2007/09/03
「兵庫県弁護士会メルマガ通信」(第35号)
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ ◇◆◇◆ 「兵庫県弁護士会メルマガ通信」(第35号) ◇◆◇◆ ◇◆◇◆ (2007.9.3配信) ◇◆◇◆ ◇◆◇◆ http://www.hyogoben.or.jp/ ◇◆◇◆ 発行:兵庫県弁護士会 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ ◆ 目次 ◇ 「憲法についての懸賞作文」募集のお知らせ ◇ 犯罪被害者の刑事裁判参加について(その2) 兵庫県弁護士会 裁判員制度実施本部 本部長代行 朝本行夫 弁護士 ◇ 今月の法律相談のページ ・「離婚の成立−届け出時に夫婦の合意必要」 執筆者:坂田智子 弁護士 ・「遺言執行者の指定−事前の就任受諾が大切」 執筆者:田村貴司 弁護士 ◇ ニュースの読み方 「法教育」 執筆者:藤原孝洋 弁護士 ◇ 編集後記 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ ■□■□ 「憲法についての懸賞作文」募集のお知らせ ■□■□ 日本国憲法が施行されて60年。国民投票法が成立するなど憲法をめぐっては 様々な論議がされています。 兵庫県弁護士会では、憲法と平和について、市民の皆さんと一緒に考える集い として、2007年(平成19年)10月20日(土)に「語り合おう憲法」と 題した市民集会を開催します。 この市民集会にあわせて、より多くの市民の方々、生徒、学生の方など若い方 も含めた多くの方に憲法に関心を寄せて頂くための企画として、「憲法について の懸賞作文」を下記の要領で募集いたします。 テーマは、「憲法・人権・平和」としていますが、人権・平和の問題、憲法改 正の是非など、日本国憲法にかかわる内容でしたら何でも自由です。日頃、皆さ んが日本国憲法について考えていらっしゃること、これを機会に考えたことなど、 どしどしお寄せ下さい。 多数の皆さんのご応募をお待ちしています。 〜募集要領〜 1 テーマ 「憲法・人権・平和」 日本国憲法にかかわる内容でしたら自由です。 作品には、それぞれご自身でタイトルをつけて下さい。 2 表彰 作品を審査の上で、最優秀賞・優秀賞として10名程度の方を表彰します。 賞品として、最優秀賞には3万円相当の図書カード、優秀賞には1万円相当の 図書カードを差し上げます また、応募数によって、生徒、学生、一般など部門を分けて表彰することもあ ります。 3 応募資格 特に制限はありません。 小中高校生、学生の方など若い方もどしどしご応募下さい。 4 応募方法 作品の冒頭に住所、氏名、年齢、電話番号を明記。生徒、学生の方は、学校名 と学年(大学生の方は学部も)を明記下さい。 また、優秀な作品につきましては、弁護士会が作品を発表することがあります ので、発表時に匿名を希望される場合には、応募の際にその旨を明記下さい。 5 字数 800字から4000字程度まで(400字詰め原稿用紙2枚〜10枚程度) 手書きの原稿も可ですが、手書きの場合には原稿用紙に記入下さい。 6 応募先と応募方法 郵送の方は、次の住所まで封書でお願いします。 〒650−0016 神戸市中央区橘通1丁目4番3号 兵庫県弁護士会 懸賞作文係 ※ メールでの応募も受け付けます。下記の応募受付専用アドレスまでお願い します。なお、作品は添付ファイルにて送信下さい。 アドレス sakubun@hyogoben.or.jp 7 締切 2007年(平成19年)9月末日消印まで有効 メールでの応募の場合には、9月末日受信分まで有効 8 審査結果の発表 入賞者には、本年10月中旬頃に個別にご連絡を差し上げます。 また、本年10月20日過ぎに兵庫県弁護士会ホームページに掲載します。 9 表彰式 入賞者は、2007年(平成19年)10月20日(土)午後1時からの 市民集会の中で表彰いたします。 【応募の際の注意】 (1) 応募作品は未発表のものに限ります。 (2) 応募頂いた作品はご返却できませんのでご了承下さい。 (3) 入賞作品の著作権は、主催者に帰属します。 (4) 優秀な作品につきましては、弁護士会が作品を発表することがあります ので、発表時に匿名を希望される場合には、応募の際にその旨を明記下 さい。 (5) 応募にあたり記載していただいた個人情報は、入賞者への連絡、副賞等 の発送のためにのみ利用し、ご本人の同意無しに第三者に開示・提供す ることはありません。 