2009/06/26
映画の精神医学 佐々木蔵之介さんと一緒に映画を見ました
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 映画の精神医学 ●第335号● 2009年6月25日発行 ● 発行部数:47,156部 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■1 はじめに ───────────────────────────────── 夏休みに向けて、話題作・大作映画がバンバン公開されています。 メルマガ発行も、ペースアップしてドンドン紹介していきたいと思います。 6月28日(日)朝7時放送のTBS系の「カラダの気持ち」に 私の友人で、ビジネスマンのボイストレーニングで有名な 秋竹朋子さん出演されます。 http://01.futako.info/b/akitake.html 短時間のボイストレーニングで、声質がどれだけ変化するのか? これが、東京工科大学の音声分析で科学的に明らかにされるそうです。 興味のある方は、ご覧ください。 私の友人たちが、ドンドン出版されたり、テレビに出たり、 個展を開いたりと、頑張っているのを見ると、私も励まされます。 ちなみに、樺沢の次の出版企画は、水面下で進んでいますので、 もう少しで正式発表できるかもしれません。 7月2日のビジネス心理学セミナーですが、まだ席に余裕があります。 毎日、仕事もプライベートもワクワクしてしょうがない・・・という 人は参加しないでください!! 今のままの自分でいいのか? もっと自己実現できる生き方はないのか? 今の仕事を一生続けて、自分は幸せなのか? 仕事に、ワクワク感が感じられない。 仕事は充実しているのに、家族と過ごす時間がとれなくて悩んでいる。 仕事が忙しくて自分の時間がない。 こんな不全感をお持ちの方は、是非参加してください。 仕事もワクワク。 プラベートもワクワク。 「幸せになるワクワク仕事術」をお伝えします。 あなたの人生を、ワクワク人生に変えてください。 ●ビジネス心理学セミナー 精神科医が教える幸せになるワクワク仕事術 7月2日(木) 19時〜21時 東京(渋谷)にて 詳細、お申し込みは、コチラから →→→ http://01.futako.info/a/bizshinseminor1.html ───────────────────────────────── ■2 最新映画批評 ───────────────────────────────── ┌────────────┐ 「群青 愛が沈んだ海の色」 6月27日公開 └────────────┘ 最愛の家族の突然の死。 残された家族の悲しみは、想像を絶するでしょう。 その悲しみから立ち直るのに何年もかかったり、 あるいは10年、20年たっても心の傷が癒されずに、 一生「家族の死」を引きづりながら苦しい人生をおくる人も たくさんいます。 私は精神科医として、自殺者とその家族という構図で、 悲しみと落胆と自責の念に苦しみ続ける家族と 接することがあります。 「命は自分のものだから、死ぬも生きるも個人の自由」と 主張する人がいますが、それは完全に間違っています。 一人の人間の死は、その人につなかるたくさんの人に、 大きな影響と波紋を与え続けるのです。 拙著「自殺という病」(秀和システム) http://01.futako.info/b/suicidebook.html では、自殺によって残された家族かどれほど苦しい思いをしているのか、 リアルに描き出したつもりてす。 映画「群青」は、自殺てはなく不慮の死ではありますが、 愛する人を失った人(たち)の物語です。 突然に訪れる最愛の人の死。 それに対する人の反応は、自殺でも、不慮の死であっても、 同じようなインパクトを人にもたらすのだなあ・・・ と思いました。 最愛の恋人一也を事故で亡くして、精神を病んでしまう少女凉子 (長澤まさみ)。 彼女を支えるのが、漁師の父・龍二(佐々木蔵之介)と 幼なじみの大介(福士誠治)です。 沖縄の自然豊かな小島を舞台にした、涼子の「癒しの物語」。 父親役の佐々木蔵之介、私の最近の注目男優の一人ですが、 実に良い味を出しています。 彼も実は心に傷を持っていて、 だからこそ涼子の気持ちは痛いほど理解できるはずなのに、 自分の力ではどうにもならないという無力感に支配されてしまう。 そんな難しい役柄を見事に演じています。 長澤まさみさんも、精神に破綻をきたし情緒不安定になった少女 という、非常に難しい役柄に挑戦しています。 