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2007/10/05

「兵庫県弁護士会メルマガ通信」(第36号)

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   ◇◆◇◆ 「兵庫県弁護士会メルマガ通信」(第36号) ◇◆◇◆
    ◇◆◇◆     (2007.10.5配信)      ◇◆◇◆
     ◇◆◇◆  http://www.hyogoben.or.jp/  ◇◆◇◆
            発行:兵庫県弁護士会
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◆ 目次

◇ 憲法集会のお知らせ
  語り合おう憲法 〜憲法9条と自衛隊・イラク戦争〜

◇ 犯罪被害者の刑事裁判参加について(その3)
                   兵庫県弁護士会 裁判員制度実施本部
                    本部長代行  朝本行夫 弁護士

◇ 今月の法律相談のページ
 ・「車同乗中の事故−双方の運転手に賠償請求可能」
                 執筆者:野上真由美 弁護士

 ・「連帯保証人−家賃不払いにも責任発生」
                 執筆者:中塚恵介 弁護士

◇ ニュースの読み方
  「許可」と「届出」
                 執筆者:藤原孝洋 弁護士

◇ 編集後記

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■□■□ 語り合おう憲法 〜憲法9条と自衛隊・イラク戦争〜 ■□■□


 日本国憲法が施行されて60年、国民投票法案が成立するなど憲法を改正しよ
うという動きが再び急となってきました。憲法を改正すべきか否かは、私たちの
子や孫が生きていくこの国のあり方を決める、とても重要なことです。
 特に憲法9条に代表される平和主義原則は、イラク戦争と日本のかかわり、自
衛隊の存在と活動等との関係の中で、議論の焦点になっています。
 私たちの生存に関わる問題として憲法9条・イラク戦争と自衛隊について、一
緒に考えましょう。

第1部 基調報告 松山秀樹
(弁護士 兵庫県弁護士会憲法問題委員会委員長)
第2部 DVD上映 「イラク 戦場からの告発」
(イラクの子どもを救う会 西谷文和氏 編集)
第3部 パネルディスカッション
「憲法9条と自衛隊、イラク戦争そして平和」

パネリスト
 奥本京子氏(大阪女学院大学准教授)
 井上正信氏(弁護士)
 徳永信一氏(弁護士)
とき 2007年10月20日(土)午後1時〜4時30分ごろ
ところ 兵庫県弁護士会(本館)4階講堂
〒650-0016 神戸市中央区橘通1−4−3
○参加無料
○予約不要
○会場へは公共交通機関をご利用ください。

主催・お問い合わせ先:兵庫県弁護士会  電話078−341−7061(代)
   兵庫県弁護士会ホームページ http://www.hyogoben.or.jp/
後援:日本弁護士連合会

■□■□   犯罪被害者の刑事裁判参加について(その3)   ■□■□
 
                   兵庫県弁護士会 裁判員制度実施本部
                    本部長代行  朝本行夫 弁護士

1 2007年6月20日,「犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事
 訴訟法等の一部改正する法律」が成立し,2008年12月までに実施されま
 す。
  被害者等の訴訟参加に対しては,(1)刑事訴訟の当事者主義(検察官と被告人・
 弁護人に訴訟の主導権を認める訴訟の進め方)の構造を変えてしまうおそれがあ
 る,(2)無罪推定の原則(被告人が有罪の判決を受けるまでは,無罪であると推定
 され,被告人を犯罪者とする取扱をしてはならない)に反する,(3)刑事裁判が被
 害者の復讐の場となり,報復の連鎖が復活する等の批判もあります。
  しかし,今回成立した犯罪被害者の刑事訴訟参加制度は,このような批判を考
 慮して,工夫された内容であり,直ちに,当事者主義の変容,無罪推定原則の放
 棄,刑事裁判を復讐の場にしてしまう等とは認められないという意見にも,説得
 力があります。

