映画の精神医学 クレルモン=フェラン国際短編映画祭体験記
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映画の精神医学
●第256号● 2008年2月8日発行 ● 発行部数 :49,549部
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【 目 次 】
■1 はじめに
■2 最新映画批評 「アース」
■3 【特別寄稿】 クレルモン=フェラン国際短編映画祭 体験記
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■1 はじめに
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前回、ご紹介しました、樺沢特別対談講演『理想の親像』ですが、
いよいよ次の日曜日へと迫りました。
満席まで、残り5人ほど余裕があるようなので、
興味のある方は、是非ご参加ください。
いじめ。いじめ自殺。
学級崩壊。
ニート、引きこもり。
親殺しや兄弟殺し。
深刻な問題が、子供たちを苦しめています。
その原因は何か?
私は、非常にシンプルに考えています。
核家族化が進み、親と子供のかかわり方の形態が、
20年前とは完全に違ってしまっている。
親子のかかわり方の変化が、諸悪の根源ではないか・・・と。
具体的にいえば、「父親の役割」「母親の役割」が
機能していないということです。
親は、子供に何をすべきなのか。
あるいは、子供に何をしてはいけないのか?
「理想の親像」というものが見えなくなっている今、
「コドモ塾」の主催者であり心理カウンセラーでもある
ユキさんと精神科医の樺沢が
それぞれの立場から意見をぶけあい、
今の時代の「理想の親像」について語ってみたいと思います。
■特別対談講演『理想の親像』
■日時:2008年2月10日(日) 13:30〜16:00
■会場:東京 JR市ヶ谷駅から徒歩2分
「アルカディア市ヶ谷」
http://www.arcadia-jp.org/top.htm
■タイムスケジュール
13時15分 開場
13時30分 開演
13:30-14:15 第一部(コドモ塾、ユキさん)
15分休憩
14:30-16:00 第二部(ユキさんと樺沢との対談)
質疑応答を含む
■参加費
2,980円
■定員
残り5席
■お申し込み
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ユキさんは、大変、エネルギッシュな方で、
非常に盛り上がる対談講演になるでしょう。
樺沢も、教育系の講演は、帰国後初の試みとなりますが、
お子さんをお持ちの方に役立つ話を、
たくさんしたいと考えています。
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■2 最新映画批評
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┌───────┐
「アース」 1月12日公開
└───────┘
太陽系第3惑星、地球。
この生物にあふれた実に美しい星。
そして、そこに住む生物たちの生々しい生きざまを
克明に描き出していく「地球のポートレート」ともいうべき
ドキュメンタリー作品。
北極から南極へと向かう旅の中で、ホッキョクグマの親子、
砂漠を大移動するアフリカゾウの群れ、ザトウクジラなど数々の
生物の営みを圧倒的な迫力の映像で映し出していく。
「ディープ・ブルー」のスタッフが集結し、超ハイスピードカメラなどの
最新機器を駆使しながら、5年もの長きにわたって“奇跡の瞬間”を
追い続けただけあって、その映像のグレードは素晴らしい。
この作品のいいところは、単に可愛らしい動物をうつし出すのではなく、
「弱肉強食」という自然界の厳しさをしっかりと描いていることである。
自然という厳しい世界で、必死に生きようとする動物たちのドラマが
描かれるわけだ。
こうした弱肉強食のドラマは、最近の話ではなく、何十億年も前から
続いていることで、「地球温暖化」と結びつけるのには、やや強引な
気もするが、エコロジーが叫ばれるこういう時代だからこそ、
「自然」を正しく見つめなおすということは、
大きな意味をもつもつだろう。
ともっともらしいことを書いてみたが、この映画を見れば、
そんなことは誰でも理解できる話で、「映像の力」のすごさを
感じさせるという点で、「映画」としてもすぐれている
作品といえる。
私が訪れた時は、子供の入場料500円というキャンペーンが
行われていたが、この映画を一番見ていただきたいのは、
小学生、中学生の子供たちだろう。
この映画を見て、感じたことを話し合ったり、あるいは感想文を
書いたりすることで、いろいろなことを学習できるに違いない。
そんなわけで親子で見に行く映画としても、
非常に良い映画だと思う。
ただ、予告編で良いシーンを見せすぎてしまっているのが、ちょっと残念。
樺沢の評価 ★★★★
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■3 【特別寄稿】 クレルモン=フェラン国際短編映画祭 体験記
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みなさんは、「クレルモン=フェラン国際短編映画祭」を
ご存じでしょうか?
私の25年来の友人でもあり、そしてCMディレクターで、
最近は脚本やショートフィルムを手掛けている鈴木勉監督が、
「クレルモン=フェラン国際短編映画祭」に正式招待されました。
これは、とっても凄いことで、私も彼の作品を
応援したいという衝動にかられ、今回、鈴木監督に
「クレルモン=フェラン国際短編映画祭 体験記」の執筆を
お願いしたところ、快く引き受けてくださいました。
一昨日、フランスへ向けて旅立った鈴木監督。
早速、レポートの第1日目が届きましたので、掲載したいと思います。
今日から、映画祭終了まで、鈴木監督の
「クレルモン=フェラン国際短編映画祭 体験記」を連載して
いきたいと思います。
映画祭のレポートというのは、映画雑誌などでもしばしば
掲載されていますが、ほとんどは映画評論家とかライターによる
レポートです。
今回は、正式招待された監督自身が、生々しい体験談として
映画祭をレポートしてくれるということで、
なかなか見られない企画。
本当に楽しみです。
果たして、鈴木監督の作品の、フランスでの評判はどうなのか?
