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2009/12/02

映画の精神医学 「イングロリアス・バスターズ」過激な残虐性を容認できるか?

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      映画の精神医学
       

●第358号● 2009年12月2日発行 ● 発行部数:47,156部

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【目次】
■1 はじめに		
■2 最新映画批評 「イングロリアス・バスターズ」
■3 精神医学の目 映画における暴力と残虐について
■4 編集後記
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■1 はじめに
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 勝つって事はさ・・・、そんな神頼みなんかじゃなく、
具体的な勝算の彼方にある現実だ・・・!

        by カイジ (「賭博破戒録カイジ」より)

 
「勝つ」という言葉を「出版」に置き換えると、
「出版」の本質を見事についた言葉になると思います。

 「出版」とは、神頼みなんかじゃなく、
具体的な勝算の彼方にある現実だ・・・!


 「出版」というのは、その道の専門家。圧倒的な知識と経験を積んだ
スペシャリストが、幸運にもたどりつけるご褒美ではありません。

 「いつか出版できますように」と神頼みを続けでも、
出版は実現するはずがないのです。

 しかし、ある程度の企画。ある程度の筆力があれば、
具体的な勝算、すなわち「出版に至るためのプロセス」を踏む。
 そうすると、その先には間違いなく「出版」が現実として
待っているのです。

 したがって、「出版」とは偶然にやってくるものでなく、
必要な行動の必然的な結論として、
必然的にやってくるものと言えます。

 もちろん、あなたも「具体的な勝算」をもって、
出版することは可能です。


 ここ2ヶ月で、来年上半期、3冊の出版が決まりました。
 2010年は樺沢にとって「出版ラッシュ」の年になりそうです。
 
 しかし、2010年を、あなたの「出版元年」にすることは可能です。

 出版は、「自己実現」そのもの。
 
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■2 最新映画批評  (ネタバレなし)
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┌──────────────┐
 「イングロリアス・バスターズ」 現在公開中
└──────────────┘   

 クエンティン・タランティーノ監督、ブラッド・ピット主演。
 ナチス占領下のフランス。“イングロリアス・バスターズ”と呼ばれる
レイン中尉(ブラッド・ピット)率いる連合軍の極秘部隊は、
次々とナチス兵を血祭りにあげていた。
 そこで、入ってきたヒトラーが参加する国威高揚映画のプレミア試写会
の情報。そこで、ナチス幹部たちを一網打尽で劇場ごと爆破しようという
極意作戦がスタートしようとする。

 物語としはおもしろい。
 ストーリーや構成にもヒネリが効いているし、ラストにも意外性がある。
 ブラピのぶち切れた演技も良い。
 
 しかし、見ている途中、猛烈な不快感に襲われる。
 暴力と残虐、差別と偏見の宝箱。
 悪趣味の極みである。

 暴力や残虐性は、タランティーノ作品には欠かせない要素である。
 そういう意味でいえば、タランティーノの魅力が爆発した作品
であるとも言える。
 
 しかし、タランティーノの暴力や残虐性受け入れられない人にとっては、
「おもしろさ」<「不快感」となることは間違いなかろう。
 そして、私もその一人である。

 「パルフィクション」や「レザボア・ドッグス」を彷彿させる
シーンもあるし、女性の復讐ものという点では「キル・ビル」を
思い出さざるを得ない。
 これらの描写は、タランティーノのファンにとっては、
おもしろく見られる要素に違いない。

 一方で、暴力や残虐性は、彼の過去の作品以上にパワーアップしている。
 樺沢にとっての映画史上の最悪映画「ホステル」の製作総指揮を
タランティーノが務めてから、彼は危ない一線を越えてしまったように
思える。

 いくらあのナチスが相手だからといって、頭の皮をはいだり、
バットで滅茶苦茶に殴り倒したり、その他もろもろの残虐非道行為。
 そこまでやるのか? というか、それを映像にして楽しいのか?
 少なくとも、私は見ていて全く楽しくなかった。

