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2009/06/16

「兵庫県弁護士会メルマガ通信」(第55号)

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   ◇◆◇◆ 「兵庫県弁護士会メルマガ通信」(第55号)  ◇◆◇◆
    ◇◆◇◆     (2009.6.16配信)          ◇◆◇◆
     ◇◆◇◆  http://www.hyogoben.or.jp/   ◇◆◇◆
            発行:兵庫県弁護士会
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◆ 目次

◇ 女性の権利110番の実施について

◇ 「裁判傍聴会」のご案内 〜裁判員制度について〜

◇ 今月の法律相談のページ

 「購入した絵が盗難品−2年経過なら返す必要なし」
                   執筆者:足立友季世 弁護士

 「遅延損害金−年利14.6%の範囲で支払い」
                   執筆者:上杉光太郎 弁護士

◇ ニュースの読み方
  〜コンビニ弁当の値引き販売〜
                   執筆者:吉田邦子 弁護士

◇ 法廷のウラ・オモテ
  〜手錠・腰縄〜
                   執筆者:藤本尚道 弁護士

◇ 編集後記

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■□■□■□ 女性の権利110番の実施について ■□■□■□

 女性に対する暴力(ドメスティック・バイオレンス、ストーカー、セクシュア
ル・ハラスメント)や離婚に関する諸問題など、女性の権利一般に関する無料電
話相談・面談相談を下記の通り実施します。

 弁護士が、無償で対処方法や正しい法律知識を提供し適切なアドバイスを行い
ますので、お気軽にご相談下さい。

◎日  時◎
2009年6月23日(火)午前10時〜午後4時
◎電話相談◎
予約不要・6月23日(火)に直接おかけ下さい。
TEL:078−341−1000
◎面談相談◎
要予約 相談時間は1人30分程度。
(1)神戸市男女共同参画センター(あすてっぷKOBE)
 神戸市中央区橘通3−4−3
 予約電話番号:078-361-6977
 (6月9日(火)午前9時から先着順で予約受付〜
(2)姫路市男女共同参画推進センター(あいめっせ)
 姫路市本町68番地290イーグレひめじ3階
 予約電話番号:079-287-0803
 (6月10日(水)午前9時から先着順で予約受付)
  
◎主  催◎
兵庫県弁護士会・日本弁護士連合会
◎共  催◎
神戸市男女共同参画センター・姫路市男女共同参画センター
◎問い合わせ先◎
 兵庫県弁護士会 TEL078−341−7061(代)


■□■□ 「裁判傍聴会」のご案内 〜裁判員制度について〜 ■□■□

 兵庫県弁護士会では、市民の方々に2009年度から制度が開始された「裁判
員制度」や弁護士活動を理解していただくため、「裁判傍聴会」を開催しており
ます。
 下記の日程で、弁護士が刑事裁判の法廷に同行し、裁判手続等について解説を
行いますので、ご希望の方は、兵庫県弁護士会までお申し込み下さい。(費用無
料)

◎日程◎
平成21年
4月23日(木)午前(9:15〜13:00)
5月20日(水)午後(12:15〜16:00)
6月10日(水)午前(9:15〜13:00)
7月8日(水)午後(12:15〜16:00)
8月19日(水)午後(12:15〜16:00)
9月9日(水)午後(12:15〜16:00)
10月14日(水)午前(9:15〜13:00)
11月11日(木)午後(12:15〜16:00)
12月9日(水)午前(9:15〜13:00)
平成22年
1月13日(水)午後(12:15〜16:00)
2月10日(水)午前(9:15〜13:00)
3月9日(火)午後(12:15〜16:00)

◎実施要領◎
 裁判傍聴当日、当会館にお越しいただき、裁判手続等について1時間程度の事
前説明の後、当会所属の弁護士が裁判所にご案内します。
 午前の部は午前10時から、午後の部は午後1時から2時間、刑事事件の裁判
を傍聴し、傍聴終了後は、傍聴した事件の解説、質疑応答を行います。(法廷の
都合上、時間が多少前後することがございます。)また、2009年5月に導入
された裁判員制度の説明も行います。
(集合場所)
 〒650−0016
 神戸市中央区橘通1−4−3
 兵庫県弁護士会館3階会議室

