2009/07/28
映画の精神医学 エヴァは現代の太宰治である
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 映画の精神医学 ●第339号● 2009年7月28日発行 ● 発行部数:47,156部 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今回、無料レポート「ポニョの心理学」「ソウ完全解読」を ダウンロードされた方で、事前に代理登録承諾をいただいた方を、 代理登録させていただきました。 メルマガ購読を希望されない方は、このメルマガ最下部より 解除してください。 ───────────────────────────────── ■1 はじめに ───────────────────────────────── 全国ネット番組にも登場したカレー評論家の樺沢紫苑ですが、 実はコッソリと グルメ系のメルマガを発行しているのは、ご存知でしたか? ズバリ!! ●「グルメの心理学」 http://www.mag2.com/m/0000257512.html です。 さて、この「グルメの心理学」ですが、 「真夏の激辛特集」としまして、 激辛料理のおいしい店を紹介する連載記事をスタートしました。 辛いものが好きな人は、是非、登録してお読みください。 無料メルマガですから、もちろん無料です(笑)。 ちなみに、「グルメの心理学」は、「バックナンバー非公開」です。 読み逃すと、2度と読めません。 なぜ、「バックナンバー非公開」にしたかというと、 コアなファンの人にのみ、コアな情報を届けるメルマガに したいからです。 「自分の好きな店について、誰にも遠慮することなく、 書きたい放題書こう」と、決意しました。 しかし、これをオープンの場でやってしまうと、 クレームが山ほど来て、大変なことになります(過去の私の経験から)。 ですから、樺沢のファンの方にだけ、 時に毒舌ありの、グルメ批評を読んでもらおう・・・と思っています。 グルメには納得の濃い記事をドンドン書いていきます。 一期一会。 読み逃すと一生読めません。 ●「グルメの心理学」 http://www.mag2.com/m/0000257512.html 次号の「グルメの心理学」では、激辛ラーメンのおいしい店を紹介します。 ───────────────────────────────── ■2 最新映画批評 ───────────────────────────────── ┌────────────┐ 「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」 └────────────┘ 映画が終わり、場内が明るくなる。 周囲を見回すと、多くの客から笑みがもれていた。 そして「おもしろかったね」「おもしろいなあ」という 声が左右から聞こえてきた。 これだけ観客のリアクションがわかりやすく、 好評な映画というのもなかなかない。 私の感想だが、「想像をはるかに超えるおもしろさ」があった。 こんなにおもしろいのなら、もっと早く見るべきだった。 「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」は、 ディテールは多少テレビ版と異なる点はあったものの、 大筋においてはテレビ版と同じと言っていいものであった。 しかし、劇場版第2作にあたるこの「破」は、 基本的に来襲する使徒を撃退するという基本パターンは 変わらないものの、 重要な新キャラは登場するし、 新しいシーンが多数挿入されているし、 アニメ版と同じシーンかと思えば、 セリフやキャラのリアクションが変わっていて、 180度違ったニュアンスになっている。 「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」はテレビ版の焼き直しに過ぎなかったが、 「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」は、テレビ版を元にしながらも 全く新しいストーリーが紡ぎ直されているのだ。 これは、もはやオリジナル・ストーリーといってよかろう。 そして、新シーンや新たに加えられたセリフというのが、 実にポジティブなので好感をもてる。 ネガティブ思考一直線だったシンジは、他人の心を気遣い、 思いやりの心を随所に発揮している。 感情をほとんど表出しなかった綾波レイは、 感情を露わにし、自分の気持ちを述べはじめる。 強気一辺倒だったアスカは、弱音を吐き、 シンジやレイに気遣いを見せる。 シンジに冷たい態度をとりつづけていた父ゲンドウですら、 シンジに認める言葉をかけたのには、驚かされる。 彼、そして彼女たちは、原作とは全く違った一面をみせる。 テレビ版では、かなり尖っていたキャラクターが 見事に「まるく」なっているのだ。 殺伐としたテレビ版と比べて、間違いなくキャラクターに 「暖かみ」が加わっている。 テレビ版のキャラクター描写が見事に補完されていて、 その違いを見比べるだけで、キャラクターが癒されている というか、キャラクターが成長しているように感じられる。 ここまでテレビ版と違うと、テレビ版の信者からは、 バッシングを受けるのが常だが、ファンの間からも 大絶賛されているのは意外だ。 この映画「破」に関するアンケートを集計している ファン・サイトがあったが、 2000人以上の投票の結果、 最高 73.1% 良かった 17.6% まあまあ 2.9% 今一歩 0.8% だめ 5.6% 「最高」と「良かった」を合わせると 90%以上を越えるとという極めて高い評価を集めている。 