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化学、SE、マスコミ、作家…稀有な経歴の発行者が発信する新ジャンル「読むテレビ」。自分じゃ気づけない滑稽な部分を、誰かに指摘されることなく自分だけで気づけちゃう納得マガジンです。

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2008/03/10

滑稽な人のフリ見て我がフリ許せ!<第83号>

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読者の皆さん、お元気ですか?
はかまたかずこです。

穏やかな天気に恵まれた3月2日、
紀伊國屋書店・名古屋名鉄店ベストセラー記念
はかまたかずこ”サイン会”が無事に開催され、
お陰様で、大盛況でした!!

ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございした。
ご来場いただけなかった皆さんへ、サイン会の様子を少しでもお届け…
http://www.geocities.jp/wakowako772004/sain2.jpg

紀伊國屋書店「名古屋名鉄店」では、サイン本も販売しております。
春本番に向け、これからもいろんな動きがある予感…
随時ご報告いたしますね!

それでは…83号ストーリー、スタートです!!

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>>> 滑稽な人のフリ見て我がフリ許せ! <<<

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どうすればスマートな振るまいになれるの??

その答えを、一人でも多くの人に、
さりげなく感じ取ってもらおうと登場したこのマガジン。

テレビドラマを見る感覚で、お楽しみ下さい。
理屈ぬきで客観的になれたら、
そこでひとつ、あなたの一面がスマートに。。。

今シリーズでは、
謎の男「僕」が、いきつけの喫茶店「マギー」で、
さまざまなシーンに遭遇します。それはブルースのごとく展開され…

(これまでの話)
 雨の朝からずっとマギーにいる僕。天気は回復、昼を過ぎたころ、
 接客に不慣れなマスターが、怒りをかってしまった女性客に対し、
 悪びれた人間味ある一面を見せてくれたことで、僕はほろっとする。
 思わずコーヒーをおかわりし、それを運んできたマスターに
 「おいしいですね、コーヒー」と声をかける。


タイトル

《《《   マギーブルース     》》》


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 〜9〜  不都合な”気分”

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決して不自然だったと思わない。

むしろ、いつもより自然な笑顔ができたはずだ。

なのに、このマスター、
僕の問いかけにニコリともせず、軽く会釈を返しただけ。

さっきの女性の気持ちがよくわかる。
マスターは人の気持ちを逆なでする天才かもしれない。

割と覚悟がいったのだ。
声をかけたのは…

(言うんじゃなかった…)

こういう体験を重ねて、益々僕は内にこもる考え方をするようになる。

マスターが悪いんじゃない。
そんなことはわかっている。

けれど、人はちょっとした出来事で、
自分の性格を決定づけてしまう”脆さ”というものをもっているのだ。
「そうですか…いつもご贔屓下さいまして」くらいの返答があれば、
僕だってこんな気持ちにならずにすむ。

自分を責めたかと思えば、マスターを責め…つまり、僕は

(もろい…)

脆さを口にするほど、脆い人間はいないだろう。

「それにしてもあんた!おっかしいねえ」

おばさん連中の馬鹿笑いが、僕のモロモロ精神を突き抜ける。
朝からかれこれ4時間、僕は、このマギーにたたずんでいる。

(そろそろいくか…)

外はすっかり晴れている。
今朝の雨がうそのようだ。かわりに僕の心中は”ずぶぬれ”だが…。

「ちょっと待って、って言ってるのにさ」

おばさん達のたわいない会話だとわかっているのに、
帰るの待て、と言われた気分になる。

「あんたがオシャレに時間かけ過ぎなのよ」
「こんなおばさんどうやっても無理かっ」(爆笑)
「無理でもやることやっとかないと!」(爆笑)

一言いっちゃあ、爆笑…言っちゃあ爆笑。
押したら、笑ってくれそうなボタンでもありそうだ。

「旦那さん、待っててくれるだけいいじゃない」
「それが待たないの」
「で、どうしたの?先言っちゃった?」
「車に乗り込んで、今にも走り出そうとしてさ」

(したらどうした?)

前のめりになって話すおばさんが、その次を語る前に、
氷の溶けきった、明らかにまずそうなミックスジュースを飲み干した。

(早く言えよ)

「だから慌てて乗り込むでしょ」

(そうそう、だから?)

「指」

そう言って、おばさんは皆の顔をなめるように人差し指を披露しながら、

「はさんだか!」

フライングした一人が叫んだ。
おばさんは首を横に振り、

「挟みそうになっだけ、大丈夫。でもちょっとぶつけたよ。大騒ぎだよ」

皆、ホッとした表情。
かくゆう僕も、ホッとしていた。
車の扉に指を挟んだら、えらいことだ。

「集中力ないんだよ、うちのは」

(そういう問題かよ)

思わず突っ込んでしまった。
またしても、話の論点がずれた。
待ってくれない旦那、から、集中力のない旦那へと。

「ああ、よかった。挟まないで、ねえ」
「ほんとほんと」

皆、各々の飲み物を口にしながら、ホッとした気持ちに浸っている。
こうして終わったか終わらない話題が、一段落する。

出かけるときの服装に、気を配る女性の感性、
それに応えられない男性のずぼらさ。

時間に正確な男性の感性、
決められた尺度できっちりできない女性の迷い癖。

買い物にやたら時間をかける女性の感性、
それに耐えられない男性の傲慢。

友人夫婦からもよくそんな不満をぶちまけられる。
聞いてると、とどのつまり、
互いの足りないところの押し合いへし合い。

ここが直ればいいのに、とか、これさえ無ければ、もっと譲歩できるのに、とか
確かにそれらが叶えばその通りかもしれないが…

そんなの遠回りすぎる。

相手のすることを許容できるコンディションが、こちらに整っているかどうか、
そこに焦点を合わせたほうが得策だと常々思ってしまう。

自分の気分のキャパを増やした方が早い。
または、自分の不都合なところに体裁を持つのを止めた方が早い。
夫婦じゃなくても、人付き合いはみんな一緒なんだけど…

僕は今、マスターに対して、自分の不都合な面、脆さをさらけだす一方で、
マスターの無愛想さを消化する気分になろうとしている。

(今日の僕のコンディションは、まあまあだな)

感心してる場合じゃない。
いい加減に店を後にしようと立ったそのとき、店の扉が開いた。
入ってきた女性…

(え?なんで)

昼前、早々とバイトをあがった、あの彼女。

「午後の講義が休講になったから、戻ってきた、マスター」

(え?え?え?)

中腰の僕に気づく彼女。目が合ってしまう。

                        つづく

*次回をお楽しみに!


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 「今」だけを見ていると、何行あっても語り尽くせないけれど…
   
     『『『  たった10行のストーリー  』』』
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