2009/06/19
【ランチェスター関西メルマガ】いい顧客、悪い顧客
■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■ 隔週木曜日発行 ID:0000136966 ◇〜“勝ち続ける”ための戦略思考〜◇ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ◆□◆ランチェスター関西メルマガ◆□◆ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 第133号(2009/6/18) 《いい顧客、悪い顧客》 ■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■ ■みなさん、こんにちは。 ランチェスター関西の駒井です。 ■私は今、沖縄に来ています。 南国をイメージされるかも知れませんが、今は全国的に梅雨ですから、沖縄 もずーーと雨です。 先ほどから少し晴れ間が見えてきましたが、久しぶりに太陽を見たという気 がします。 まさに「夏をあきらめて」のような沖縄ですな^^; ■しかし、沖縄の人に言わせると、水不足が懸念されていたようですから、 恵の雨だそうです。 今日、沖縄を縦断する高速道路に乗りましたが、凄まじい豪雨でした。 前が見えない豪雨を久しぶりに経験しましたよ。。。 今、無事にここにいることにほっとしております。 ■今日は、沖縄に来て4日目なので、だいぶ疲れております。。。 もっとも、疲れた理由は、飲み過ぎによるものですから言い訳にはならない んですけどね。 仕事では全然疲れておりませんよ。 と言いながら、今日も、このメルマガを早く書いて、飲みにいきますので^^ □■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□ 今号の目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1.戦略勉強会のお知らせ(7月22日) 2.ランチェスター的視点《いい顧客、悪い顧客》 3.編集後記 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ランチェスター関西「戦略勉強会」のお知らせ! ■次回の戦略勉強会は、7月22日(水)です。 前回もなかなか楽しい討議が出来ましたねーー。 今回もお忙しい時期だとは思いますが、楽しく、刺激的な勉強の場といたし ましょう。 場所はいつものなんばOCAT。懇親会の場所もあのイタリアンです^^ ■日時:7月22日(水)午後7時から9時頃まで (懇親会を予定しています) ■会場:大阪市立市民学習センター(なんばOCAT4階) http://www.ocat.co.jp/access.html ■定 員:10名程度 ■参加料:1000円。(会員無料) 懇親会費用:実費 ■お申し込みは:http://form1.fc2.com/form/?id=23988 □■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□ ランチェスター的視点《いい顧客、悪い顧客》 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■今日は営業の話です。 営業研修などをしていると分かるのですが、営業が嫌いだと言う人の多くは、 「営業する先の相手が嫌い」という方のようです。 要するに、たまたま嫌な相手に当たってしまった。あるいは、苦手なタイプ が多いという例です。 さすがにベテランになるとこういうことは言いません。 様々なケースを経験してきているので、どんな顧客が来ようと平気です。 ■そもそもどういう相手が嫌いなのか。 何となく嫌いなどと言う人はいませんね。子供のけんかではありませんので^^; 多くは、理屈に合わないことを言う。無理を平気でごり押しする。嫌味を言 う。といった、筋の通らない行為に対して、嫌な気持ちを抱くのではないで しょうか。 ■そういう営業には、ウォルマートの創業者サム・ウォルトンの言葉をお送 りします。 (1)お客様は常に正しい (2)もしそう思わない場合は(1)に戻れ (スチュー・レオナルドの言葉だという説もあります) 顧客が無理を言う。理不尽なことを言う。嫌なことを言う。 これは全て、顧客の権利です。 犬が吠えるのが、犬の権利であるのと同じ。 だから、そこに正しい、間違っているという判断はできません。 顧客が間違っているという判断は「おれの言う通りにしない奴は間違ってい る」と言っているのと同じではないですか。 まずは自分の“筋”を正しく通すようにしましょうね^^ ■しかし、だからと言って、全ての顧客の言う通りにしろ、というわけでは ありません。 全ての顧客の理不尽な要求に一々振り回されていたら、ビジネスが成り立ち ません。 だから「顧客選択」という考え方があります。 ■「顧客を選択する」とは、戦略的営業の基本的な思想です。 お客様を選ぶなんてそんな失礼な!と言われそうですが、我々弱者が、全て の顧客を満足させることは無理です。 どんな顧客に報いるかを明確に決めておかないと、本当の意味で、満足して もらうような対応をすることができない。できるという方が、傲慢というも のでしょう。 ■そこで、営業をする上で、顧客を分類するという作業を行います。 