兵庫県弁護士会メルマガ通信  RSSを登録する

神戸新聞に掲載されている「くらしの法律相談」の最新版や、民事裁判傍聴会、講演会、模擬裁判、法律相談、電話法律相談等の案内を兵庫県弁護士会がお届けします。

最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
2009/04/10

「兵庫県弁護士会メルマガ通信」(第53号)

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

   ◇◆◇◆ 「兵庫県弁護士会メルマガ通信」(第53号)  ◇◆◇◆
    ◇◆◇◆     (2009.4.10配信)      ◇◆◇◆
     ◇◆◇◆  http://www.hyogoben.or.jp/  ◇◆◇◆
            発行:兵庫県弁護士会
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/


◆ 目次

◇ 『遺言の日』記念行事のお知らせ

◇ 「証拠調べ手続」って何するの?
                   執筆者:富田智和 弁護士

◇ 今月の法律相談のページ

 「支払判決受けたが−標準生活の維持には配慮」
                   執筆者:小田沙織 弁護士

 「知人に貸したお金−時効の中断があり請求可能」
                   執筆者:中島健治 弁護士

◇ ニュースの読み方
  〜政治資金規正法〜
                   執筆者:井上 篤 弁護士

◇ 【新連載】法廷のウラ・オモテ
                   執筆者:藤本尚道 弁護士

◇ 編集後記

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/


■□■□■□■□ 『遺言の日』記念行事のお知らせ ■□■□■□■□


★予約不要・相談無料★
「遺言を書きたいけど、どこの誰に相談すればいいの? 」そのような疑問をお持
ちの方は是非ご参加下さい。
 神戸・尼崎・伊丹・明石・姫路の各会場で遺言に関する講演会や無料法律相談
会を開催しますので、お近くの会場にお越し下さい。どの会場も予約不要です。
 なお、会場によって開催日や内容が異なりますので、ご確認のうえお出かけ下さい。 


◎神戸会場  兵庫県弁護士会館4階講堂(神戸市中央区橘通1-4-3)◎
 ☆2009年4月15日(水) 1時〜3時
 ☆ 桂三風氏による落語
 ☆ 遺言・相続問題等無料法律相談会 (当日受付)
◎尼崎会場  西宮市民会館中会議室(西宮市六湛寺町10-11)◎
 ☆2009年4月15日(水) 1時30分〜4時30分
 ☆ 講演「相続」を「争族」としないために
   -知っておきたい遺言の利用法- 講師: 古賀 徹弁護士
 ☆ 遺言・相続問題等無料法律相談会 (当日受付)
◎伊丹会場  伊丹市立文化会館会議室(伊丹市宮ノ前1丁目1番3号)◎
 ☆2009年4月18日(土) 1時〜4時
 ☆ 講演「公正証書遺言について」講師: 寒竹 剛弁護士
 ☆ 遺言・相続問題等無料法律相談会 (当日受付)
◎明石会場  明石市生涯学習センター学習室1◎
 ( 明石市東仲ノ町6 − 1 アスピア明石北館7階)
 ☆2009年4月19日(日) 1時30分〜5時
 ☆ 講演「相続と遺言」講師: 熊 敏彦(公証人)
 ☆ 遺言・相続問題等無料法律相談会 (当日受付)
◎姫路会場  兵庫県弁護士会姫路支部会館3階大ホール◎
 ( 姫路市北条1 -4 0 8 -6 )
 ☆2009年4月15日(水) 3時〜4時30分
 ☆ 遺言・相続問題等無料法律相談会 (当日受付)

各会場へは公共交通機関をご利用下さい。

■□■□■□ 「証拠調べ手続」って何するの? ■□■□■□

                   執筆者:富田智和 弁護士

1 51号のメールマガジンでは、冒頭陳述について解説しました。冒頭陳述が
終わった後は「証拠調べ手続」という手続に入ります。51号のメールマガジン
で私が書いたとおり、どんなに分かりやすい冒頭陳述を行っても、証拠調べ手続
で証明できなければ、その事実を認定することはできません。その意味で証拠調
べ手続は、被告人の有罪・無罪や刑の重さを左右する重要な手続です。
 では、この「証拠調べ手続」では具体的にどんなことが行われるのでしょうか?
 今日は、この「証拠調べ手続」について解説したいと思います。

2 証拠調べ手続において調べられる「証拠」としては、まずもって「供述調書」
が考えられます。これは犯行の目撃者や犯行の被害者などが警察官や検察官に語
ったことを警察官や検察官の方で書面にまとめた物をいいます。もちろん、被告
人自身が警察官や検察官に語ったことをまとめた供述調書も証拠に該当します。
 裁判員が参加する裁判では、これらの供述調書は、原則として全文が朗読され
ます。これまでの刑事裁判では、供述調書は「要旨の告知」といって供述調書の
ポイントだけを述べれば良いとされていました。そして、「要旨の告知」が行わ
れた後は、裁判官がその供述調書を裁判官室でじっくりと読むことにより心証を
形成するという作業が行われてきました。しかし裁判員制度は、法廷で心証を形
成することを目的とする制度です。したがって、これまでのように供述調書のポ
イントのみを述べれば足りるという訳にはいきません。そのため、供述調書は原
則として全文を朗読することになります。
 現在、供述調書の全文朗読に対応するために、供述調書は枚数自体が以前に比
べて少なくなっています。