【本件に関するお問い合わせ先】 兵庫県弁護士会 憲法問題委員会担当 電話:078−341−8227 ■□■□ 犯罪被害者の刑事裁判参加について(その2) ■□■□ 兵庫県弁護士会 裁判員制度実施本部 本部長代行 朝本行夫 弁護士 1 2007年6月20日に成立し2008年12月までに実施される「犯罪被害 者等による損害賠償請求について刑事手続の成果を利用する制度」について,今 回ご説明します。 2 犯罪被害者が,加害者に対して,損害賠償を請求する民事訴訟を,加害者の刑 事裁判と無関係に提起することはできます(今後もそれは可能です)。 しかし,民事訴訟を提起するにも,訴訟費用(特に弁護士費用)の負担や,証 拠を集めることに困難さも伴います。身体的にも精神的にも疲弊した犯罪被害者 の方を,通常の民事訴訟を提起しなければ,民事的な被害回復が図れないという 状態に放置することは,誠に酷であり,被害者救済の必要性から,被害者又はそ の遺族の方は,被告人の刑事事件を審理する裁判所に対し刑事事件の審理が終わ るまでの間に,損害賠償命令の申立をすることができるようになりました。 この制度の特徴は,1:刑事手続の成果を利用すること,2:その成果の利用によ り,被害者の労力・負担が軽減されること,3:簡易・迅速であること,です。 3 この制度の概略を簡単に説明させて頂きます。 (1) 一定の犯罪被害者は(犯罪の種類が限定されています),加害者の刑事裁判の 審理が終わるまでの間に,その刑事事件を審理している裁判所に,損害賠償命令 の申立を行うことができます。 その申立を受けた裁判所(刑事事件を審理している裁判官)が,刑事裁判の判 決言渡後に,その加害者(被告人)に対して,申立のあった請求額を支払う必要 があるかどうかを審理します。 そして,刑事裁判官が,被害者の申立がもっともであると考えた場合,加害者 (被告人)に対して,○○万円を支払えという命令を下します。 (2)損害賠償命令の申立ができる犯罪被害者は,以下の場合に限られます。 【1】 故意の犯罪行為により,人を死傷させた罪及びその未遂 【2】 強制わいせつ 強姦 準強制わいせつ 準強姦 【3】 逮捕監禁 【4】 未成年者誘拐 身の代金目的の誘拐,人身売買等 (3)申立手数料(印紙)は,請求する金額がいくらであっても,2000円だけで す。 (4) 審理は,原則として4回を限度とされています。 (5) 刑事裁判の結果は,引き続いて行なわれる損害賠償命令の審理に拘束力は持ち ません。しかし,刑事裁判を担当した裁判官が損害賠償命令の審理も担当します ので,事実上の審理に反映されることになります。 (6) 不服がある加害者(被告人)や,被害者は,異議申立をすることができます。 その場合は,通常の民事訴訟に移行します。刑事事件の記録は,特に支障があ るもの以外は,民事訴訟を担当する裁判所に送付されます。 (続く) ■□■□■□■□ 今月の法律相談のページ ■□■□■□■□ ◇◆「離婚の成立−届け出時に夫婦の合意必要」◇◆ 執筆者:坂田智子 弁護士 神戸新聞2007年7月3日掲載 Q:1週間前、夫と離婚について話し合い、離婚届に2人で署名押印しました。 しかし、届け出ないうちに、夫から、「考えが変わったのでまだ離婚しない」と の手紙が届きました。1度離婚に合意し、署名押印したので離婚は成立している と思うのですが、手元にある離婚届を市役所に提出してもいいでしょうか。 A:離婚は、離婚届を提出して初めて成立します。また、離婚届を提出する時点 で夫と妻がともに離婚に合意していることが必要になります。 カッとしてつい離婚届に署名押印してしまったものの、冷静に考えるとやはり 離婚はしたくない、ということはあるものです。離婚は夫婦それぞれの暮らしを 変え、子がある場合には子どもの生活も変えてしまいます。ですから届け出をす る間際まで考え直す機会を与えているのです。 あなたと夫の場合、離婚に合意して離婚届に署名押印しましたが、離婚届を提 出していないので離婚は成立していません。また、夫の考えが変わって離婚しな いと言っている以上、今からあなたが離婚届を提出しても離婚は成立しません。 では、あなたが手元の離婚届を市役所に提出するとどうなるでしょうか? このケースのように離婚届に署名押印したもののその後翻意したり、夫婦の一 方が無断で離婚届を出したりする場合など、無効の離婚届の提出を防止するため に、離婚届不受理申出の制度があります。この申出書を、夫が本籍地または住所 地の役場に提出していると、不受理期間(6か月の範囲で申出人が決め、更新も 可能)内はあなたが離婚届を提出しても受理されません。 