2009/09/16
映画の精神医学 「転居」を繰り返すのは危険です
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 映画の精神医学 ●第345号● 2009年9月16日発行 ● 発行部数:47,156部 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【目次】 ■1 はじめに また1人、日本人宇宙飛行士候補誕生!! ■2 最新映画批評 サブウェイ123 激突 ■3 精神医学の目 転居と自殺リスクは相関する ■4 レンタル中の映画批評 ■5 編集後記 心理学を勉強したいんですが? ───────────────────────────────── ●代理登録のお知らせ。 今回、樺沢紫苑の無料レポート「ソウ SAW」「崖の上のポニョ」に 関する無料レポートをダウンロードされた方で、 ダウンロード前に代理登録承諾をいただいた方を、 当メルマガに代理登録させていただきました。 当メルマガでは、違法なメルマガ登録は一切しておりません。 メルマガ購読を希望されない方は、お手数ですが、 このメルマガ最下部より解除してください。 ───────────────────────────────── ■1 はじめに ───────────────────────────────── 9月8日、国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在する 日本の新しい宇宙飛行士の候補に、海上自衛隊所属の医師、 金井宣茂さん(32歳)が選ばれたことが、 宇宙航空研究開発機構(JAXA)より発表しました。 また一人、新しい日本人宇宙飛行士候補が誕生した。 非常に喜ばしいニュースです。 また、それから2日後の9月11日。JAXAと三菱重工業株式会社が、 宇宙ステーション補給機(HTV)技術実証機(初号機)を載せた H-IIBロケット試験機を、鹿児島県種子島宇宙センターから打ち上げた ことが報じられました。 このHTV初号機は、国際宇宙ステーションとドッキングする予定です。 アメリカのスペース・シャトルは来年中に引退する予定で、 シャトルでしか運べなかった大型機材の代替輸送手段として この日本のロケットへの期待が高まっています。 また、将来的には、同ロケットを使い「有人」での打ち上げも 可能になるとか。非常に楽しみです。、 さて、日本人の宇宙飛行士誕生、というニュースを聞くたびに、 「一体、どうやって宇宙飛行士を選抜しているんだろう?」と 思うのですが、あなたはそんな疑問を感じたことはありませんか? 9月15日発行の「ビジネス心理学プレミアム」では、 「宇宙飛行士選抜の心理学」を特集しています。 宇宙飛行士に必要な、心理特性とは何か? 宇宙飛行士の資質をあなたのビジネスに生かす方法とは? 宇宙飛行士になりたい方は、必読です(笑)。 宇宙に興味のある方は、楽しくお読みいただけると思います。 「ビジネス心理学プレミアム」登録初月の購読料は、無料です。 →→→ http://www.mag2.com/m/P0006963.html ───────────────────────────────── ■2 最新映画批評 (ネタバレなし) ───────────────────────────────── ┌───────────┐ サブウェイ123 激突 現在公開中 └───────────┘ 公開第一週で、興行ランキング3位とそこそこのヒット作となっている。 テレビスポットの予告編が、実にうまい。 思わず、見たくなるように作られている。 ニューヨーク地下鉄の運行指令係ガーバー(デンゼル・ワシントン)と 地下鉄ジャック犯ライダー(ジョン・トラヴォルタ)の頭脳の限りを尽くした 息詰まる攻防が繰り広げられる。 「サブウェイ・パニック」(74年)をトニー・スコット監督が リメイクした作品。 旧作とは、設定など大きく異なって、現代風のアレンジになっている。 サスペンスやアクションではなく、2人の心理戦を楽しむべき映画である。 最初の30分。 犯人の実像が全くわからないあたりは、グイグイ作品に引き込まれる。 善人キャラのイメージが強いデンゼル・ワシントン演じるガーバー。 その彼の過去が暴露されるシーンは、意外だった。 人間対人間の心理戦。 あるいは役者同士の演技対決。 後半になればなるほど、デンゼル・ワシントンが有利になって、 ジョン・トラヴォルタの敗けが明らかになる。 悪役を演じるジョン・トラヴォルタの魅力がちょっと弱い感じがした。 地下鉄職員でありながら、命の危険もある身代金の輸送を引き受ける ガーバーの使命感は感動的で、デンンゼルを起用した意味を強く感じる。 