状況や局面によって様々な分類方法があるのですが(また、その分類方法が 各企業の独自性となり、差別化戦略となります)1つの方法として、「品質 と価格に対する姿勢」で分けるというやり方があります。 例えば、縦軸に価格、横軸に品質を要素としたグラフを描くのです。 低価格志向の顧客は下、逆は上。品質にこだわる顧客は右、逆は左というよ うにです。 このグラフを4つの象限に分けるとすると、右上は「品質のためなら金に糸 目はつけない顧客」となります。 右下は「いいものを安く買いたい顧客」です。 左下は「安ければ何でもいい顧客」 左上は「どうでもいい。あまり考えていない顧客」となります。 ■この中で、一番、お客様になってほしいのはどのタイプですか? 恐らく「品質のためなら金に糸目はつけない顧客」だと言う人が多のではな いでしょうか。 「ものの値打ちが分かる人がいい」と言えば聞こえはいいですが、要するに、 「文句も言わずにお金を出す人」ということですか^^; 虫のいい話ですな。 ■価格と品質の相関関係は、あるレベルまで正比例することが多いのですが、 ある一定の品質を達成するとそれ以上は伸びなくなります。 品質に比べて価格が高くなるわけです。 例えば、10万円の腕時計も、100万円の腕時計も、時計の機能や品質に は違いがありません。 そこには、デザインであったり、物語であったり、ブランドであったり、機 能や品質以外の要素が存在します。 私の言葉で言うと「緊急性」が加味されるということです。 確かに、理不尽な価格を払ってでも、最高品質以上のものを買いたいという 顧客は一定の割合で存在します。 だから弱者は「緊急性」を高める工夫をして、付加価値を高めよう、と言う わけです。 ■しかし、気をつけていただきたいのは、安易な緊急性の付加は、むしろ、 ビジネスの信頼性を損なうことになります。 私の知っているある企業は、たまたまオンリーワンとなった商品をプレミア ム価格をつけて販売しています。 そこそこ売れているからいいようなものですが、ある大口顧客からは「今は、 おたくしかこの商品を持っていないから買っているが、もっと安いのが出て くれば、必ずそちらに変えるからね」と言い渡されています。 ビジネスの永続性という観点から見ると、危うい話です。 だから、本来、機能・品質以外の価値とは、長い時間をかけて醸成すべきも のであり、ちょっとした工夫で付与できるものではないと考えるべきです。 前回のメルマガで登場した伊那食品工業の塚越社長などは、「300年後にル イ・ヴィトンのようなブランドになる」と気の遠くなるような目標を掲げて います。 ブランド価値の醸成とは、それぐらいの長期スパンで考えるべき問題です。 ■そもそも「金に糸目をつけない」という顧客は、我々にとってターゲット とすべき顧客でしょうか? 実は私はそうは思っていません。 というのも、このタイプの顧客は、期待が合理性を超えて高く、期待を裏切 られた時にクレームになりやすいという特徴があります。 敢えてそれでも狙うという富裕層ビジネスなども存在しますが、価格に対す る姿勢に合理性が見られない顧客を対象にするのは、不確実性が高いビジネ スであると考えます。 ■従って、対象とすべきは、合理性の高い「いいものを安く買いたい顧客」 となります。 このタイプの顧客は、価格の相場観を持ち、少しでも賢い買い物をしたいと 考えていますが、品質と価格の相関関係を理解しているので、理不尽な低価 格要求はしません。 だから、企業側としても、戦略を立てやすい顧客であると言えます。 もちろん、品質だけではなく、機能や希少性や物語性やブランド力などにつ いても合理的に判断することができますので、同じです。 ■ちなみに「安ければ何でもいい」「どうでもいい」という顧客に対しては、 すぐに販売活動をするのではなく「いいものを安く」という姿勢に誘導する ことが必要です。 「金に糸目はつけない」という顧客に対しても同じで、論理的な購買姿勢を 持つように働きかけ、それが見られない(我々が理解できない)なら、敢え て販売対象から外します。 それが息の長いビジネスをするコツだと私は考えています。 ■以上は私が営業コンサルティングや研修の中でよく使うフレームワークな のですが、先日、日経ビジネスオンラインに消費者を価格帯によって分類し たフレームワークが掲載されていました。 http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090604/196695/?P=2 マトリクスとグラフという違いはありますが、私が上にあげた分類と似てい ます。 このグラフを提唱するウィリアム・ドッズ教授は、ターゲット顧客を決める ということをさらに強く勧めています。 例えば「顕示的顧客層」(上の分類では、金に糸目はつけない顧客)につい ては「他人に見せびらかすことだけを目的として、分別のある消費者であれ ば手を出さない極めて高額の製品やサービスを購入する。彼らは概して気ま ぐれで人数も少ないので、この層を当てにして商売を行っても、安定した収 益を上げることはできない」 あるいは「貧困の連鎖層」(安ければなんでもいい顧客)については「質が 悪く長持ちしない安物ばかりを買って、その結果、かえって出費がかさみ、 ますます貧しくなっていく。彼らは、極端に言えば、小売りが集客のために 特売するバーゲン品しか買おうとしない。