3 次に、被告人が犯行に用いたナイフや被害者から奪った財布などの証拠物が、
証拠調べ手続において調べられることがあります。これら証拠物については、法
廷で裁判員の方に現物が示されるという方法で証拠調べが行われます。

4 さらに、犯行の目撃者や被害者などが法廷で証言する「証人尋問」が行われ
ることもあります。
 証人尋問というと、テレビドラマでは、弁護人が延々と演説を行っているシー
ンを目にすることがありますが、現実の裁判ではそのようなことはありません。
証人尋問というのは、あくまでも証人が経験したことを話す場であり、弁護人の
演説の場ではありません。また、テレビドラマでは、証人尋問の場において真犯
人が判明するといった場面があります(場合によっては証人自身が真犯人であっ
たり、傍聴席に真犯人がいる場面なども目にします)が、このような場面も、現
実の裁判ではないと言っていいと思います。証人尋問は真犯人を捜す場ではない
からです。

5 以上の証拠調べ手続は、まず検察官が提出する証拠から行われます。これは、
これまでのメールマガジンでも述べてきたとおり、刑事裁判では立証責任が検察
官に課されているからです。
 そして、検察官が提出する証拠についての証拠調べ手続が終わった後は、弁護
人が提出する証拠についての証拠調べ手続が行われます。例えば、検察官が提出
しなかった証拠のうちで被告人に有利な証拠(被告人のアリバイを証明する写真
などが例として考えられます)の取調べが行われます。また、被告人が罪を認め
ている事件では、被告人の性格等をよく知っており、被告人の今後の更生に力を
貸してくれる人物(「情状証人」といいます)の証人尋問が行われることがあり
ます。さらには、被告人自身が言い分を述べる「被告人質問」も広い意味では
「証拠調べ手続」に該当します。

6 このような証拠調べ手続を経た後は、「論告」「弁論」という手続に入り、
裁判はいよいよ終盤にさしかかります。


■□■□■□■□ 今月の法律相談のページ ■□■□■□■□

◇◆  「支払判決受けたが−標準生活の維持には配慮」  ◇◆

                執筆者:小田沙織 弁護士
                  神戸新聞2009年2月3日掲載

Q:私がけがをさせてしまった相手に100万円払うよう判決が出ました。給料
すべてや自宅の冷蔵庫、洗濯機を差し押さえられてしまうと生活できません。判
決が出た以上、仕方がないのか。
 
A:裁判所で言い渡された判決が確定すると、けがをさせた相手は、これをもと
にあなたの財産を差し押さえることができます。
 このときに差し押さえの対象となるあなたの財産は、不動産(土地、建物)、
動産(家電製品、宝石など)、債権(預金債権、給料債権など)です。従って、
あなたが勤務先から受け取る給料や自宅の冷蔵庫なども対象です。
 ただし、差し押さえを受ける人の標準的な生活維持の観点から、差し押さえる
ことができる動産や債権にも制限が設けられています。
 例えば、生活に欠くことのできない衣服、寝具、台所用品、畳、建具、生活に
必要な1ヵ月分の食料といったものについては、差し押さえてはならないことが
法律で定められています。各地方裁判所ごとに一定の生活家電などは差し押さえ
禁止動産として取り扱う運用がなされており、例えば洗濯機や冷蔵庫のほか、テ
レビ、冷暖房器具は差し押さえてはならないとされていることが多いです。ただ
し、洗濯機や冷蔵庫が2点ある場合には、1点については差し押さえられること
があります。
 給料については、「その支払期に受けるべき給付の4分の3に相当する部分」
は差し押さえてはならない、つまり、毎月40万円の給料が支払われている場合
は、30万円の部分は差し押さえてはならないとされています。ただし、各支払
期の給料の4分の3に相当する部分が、33万円を超える場合、つまり、毎月4
4万円以上の給料をもらっている方ですと、33万円は差し押さえられませんが、
その残りの金額は差し押さえられます。
 このように、差し押さえが行われる場合には、差し押さえを受ける人の標準的
な生活の維持に一定の配慮がなされるよう定められています。


◇◆「知人に貸したお金−時効の中断があり請求可能」◇◆

                執筆者:中島健治 弁護士
                  神戸新聞2009年2月17日掲載

Q:知人に金を貸したが、ここ10年間返済されなかった。催促すると「来月末
に支払います」などの手紙があるが、支払われず、先日「最後に返済してから1
0年以上たったので時効だ」と告げられた。請求できるのか。

