シカゴ発 映画の精神医学  RSSを登録する

アメリカ在住の精神科医が、最新映画を精神医学、心理学的にわかりやすく解説。「癒し」と「心」がテーマです。ビジネスや恋愛にも役立つ心理が学べます。メルマガ大賞新人賞、総合3位受賞。

最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
2009/10/20

映画の精神医学 「あなたは私の婿になる」を分析する

NLP(神経言語プログラミング)は、1970年代に米国で開発された
「実践心理学」です。精神科医やコミュニケーション能力に優れた人たちの
思考と行動を分析して、誰にでも応用できるようにモデル化したものです。
このNLPの基本を学べるDVDが、無料で配布されています。
http://01.futako.info/b/NLPfreeDVD.html    

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                                
      映画の精神医学
       

●第351号● 2009年10月20日発行 ● 発行部数:47,156部

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【目次】
■1 はじめに		
■2 最新映画批評&精神医学目 「あなたは私の婿になる」
─────────────────────────────────
■1 はじめに
─────────────────────────────────

 「私は、コミュニケーションが苦手だ」という人はいませんか?
 
 コミュニケーションが下手な人は、
おそらく人をほめるのが苦手ではないかと思います。

 「人をほめる」とうのは、コミュニケーションの潤滑油ですから、
ほめ方のうまい人は、当然、コミュニケーションも上手なはずです。

 ほめ方のうまい人は、間違いなく好印象を残します。
 ほめられるのが嫌いな人はいませんから・・・。

 では、人をほめちぎればいいのかというと、
あまりにも安易なほめ言葉を連発すると、
「調子のいい奴」だと思われるかもしれません。

 ほめられてうれしいポイント。
 適切なほめ方。
 相手ごとに異なるほめ方のポイント。

 そうした「ほめ方のルール」をまとめたのが、

●「あたりまえだけどなかなかできない ほめ方のルール」
(明日香出版社、谷口祥子著)
http://01.futako.info/b/homekata2.html
です。
 
 谷口さんは、出版セミナーの講師を一緒にやらせていただいていますが、
「いつも非常に楽しい人」という印象です。

 それは、彼女が人の長所観察して、しっかりと話題に上げてくれる。
 そういうことを日常の会話の中でもやっているから、
一緒にいて楽しいのではないか・・・と思います。

 「ほめ方のルール」を学び、ポイントを押さえたほめ方ができるように
なれば、あなたも人から好印象を持たれることは、間違いないでしょう。

 「ほめ方のルール」は、
本日10月20日(火)の23時59分まで
アマゾンキャンペーンが実施されています。

 1,470円で6万円以上の豪華5大特典をゲットできるチャンスです。

 「ほめ方のルール」アマゾンキャンペーン詳細は、コチラから。
http://01.futako.info/b/homekata.html


─────────────────────────────────
■2 最新映画批評&精神医学の目  (簡単なストーリー紹介)
─────────────────────────────────
┌──────────┐
 あなたは私の婿になる    現在公開中
└──────────┘   

(以下、「あなたは私の婿になる」のストーリーが簡単に書かれています)

■ 狙いすぎの邦題と洒落た原題

 深夜に猛烈な数のテレビ・スポットが流れています。
 ほとんど洗脳されるくらいの頻度で流れているので、
私もついつい劇場に足を運んでしまいました(笑)。
 
「あなたは私の婿になる」、
あまりにも狙いすぎたタイトルですが、記憶には残ります。

 原題は、「The Proposal」。
 「The Proposal」、第一の意味は「プロボーズ」、
つまり結婚を申し込むという意味。

 もう一つの意味は、「提案」。
 
 ニューヨークの大手出版社の総編集長を務めるマーガレット
(サンドラ・ブロック)は、とある事情でビザが失効し、
カナダへと強制送還される危機に瀕します。

 そうすると、必然的に会社もクビになってしまう。
 仕事中心のキャリアウーマンとして生きてきたマーガレットとしては、
全てを失うことを意味します。

 そこで思いついたのが、部下であるアシスタント(秘書)
のアンドリュー(ライアン・レイノルズ)との偽装結婚。
 
 マーガレットは「提案」します。
 
 偽装結婚してくれれば、アンドリューの夢である
編集者への昇進を認めると・・・。
 
 そう、「The Proposal」には、「結婚申し込み」と"偽装結婚の「提案」"
とがダブルミーニングでかかっているのです。
 なんと、洒落たタイトルでしょう。 


 さて映画の出来ですが、結構おもしろいです。

 アメリカのコメディ映画のスタンダードな水準とも言えますが、
「あなたは私の婿になる」というタイトルから
当初私が期待した作品レベルより、
20%ほどおもしろかったので、私は満足しています。


