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化学、SE、マスコミ、作家…稀有な経歴の発行者が発信する新ジャンル「読むテレビ」。自分じゃ気づけない滑稽な部分を、誰かに指摘されることなく自分だけで気づけちゃう納得マガジンです。

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2008/02/21

滑稽な人のフリ見て我がフリ許せ!<第82号>

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読者の皆さん、お元気ですか?
はかまたかずこです。

先日行ったスーパーの店先に、春の野菜が並んでいました。
まだマフラーが手放せない私たちに、野菜たちがもう春だよ〜
と健気に教えてくれてるようで、思わず手に取り、かごの中へ…。
「こごり」という野菜を買いました。
天ぷらでいただくとおいしいですよね。ほどよい苦みがビールをそそります。

さてさて、皆さんに嬉しいお知らせです!
紀伊国屋書店、名古屋名鉄店ベストセラー記念
はかまたかずこ”サイン会”が決定しました!!!

場所:紀伊國屋書店「名古屋名鉄店」 
  (JR名古屋駅前 名鉄百貨店“メンズ館5F”) 
時間:3月2日(日)15時より 

書店でお会いできることを楽しみにしています!
皆さんに春らしいひとときをお届けできたら…と思っています。

これからもいろんな動きがある予感…随時ご報告いたします!
楽しみにしてて下さいね!

それでは…82号ストーリー、スタートです!!

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>>> 滑稽な人のフリ見て我がフリ許せ! <<<

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どうすればスマートな振るまいになれるの??

その答えを、一人でも多くの人に、
さりげなく感じ取ってもらおうと登場したこのマガジン。

テレビドラマを見る感覚で、お楽しみ下さい。
理屈ぬきで客観的になれたら、
そこでひとつ、あなたの一面がスマートに。。。

今シリーズでは、
謎の男「僕」が、いきつけの喫茶店「マギー」で、
さまざまなシーンに遭遇します。それはブルースのごとく展開され…

(これまでの話)
雨のあがった昼下がり、バイトのいない店内。
「僕」と女性客ひとりしかいなかったところに、
団体のおばさんたちが訪れ、対応に追われるマスター。
接客に不慣れなマスターは、女性客がまだ立ちあがらないうちから
「ありがとうございました」とフライング気味の挨拶をし、
女性客の怒りを買ってしまう。


タイトル

《《《   マギーブルース     》》》


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 〜8〜 雨降って、”マギー”固まる

////////////////////////////////


どうひいき目に見ても、
「早く出てって下さい」と言わんばかりのタイミングだった。

(やっちまったな、マスター)

女性は、一度手にしたコートをもう一度畳み直し、
マスターをにらみ続けている。

マスターが一番焦っているんだろうが、
彼のぶっきらぼうさは、知っている僕ですら、あきれることのあるお墨付きだ。

勢いでレジに立ってしまい、あとには引けないらしい。
下を向いて、何か勘定するフリして、女性がそこに立つのを待っている。

(どうする……)

女性客が不愉快になるのも無理はない。
ひょうひょうとしたマスターの表情を見てると、余計腹が立ってくる。
「あ、すいません、うっかり」とおどけて見せれば、それで済んだことなのに…

モノには、ちょっとした仕草で、白にもクロにも転がるってことを
僕は今、目の当たりにしてる。

(どうする、どうする)

この気まずい空気を縫うように、おばさんたちの笑い声が通り過ぎる。
その度に、女性はマスターに向けられた怒りを押し戻し、
気持ちを整えているようにも見える。

どうやらマスターは、この下品な笑い声に救われているようだ。

やりきれない時間が流れ、
怒りの矛先に意味が見いだせなくなったのか、
太々しいわりには気持ちはもう外を向いたように、女性客が立ち上がった。

コートを来て、レシートを握って鞄を抱え直し、テーブルから離れたとき、

「ありがとうございました」

神妙に、今度は丁寧に、マスターは言った。

女性はニコリともせず、乱暴なお財布の出し入れをしていたが、
それ以上の感情は収めたらしい。
後に嫌な空気を残さず、店を出て行った。

「ありがとうございました!」

女性の背中に、もう一度声をかけるマスター。

(やればできるじゃないか)

その心遣いは、考えてやったわけじゃなく、挨拶を言わずにはいられない
そんな衝動から出てきたものだろう。

あんな不器用で偏屈なマスターでも、
”しまった”というバツの悪い感情があったのかと思うと、
人間臭くて…僕は嬉しくなり、思わず、

「すいません」

コーヒーのおかわりをしてしまった。

ちょっとくたびれた感じのマスターが、
さっきよりは少し愛想のいいうなずきをしてくれたので、
僕は正真正銘の常連客になれた気がした。

それにしても…

偶然とはいえ、おばさんたちの笑い声が
あの気まずい空気を救ったことは事実である。

マスターが不器用にも、情勢を漫然と流し、
結果的に、あの空気がならされてしまったのだ。

”しかるべき対処”以外にも、時間の経過や思わぬ援護によって、
物事がならされる、折り合いがつきやすくなる、ってこと、
理屈じゃあわかっていたけれど…

学ぶことがあったのは、僕のほうだったかもしれない。

「はい、お待ちどうさま」

マスターが、僕の前にコーヒーを置いた。

「あ、どうも」

思わず挨拶がでてしまうほど、
リラックスしたムードが流れているのを感じた。
と同時に、マスターと世間話をしたい衝動がわき起こった。

僕はこの感情に素直に従うことにした。
伝票をテーブルに置くマスターに、

「おいしいですね、このコーヒー」

                      つづく


*次回をお楽しみに!



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