◎定員◎ 
各回 定員18名
※ お一人からでも応募できます。応募者多数の場合は抽選になります。また、
お申し込みが2名以下の場合は中止となります。ご了承下さい。

◎申込方法◎ 
 希望日、住所、氏名、年齢、性別、職業、電話番号をご記入のうえ、(1)はがき、
(2)当会会館備付の傍聴申込書、(3)電子メール(bengoshikai@hyogoben.or.jp) ※
件名を「裁判傍聴希望」と明記下さい、の何れかにてお申し込み下さい。
 詳細については、後日、はがきにてご通知致します。
 多人数でのお申し込みの場合、代表者の連絡先、参加人数、参加者される方の
お名前をご記載下さい。ご連絡は、代表者の方に差し上げます。
 なお、お知らせいただいた個人情報につきましては、裁判傍聴会の開催に必要
な範囲でのみ使用し、ご本人の同意なしに第三者に開示・提供することはありま
せん。

◎応募締切◎ 
各開催日の8日前(必着)

◎申込連絡先◎ 
兵庫県弁護士会司法問題対策委員会
〒650-0016 神戸市中央区橘通1−4−3
TEL 078−341−7061(代) FAX 078−351−6651
E-mail bengoshikai@hyogoben.or.jp


■□■□■□■□ 今月の法律相談のページ ■□■□■□■□

◇◆  「購入した絵が盗難品−2年経過なら返す必要なし」  ◇◆

                執筆者:足立友季世 弁護士
                  神戸新聞2009年4月7日掲載

Q:絵の収集が趣味の知人から絵を購入したが、実は盗難品であることがわかっ
た。盗難品とは全く知らなかったが、以前の所有者か「絵を返してほしい」と求
められている。返さなければならないのでしょうか。

A:真の所有者でない人から物を購入した場合、買主はその物の所有権を取得で
きないのが大原則です。しかし、民法192条は、取引の安全の見地から、たと
え取引の相手方が物の真の所有者でなかったとしても、そのことを知らないで
(法律用語では善意といいます)、かつ、知らないことに過失つまり不注意がな
く、その物を売買などの取引行為により取得した者は、所有権を得ることができ
ると規定しています。これを即時取得といいます。
 相談者は、絵の売り主である知人が真の所有者でなかったことは知らなかった
ということですから、知らなかったことにつき不注意もなければ、絵を即時取得
することができ、もとの所有者からの返還請求にも応じる必要はないようにも思
われます。
 もっとも、この即時取得には例外があります。すなわち、民法193条は、物
が盗品又は遺失物であった場合、被害者又は遺失者は、盗難又は遺失のときから
2年間は、物を即時取得した者から取り返すことができると規定しています。
 したがって、相談者の場合も、絵は実は盗難品であったわけですから、被害者
であるもとの所有者から絵の返還を求められた場合、盗まれてから2年以内であ
れば、もとの所有者に返さなければなりません。
 この民法193条にはさらに例外があり、即時取得した人が、お店や商人から
その物を買った場合、物を返還する代わりに、支払った代金を被害者から弁償し
てもらうことができます(民法194条)。しかし、相談者の場合は、絵の収集
が趣味の知人から購入したわけですから、民法194条の場合に当たらず、もと
の所有者から売買代金の弁償を受けることはできないと考えます。
 本件の場合、絵が盗まれてから2年以内であれば、相談者は、もとの所有者に
絵を返さなければならないでしょう。2年が経過し、かつ即時取得が認められる
場合は、絵を返す必要はありません。


◇◆「遅延損害金−年利14.6%の範囲で支払い」◇◆

                執筆者:上杉光太郎 弁護士
                  神戸新聞2009年4月21日掲載

Q:業者に自宅のリフォームを依頼しましたが、支払期限までにお金が用意でき
ませんでした。すると、業者から、本来のリフォーム代金に加え、年利40%の
遅延損害金を請求されました。契約書にはそう書かれているが、払う必要がある
のですか。