仮に夫が離婚届不受理申出書を提出しておらず離婚届が受理されて戸籍に一旦 離婚と記載されたとしても、その離婚は無効ですから、夫は家庭裁判所で離婚無 効の審判または判決を得て戸籍の訂正をしてくるでしょう。 夫が離婚したくないと言うのであれば、もう一度2人で話し合ってみてはいか がでしょうか。それでも2人の考えが変わらないのなら、家庭裁判所に離婚調停 を申し立てて下さい。調停でも合意ができないときは離婚訴訟を提起することに なります。 ◇◆「遺言執行者の指定−事前の就任受諾が大切」◇◆ 執筆者:田村貴司 弁護士 神戸新聞2007年7月17日掲載 Q:2人の子どものために遺言を書いてやろうと思っています。ただ妻はもう亡 くなっており、私が死亡した場合、遺言通りに財産を分けてもらえるのか、不安 です。事前に第三者に遺言通りに財産を分けてもらえるよう、お願いしておくこ とはできるのでしょうか。 A:遺言者は遺言で1人又は数人の遺言執行者を自ら指定するか、その指定を第 三者に委託することができます(民法第1006条第1項)。相談者は事前に第三 者にお願いしたいとのことですから、遺言で遺言執行者を指定すれば第三者に遺 言通りに財産を分けてもらえます。 遺言執行者になるのに大きな資格制限はありません。法人も遺言執行者になれ ます。ただし、遺言の効力発生時、すなわち遺言者の死亡時に、未成年者だった り、破産者であったりしたときは遺言執行者になる資格がありません。 遺言執行者を指定した遺言は遺言者の死亡により効力を生じますが、これによ って指定された人物が当然遺言執行者に就任しなければならないものではなく、 指定された人物の意思によって、就任するか辞退するかを決定することができま す。そこで、相談者は事前に遺言執行者として指定する第三者に対して遺言執行 者に就任することを受託してくれるようお願いしておくことが大切です。 遺言執行者の指定について注意すべきことは、遺言者が遺言書の全文、日付、 および名前を自書し押印した「自筆証書遺言」であれ、遺言者が遺言の趣旨を公 証人に口頭で述べてこれを公証人が公正証書として作成した「公正証書遺言」で あれ、必ず決まった形や書き方の遺言書で遺言執行者が指定されていることが必 要です。 相談者が生前に口頭や遺言書とはいえない遺書で遺言執行者を指定しても、そ の人物に遺言執行者になる資格はありません。遺言書の書き方などについては兵 庫県弁護士会の総合法律センターにご相談下さい。 ※「今月の法律相談」のページは、神戸新聞に毎月第1、3火曜日に掲載され ている「くらしの法律相談」から、神戸新聞の了承を得て転載しています。 なお神戸新聞のサイトは、 http://www.kobe-np.co.jp/ です。 ■□■□■□ ニュースの読み方 「法教育」 ■□■□■□ 執筆者:藤原孝洋 弁護士 高校生たちが検察側と弁護側に分かれて立証の内容を競い合う「第1回高校生 模擬裁判選手権」が18日、東京と大阪の2会場で開かれた。4校ずつが参加し、 東京大会では湘南白百合学園(神奈川県藤沢市)が、大阪大会では京都教育大付 属(京都市)がそれぞれ優勝した。 09年春に始まる裁判員制度のPRと「法教育」の一環として、日本弁護士連合 会が企画。与えられた「事件」は被告が無罪を主張する難事件で、証拠を見なが ら、冒頭陳述や被告への質問内容などを自分たちで考えた。(2007年08月19日 asahi.comから引用) 模擬裁判の「甲子園」という見出しで紹介されていたこのイベント。日弁連主 催ということですが,全く知りませんでした。司法試験をクリアした司法修習生 も四苦八苦しながら行う模擬裁判ですから,高校生が行うとなれば相当の下準備 が必要と思われ,まさに「甲子園」なみに,額に汗する姿が目に浮かびます。 これまで,学校では,特に「法教育」はなされず,社会科目の一部として憲法 や裁判制度に簡単に触れられる程度でした。法が社会にこれほどまでに入り込ん でいるにもかかわらず,法について初めて学ぶのは大学に進学してからという状 況に疑問を感じていましたが,高校生がこのような形で意欲的に法に接する機会 が設けられたのは,おもしろい企画だと思います。 「第1回」と銘打っている以上は,「第2回」もあるのでしょう。本年度は, 兵庫県からの参加はなかったようですが,次回はあなたも,どうですか? ■□■□■□■□編集後記■□■□■□■□ 兵庫県弁護士会メルマガ通信第35号をお届けします。 数日前に、エンマコオロギの声を聴きました。暑い暑いと言っていても、季節 は確実に進んでいます。 我がためにくる秋にしもあらなくに 虫の音聞けばまづぞかなしき (古今集) (健)