約30年前に見た「サブウェイ・パニック」の詳細なストーリーは忘れて しまったが、猛烈なスピードで走り抜ける地下鉄に恐怖を覚えたことは 記憶している。 「サブウェイ123」は、2人の心理対決が中心になっているため、 この映画のキモというべき地下鉄激走シーンが、 やや迫力不足だったのが残念だ。 とはいっても、デンゼル・ワシントンの演技は圧倒的に素晴らしく、 2人のビッグスターの演技対決は見応えがある。 料金分はしっかりと楽しませてくれる娯楽映画と言えるだろう。 樺沢の評価 ★★★☆ (★★★★★が満点。☆は、★の半分) ───────────────────────────────── ■3 精神医学の目 ───────────────────────────────── ┌──────────────┐ 転居と自殺リスクは相関する └──────────────┘ 先日読んだ論文に、非常にショッキングなことが書かれていました。 デンマークの研究ですが、転居の多い小児は、 11~17歳で自殺完遂する率が増大する、というものです。 具体的に説明しますと、デンマークの11~17歳の間に自殺企図した 4,160例と自殺完遂した79例について調べたところ、 ・自殺企図例の55.2%が3回以上の転居を経験している。 ・10回以上の転居経験者の割合は、対照群では1.9%であるのに対し、 自殺企図例では7.4%2及ぶ。 ということで、自殺企図と自殺完遂児のいずれでも、 小児が住居を変える回数が増えるほど自殺企図と完遂する傾向が強まる ことが明らかになったのです。 転居というのは、日常的に非常によくあることですし、 親の職業次第では、小児期に三回以上の転居をするということは、 十分に考えられます。 転居によって、せっかくできた友人を失ってしまう。 学校などの 団体活動が中断される。 新しい環境適応に伴う苦痛や心労など、 小児にとって転居は、非常に大きな心理的負担となります。 こうした状況に頻繁に遭遇すると、ストレスがたまり、 混乱し、社会心理面にも影響が現れ、対処不能になると 自ら命を絶とうとする意図も強まるのです。 転居となると親にとってもストレスで、引越の片付けや 各種手続きで多忙になるため、子供の精神的なフォローが できなかったり、親子コミュニケーションが疎遠になったりしやすい、 ということもあります。 小児は新しい友達を作るにも時間がかかるため、 転居直後は、家族以外にコミュニケーション相手を失う ということもあります。 この論文の研究者は、転居が多い親は、 1 転居の必要性 2 小児に対する影響を最小限にとどめる転居の仕方 3 転居にあたり小児を積極的に関与させる方法 などを考慮すべきである、と述べています。 小児期の両親の離婚も、子供に精神的に大きな影響を与える ことが知られていますが、 「親の都合により一方的に決定される出来事」は、 転居に限らず子供に大きなストレスを与えるのです。 ある日、突然、「転居します」「離婚します」ということを、 子供に告げることで、ストレスはより大きなものに なってしまうということ。 ですから、こうした小児期の大きな環境変化は、 子供の意見を聞きながら、子供の心理的な受容というものを 考慮しながら行っていくことが重要になります。 「転居」は、会社から一方的に通告されるので、サラリーマンに とっては回避しようがない部分もありますが、 子供に状況を説明したり、 子供の話を聞いて不安を受け止めてあげたり、 あるいは転居後の子供の精神的なフォローなど、 できることはあるわけですから、 転居の前後には、子供の心理に十分に配慮したいものです。 【参考文献】 Requent Change of Residence and Risk of Attempted and Completed Suicid e Among Children and Adolescents. Arch Gen Psychiatry. 2009;66(6):628-632. Medical Tribune 2009年9月3日号 ───────────────────────────────── ■4 レンタル中の映画批評 ───────────────────────────────── 何かレンタルで借りられるおすすめ映画はないかと検索していたら、 この作品がTSUTAYAの洋画の週間レンタルランキングで第1位になっていた。 劇場公開時はほとんど話題にもならなかっただけに、 非常に意外な気もするが、 劇場で見るほどの作品ではないが、とりあえずレンタルなら見たいなあ、 という人が結構いたのかもしれない。 