2009/06/22
映画の精神医学 お買いもの中毒は危険です
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 映画の精神医学 ●第334号● 2009年6月22日発行 ● 発行部数:47,156部 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■1 はじめに ───────────────────────────────── 東京は、暑くてジメジメとした過ごしづらい毎日が続いています。 昨日、今年はじめてクーラーをつけました。 私は、北海道出身なので、暑さに弱いです。 正確に言うと、「湿度の高い暑さ」に弱いのでしょう。 シカゴにいたときは、夏は30度を超す日もよくありましたが、 カラッと乾燥しているので、南国のような感じで、 日陰に入ればそうでもなく、それほど過ごしにくいとは 思いませんでした。 東京の夏は、花火大会がたくさんあるとか、 大きなイベントがあるとか、 それなりに楽しいことがたくさんあるので、 嫌いではないのですが・・・。 ───────────────────────────────── ■2 最新映画批評 ───────────────────────────────── ┌──────────┐ 「お買いもの中毒な私!」 現在公開中 └──────────┘ よくあるおバカなアメリカのコメディ映画だろう・・・と それほど期待しないで見たせいか、かなり良かった。 NYの一流ファッション誌の記者を目指す、レベッカ (アイラ・フィッシャー)。 ショッピングが大好きな彼女はカード破産寸前。 そんな彼女が、ひょんなことから経済雑誌の記者に採用され、 彼女の書いた記事が、「わかりやすい」と大評判になっていく・・・。 カード破産寸前のレベッカが、経済誌でカードの使いすぎを 警告する記事を書くという皮肉。その辺の設定が絶妙である。 アメリカでは、カード破産する人が年間90万人を越えるといいます。 間違いなく、深刻な社会問題と言ってもいいでしょう。 さらに、「買い物依存症」という「病気」を扱いながらも、 説教くさくならず、観客をぐいぐい引きつける 娯楽性を第一にしたストーリー展開が良い。 人物描写もしっかりしているし、恋愛ドラマとしてもかなり楽しめる。 「買い物依存症」といっても、日本では、ほとんどなじみがないだろう。 「そんな病気あったの?」というくらいなもの。 私も精神科医として、「買い物依存症」は概念としては知っているが、 「買い物依存症なので治療してください」という患者さんは診たことがない。 というか、「アルコール依存症」や「ギャンブル依存症」などと同じで、 「依存症」という病気は、自分で病識を持って、病院を訪れる ということは非常に難しい。 レベッカも、ルームメイトの強力な後押しで、 ようやく「買い物依存症」という病期を認識し、 自助グループにも参加するようになる。 この映画を見るに当たって、あるいは見ない人にとっても、 覚えておきたい知識がある。 「依存症」を自分で自覚し、本格的に治療していく過程で、 多くの患者さんは「底つき」というのを体験する。 つまり全てを失い、これ以上失うものがないどん底の状態。 最低、最悪の状態にまで到達して、はじめて「こりゃ、まずい」と 気付く。病気であるという自覚が生まれ、「何とかしない」と 治療意欲が出て来る。これを、「底つき」と言う。 逆に言うと、例えば、アルコール依存症の患者さんの場合、 病院に連れてこられても、 「別に、病気じゃない」 「別に、困っていない」 「別に、そんなにお酒は飲んでいない」 「別に、治療する必要もない」 と、現状と治療を拒否し、徹底的に先送りしようとする。 もっと早く気付き、治療開始すれば、 どん底状態にまで落ちなくてもいい・・・というのに。 レベッカの場合は、どうだろう? 彼女は、何を失い、何を得るのか。 病気とどう取り組んでいったのか。 もちろん、コメディ映画として誇張、脚色されている部分はあるが、 精神科医専門家の目から見て、医学的にも基礎知識をおさえつつ、 それでいてわかりやすく「買い物依存症」という病気を 紹介しているな・・・と好感を持てた。 「買い物のしすぎ」がちょっと心配な人・・・に限らず、 大笑いできるラプコメを見たい人にお勧めである。 樺沢の評価 ★★★★ (★★★★★が満点。☆は、★の半分) ひょっとして私も「買い物依存症」? 「買い物依存症」の原因と対処法について学びたい人は →→→ http://01.futako.info/a/kaimonoizon.html ───────────────────────────────── ■3 精神医学の目 ───────────────────────────────── ┌────────────────────┐ 時代の変化 〜 我々は、幸せになったのか? └────────────────────┘ テレビ朝日開局50周年記念ドラマスペシャル 「刑事一代〜平塚八兵衛の昭和事件史〜」を見ました。 平塚八兵衛役の渡辺謙の鬼気迫る演技に圧倒的されました。 捜査の神様とまで呼ばれた、昭和を代表する名刑事 「平塚八兵衛」の半生を描いた作品。 「帝銀事件」「下山事件」「吉展ちゃん誘拐事件」 「三億円事件」など戦後事件史に残る大事件の ほとんどを担当した平塚。 平塚という一人の刑事の奮闘を描きながら、 事件を通して「昭和という時代」、そしてその「変化」が、 見事に描き出されていました。 