そして、何らかの賞を受賞することはできるのでしょうか?
まずは、「第1日目」のレポートをお読みください。
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■第1日■
出発!
クレルモン=フェラン国際短編映画祭に向けて、いよいよ出発だ。
僕らが北京で撮影した短編映画
「胡同の一日(A Day In The Life Of Beijing Hutong)」が、
同映画祭のインターナショナルコンペティションの正式招待作品に
選ばれたという連絡があったのが、昨年暮れの話。
何と、全世界からエントリーされた4500本以上の作品の中から
選ばれたのだというから、驚いた。
僕らの日頃の行いの良さが分かろうと言うものだ(笑)。
クレルモン=フェランって、どこ?
クレルモン=フェラン国際短編映画祭って、有名なの?
周囲の反応のほとんどは、こんな感じ。
ちなみにクレルモン=フェランは、フランスの中央部にある山あいの
小さな町で、このあたりがボルビックの産出地なんだとか。
残念ながら、この映画祭は日本ではほとんど知られていない
(僕も知らなかった)。
しかし、韓国人の友人は、「クレルモン=フェランですか?
知ってます。こっちの新聞には、韓国からは誰のどんな作品が選ばれたか、
ちゃんと載ってましたよ」と言っていたので、海外ではそこそこ有名らしい。
調べてみると、短編映画の映画祭としては世界最大で、
なかなかの歴史と権威があるようだ。
ところで、短編映画祭を一度でも観に行くと分かるが、日本の作品の
ほとんどは低予算で、ビデオ撮影で、学生映画の延長といった雰囲気の
ものが実に多い。
それに対し、海外の作品は35mmフィルムで撮影され
(つまり、潤沢な予算があり、高価な機材を使用している)、
有名俳優が登場するものも少なくない。
聞けば、世界中どこの国でも(日本を除いて)短編映画を
新しい人材の登竜門と捉えていて、国が資金や機材、人材までも
全面的にバックアップしているのだとか。
自腹を切って細々と制作に勤しんでいる僕らとは、
スタート地点からして雲泥の差だ。
でも、そんな竹槍でB29に立ち向かうような(例えが古い……)
状況の中、低予算の極みのような僕らの作品が、数々の海外作品を
押しのけて正式招待作品に選ばれるなんて、ちょっと気分が
いいじゃないか。
いや、かなりいい。相当いい(笑)。
賞を望まないといえば嘘になるが、初めての海外映画祭、
とにかくたくさんの人に会って、たくさんの映画を観て、
思いっ切り楽しんでこようと思う。
行ってきます!
……なんて弾んだ気持ちで成田に向かったものの、僕らの旅は、
トラブルに次ぐトラブルで幕を開けた。
同行するプロデューサーの阿部くんが寝坊し、さらに雪で高速が
渋滞となって大遅刻。
全日空のカウンターのお姉さんは、
「これ以上は待てないかもしれません」と険しい顔で言っていたが、
いざ阿部くんが登場すると、素早く手続きをしてくれ、
その上ゲートまで小走りで送ってくれたので、
何とか無事に乗り込むことができたのだった。
ホッとした気持ちで離陸した僕らだったが、
思えばこれがさらなるトラブルの予兆だったとは、
この時点では知る由もなかったのである。
12時間の長旅を終え、無事パリに到着。
クレルモン=フェラン行きの電車に乗るためにリヨン駅に
行こうと思ったら、タクシーがストで動かないという。
慌ててバスのチケットを買ったものの、
「ストの影響で時間がかかると思いますよ」と言われ、
「またギリギリか!」と焦ったものの、予想に反してリヨン駅には
ほぼ定刻に到着。
構内のカフェレストランで軽食をとり、電車に乗ろうとホームに
向かったら、何と出発時間前なのに、電車がゆっくりと走り出すではないか!
呆然とホームに立ち尽くす僕らを尻目に、クレルモン=フェラン行きの
最終列車は夜の闇の中へと消えていった……。
異国の地で行き場を失った僕と阿部くんを救ってくれたのは、
パリでコーディネーターとして活躍する井上めぐみ嬢。
手早くパリ市内のホテルを予約し、僕らが無事にチェックインするまで
付き添ってくれ、さらに翌朝のタクシーの手配まで。
本当に助かりました。
明るい、可愛い、優秀と、三拍子揃ったコーディネーターなので、
皆さんもパリでお仕事する際は、是非井上嬢にコンタクトしてみて下さい。
ふぅ……。長い一日がやっと終わり、ホテルでパソコンを開いたのは
夜の11時。今朝目を覚ましてから、ちょうど24時間が経過していた。
考えてみれば、今回出品した「胡同の一日」の撮影だって、
準備段階からトラブルに次ぐトラブルの連続だった。
撮影直前にロケ地の撮影許可が下りなくなり、
急遽ロケ場所を探すはめになったり、撮影初日に
メインキャストのひとりが交通事故で来られなくなったり……。
これに関しては、それだけで1冊本が書けそうなので、またの機会に
ゆっくりと記すことにするが、とにかくこの作品が無事に上映されるまでは、
まだまだトラブルがあってもおかしくはない、ということではないだろうか。
ここまで来たら「次はどんなトラブルが起こるんだろう」と、
開き直って楽しむことにしますか(笑)。
明日は6時にホテルを出て、7時1分リヨン駅発の電車で
クレルモン=フェランに向かう。
夜汽車ではなく、朝の列車なので、窓外の景色を楽しむことも出来そうだ。
では、明日の無事を祈って、おやすみなさい。Bon nuit!
(鈴木勉)
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