リメイク作品で原作との差が大きいにもかかわらず、 これほど高い評価を得ている・・・というのは驚くべきだが、 その理由は明確で、 原作での「わかりづらさ」やある種の「不全感」が、 この新劇場では完全に補完されているからだろう。 ということで、テレビ版を見ている人にとっては、 かなり楽しめる作品に仕上がっている。 では、エヴァを全く見ていない・・・という人は、 どうすればいいのか? とりあえず、 「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」を見ておけば、 ストーリー的には連続した物語として見られるので、 「序」を見てから「破」を見ればいいと思うが、 おそらくテレビ版を猛烈に見たくなる衝動にかられる 人が続出するだろう。 「今さらエヴァゲリオン?」 という人も多いと思うが、エヴァのファンは確かに キャラクター萌えのオタクが少なくないかもしれないが、 作品としては非常に硬派でテーマも深い。 何より、思春期の心理、父子関係の葛藤、子どもから大人への 成長過程が、心理学的にも実に緻密に描かれている作品であり、 大人が見ると全く別次元で楽しめる作品になっている。 実際、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」を見た後、 圧倒的なおもしろさと当時に、 何か哲学書でも一冊読み終わったかのような重厚な後味も 同時に体験する。 エヴァを見ることを通して「自己探求」。 自分探しをせざるを得ない・・・そんなところが、 エヴァゲリオンの最大の魅力だと私は思う。 樺沢の評価 ★★★★★ (★★★★★が満点。☆は、★の半分) 追伸 「エヴァンゲリオン」の本を書きたい衝動にとらわれています。 ───────────────────────────────── ■3 精神医学の目 ───────────────────────────────── ┌────────────┐ エヴァは現代の太宰治である └────────────┘ 先日発行した有料メルマガ「ビジネス心理学プレミアム」 ■第45号 成功・成長・恋愛の万能薬~対他配慮できる人が成功する (音声セミナー55分) この音声セミナーの中で、 「エヴァは現代の太宰治である」という一項目で、 エヴァがなぜ現代の若者たちに熱狂的に受け入れられるのか・・・ という考察を10分ほど語っているのですが、 我ながら、結構おもしろいので、 ここに音声セミナーの内容の一部を さらに膨らませた形で採録してみたいと思います。 エヴァンゲリオンの主人公碇シンジは、 非常に自己評価の低い人間で 自分に対して自信を持てず、常に否定的な思考にとらわれています。 これは彼が、特別にネガティブな人間である、ということではなく 思春期心理の特徴なのです。 おそらくあなたも、中学生、高校生の頃、 「自分ってダメな人間」「自は、何をやってもうまくいかない」 「自分ってすごいブス」「自分って生きる価値があるの?」 のように、自分の価値感、存在感を疑い、 自分自身に対してネガティブで否定的な考えを抱いた時期を 経験しているのではないでしょうか? つまり、「誰もが、碇シンジだった」というわけです。 ですから、「エヴァンゲリオン」は、今、同様の心理状態にある 思春期の若者の心を非常に掴みやすいし、 こうした「無価値感」「自己卑下」を最近経験した若者たちも 実に共感しやすい内容になっています。 では思春期には、なぜほとんどの若者が、 「無価値感」や「自己卑下」にとらわれるのでしょう。 それは、自分がおかれる「社会」が、 中学→高校→大学 とドンドン拡大していくからです。 自分が存在する社会の母集団が大きくなると、 自分の相対的な価値は低下します。 例えば、中学でクラスで1番だった子供。 高校は、有名進学校に入学することができました。 しかし、優秀な生徒ばかりが集まる進学校の中では、 成績がいきなり「中間以下」になってしまうのです。 これには、かなりのショックを受けます。 実は、私自身が、そうした体験をしています。 自分は優等生だと思っていたのに、全然、そうではなかった。 これでショックを受けて、勉強する意欲をなくし、 映画を見まくったり、映画研究会に入って、自分で映画を監督して 時分の作品を作ったり・・・そんなことをしていました。 そうすると、映画に関してはかなり詳しくなって、 人に自慢できるくらいのレベルになります。 あるいは映画作りをする、という自己表現を通して、 自らの価値を見いだしていく・・・という。 「ああ、自分は意外とこんなジャンルでも才能があるんじゃないか」 ということで、「無価値感」や「自己卑下」のドツボから脱する ことができる・・・という。 思春期には、こうした「挫折」と「立ち直り」というのを 誰でも経験しているはずです。 「立ち直り」のキッカケや原動力となるもの。 私の場合は、太宰治や純文学を読んだり、 あるいはアンドレイ・タルコフスキーの超難解な映画を見たリ。 例えば、この作品。 http://01.futako.info/b/dvd0000022.html 劇場に何度も足を運んで、セリフを全部暗記するほど見ました。 人によっては、「音楽」に傾倒したり、 あるいはスポーツに打ち込むことで自信を取り戻す人もいるでしょう。 そんな文学や映画、音楽といった芸術的な刺激。 あるいはスポーツへの系統や、友人、仲間たちの友情や支えなどによって、 「挫折」から「立ち直り」に至る。 思春期にはよくあることです。 私くらいの世代だと、 「無価値感」や「自己卑下」の状態に陥ったとき 太宰治の「人間失格」に傾倒するわけですが、 今の時代、それが太宰治が「エヴァンゲリオン」になっている のではないか・・・と。 