 タランティーノはわざと、意識的に「最低映画」を狙って作っている。
 「最低」「低俗」「俗悪」「醜悪」という批評を読んで、
タランティーノがニヤリと笑っている姿が思い浮かぶ。
 彼にとっては、それは勲章のようなものなのだろう。

 批判が出れば出るほど、どこまでブラックなのかを見たいという
人が現れる。
 こうした物議をかもす作品を意図的に作って
マスコミを巻き込んで話題作りをしていく。

 実際、アメリカでは大ヒットしているわけで、こうした戦略的な
映画ビジネスマンとしてのタランティーノの腕前は無視できないが、
「イングロリアス・バスターズ」に関しては、
私は生理的にNGなのでどうしょうもない。

 まあ、基本的にコメディなので、「暴力・残虐描写がひどすぎる」と
目くじらを立てるのもどうか・・・という反論もあるかもしれないし、
私自身、コメディとして大笑いできたシーンもあったけども、
やはり笑うに笑えないシーンが多すぎる。

 映画の前半は、これは「★」の映画だ、と思って見ていたが、
映画の後半はかなり盛り上がり、「★★★★」でもいいか・・・
という気持ちになったが、ラストシーンをみてやはり幻滅。
 最終的な私の評価は、以下の通り。

 樺沢の評価  ★★
(★★★★★が満点。☆は、★の半分)

P.S. 
 タランティーノ作品が好き。そして、この究極的なブラック・ジョークを
容認できる度量の大きい人は、楽しめるかもしれませんが・・・。


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■3 精神医学の目
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┌──────────────────┐
 映画における暴力と残虐について
└──────────────────┘ 

 映画における残虐描写が、最近、妙に気になります。
 
 「イングロリアス・バスターズ」を見てもそうだし、
「ソウ6」を見ても、同じように感じました。

 私は、もともとホラー映画が大好きで、
80年代のホラー映画の全盛時代の作品は、
日本で劇場公開されたホラー映画は
ほとんど見ているはずです。

 しかし、そのホラー映画好きの私をもってすら、
最近の過激な「残虐描写」には、首をかしげます。

 そこには、特殊メイクやSFX、VFXの技術の進歩が
深く関係しています。
 
 例えば、「死霊のはらわた」や「13日の金曜日」シリーズとかを見ても、
どう見ても「作り物」なわけです。
 
 血しぶきとは言っても、それは「血糊」であって、
本物の血でないことは明白でした。

 それが、特殊メイクやSFX、VFXの技術の進歩によって、
ほとんど本物と違わないような、
「リアルな残虐映像」が可能になりました。
 
 それが喜ぶべきことなのかどうか?
 
 ほとんどの人は、「作りもの」だし、
映画だから「フィクション」と分かって見ているでしょうが、
映像を見ると思わず目を背けたくなるということは、
実物を見るのとほぼ同様な心理的影響を与えている・・・という
ことを意味します。

 映画というのは、「テレビ」と違って、
お金を払って見たい人だけが見るクローズドな(閉じた)媒体ですから、
残虐や暴力の激しい映画は、公開するな、排除せよ
というつもりは全くありません。

 しかしながら、最近のリアルすぎる残虐映像を見ると、
「行き過ぎじゃないか」「ちょっとまずいぞ」
という感じがします。

 「暴力性」「残虐性」といっても漠然としてしまいますが、
人が殴り合ったりする日常生活の連続として想定し得る「暴力性」と
身体を切り刻んだりする、日常生活では絶対にあり得ない
「身体損壊」を通して描かれる「猟奇性」「残虐性」とは
全く別次元のものです。

 タランティーノの場合、
「パルフィクション」や「レザボア・ドッグス」の頃は、
暴力描写としては非常に激しかったけども、
それは人間の暴力性としての延長としての「暴力」であったはずです。
 
 しかし、それが「ホステル」以降は、
「身体損壊」を伴う猟奇的な世界に入ってしまって、
この「イングロリアス・バスターズ」は、
「パルフィクション」や「レザボア・ドッグス」に見られた
「人間が本来持ち合わせた暴力性の暴走」といったテーマとは
全く別な話になってしまっています。