A:まず、契約において、当事者の一方がその義務を怠った場合、債務の不履行
により相手方に生じた損害を賠償する責任が生じます(民法415条)。
 相談者のようにリフォーム代金を期限までに支払えない場合、契約上の代金の
支払義務の履行が遅れるという形で、債務不履行になるわけですから、それによ
り生じた業者の損害を賠償することになるのです。
 では、この場合に損害はどのように算出されるのか、という点です。金銭の支
払いが遅れることにより相手に生じる損害を個別・具体的に算出することは難し
いため、民法は法定利息にしたがいこれを算出するものとしています(民法419条
1項)。
 もっとも、民法は契約当事者間の個々の合意によって、事前に賠償予定額を合
意しておくことも認めており(民法420条1項)、本件では、契約書において「年
利40%の遅延損害金」という定めがあるので、まさにこの賠償予定額の合意に
当たるわけです。
 では、実際に相談者は年利40%もの高額な遅延損害金を支払わなければいけ
ないのかという点ですが、本件は相談者の自宅のリフォームについての契約です
ので、個人(消費者)と事業者の間の契約として消費者契約法が適用されるでし
ょう。
 消費者契約法は、契約上の損害賠償の予定額の合意に関して、年14.6パー
セントを超える部分については無効であるとしています(9条2号)。
 この規定は、一般的に事業者に比べて、契約について知識に乏しい消費者を保
護するためのものであり、強行法規といって契約上の当事者の合意に優先されて
適用されるものなので、結局、相談者は年14.6%の範囲で遅延損害金を支払
うことになるでしょう。


 ※「今月の法律相談」のページは、神戸新聞に毎月第1、3火曜日に掲載され
ている「くらしの法律相談」から、神戸新聞の了承を得て転載しています。
 なお神戸新聞のサイトは、 http://www.kobe-np.co.jp/ です。


■□■□■ ニュースの読み方 〜コンビニ弁当の値引き販売〜 ■□■□■

                執筆者:吉田邦子 弁護士

 コンビニエンスストア最大手が、フランチャイズ加盟店に対し、取引上の優越
的な地位を利用して、消費期限の近づいた弁当などを値引きして販売すること
(いわゆる「見切り販売」)を不当に制限したとして、公正取引委員会が独占禁
止法違反(不公正な取引方法)で排除措置命令を出す方針を固めた、との報道が
ありました(H21.5.29)。

 「コンビニ弁当が安く買えるようになるかも?」といった消費者の期待の声も
聞かれるところ、今日は、このニュースについてお話したいと思います。

 フランチャイズ・システムは、一般に、本部が加盟店に商号等の使用権を与え
た上、統一的な方法で営業指導や援助を行い、これらの対価として加盟者が本部
に金銭(ロイヤルティ)を支払うという事業形態を指します。コンビニの各店舗
は、コンビニ本部の「支店」ではなく、コンビニ本部とフランチャイズ契約を結
んで営業を行っている独立の事業者(加盟者)です。

 フランチャイズ・システムにおいては、本部が営業の統一性を確保するなどの
目的で、加盟者に対して取引条件を付したり、義務を課したりすることがありま
すが、その条件等が加盟者にとって著しく不利益なものであっても、加盟者は、
フランチャイズ契約を打ち切られることを恐れて、これを受け入れざるを得ない
場合があります。しかし、本部が取引上の優越的な地位を利用して、加盟者に不
当な条件を押し付け、不利益を与えることは、独占禁止法が禁止する不公正な取
引方法に該当し(優越的地位の濫用)、公正取引委員会による排除措置命令の対
象となります。

 本件では、コンビニ本部が加盟者に対して見切り販売を制限することが問題と
されていますが、見切り販売の制限が、即、独占禁止法に触れるというわけでは
ないと思われます。公正取引委員会が策定した「フランチャイズ・システムに関
する独占禁止法上の考え方について」というガイドラインにおいては、「廃棄ロ
ス原価を含む売上総利益がロイヤルティの算定の基準となる場合において、本部
が加盟者に対して、正当な理由がないのに」、見切り販売を制限して廃棄を余儀
なくさせる行為が、優越的地位の濫用の一例として掲げられています。すなわち、
廃棄ロスの発生が加盟者に不利益となるようなロイヤルティの算定方式が採用さ
れているにもかかわらず、本部が加盟者に見切り販売をさせずに廃棄ロスを生じ
させ、その損失を加盟者に負担させるといった行為が、独占禁止法上問題となる、
とされているのです。