2 この新しい被害者参加制度が実施される前でも,光市母子殺害事件で被害者
 遺族の方が,公判で意見陳述し,被告人に死刑を課すよう求めたように,被害
 者の方の刑事手続参加は,限定的ながら認められております。
  新しい制度では,さらに以下の権利が新たに認められました。
 (1) 審理の際,傍聴席ではなく法廷の中にはいることができます。
 (2) 証人を尋問できます。
 (3) 被告人に質問ができます。
 (4) 事実または法律の適用に関する意見を陳述できます。

3 2009年5月までには裁判員裁判が実施されますが,被害者参加制度は,
 裁判員制度の実施より若干早い2008年12月までには実施されます。
  したがって,裁判員裁判の対象事件((1)死刑または無期の懲役若しは禁固にあ
 たる罪,(2)故意の犯罪行為により被害者を死亡された罪に係る事件)のうち,
 殺人等の故意の犯罪行為により人を死傷させた罪等は,裁判員制度でも被害者
 参加制度が実施される可能性はあります(被害者参加人の参加希望がある場合
 に限ります)。

4 被害者参加人が,(1)審理の際,法廷の中に入っており,(2)証人尋問や(3)被告人
 質問をし,(4)事実または法律の適用に関する意見陳述をすることによって,審理
 及び判決にどのような影響が出るのか,被害者参加制度の具体的な実施内容が,
 今後規則等で定められる関係で,まだまだ不明な部分が多いのが実情です。
  このメルマガの読者の皆様はどのようにお考えでしょうか。
  裁判員の方々は,被害者参加制度がなくても,被害者の法廷での意見陳述や,
 被害者の供述調書を検察官が朗読し,それを聞くことが考えられますが,その場
 合以上に(それと比較ならない程),被害者参加制度の実施により,重大な影響
 を果たして受けることになるのかどうかは,微妙なところです。
  現行制度のままでも,検察官が,被害感情の立証をうまくするならば,裁判員
 に,量刑面で重大な影響を与え得ることは間違いありません。
  しかし,被告人が無罪を主張する事件では,裁判員が有罪・無罪の判断をする
 ことについて,被害者参加人の活動により,不当な影響(証拠に基づかない判断
 )をしてしまうことが問題であることは確かです。
  今後,我々弁護士も,十分考えてゆく必要があります。
                                   以上


■□■□■□■□ 今月の法律相談のページ ■□■□■□■□

◇◆「車同乗中の事故−双方の運転手に賠償請求可能」◇◆

                執筆者:野上真由美 弁護士
                  神戸新聞2007年8月7日掲載

Q: 知人の運転する車に同乗中、事故に遭いました。知人が交差点を右折しよう
として、対向車線の車と衝突したもので、知人の過失が大きいようです。私は大
けがを負い、相手の車の運転手に賠償を求めたのですが、「過失の大きい知人に
賠償してもらえ」の一点張りです。そうすべきなのでしょうか?

A:結論から言えば、あなたは知人に損害賠償を請求することが「できます」が、
必ずしも知人に請求「しなければならない」というわけではありません。自動車
同士の交通事故で、双方の運転手に過失があり、あなたのような同乗者が被害に
あった場合、交通事故を起こした両運転手は、共同してあなたに損害を与えた共
同不法行為をしたことになります。
 このようなケースでは、どちらの運転手に対しても被害の全額を請求すること
ができます。ですから、あなたは両者、あるいはどちらか一方の運転手に損害賠
償請求すればよいということになります。ただし、両者に請求しても2倍の賠償
額が得られるわけではないことに注意してください。
 また、あなたが相手の運転手に損害賠償請求をしたとき、知人の過失が「過失
相殺」され、知人の過失割合により賠償額が減額されることがあります。ただ、
判例からすると、ここでは知人の過失は過失相殺の対象とならない可能性が高い
でしょう。
 これに対して、あなたが知人に損害賠償請求すると、知人はあなたを無償で好
意により乗せていたという好意同乗を理由に、賠償額の減額を主張する可能性は
あります。しかし、現在では、一緒に飲酒した上で同乗したなど被害者自身が事
故発生の危険が大きくなるような状況をつくったときや、定員超過など事故発生
の危険が極めて高い事情を知りながら同乗するなどの特別な事情がなければ、原
則として好意同乗を理由に賠償額を減額されることはありません。