彼らが来店して、採算の取れない バーゲン品ばかりを購入したら、小売りは赤字が大きく膨らんでしまう。さ らに、貧困の連鎖層の来店でレジが混雑すれば、ほかの消費者層の足が遠の いてしまう恐れもある。だから、大幅な値下げや特売を連発して貧困の連鎖 層を引き寄せるような事態は避けなければならない」と手厳しい見方をして います。 私はここまで言いませんが、選択すべきではないという意味では意見が一致 しています。 ■ウィリアム・ドッズ教授のグラフが上のマトリクスよりも、優れているの は「いいものを安く買いたい顧客」をさらに「価格フォーカス層」「バリュ ーフォーカス層」「品質フォーカス層」に分類していることです。 要するにいいものを安く買いたい顧客の中には「いいものを買いたい」とい う部分により強くこだわる顧客と、「安く買いたい」という部分により強く こだわりを持つ顧客がいるということです。 その通りです。当たり前といえば当たり前の話なんですが。 この記事では、今日の不況によって、顧客は「価格フォーカス層」と「品質 フォーカス層」に二極化してしまったから、どちらを狙うのかはっきりしよ うと言っています。 まさに、顧客を選択し、一点集中しようという戦略です。 ■ところで、営業マンなら「お客様をより好みするな」と教えられている方 も多いと思います。 あるいは、その気のないお客様とおつきあいしているうちに、思わぬ大きな 受注をもらったという経験がある方もいるでしょう。 「選べ」と言ったり「選ぶな」と言ったり、どうすればいいんだ!と怒られ そうですね^^; でも、答えは、どちらも正しいのです。 なぜかと言うと、顧客は常に一定の行動をとるわけではなく、局面によって、 気まぐれに変わるからです。 というのも、我々は、あるものに関しては「安いやつでいいや」と判断し、 あるものに関しては「少々高くてもいいものにしたい」と考えています。 一人の人間が、価格志向になったり、品質志向になったり、ブランド志向に なったり、目まぐるしく変化します。 不況期には「安いやつでいいや」というものが少し増えるだけです。 ということは「いいものを買いたい」という信念を持つ人を探すのではなく、 一人の人の「この商品はいいものにしたい」という頭の中のシェアを獲得す ることが重要です。 私がよく言う「マインドシェア」の獲得競争です。 ■ランチェスター戦略では、市場シェア1位の企業を強者といいます。 強者は競走上有利に戦いを進めることができます。基本戦略は、ミート戦略 といって、2位以下の企業の真似をします。 これに対して、2位以下の企業は弱者といって、不利な戦いを強いられます。 弱者の基本戦略は差別化戦略です。他社と違うことをして、違った顧客ニー ズに合わせようという戦略です。 マインドシェアという枠内においても、上の基本は変わりありません。 弱者は差別化し、強者はミートする。 営業は、個々の顧客のマインドシェアを獲得するために、戦略的な考え方を してもらいたいと思います。 ■今日の結論です。 営業をする上で、いい顧客、悪い顧客というものは存在しません。 「安ければいいや」とか「この商品はいいものを安く買いたい」など様々な 状況の顧客がいるだけです。 営業は、マインドシェアの状況によって、顧客を分類し、対応方法を変えま す。 優秀な営業は、分類した顧客ごとに、優先順位をつけた営業行動をとってい ます。 どのような状態の顧客を対象にするのかを明確にして、その状態に誘導して いくのが営業に与えられた役割です。 (認定インストラクター:駒井俊雄) ★ご質問、ご感想はお気軽に!⇒ tkom@gaia.eonet.ne.jp □■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□ 編集後記 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■結局、完成しないままに飲みにいったために、配信が金曜日になってしま いました。 飲み会を優先させてしまいましたm(_ _)m でも、そのお陰で、昨日は楽しかったですが^^ ■今朝の沖縄も雨模様です。 結局、今回の滞在は、ずっと雨にたたられましたね。 まあ、こういう時にありますな。 これから、大阪に帰りますので。 ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■皆さまの声から、いろんな事に気付くことができます。ですからご意見、 ご感想、ご質問など何でも言って下さい。 ⇒ tkom@gaia.eonet.ne.jp ■ランチェスター戦略の商標と故田岡信夫氏の著作権は、株式会社ランチェ スターシステムズ様が保有されており、使用については同社の許諾が必要で す。 最後まで、読んでいただき、本当に有難うございます。 ■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■ 〜ランチェスター関西メルマガ〜 発行人 : 株式会社クリエート・バリュー 駒井俊雄 http://createvalue.biz/ MAIL: tkom@gaia.eonet.ne.jp メルマガの登録・解除はこちらからおねがいします↓ http://www.mag2.com/m/0000136966.htm ■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■◇◇■



