滑稽な人のフリ見て我がフリ許せ!<第83号>
読者の皆さん、お元気ですか?
はかまたかずこです。
穏やかな天気に恵まれた3月2日、
紀伊國屋書店・名古屋名鉄店ベストセラー記念
はかまたかずこ”サイン会”が無事に開催され、
お陰様で、大盛況でした!!
ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございした。
ご来場いただけなかった皆さんへ、サイン会の様子を少しでもお届け…
→http://www.geocities.jp/wakowako772004/sain2.jpg
紀伊國屋書店「名古屋名鉄店」では、サイン本も販売しております。
春本番に向け、これからもいろんな動きがある予感…
随時ご報告いたしますね!
それでは…83号ストーリー、スタートです!!
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>>> 滑稽な人のフリ見て我がフリ許せ! <<<
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どうすればスマートな振るまいになれるの??
その答えを、一人でも多くの人に、
さりげなく感じ取ってもらおうと登場したこのマガジン。
テレビドラマを見る感覚で、お楽しみ下さい。
理屈ぬきで客観的になれたら、
そこでひとつ、あなたの一面がスマートに。。。
今シリーズでは、
謎の男「僕」が、いきつけの喫茶店「マギー」で、
さまざまなシーンに遭遇します。それはブルースのごとく展開され…
(これまでの話)
雨の朝からずっとマギーにいる僕。天気は回復、昼を過ぎたころ、
接客に不慣れなマスターが、怒りをかってしまった女性客に対し、
悪びれた人間味ある一面を見せてくれたことで、僕はほろっとする。
思わずコーヒーをおかわりし、それを運んできたマスターに
「おいしいですね、コーヒー」と声をかける。
タイトル
《《《 マギーブルース 》》》
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〜9〜 不都合な”気分”
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決して不自然だったと思わない。
むしろ、いつもより自然な笑顔ができたはずだ。
なのに、このマスター、
僕の問いかけにニコリともせず、軽く会釈を返しただけ。
さっきの女性の気持ちがよくわかる。
マスターは人の気持ちを逆なでする天才かもしれない。
割と覚悟がいったのだ。
声をかけたのは…
(言うんじゃなかった…)
こういう体験を重ねて、益々僕は内にこもる考え方をするようになる。
マスターが悪いんじゃない。
そんなことはわかっている。
けれど、人はちょっとした出来事で、
自分の性格を決定づけてしまう”脆さ”というものをもっているのだ。
「そうですか…いつもご贔屓下さいまして」くらいの返答があれば、
僕だってこんな気持ちにならずにすむ。
自分を責めたかと思えば、マスターを責め…つまり、僕は
(もろい…)
脆さを口にするほど、脆い人間はいないだろう。
「それにしてもあんた!おっかしいねえ」
おばさん連中の馬鹿笑いが、僕のモロモロ精神を突き抜ける。
朝からかれこれ4時間、僕は、このマギーにたたずんでいる。
(そろそろいくか…)
外はすっかり晴れている。
今朝の雨がうそのようだ。かわりに僕の心中は”ずぶぬれ”だが…。
「ちょっと待って、って言ってるのにさ」
おばさん達のたわいない会話だとわかっているのに、
帰るの待て、と言われた気分になる。
「あんたがオシャレに時間かけ過ぎなのよ」
「こんなおばさんどうやっても無理かっ」(爆笑)
「無理でもやることやっとかないと!」(爆笑)
一言いっちゃあ、爆笑…言っちゃあ爆笑。
押したら、笑ってくれそうなボタンでもありそうだ。
「旦那さん、待っててくれるだけいいじゃない」
「それが待たないの」
「で、どうしたの?先言っちゃった?」
「車に乗り込んで、今にも走り出そうとしてさ」
(したらどうした?)
前のめりになって話すおばさんが、その次を語る前に、
氷の溶けきった、明らかにまずそうなミックスジュースを飲み干した。
(早く言えよ)
「だから慌てて乗り込むでしょ」
(そうそう、だから?)
「指」
そう言って、おばさんは皆の顔をなめるように人差し指を披露しながら、
「はさんだか!」
フライングした一人が叫んだ。
おばさんは首を横に振り、
「挟みそうになっだけ、大丈夫。でもちょっとぶつけたよ。大騒ぎだよ」
皆、ホッとした表情。
かくゆう僕も、ホッとしていた。
車の扉に指を挟んだら、えらいことだ。
「集中力ないんだよ、うちのは」
(そういう問題かよ)
思わず突っ込んでしまった。
またしても、話の論点がずれた。
待ってくれない旦那、から、集中力のない旦那へと。
「ああ、よかった。挟まないで、ねえ」
「ほんとほんと」
皆、各々の飲み物を口にしながら、ホッとした気持ちに浸っている。
こうして終わったか終わらない話題が、一段落する。
出かけるときの服装に、気を配る女性の感性、
それに応えられない男性のずぼらさ。
時間に正確な男性の感性、
決められた尺度できっちりできない女性の迷い癖。
買い物にやたら時間をかける女性の感性、
それに耐えられない男性の傲慢。
友人夫婦からもよくそんな不満をぶちまけられる。
聞いてると、とどのつまり、
互いの足りないところの押し合いへし合い。
ここが直ればいいのに、とか、これさえ無ければ、もっと譲歩できるのに、とか
確かにそれらが叶えばその通りかもしれないが…
そんなの遠回りすぎる。
相手のすることを許容できるコンディションが、こちらに整っているかどうか、
そこに焦点を合わせたほうが得策だと常々思ってしまう。
自分の気分のキャパを増やした方が早い。
または、自分の不都合なところに体裁を持つのを止めた方が早い。
夫婦じゃなくても、人付き合いはみんな一緒なんだけど…
僕は今、マスターに対して、自分の不都合な面、脆さをさらけだす一方で、
マスターの無愛想さを消化する気分になろうとしている。
(今日の僕のコンディションは、まあまあだな)
感心してる場合じゃない。
いい加減に店を後にしようと立ったそのとき、店の扉が開いた。
入ってきた女性…
(え?なんで)
昼前、早々とバイトをあがった、あの彼女。
「午後の講義が休講になったから、戻ってきた、マスター」
(え?え?え?)
中腰の僕に気づく彼女。目が合ってしまう。
つづく
*次回をお楽しみに!
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