 コンビニ本部の側には、全国一律の価格設定や、"新鮮な商品しか売らない"と
いうイメージの維持、その他様々な経営上の観点から、見切り販売の規制は必要
という考えもあろうかと思われますが、上記のようなガイドラインの考え方を前
提とすれば、加盟者が商品廃棄によって不利益を被らない仕組みを採用した上で、
見切り販売の制限を行う場合には、優越的地位の濫用にあたらない、とも解され
ます。

 ただ、独占禁止法上の問題が回避できるとしても、見切り販売を制限して、お
弁当をゴミとして廃棄してしまうことがよいのか悪いのかについては、また別の
観点からも考察されるべき問題でしょう。


■□■□■□ 法廷のウラ・オモテ 〜手錠・腰縄〜 ■□■□■□

                執筆者:藤本尚道 弁護士

 被告人が法廷に入る際、拘置所の職員(刑務官)2人によって護送されてきま
すが、その時点では、両手に手錠をはめられ、腰縄(手錠に結ばれた縄を被告人
の腰に巻きつけて縛りその端を刑務官が握る)をされた状態です。
 刑事訴訟法では、公判廷で被告人の身体を拘束してはならないと決められてい
ますので、裁判官が登壇して開廷された時点では、手錠と腰縄は外されている必
要があります。その一方で、刑事収容施設法は、刑務官が被告人を護送する際に
は手錠や捕縄(腰縄)を使用できると定めています。
 それでは、手錠・腰縄が外されるべきタイミングはいつだと思いますか?
 護送が完了するのは被告人が法廷に到着した時点ですから、法廷内に入ったら
速やかに手錠・腰縄を外すべきだとの考え方もあります。ひと昔前まではそのよ
うな実務運用がなされ、被告人が法廷に到着すると、すぐに手錠・腰縄が外され、
刑務官に両サイドを挟まれた格好で神妙に裁判官の登壇を待っていたものです。
 しかし、いつの頃からかこの運用が変わり、現在では、裁判官が登壇するのを
待って、ようやく手錠・腰縄が外されることになっています。裁判官は、被告人
の手錠・腰縄が外されてから開廷を告げるわけで、この時点で、建物としての
「法廷」が刑事訴訟法に言う「公判廷」に変わるという解釈なんでしょうね。
 ところで、裁判員制度の発足にあたり、この手錠・腰縄を外すタイミングに関
する議論が巻き起こっています。手錠・腰縄をされた姿を目にすると、それだけ
で裁判員が被告人に対して悪いイメージ(有罪の先入観)を持ってしまうという
懸念があるからです。
 そのため、(1)裁判官・裁判員が法廷の隣接部屋に入った時点で被告人の手錠・
腰縄を外す、(2)裁判官が入廷後に被告人の手錠・腰縄を外しその後に裁判員を入
廷させる、(3)裁判官と裁判員が先に入廷し被告人が入廷する直前で手錠と腰縄を
外す…といった案が出されていますが、いずれも一長一短あるようで、まだ具体
的な運用は決まっていないと聞きます。
 法廷に到着するとすぐに手錠・腰縄が外され、刑務官に両サイドを挟まれて神
妙に裁判官の登壇を待っていた被告人の姿は、私にとっては極く当たり前の原風
景であり、そのようなひと昔前の運用が何故できないのだろう…と、疑問に思っ
てしまう今日この頃です。

■□■□■□■□    編集後記    ■□■□■□■□

 兵庫県弁護士会メルマガ通信第55号をお届けします。
 近畿地方でも梅雨入り宣言がありました。しばらく鬱陶しい季節が続きます。

 五月雨の空もとどろに 郭公 なにをうしとか夜ただ鳴くらん
                     つらゆき  (古今集160番)

                                          (健)
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