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化学、SE、マスコミ、作家…稀有な経歴の発行者が発信する新ジャンル「読むテレビ」。自分じゃ気づけない滑稽な部分を、誰かに指摘されることなく自分だけで気づけちゃう納得マガジンです。

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2008/06/05

滑稽な人のフリ見て我がフリ許せ!<第87号>

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読者の皆さん、
はかまたかずこです。

今年も作りました、らっきょう漬け。

毎年、調味液を”だいたい”の分量で漬けているので、
出来不出来は仕方のないことなのですが…
今回の出来は、NG。

お裾分けを約束していた知人に、NGになってしまった訳を
いろいろ添えて渡し、後からすごく後悔。

何が後悔って、らっきょうの味は然ることながら、
まずいまずいと添えて渡したことです。

その言葉を添えてホッとできるのは、自分の負い目だけで、
もらう方はきっと気分悪いですよね。

そんな当たり前のことを、後から気づいているわけです。
人に差し上げるとき、ハナから”まずい”は、やはりマズイ…
骨身に沁みた出来事でした。

それでは…87号のストーリー、スタートです!!

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>>> 滑稽な人のフリ見て我がフリ許せ! <<<

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どうすればスマートな振るまいになれるの??

その答えを、一人でも多くの人に、
さりげなく感じ取ってもらおうと登場したこのマガジン。

テレビドラマを見る感覚で、お楽しみ下さい。
理屈ぬきで客観的になれたら、
そこでひとつ、あなたの一面がスマートに。。。

今シリーズでは、
謎の男「僕」が、いきつけの喫茶店「マギー」で、
さまざまなシーンに遭遇します。それはブルースのごとく展開され…


タイトル

《《《   マギーブルース     》》》


(前回のお話)
 
 ”人目があっても無いようにできる自由空間”――と、改めて喫茶店の魅力を噛み締める僕。
 そんな僕の背後に若い女性2人が座る。
 ひとりが結婚相手の相談を持ちかけ、もうひとりが結婚相手にお金は関係ないと豪語する。
 そう言い切る彼女が、実はとてもお金にこだわっている…そんな法則を密かに立て、
 二人の話に耳を傾ける僕。彼女達の顔を見たい衝動にかられ、背伸びをしがてら振返ろうと
 した矢先、別のテーブルで女性の叫び声がする…「アイスコーヒーがぬるい!」
 

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 〜13〜  ”クレーム”を入れないコーヒーなんて…

////////////////////////////////


「す、すいません。すぐに入れ直します」
「もう、しっかりしてよね」
「申し訳ありません」

 バイトの兄ちゃんがすっ飛んできて、感じ良く謝ったことで、
 文句を言ったおばちゃんは、すんなり引き下がった。

 カウンターの奥のマスターはというと…
 相変わらず無愛想な表情のまま、何やら作業をしている。
 文句を言ったおばちゃんのほうをちらっと見た。
 その目つきからすると、今のクレームに不快感を持ったようだ。
 
 (確かにな…)

 恐らく作り立てのアイスコーヒーだったのだろう。
 コーヒー好きだったら、逆にその味がわかり、さらに氷を足してもらえれば、
 むしろラッキーな一品だったのに。
 
 (マスターよ、僕はわかっている)

 そして、僕は思った。
 
 (その訳、堂々と言ってもいいんじゃない?)

 あのおばさんも、もしかしたら「そうだったの〜」とわかるかもしれない。
 いや、わからない確率の方が高いだろうが。
 「アイスコーヒーは、キンキンに冷えてるものでしょ!」
 この一言で終わりだ。

 しかしである。

 マスターに手ぬるい点がなかったなら、ちゃんと説明をしたほうが、
 マギーのためじゃないか。

 それだけじゃない。
 クレーマーのため、と思ったりもする。

 昨今、クレームを言う人を、押し並べて「クレーマー」と称されているが、
 中には、本当に正しくて、店側に100%非があることだってある。

 ただの文句と差別化するためにも、ここはひとつ
 店側にちゃんとした理由があるならば、毅然とその訳を話し、
 非があれば、マスターもおばちゃんの前に出てきて、頭を下げる。

 そんなメリハリある態度をとることで「クレーマー」の質も変わってくるのではないか、
 そう思うのだ。
 クレーマーも成長せねばなるまい。

 「やだやだ、クレーマーに思われちゃう」
 「そうね、ほっとこ」

 後ろの二人がこそこそ話を再開した。
 さっきまでの”男”の話は、頓挫してしまったようだ。
 
 (なんのクレームだろう)

 やたら興味が湧く。どんな顔をした子なんだ?とはずっと思っているが…

 それにしても、人のクレーム話は興味深い。
 部外者だから余計に面白く、さらには参考になる。

 部外者ついでにもう一つ、うんちくを言っておこう。
 クレームを言う方も言われる側も、両者必ず持っているものがある。
 それは…

 損得勘定だ。

 これが見えないボールになって、行き交う。
 
 誤りを認めれば損をする、主張を通さないとこちらが損をする…
 とまあ、キャッチボールしているうちに、やがて損得勘定が損得”感情”に、
 必ずなる。

 そうした感情をむき出しにしないためにも、
 損得は止めて、是か非か、それだけを”勘定”するよう、できるだけ心がけたい。

 もともとクレームは、あるべきところになかったりする、バランスの悪さを指すのだから、
 是か非か、その点に着目するのが正当である。
 
 しかし残念なことに、この心がけは、両者がしないと成立しない。
 片方だけの心がけだと、感情をむき出しにしているほうに軍配があがってしまう。
 是か非か、スマートな考えをしているほうは、しまいに大人の対応をせざるを得ないからだ。

 「でも、やっぱりこの伝票おかしいよ、ケーキセットは50円やすいもん」
 「もう、いいよ。50円くらいのことで、騒ぎたくない」
 「そう?」
 「そうそう」

 50円を失ってでも、失いたくないもの…
 僕の後ろの彼女たちの、横顔を見た気がする。

                      つづく



*次回をお楽しみに!


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