宮木あや子さんの原作「群青」では、 涼子の性描写がかなり生々しく描かれているのですが、 当然ながら、「妹」イメージの清純派女優で知られる長澤さんが、 そんな濡れ場を演じるはずもなく、 本来あるはずのラプシーンなども限りなくゼロに近い・・・ という点で、「期待はずれ」に感じる人もいるかもしれません。。 原作では、「性」を通して「生」を描く。 人間の「生」。生命力。「生」への執着、こだわり。 「人間の生きる力」としての「生」。 それが原作では、「性」を通して見事に描かれていましたが、 映画ではカットされてしまったのが残念です。 まあ、ラプシーンは、事務所的にNGだったのでしょうが・・・。 とはいえ、「愛する人を失った苦しみ」と 「そこから回復することの大変さ」は、痛烈に描写されています。 群青色の海のように、テーマが非常に深い映画です。 私の場合、映画を見終わった後も、映画のことが 二、三日頭から離れませんでした。 涼子の心理。龍二の心理。大介の心理。 そして、ラストシーンの意味。 理解するのに時間がかかります。 映画ではなかなか扱いづらいテーマを直球勝負で、 ここまで真剣に取り上げている点を、高く評価したいと思います。 樺沢の評価 ★★★★☆ (★★★★★が満点。☆は、★の半分) 【樺沢紫苑のはずさないお薦め映画】 最愛の人を失った家族の回復の物語。 アカデミー賞も受賞した、この作品は、心に浸みます。 →→→ http://01.futako.info/b/dvd00019.html ───────────────────────────────── ■3 精神医学の目 ───────────────────────────────── ┌─────────────────┐ 佐々木蔵之介さんと一緒に映画を見ました └─────────────────┘ 「群青」で龍二役。 テレビドラマ「ハンチョウ〜神南署安積班〜」でも 主役を演じる、絶好調の佐々木蔵之介さん。 実は、佐々木蔵之介と一緒に映画を見ました。 そんなの嘘だろう、と思うでしょうが本当です。 実は、「群青 愛が沈んだ海の色」の初号試写に お邪魔させていただいたのです。 初号試写というのは、編集が終わり、音楽も入って、 「完成」した初めてのフィルムを見る試写会です。 その作品の、一般への初お披露目ということになります。 その作品に関わったスタッフ、キャスト、関係者なとが 招待されます。 その「群青」の初号試写に佐々木蔵之介もいらしていて、 同じスクリーンで、できたての映画「群青」を 鑑賞させていただいた・・・という。 最前列の中央に中川陽介監督が陣取っていて、 その3列後くらいで私は見ていたのですが、 試写終了後に、中川監督が涙を流していたのは印象的でした。 「ついに、完成した」という達成感。 満足感の男の涙、だったのでしょう。 まあ、そのとき、私も涙を流していましたが・・・(笑)。 実は、私は初号試写というのに、初めて招かれたのですが、 一つビックリしたことがあります。 この初号試写が行われたのが、今から半年ほど前だった、 ということです。 映画というのは、劇場公開される1年くらい前にクランクして、 半年くらい前に「初号」は完成しているわけです。 (大作映画だともっと早い進行の作品もあるでしょう、 公開ギリギリに完成する映画もないわけではありませんが・・・) それから半年かけて、宣伝戦略を考え、 ポスターやチラシやパンフを作って、 宣伝活動を行っていく・・・という。 規模の小さい映画ですと、公開数ヶ月前に「初号試写」という こともあるでしょうが、大作映画の場合は、かなり早めの進行で 仕事が進んでいます。 新作映画の記者会見をテレビで見ることがあります。 あるいは、日本映画だと、俳優さんの舞台挨拶があります。 以前から、こうした新作映画のプロモーションで、 俳優さんたちのテンションが高くない、 というか随分冷めているなあ・・・と疑問に思っていましたが、 彼らにとっては、撮影は半年以上、1年とか1年半前に 終わっているのです。 「何か、撮影時のエピソードをお願いします」・・・と言われても、 1年前の話を、つい最近の話のように、 熱く語ることは、プロの俳優といえども、 なかんなか難しいことなのでしょう。 映画というのは、このように非常に長帳場の仕事です。 私も知識としては昔から知っていましたが、 今回「初号試写」を体験して映画産業のスケールの大きさ みたいなものを肌で感じました。 ───────────────────────────────── ■4 最近読んだお薦めの本 ───────────────────────────────── 精神科医をしているとおもしろいことに気付きます。 重篤な精神症状を呈して入院していた統合失調症の患者さん。 その患者さんが、虫垂炎(盲腸)をおこして、緊急手術をすることに なりました。 手術後何日かは、術後管理のために、 外科病棟に入院しないといけないのですが、 精神科病棟では手に負えないほど大騒ぎしていた患者さんが、 外科病棟でやっていけるのか。 私も看護師さんも、大変心配だったのですが、 その患者さんは、外科入院中は、 嘘のようにおとなしくなってしまったのです。 統合失調症が治ったのか? と思うほどですが、 全身状態が改善して精神科の病棟に戻ってきたとたんに、 またもとに戻ってしました。 これに似たことを何度も経験していて、 他の精神科医に聞いても、たいてい 「そういうことって、よくあるよね」と言います。 高熱を出している状態や激しい炎症状態では、 統合失調症の精神症状は不思議と軽くなるのです。 しかし、その理由はわかりません。 というか、わからないと思われていたのですが、 今読み終わったこの本には、 その理由が実に明快に書かれていて、驚きました。 完全に目からウロコです。 また、統合失調症といいう病気は、日本でもアメリカでも、 アフリカでも、エスキモーでも、オーストラリアのアボリジニー でも、人種に関係なく発症率が0.8%なのです。 そしてその発症率は、今から100年前も、10年前も、 変わらず0.8%なのです。 この人種や時代を越えて、なぜ統合失調症は 0.8%の確率で発症するのか? というのは、 世界中の精神科医にとって重大な謎として知られていましたが、 その謎についても、この本では、見事な仮説が提示されています。 そしてこの二つの謎は、 類人猿から人間への進化と密接に関わっていたとは・・・。 なぜ人間が生まれたのか? そして、なぜ統合失調症は生まれたのか? なぜ、天才の家系に精神病か多いのか? なぜ、古代では、シャーマンが権力を握っていたのか? これらの精神医学に関わる数多くの謎が、 たった一つの仮説で明快に説明されています。 これは、精神科医にとしては驚かざるを得ません。 知的好奇心でここまでワクワクさせられる本は、なかなかありません。 極めて上質なサイエンス・ノンフィクションを読みました。 樺沢の評価 ★★★★☆ この本の詳細を見る →→→ http://01.futako.info/b/book000001.html ──────────────────────────────── ■樺沢紫苑のセミナー予定表 ●7月2日(木) 19時〜 東京(渋谷) 「ビジネス心理学セミナー 精神科医が教える幸せになるワクワク仕事術」 http://01.futako.info/a/bizshinseminor1.html ●7月11日(土) 14時〜 東京(銀座) 「PPC集客セミナー」 http://01.futako.info/b/ppc-seminar.html ──────────────────────────────── メール送信者:(株)樺沢心理学研究所 佐々木信幸(樺沢紫苑) 連絡先: kzion@kabasawa.jp メール送信者情報の詳細: http://www.saikyo.bizshin.com/semi1/hyouji_eisei.html メールマガジン登録/解除: http://www.mag2.com/m/0000136378.htm サイト http://www.kabasawa.jp/eiga/home.html ブログ http://eisei.livedoor.biz/ ビジネス心理学プレミアム ニュース・芸能・映画の心理学 http://premium.mag2.com/mmf/P0/00/69/P0006963.html ■注意・お知らせ 映画の見方は、人それぞれです。このメルマガは、発行者の個人的な見 解であり、他のいろいろな考え方を否定するものではありません。 みなさんから、お送りいただいメールは、メルマガ、ホームページ上で 紹介するかもしれません(もちろん、匿名で)。 ──────────────────────────────── 「映画の精神医学」は、以下のURLより解除することが可能です。 メールマガジンの解除・登録・変更はコチラから http://www.mag2.com/m/0000136378.html ────────────────────────────────


