的相当性を欠くものではない」として、処罰していません。 
  典型的なのはボクシング等の格闘技でしょうか?一般社会で殴り合えばお互い 
 に傷害罪になりますし、その結果、相手が死んでしまった場合には、少なくとも 
 傷害致死罪という重い罪に問われます。ところが、ボクシングのリンクの中で行 
 われた場合には処罰されることはありません。 
  まったく同じ行為であってもそれを行う場面によって処罰されたりされなかっ 
 たりします。当たり前のことを当たり前に処理するためにも法律は利用されてい 
 ることを知っておかれると面白いかもしれませんね。 
 
 
 ■□■□■□ 法廷のウラ・オモテ(7) ~保釈こぼれ話~ ■□■□■□ 
 
                 執筆者:藤本尚道 弁護士 
 
  またまた保釈の話なんですが、うんざりせずに読んでくださいね(笑)。 
  前回、否認している被告人の場合、裁判所が保釈を認めてくれ難い…と申し上 
 げました。統計上の根拠もありますが、それよりも何故そのような傾向になるの 
 かということを説明いたしましょう。 
  刑事訴訟法には「起訴状一本主義」という建前があります。つまり、刑事裁判 
 の第一回公判期日が開始されるまでに、担当裁判官が目にできるのは起訴状だけ 
 という原則です。「疑わしきは被告人の利益に」との法諺があるように、被告人 
 は「無罪の推定」を受けますので、事前に裁判官に「予断」を抱かせないための 
 ものです。 
  従って、被告人が起訴されて第一回公判期日が終了するまでの間は、事件を担 
 当する裁判官が保釈の審理を行うことはしません。別の部に属する裁判官が、一 
 件記録を読んで保釈の可否を判断することになります。 
  この場合、保釈を担当する裁判官にとっては、「他の裁判官の担当事件」に 
 「手を出す」わけですから、いきおい保釈に対しては消極的にならざるを得ませ 
 ん。自分が無理して保釈を許可したために「証拠隠滅」の事態が万が一にも起き 
 たとしたら…などと考えてしまうわけですね。だから検察官から「証拠隠滅のお 
 それ」を強く主張されると、裁判官としては不許可の方向へと傾いてしまわざる 
 を得ません。 
  また、仮に保釈決定がなされた場合、検察官としてはこれに不服を申し立てる 
 ことができます。「準抗告」という手続なんですが、これまた別の裁判官が合議 
 制で行うもので、それはそれは結構大変なものです。準抗告の申し立てがあると、 
 裁判所の部内全体が大騒ぎになる…と言えばオーバーに聞こえますが、深夜にわ 
 たり審理される場合もあって、裁判所にとっては本当に大変な負担なのです。 
  だから、検察官が「準抗告も辞さず」という強い姿勢で保釈に反対意見を述べ 
 てくる場合、裁判官としては「保釈却下」の結論に傾きがちです。正直なところ、 
 検察官が準抗告を申し立てることを避けたいからです。 
  要するに、保釈の「鍵」は検察官が握っている…と言っても過言ではありませ 
 ん。 
  「自白事件」の場合は、検察官も保釈に反対しないことが多いわけで、「保釈 
 が欲しければ否認するな」などと巷間で言われるのも無理からぬところです。こ 
 のあたりは、私たち弁護士にとっては本当に悔しい部分ですが。 
  警察や検察の描いたストーリーに異論がある場合でも、被疑者としては、身柄 
 拘束を解いて欲しいばかりに、事実関係を多少曲げてでも刑事や検事に迎合する 
 傾向が強くあります。さらに、第一回公判期日においても、あえて公訴事実を争 
 わず、検察官の請求証拠にすべて同意することで、保釈請求が通りやすくするよ 
 うな弁護方針を採ることも少なくありません。 
  まさに「人質司法」と呼ばれる状況が厳然として存在しているわけで、私たち 
 弁護士・弁護士会にとって、この状況を今後どのように打破していくのか、本当 
 に頭の痛いところです。 
 
 
 ■□■□■□■□    編集後記    ■□■□■□■□ 
 
  兵庫県弁護士会メルマガ通信第59号をお届けします。 
 
  過ごしやすい季節を迎えました。ランニングするのも、自転車で走るのも、山 
 に登るのも、なにをしても気持ちがいいですね。みなさんもスポーツやってます 
 か? 
  平安時代にはスポーツという概念は当然ない訳で、やはり心です。今月は西行 
 をご紹介します。 
 
  (秋の歌とてよめる) 
 おしなべてものを思わぬ人にさへ心をつくる秋の初風 
                       西行法師(新古今和歌集116) 
 
                                           (健) 
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