完全に映画のクオリティで、劇場公開して欲しいくらい。 平塚という人物は、超アナログな人として登場します。 現場に百回足を運び、気の遠くなるような聞き込み捜査を 一件ずつこなす。 そして、直感ゆひらめきを信じ、 取り調べでは、証拠よりも「情」に訴えかける・・・という。 未解決で終わった「三億円事件」では、 アナログ捜査の終焉か象徴されます。 平塚ももはや過去の人となってしまった・・・という寂寥感。 劇中で印象的だったのは、捜査情報や容疑者リストなどを、 丁寧に手書きでまとめている平塚の姿です。 今だったら、ワープロソフトやエクセルを使えば簡単にできる リスト作りも、この時代には徹夜でやらなければいけない 過酷な作業だった・・・という。 テクノロジーの進歩によって、犯罪捜査の技術も大幅に進歩し、 事務的な作業も大幅に効率化されたはずです。 しかし、犯罪検挙率は上がったのかというと、 重犯罪の検挙率は、下がり続ける一方です。 これが「時代の変化」というものでしょうか・・・。 テクノロジーの進歩は、私たちの生活をちっとも便利にしていない ということは、常々思います。 コピー機、電卓、ワープロ、パソコン。 こうした革命的な事務機器の出現によって、 30年、40年前と比べると、事務処理能力というのは、 数10倍、ひょっとすると100倍以上も早くなった はずです。 しかし、我々はどれだけ豊になっているのでしょうか? 帰宅時間が早まりましたか? 残業時間が短くなっのでしょうか? 私たちの「自由な時間」は、増えたでしょう? 全く変わらないどころか、むしろ減っている。 状況は悪くなっているような気すらします。 テクノロジーが進化しても、人間は幸せになれない・・・ なんという矛盾でしょう。 丁度、7月2日のセミナーで、こうした話をしたいと思っていた矢先、 アナログな人間の本来のパワーの大切さを訴える「刑事一代」は、 心に浸みました。 ───────────────────────────────── ■4 セミナー開催します ───────────────────────────────── 仕事を頑張ればいつか幸せになれる。 そう信じて、ほとんどの日本人サラリーマンは、 自己犠牲もいとわず、必死に働き続けてきました。 しかしその結果が、「突然のリストラ」や「派遣切り」で 路頭に迷う人がたくさんいます。 100年に一度の不況のせいか、あるいは必然の結果か・・・。 今までの会社に対する貢献。 自分自身を犠牲にして頑張ってきた今までの努力など 全く勘案されることもなく、 いきなり、つきつけられる解雇通告。 あるいは、「会社のため」ということで、毎日毎日残業。 自分のプライベートな時間を全て提供した結果、 気分転換の時間もなくなって、結果として「うつ病」になる。 2年間の休職期間は、給料が一部支給されるので何とか 生活できますが、休職期間中に完全に病気を治さないと、 休職期間終了後に、クビにされます。 会社のために働いてうつ病になったというのに、 何の保障もないし、会社は何の面倒もみてくれないのです。 会社から冷酷な通告を突きつけられた患者さんを 何人見たことでしょう・・・。 コレが現実。 にも関わらず、「会社のため」という大義名分に縛られて、 がむしゃらに働き続ける人の多いこと・・・。 日本という国は、仕事をすればするほどに不幸になる 不思議な国です。 GNP(国民総生産)は、世界第2位。 物質的には間違いなく豊なはずなのに、 精神的には全く豊かではありません。 私がアメリカで見たアメリカ人の働き方。 基本的に9時-5時で、きちんと「ノルマ」を果たして、 会社との契約を守って、「ノルマ」以上の働きしている分には、 遅刻や早退にも文句もいわれず、休暇も2〜3週間連続でとるのも 当たり前の話。 家族を大切にして、「終業後の5時以降は家族と過ごす時間」 という認識が共有されていますから、無理な「残業」を 強要されることもありません。 9時から5時までは、集中して仕事をする。 仕事は5時に切り上げて、帰宅して、家族とゆったりとした 時間を過ごす。 アメリカ人というのは、実に、合理的で、 充実したライフスタイルをしているなあ・・・と関心しました。 アメリカ人は、全く血眼になって働いていない。 家族の時間を大切にし、自分の時間を大切にして、休暇もたっぷりととる。 それで、世界第1位のGNPです。 日本人は、血眼になって、自分の時間、 家族と過ごす時間を犠牲にして、馬車馬のように働いて、 世界第2位のGNPを死守しているという。 このままでいいのでしょうか? 私は、アメリカ留学してからずっと、 「自殺予防」について研究していますが、 こうした無理に無理を重ねるライフスタイルが、 日本が先進国最大の高い自殺率を示す国である 最大の理由ではないか・・・と、考えています。 つまり、ライフスタイルの転換をしない限り、 日本人は幸せになれない。 自殺も減らない。 うつ病も減らない。 庶民は、馬車馬のように働かされて、 ボロぞうきんのように捨てられる。 これが、今の日本という国。 何とかならないのでしょうか? ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ なります。 「ライフスタイルの転換」です。 価値感を切り替える。 ただ、それだけです。 では、具体的に、どのようなライフスタイルに転換すれば いいのでしょうか? 