■ ビザ失効のリアリティ

 カナダ国籍の主人公のマーガレット。
 就労ビザの期間中に、無断で海外に出たということで、
ビザは無効とされ、アメリカ国外からの退去を命じられます。

 カナダとアメリカはお隣さん。
 国境もあってないようなもの。

 たった一回、無断で海外に出ただけでビザが失効する
なんてことは全くリアリティがない。
 これは映画の話だろう・・・と思ったら大間違いです。


 私のアメリカ留学。
 就労可能な交換留学生用のビザで渡米したのですが、
まず渡米早々に、ビザについての説明がありました。

 留学期間中海外に出る場合は、
「必ず」、担当教授の承諾書とともに一ヶ月前までに
海外渡航許可の申請書を出さないといけない・・・と説明されました。
 
 「大学(就労先)」への届け出なく、
無断で海外に出た場合は、ビザが失効する!!
と強調されました。


 私がアメリカにいたとき、6週間後に海外旅行を
計画しました。

 飛行機も予約して、日程も確定したので、翌日、
教授に海外渡航許可のサインをもらおうと思って
教授室を訪れると、なぜか教授がいません。
 
 秘書に聞いたら、今日から長期休暇に入ったので、
いつ戻るかわからない・・・と。(;^_^A
 
 海外渡航許可のサインをもらわないといけないのに、
教授は不在。

 准教授のサインではダメかと確認したら、
案の定、ダメだと言われましたが、
こうした融通の気かなさは、アメリカではよくあること。

 結局、旅行に行けないのではないかとヒヤヒヤしましたが、
2週間の休暇明けの後、すぐに届け出を出したので、
旅行には間に合いましたが、かなりヒヤヒヤしました。

 このように、就労ビザでアメリカで滞在している者にとっては、
ちょっとした海外旅行にも神経をピリピリさせなくてはいけない
・・・というわけです。

 みなさんは、アメリカで働いている人は、
大部分がアメリカ人であるに違いない・・・と思うでしょうが、
実は、アメリカ外の国籍で、就労ビザを更新しながら働いている人が
山ほどいるのです。


 観光であればアメリカに入るのは簡単ですが、
「就労する」となると、相当に面倒です。 
 それが、移民国家アメリカの見えざる一面なのです。

 そんな、普段は見えづらいアメリカの現実が、
「あなたは私の婿になる」では、さりげなく描かれていて、
私は「おもしろい設定だなあ」と思いました。


■ 「家族」を大切にするアメリカ人

 「あなたは私の婿になる」の予告編を見ると
「恋愛映画」にしか見えませんが、
実は「恋愛映画」というよりは「家族」の映画といった
ほうが正しいでしょう。

 「婚約」や「結婚」の話が家族を巻き込んで大騒動を起こす
というのはよくあるパターンですが、
アメリカ映画では、家族のもとに結婚の挨拶に行くという
映画が本当に多いです。

 個人主義のアメリカでは、「結婚」は個人の問題ととらえそうですが、
全くそうではありません。

 「結婚」自体は、「個人の判断」ですが、
結婚式は「家族の大行事」というとらえで、
結婚式の主役は、新郎新婦よりも、家族といってもいいほどです。
 「マンマミーア」なんかを見ても、それはわかります。


 私が3年間、アメリカに住んでいて思ったのは、
「アメリカ人は家族をとても大切にする」ということ。
 
 この映画でも、そうしたテーマが描かれますが、
アメリカ人が「家族を大切にする」という価値基準を理解していると、
この映画後半の主人公たちの行動と決断が、非常に腑に落ちるでしょう。

 キャリア・ウーマンであり、仕事と社会的な成功しか考えていなかった
自己中心的なマーガレット。
 「家族愛」とは全く無縁に思われたマーガレットが、
「家族愛」の重要性に気付くという展開は、ベタな展開ではありますが、
ついつい感動させられてしまいます。


■ ニューヨークとアラスカという対比

 アンドリューの故郷はアラスカ。
 アンドリューの両親に婚約報告をするために、
アンドリューとマーガレットは、アラスカのシトカへと向かいます。

 この、ニューヨークとアラスカというコントラストも
見逃してはいけません、

 「魔女」と呼ばれるほど気が強く、つんけんしていた嫌われ者の
マーガレットが、嘘のように「優しい人間」へと変化していきますが、
その理由の一つは「アンドリューの家族とのふれ合い」。
 もう一つは「アラスカの自然」です。