実際、そういう作品は結構ある。 この映画は、アメリカン・コミックのヒーローものみたいな感じで、 トレーラーは結構おもしろそうに作られているが、 実際に映画を見ると、エロとグロがかなり強烈で面食らう。 この監督の前作が、血しぶきがとびかう凄まじい映画だっただけに、 過激な暴力描写は予想すべきだったかもしれないが・・・。 「ダークナイト」のような、どす黒いダークなエネルギーが 作品全体に立ちこめていて、そこに魅力を感じる人もいるだろうが、 決して万人向けの映画ではなく、私は見ていて気分が暗くなってしまった。 過激なバイオレンスとダークなテーマが好きな人は おもしろく見られるかも知れないが、 痛快なアメコミ・ヒーローものを期待すると完全に裏切られる。 樺沢の評価 ★★ (★★★★★が満点。☆は、★の半分) 【クイズ】この作品名は? →→→ http://01.futako.info/b/dvd0000031.html ───────────────────────────────── ■5 編集後記 ───────────────────────────────── 「心理学を勉強したいんですけど、どうしたらいいでしょうか?」 という質問をいただきます。 心理カウンセラーになりたいという方は別ですが、 多くの方はビジネスや子育てなど、実践的な場面で、 心理学的なテクニックを使って、コミュニケーションを円滑にするなど 実生活にすぐに役立つ心理学を学びたいのだと思います。 そういう方には、NLP(神経言語プログラミング)を 勉強することをお勧めします。 NLPは、「3人の天才的セラピスト」である催眠療法のミルトン・エリクソン、 ゲシュタルト療法のフリッツ・パールズ、家族療法のバージニア・サティアが 意識的・無意識的に用いていた心理テクニックを体系化したものです。 分かりやすく言えば、心理テクニックの「良いとこ取り」ですね。 実践的で速効性のある心理テクニックを中心に構成されていますので、 心理学を本格的に基本から学ぶよりは、取っつきやすく、 また実際に使ってみると、効果もありますから、 取り組んでいく際にモチベーションも維持しやすいと思います。 しかしながら、NLPの講座を受講すると、10万円とか、 場合によっては100万円以上する場合もありますから、 まずは書店でNLPの教科書を1冊購入してみるのがいいと思います。 例えば、私が良く参考にするのは、こちらの本です。 ●NLPのすすめ―優れた生き方へ道を開く新しい心理学 (ジョセフ・オコナー、ジョン・セイモア著、チーム医療刊、2,549円) http://01.futako.info/b/NLPnosusume.html あるいは、NLPの基本を網羅した定価14,800円の二枚組DVD 「NLP入門講座」が、送料手数料のみの980円で配布されています。 こうした、入門用DVDを活用するというのも、良い方法だと思います。 ●「NLP入門講座」(980円) http://01.futako.info/b/NLPfreeDVD.html まずは、書籍やDVDなどで、NLPの全体像を把握した上で、 さらに深く学習していく、という勉強法が良いと思います。 ──────────────────────────────── メール送信者:(株)樺沢心理学研究所 佐々木信幸(樺沢紫苑) 連絡先: kzion@kabasawa.jp メール送信者情報の詳細: http://www.saikyo.bizshin.com/semi1/hyouji_eisei.html メールマガジン登録/解除: http://www.mag2.com/m/0000136378.htm サイト http://www.kabasawa.jp/eiga/home.html ブログ http://eisei.livedoor.biz/ ビジネス心理学プレミアム ニュース・芸能・映画の心理学 http://www.mag2.com/m/P0006963.html ■注意・お知らせ 映画の見方は、人それぞれです。このメルマガは、発行者の個人的な見 解であり、他のいろいろな考え方を否定するものではありません。 みなさんから、お送りいただいメールは、メルマガ、ホームページ上で 紹介するかもしれません(もちろん、匿名で)。 ──────────────────────────────── 「映画の精神医学」は、以下のURLより解除することが可能です。 メールマガジンの解除・登録・変更はコチラから http://www.mag2.com/m/0000136378.html ────────────────────────────────