会社員として働きながら、具体的にどんなことから 始めていったらいいのか? 私が、ここ1年ほど考えてきた「幸せになる仕事術」を ついに公開する時が来ました。 ●ビジネス心理学セミナー 精神科医が教える幸せになるワクワク仕事術 を開催します。 ♯ 今の会社にずっと勤めて、今の仕事をずっと続けるのが 本当に幸せなのか? と疑問をお持ちの方。 ♯ 自分の時間をもてない。自分らしい生き方ができない・・・と 悩んでいる方。 ♯ 本当は、「やりたいこと」があるのに、我慢している方。 ♯ 仕事をしても、ちっともワクワクしない、という方。 このどれかに当てはまる人は、 セミナーに参加すれば、きっと現状を大きく変える ヒントが得られるはずです。 『ビジネス心理学セミナー 精神科医が教える幸せになるワクワク仕事術』詳細 ■日時 7月2日(木) 19時〜21時 (18時半、受付開始) ■会場 東京 渋谷 T’s SALON (東京都渋谷区渋谷1-6-8) 地図 http://www.tsrental.jp/location/salon/map.html ■定員 40名 (残り28席) ■参加費 一般 5,000円 (事前の銀行振込のみ) ※「ビシネス心理学プレミアム」読者は、特別割引 3,000円 ●ビジネス心理学セミナー 精神科医が教える幸せになるワクワク仕事術 お申し込みは、コチラから →→→ http://01.futako.info/a/bizshinseminor1.html ●特別割引の受け方 今回のセミナーは、樺沢紫苑の有料メルマガ 「ビシネス心理学プレミアム」の読者の方は、2,000円割引で 参加できます。 「ビシネス心理学プレミアム」は、初月無料お試し購読ができます。 ですから、一旦申し込んで、月末までに解除しますと、 購読料のお支払いなしで、「2,000円割引」を受けることができます。 大変お得です。 「ビシネス心理学プレミアム」を試しに読んでいただいて、 気に入った人にだけ、継続購読していただければいいと思います。 ちなみに、「ビシネス心理学プレミアム」は、 ビジネスマンに役立つ心理学ノウハウや仕事術を月3回発行。 毎回、原稿用紙50〜60枚の圧倒的なボリューム。 そして、月1回は30分以上の音声セミナーを ビジネス書1冊の値段。月額たったの1,490円でお届けしています。 「ビシネス心理学プレミアム」登録はコチラから →→→ http://01.futako.info/a/000000BPMaffitu.html ───────────────────────────────── ■5 DVD、家で楽しむおすすめ映画 ───────────────────────────────── 【ニューヨークを舞台にした映画】 ニューヨークを舞台にした映画。 何百本、いえ千本以上はあるのでしょうか。 たくさんの傑作があります。 ニューヨークを舞台にした映画で、 あなたが好きな映画は何ですか? 古典的な所で、「ティファニーで朝食を」「踊る大紐育」。 ラブストーリーなら、「恋人たちの予感」「ユー・ガット・メール」。 それともやっぱり、「ゴッドファーザー」ですか? それとも、「クローバー・フィールド」? 最近では、「プラダを着た悪魔」「魔法にかけられて」も よかったですね。 ニューヨークを舞台にした映画。 本当に傑作が多いのですが、樺沢が大好きな1本はコレです。 昔の移民時代のニューヨークの雰囲気を再現しながら、 男女の愛と、父性愛という普遍的な「愛」が 生と死のはざまで、スリリングに描かれています。 特に、迫力の群集シーンは、見応えがあります。 あの人気俳優、そして名監督のコンビでありながら、 作品はあまり知られていないのが、もったいない。 ニューヨークに行ったことのある人なら、2倍楽しめるはずです。 樺沢の評価 ★★★★★ 【クイズ】この作品名は? →→→ http://01.futako.info/a/dvd0000014.html ──────────────────────────────── メール送信者:(株)樺沢心理学研究所 佐々木信幸(樺沢紫苑) 連絡先: kzion@kabasawa.jp メール送信者情報の詳細: http://www.saikyo.bizshin.com/semi1/hyouji_eisei.html メールマガジン登録/解除: http://www.mag2.com/m/0000136378.htm サイト http://www.kabasawa.jp/eiga/home.html ブログ http://eisei.livedoor.biz/ ビジネス心理学プレミアム ニュース・芸能・映画の心理学 http://premium.mag2.com/mmf/P0/00/69/P0006963.html ■注意・お知らせ 映画の見方は、人それぞれです。このメルマガは、発行者の個人的な見 解であり、他のいろいろな考え方を否定するものではありません。 みなさんから、お送りいただいメールは、メルマガ、ホームページ上で 紹介するかもしれません(もちろん、匿名で)。 ──────────────────────────────── 「映画の精神医学」は、以下のURLより解除することが可能です。 メールマガジンの解除・登録・変更はコチラから http://www.mag2.com/m/0000136378.html ────────────────────────────────