 ニューヨークに、行ったことがある人はわかるでしょうが、
ニューヨークは単なる大都会で観光客が多いという以上に
想像を越えるほどエネルギッシュな街です。
 
 ニューヨークにいるだけで、アドレナリンとドーパミンが分泌する。
 東京とは、全く比べものにならない、そんな感じです。

 良い意味で言うと刺激的でエネルギッシュ。
 悪く言えば、非常に疲れる街。

 ニューヨークにいるだけで、そのストレスでイライラとして、
起こりっぽくなってくる・・・そんな街です。

 そんな慌ただしい街で仕事人間として生活してきたマーガレット。

 自然豊かなアラスカの田舎町を訪れて、
今まで張り詰めていた都会での緊張の糸が「プッツ」と切れる。

 そうした緩やかな心の中で、
最初は自分の言うことを聞く部下でしかなかったアンドリューに
人間的な、そして男性的な魅力を感じていくくだりも、
なかなか「おもしろい」と思います。


■ 「結婚」て何だ?

 最近日本では、「婚活」という言葉が話題になり、
「結婚とは何か?」とか「理想のパトーナー探しとは?」とか、
結婚について話題にされることが多いですね。

 この映画でも、間違いなく「結婚とは何か?」という
問題を突きつけてきます。

 「愛のない結婚でも、後から愛は生まれるかもしれない」とか、
よく言われますが、「あなたは私の婿になる」では
偽装結婚なので、最初は、双方に「愛」は全く存在しません。

 つまり、「愛のない結婚」の究極的なパターンを示しています。


 最初、この結婚は、マギーがアメリカ国籍を取得するための偽装結婚でした。
 ある意味、「ビジネスの契約」としての結婚。

 しかし、この映画では、そもそも結婚というものは
全て「契約」あり、相互の条件をすり合わせる「提案」ではないか・・・
という皮肉を「Tne Proposal」という
タイトルに込めているような気もします。

 移民審査官は、結婚するからにはお互いに何もかも知りあっているはず。
 夫婦になるのなら、相手のどんな質問にも答えられるはず・・・
と言いますが、実際そんなことがあるはずありません。

 結婚したことがある人は、わかるはずですが、
「結婚して初めてわかること」は、山ほどあります。

 結婚前から全てを知り合っている・・・など、全く無理な話。

 これまた、結婚に対する皮肉です。
 
 そんなわけで、結婚について、いろいろと考えさせられる
映画でもあります。
 

■ 最後に

 まあ難しいことをいろいろと書きましたが、
「あなたは私の婿になる」は、
基本的には「大笑いできるラプコメディ」です。

 誰が見ても普通に楽しめるラブコメでなので、
「結婚」を考えている人も、そうでない人も、楽しめます。
 カップルで見ると、より楽しいでしょう。

 アメリカのコメディ映画というのは、
アメリカの生きた社会、文化を描き出す点が最大のおもしろさですが、
まさに「あなたは私の婿になる」も
そうしたアメリカの良質なコメディ映画の一本と言えるでしょう。

 樺沢の評価  ★★★★
(★★★★★が満点。☆は、★の半分)


─────────────────────────────────
■3 編集後記
─────────────────────────────────
 
 最近のマイブームは、「カレー蕎麦(カレー南蛮)」です。
 どこの蕎麦屋で食べてもハズレが少ないのが「カレー蕎麦」。
 蕎麦屋のカレールー。おいしい店が結構多いです。

────────────────────────────────
メール送信者:(株)樺沢心理学研究所 佐々木信幸(樺沢紫苑)
連絡先:  kzion@kabasawa.jp
メール送信者情報の詳細:
http://www.saikyo.bizshin.com/semi1/hyouji_eisei.html

メールマガジン登録/解除:
      http://www.mag2.com/m/0000136378.htm

サイト  http://www.kabasawa.jp/eiga/home.html
ブログ  http://eisei.livedoor.biz/

ビジネス心理学プレミアム  ニュース・芸能・映画の心理学
http://www.mag2.com/m/P0006963.html


■注意・お知らせ
 映画の見方は、人それぞれです。このメルマガは、発行者の個人的な見
解であり、他のいろいろな考え方を否定するものではありません。
 みなさんから、お送りいただいメールは、メルマガ、ホームページ上で
紹介するかもしれません(もちろん、匿名で)。
────────────────────────────────
 「映画の精神医学」は、以下のURLより解除することが可能です。

メールマガジンの解除・登録・変更はコチラから
  http://www.mag2.com/m/0000136378.html
────────────────────────────────

最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る