◇◆「連帯保証人−家賃不払いにも責任発生」◇◆

                執筆者:中塚恵介 弁護士
                  神戸新聞2007年8月21日掲載

Q:知人から頼まれ、2004年にこの知人が借りるマンションの連帯保証人に
なりました。賃貸借契約は同年4月から2年間でした。ところが、知人が契約を
更新した後の今年になって、大家さんから「知人が家賃を滞納している」と、請
求書が届きました。家賃不払いに責任があるのでしょうか。

A:マンションの連帯保証人になった以上、あなたは、原則として、契約更新後
の家賃不払いについても責任を負うことになります。
 マンションやアパートといった建物賃貸借については、借地借家法という法律
の適用を受けます。これは、借家人保護のため、「○○年間」というように期間
の定めのある賃貸契約について法定更新制度を採用しており、大家さんは、約定
の期間が経過しても、「正当の事由」がなければ契約更新を拒否することはでき
ないことになっています。このため、我が国の建物賃貸借契約は、更新されるこ
とが原則となっています。そして、最高裁判所は、建物賃貸契約の保証人の責任
に関し、「保証人は、原則として、更新後の賃貸借から生ずる賃借人の債務につ
いても保証の責めを免れない」との判断を示しています。このような結論の背景
には、契約が更新されることが原則である以上、更新後も保証人の責任が存続し
ないと、保証契約を結ぶ意味が無く、また、保証人になる人もこのことを承知の
上で保証契約を結んでいるはずであるとの価値判断があるものと思われます。
 ただ、あなたが保証人として賃貸人に対し知人の滞納家賃を支払ったとき、あ
なたは、知人に対して、支払った額を請求できることになります(これを求償権
といいます)。もっとも、知人の経済状況によっては実効性がないかもしれませ
んが。
 このように、建物賃貸借契約の保証人の責任は、原則として更新後も自動的に
更新されてしまうことから、本人の予想以上に過大な責任を負うことになりかね
ません。保証人となる場合、全般に言えることですが、本件のようなケースでも、
保証人となるかどうかは、慎重に判断して下さい。


 ※「今月の法律相談」のページは、神戸新聞に毎月第1、3火曜日に掲載され
ている「くらしの法律相談」から、神戸新聞の了承を得て転載しています。
 なお神戸新聞のサイトは、 http://www.kobe-np.co.jp/ です。


■□■□■□ ニュースの読み方 「許可」と「届出」 ■□■□■□

                執筆者:藤原孝洋 弁護士

 国土交通省は28日、福岡―新潟線の廃止届を提出した全日本空輸に対し、新潟
県など地元と協議を継続するよう文書で指導した。届け出制の航空会社の路線計
画に対して国が指導するのは極めて異例。廃止に強く反発している地元に配慮し
た措置だ。(「9月28日20時2分配信 時事通信」より抜粋)

 「届出」と対比される概念として、「許可」がありますが、その違いをご存じ
でしょうか。
 と言いつつ、なかなか難しい問題も・・・。「届出」、「認可」に似た概念と
しては、「特許」「免許」や「認証」等がありますが、これらの違いを体系的に
説明するのは、なかなか難しいです。

 「届出」は、一般的には、私人の側から一定の事柄について行政機関に知らせ
ることと定義され、「許可」は、本来的には自由な活動領域について、予め禁止
をしておき、一定の要件を備えると申請に基づきその禁止を解除することと定義
されています。このメルマガでは、多少、正確性を犠牲にしてでも、わかりやす
くお伝えしたいという私のモットーからすると、かなり分かりづらいもので申し
訳ございません。
 あえて、その違いを一言でいうとすれば、「届出」が行政に対する一方的な行
為で完結する(行政の判断は伴わない)のに対して、「許可」は行政の判断を待
たなければならない点にあります。
 但し、上記の例を見れば分かるように、実際の運用としては、その垣根が低く
なっているように思われます。


■□■□■□■□編集後記■□■□■□■□

 兵庫県弁護士会メルマガ通信第36号をお届けします。
 昨日の空は高かったです。高い空に絹雲がかかっていました。

 秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞ驚かれぬる
(古今集)
                        (健)

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