「エヴァンゲリオン」には、思春期の若者が陥りやすい 無価値感や自己卑下の心理。 自分の存在意義、自分の居場所という問題。 父親との折り合い。 心の距離、心の壁。人と人との心理的な距離感。 誰のために生きているのか。誰のために行動するのか? という問題。 そうした思春期の若者が抱えるほとんど全ての問題が 盛り込まれていて、共感せずにはいられない内容になっているのです。 「エヴァンゲリオン」は、これから高校生になる新しい世代の 若者からも指示を受け、末永く支持されていく・・・と私は思います。 ───────────────────────────────── ■4 家で楽しむおすすめ映画 ───────────────────────────────── 私の大好きなあのミュージカルが、今年の夏日本上陸します。 見ていない人、というかほとんどの人は見ていないと思いますが、 このミュージカルは一見の価値があるので、是非見ていただきたい。 純粋に音楽が良いし、話にも引き込まれるし、テーマ性も非常に 深いです。 ただ、それにしても、日本ではミュージカルや舞台のチケット代が高い。 S席12,600円。2人で25,200円ともなると、庶民が気軽に 見に行けるものではありません。 ちなみに、シカゴでも同じ公演が秋にありますが、 そのチケット代は40ドルです。日本の3分の1ですね。 さて、見たいけど高すぎてみられない、という人が大部分だと 思いますので、その場合はブロードウェイでのファイナル公演を収録した コチラのDVDをご覧ください。 このミュージカルは、楽曲と演技中心で、舞台装置なども 派手じゃないので、DVDでもそのエッセンスは十分に楽しめるはずです。 樺沢の評価 ★★★★★ 【クイズ】この作品名は? →→→ http://01.futako.info/b/dvd0000021.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■5 あと4日 「シカゴ」DVD 無料配布を終了します ───────────────────────────────── 樺沢は、ビジネスマンに役立つ心理学ノウハウをお届けする 有料メルマガ「ビジネス心理学プレミアム」(月額1,490円)を 発行しています。 「ビジネス心理学プレミアム」は、初月購読料無料なので、 月末までに解除しますと、1円もかからずに、月内に配送される 全3号(原稿用紙換算100枚程度、音声ファイル30分以上)を 無料で試し読みいただけます。 今、登録すると「無料」で読めるコンテンツは ■第43号 ピーターラビットの心理学 / 東国原の心理学 / 文房具にこだわる奴は成功する ■第44号 パソコン周りにこだわる奴が成功する / 理想の親像 / 自己洞察が深める方法 ■第45号 成功・成長・恋愛の万能薬~対他配慮できる人が成功する (音声セミナー55分) また、翌月まで継続購読された方全員に、 樺沢紫苑の講演会を収録した ●DVD「シカゴと映画と精神医学」(120分)を、 送料・手数料樺沢負担の「完全無料」でプレゼントしています。 しかし、このプレゼントですが、7月末で終了となります。 今月から来月への購読継続者にプレゼントしたら、 「無料プレゼント」は終了します。 その理由ですが、このDVDが、残り100本を 切ってしまったからです。 8月以降は、4,980円で販売しようか・・・と思っています。 「シカゴと映画と精神医学」は、 樺沢の3年間のアメリカ、シカゴの留学生活で得た気付き。 樺沢の英語学習法やアメリカ生活でのおもしろ話などを まとめたDVDで、 アメリカや海外留学、英語学習に興味のある方は、 かなりためになる内容だと思います。 「シカゴと映画と精神医学」を無料で入手したい方は、 是非、「ビジネス心理学プレミアム」に登録してください。 無料でDVDを手に入れる最後のチャンスです。 「ビジネス心理学プレミアム」初月無料お試し購読をする →→→ http://www.mag2.com/m/P0006963.html ──────────────────────────────── メール送信者:(株)樺沢心理学研究所 佐々木信幸(樺沢紫苑) 連絡先: kzion@kabasawa.jp メール送信者情報の詳細: http://www.saikyo.bizshin.com/semi1/hyouji_eisei.html メールマガジン登録/解除: http://www.mag2.com/m/0000136378.htm サイト http://www.kabasawa.jp/eiga/home.html ブログ http://eisei.livedoor.biz/ ビジネス心理学プレミアム ニュース・芸能・映画の心理学 http://premium.mag2.com/mmf/P0/00/69/P0006963.html ■注意・お知らせ 映画の見方は、人それぞれです。このメルマガは、発行者の個人的な見 解であり、他のいろいろな考え方を否定するものではありません。 みなさんから、お送りいただいメールは、メルマガ、ホームページ上で 紹介するかもしれません(もちろん、匿名で)。 ──────────────────────────────── 「映画の精神医学」は、以下のURLより解除することが可能です。 メールマガジンの解除・登録・変更はコチラから http://www.mag2.com/m/0000136378.html ────────────────────────────────