 こうした最近の残虐描写を考えると、
サム・ライミ監督の「スペル」という作品は
非常に興味深い作品だったと思います。

 ライミ監督の出世作「死霊のはらわた」を彷彿させる、
80年代のホラー映画のテイストで作られた作品ですが、
特殊メイクも、わざと80年代を意識して、
ちゃちな作りになっています。

 「スパイダーマン」シリーズで、VFX技術の最高峰とも言える
作品を作ったライミ監督ですから、リアルな特殊映像はいくらでも
できたはずが、あえて「古くさい」やりかたで見せています。
 
 当然、それも意識的、戦略的なわけで、なぜ「最新技術」を
使わなかったのか・・・というと、やはり昨今の
「リアル過ぎる残虐映像」を強く意識した上で、
敢えてレトロテイストなホラー映画に回帰したのではないか・・・と。
 
 残虐化、過激化する映画に対するアンチテーゼとして「スペル」を
作ったのではないか・・・と考えられるわけです。

 
 ブラッド・ピット主演の「ファイトクラブ」が、
樺沢のベスト映画の一本であるように、
暴力というのは人間存在の根本と深く関わっていることは
否定しようもない事実です。

 映画の重要なテーマとして、今後も「暴力」について深く切り込んだ作品
がたくさん作られて欲しいし、そうした作品を見たいと思っています。
 
 しかし、人間の「暴力」を描くのに、「身体損壊」描写は必要ありません。
 私は、そう思います。

─────────────────────────────────

 人間にとっての「暴力」。
 心のそこから沸き上がる「暴力衝動」とは何かを鋭く描いた作品。
 「ファイトクラブ」。

 間違いなく傑作たど思います。
 私にとっては、ブラッド・ピット主演作の最高傑作でもあります。
  
 まだ、見ていない方は、是非ご覧ください。

ファイト クラブ 【DVD】
http://01.futako.info/b/fightclub.html


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■4 編集後記 
─────────────────────────────────

 前号で、宮川明さんの「勉強法」に関するレポートを紹介しました。

 宮川さんとは、何度かお会いしたことがあり「対談」もしています。

 宮川さんには、
「心理学をビジネスに生かす」という軸があって、
樺沢が「ビジネス心理学」というメルマガを発行している
ということからもお分かりのように、
樺沢のスタンスに非常に似たところがあります。

 そういうスタンスの共通性という点からも
宮川さんの教材にも共感する点が多いために、
「ビジネス心理学」でも宮川さんのレポートや教材を紹介しています。

 先日、宮川さんの無料DVD「最速!NLP入門講座」を
取り寄せて、見てみました。
>> http://01.futako.info/b/NLPfreeDVD.html 

 NLP(神経言語プログラミング)というのは、
心理学のノウハウをビジネスなどに実践応用しやすくするために
わかりやすく体系化したものです。
 
 「とりあえず心理学を学びたい」という人には、
NLPは非常に取り組みやすいと思います。

 「最速!NLP入門講座」は、初心者にも非常にわかりやすく、
それでいてある程度勉強している人にとっても、応用が利く
実践的な話がたくさん盛り込まれていて、非常に良いDVDだと
思いました。

 無料DVDということですが、送料手数料のみ、980円かかります(笑)。
 
 NLPの本を一冊買うよりは、DVDの方が、はるかに理解度、
浸透度も高くなると思いますので、
「心理学を勉強したい」と思われる方には、お勧めです。

 ちなみに、「最速!NLP入門講座」の残りセット数が
9セットだそうです。

 2枚組DVD初心者向け心理学教材“最速!NLP入門講座”
 詳細はコチラから
>> http://01.futako.info/b/NLPfreeDVD.html 


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メール送信者:(株)樺沢心理学研究所 佐々木信幸(樺沢紫苑)
連絡先:  kzion@kabasawa.jp
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http://www.mag2.com/m/P0006963.html


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解であり、他のいろいろな考え方を否定するものではありません。
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