A:一般に、債権は行使することに法律上の障害がなくなったときから10年が
経過すると時効により消滅します(消滅時効)。ここでいう「法律上の障害」と
は、支払期限に到達していないため請求できないなど、法律上権利を行使できな
い状態を指します。
 貸金も債権ですから、10年経過すれば時効により消滅します。ただし、時効
には中断という制度があります。
 時効成立までの間、債権者が訴訟を起こすなどの請求をしたり、債務者自身が
債務の存在を認めたりした場合、その時点で時効期間は中断し、そこからあらた
めて10年が経過しない限り時効は成立しません。
 例えば時効の起算点から9年6ヵ月が経過した時点で債務者が債務の存在を認
める行為をした場合、そこからあらためて10年経過しない限り時効は成立しま
せん(前の9年6ヵ月を含めて10年ではありません)。
 本事例では特に返済期限の定めはなされていないようですから、法律上はお金
を貸したときからいつでも相当期間を定めて催告して返済を求めることができま
す。
 したがって、貸し付け後、相当期間が経過した時点から時効期間が進行します。
そして、債務者の返済は債務の存在を認める行為といえますから、返済により時
効が中断し、そこからあらためて10年の時効期間が進行することになります。
 相手方は最後の返済から10年経過していることをもって時効による債務の消
滅を主張しているようです。しかし、相手方は最後の返済後も催促のたびに来月
末に支払いますなどの手紙を送ってきています。これも債務の存在を認めた行為
と言えます。
 その手紙によっても時効は中断しますから、そこから更に10年が経過してい
ない限り時効は成立しませんので、貸したお金を返済するよう請求できます。


 ※「今月の法律相談」のページは、神戸新聞に毎月第1、3火曜日に掲載され
ている「くらしの法律相談」から、神戸新聞の了承を得て転載しています。
 なお神戸新聞のサイトは、 http://www.kobe-np.co.jp/ です。


■□■□■□■ ニュースの読み方 〜政治資金規正法〜 ■□■□■□■□

                執筆者:井上 篤 弁護士

 政治家に対する違法献金が話題になっています。そこで、政治献金に対する規
制についてお話しいたします。

 政治献金については、政治資金規正法によって、規制されています。規制の方
法は、(1)「収支の公開による国民の監視と批判」、(2)「政治金の授受に対する直
接の規正」の二本立てです。
 すなわち、(1)政治資金の出入りに対して国民の目が届く形にすることで不正な
政治献金が行われることを抑止すると共に、(2)不正の温床となりがちな政治資金
の寄附に対して直接的な規制を行うことによって、政治家と個人との癒着や政治
腐敗を排除しようとしているのです。
 この目的を達成するために、(1)政党等の政治団体に対して、「年間5万円
を越える寄付」、「年間5万円を超える支出」、「一定額を超える資産等」を報
告する義務が課され、(2)また、収支報告書の公表及び閲覧の義務が科されて
います。更に、(3)政治献金の寄付そのものに対して制限が行われると共に、
(4)政治資金パーティーの規制等の規制がなされています。
 また、これらの規制に違反した場合には、規制に応じて5年以上の禁固、10
0万円以下の罰金等の罰則が設けられています。

 民主党小沢代表の秘書が逮捕されたのは、寄付の制限違反です。
 噛み砕いて説明しますと、政治資金規正法により、会社は、政党等の政治団体
以外に寄付してはならないと規定されています。したがって、会社である西松建
設は、民主党等の政治団体以外に寄付することは出来ず、小沢代表及びこれと同
視できる団体に寄付を行ってはなりません。
 ところが、西松建設は、「ダミーの団体を設け、この団体から小沢代表と同視
できる陸山会という団体に寄付した形を取ることで、寄付の制限違反を免れよう
としていた」とされているのです。

 真偽の程は兎も角、政治というのはお金から離れられないものなのかも知れま
せんね。


■□■□■□■□ 【新連載】法廷のウラ・オモテ ■□■□■□■□

                執筆者:藤本尚道 弁護士

 「静粛に〜! 静粛に〜!」コン・コン・コン…。法廷に響き渡る裁判長の声
と「木槌」の音。裁判映画や法廷ドラマなどで時々見受けられる場面ですね。
 でも、ちょっと待ってください。これはアメリカなどの裁判所ではあり得るこ
とですが、日本の法廷には「木槌」など置いてありません。外国の映画の影響を
受けてのことでしょうか、日本の法廷にも「木槌」が当然にあるとの思い込みか
ら生じた誤りです。
 さすがに最近の作品では、弁護士などの監修も入れて正確に法廷を描き出そう
としているようですが、昔の作品には「想像上の法廷?」が登場することもあり、
私たち法律家から見れば、アレレ〜?と感じることもしばしばでした。
 さて、本年5月からは裁判員制度が始動します。裁判所や法廷は市民の皆さん
にとって、より身近な存在になることと思われます。
 これを機に、市民の皆さんが抱きがちな、裁判所や法廷あるいは法律家などに
関する「誤解」のお話を、具体的な例をあげて連載していきたいと考えています。
 どうぞ、ご期待ください。

■□■□■□■□    編集後記    ■□■□■□■□

 兵庫県弁護士会メルマガ通信第53号をお届けします。さくらが満開です。さ
くらと言えば西行。どの歌も捨てがたいですが、強いて選ぶなら、今年はこれ。


  春風の花を散らすと見る夢は さめても胸のさわぐなりけり
                          (山家集)

                                          (健)
最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る