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化学、SE、マスコミ、作家…稀有な経歴の発行者が発信する新ジャンル「読むテレビ」。自分じゃ気づけない滑稽な部分を、誰かに指摘されることなく自分だけで気づけちゃう納得マガジンです。

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2007/10/16

滑稽な人のフリ見て我がフリ許せ!<第76号>

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自分では、なかなか見ることのできない、自身の滑稽な一面。
誰かに教えてもらうのは、素直になれないこともある。
でも、誰かに教えてもらわないと、滑稽のままになってしまう。
じゃあ、どうすればスマートになれるの?

その答えを、一人でも多くの人に、
さりげなく感じ取ってもらおうと登場したこのマガジン。

テレビドラマを見る感覚で、お読み下さい。

理屈ぬきで客観的になれたら、
そこでひとつ、あなたの一面がスマートに。

さて、新シリーズ始りました。
謎の男「僕」が、いきつけの喫茶店「マギー」で、
さまざまなシーンに遭遇します。それはブルースのごとく展開され…



タイトル

《《《   マギーブルース     》》》


////////////////////////////////

 〜2〜  人に一癖  

////////////////////////////////


今日は、いつもより人が少ない。

(そうか、祝日か…)

祝祭日に関係のない僕は、このマギーに足を踏み入れることで、
カレンダーを見るよりすばやく(あ、今日は祝日だった)と気づかされる。

「アメリカンで」

祝日だから本日のおすすめが無い。

いつもと違うシステムを(そうだそうだ)と確認するように、
辺りを見渡す。

軽食のおすすめ、イラスト付きの黒板も置いて無い。
壁際のテーブルを照らす明かりも、調光され薄暗い。
こころなしか床が汚い。おしぼりが入っていたビニール袋が転がっている。
そもそもアルバイト店員が少ない。
(そうだった、そうだった)
祝日は、いつもと違う空気が流れてるのだ。

そんな違いを知っていることが、少し得意な気分になって、
珈琲を運んできた店員に、軽く会釈をしたりする。

「ごゆっくりどうぞ」

愛想のない返事が、僕の愛想を裏切ってくれる。
ま、よくある話さ。

期待をした等身大の反応がないことに、よく腹が立ったりするけど、
僕だって、人に期待された分だけのリアクションが出来てるかって聞かれると、
自信ない。

お互いさまってことが、最近ようやくわかってきた。

(大人になったなあ……)

一人悦に入って飲む珈琲は、格別にうまい。

祝日の今日は、常連よりも新顔が多い。
(もちろん自分は常連に属している、と信じている…)

中央にある大きなテーブルに、60才前後の集団が座っている。

きっと、何かサークルで集った帰りなのだろう。
やたら大きな声で、興奮気味に会話をしている。
男性3人、女性4人。

一体、何のサークルなんだ?

服装は、カジュアルなズボンにトレーナー、運動靴を履いているあたりから、
朝早くから公園で太極拳でもしてきたか、ボランティア活動でゴミでも拾ってきたか。

こちらまで聞こえてくる会話の中に、その答は見当たらない。

どうでもいいこととはいえ、
声はしっかりこちらまで届いているのに、確認したいポイントだけが掴めないのは、
やはり苛つく。
さっきの大人の自分は、どこへ行ってしまったのか。
今や、そんなの関係ない…。

苛立ちと一緒に、気づかないくていい癖までも気になってくる。

「正直ね、それはさ……」

一番声のデカイ男性が、やたら使っている。

「正直、わたしはね……」

話しの初めに「正直」を言う口癖…知人の顔がちらついてきた。

(いるな、結構まわりに)

そんなことにも気づかされる。

(俺も言ってるかな……)

ふと自分のことも振り返ってみる。
確かに…場繋ぎで、人の興味をそそるような話をしだすとき、
強調したいあまりに使っているかも。

だからと言って、こんな乱用はいけない。

「正直、それはいけないよ」

ほら、他人の話を訂正するときにまで使うなんて、そりゃおかしいだろ。

(正直以外のお前の話は、みんなウソかっ!)

そう叫んでやりたい衝動を抑える。
他のメンバーの表情を見ると、僕と同じ気持ちの人はいないらしい。

(そりゃそうだな)

渦中にいるとわからないもので、客観的な立場になってはじめて、
あれ?と気になるものだ。
それに…
そもそも僕は細かい。
ここにきて、ため息が出る…嫌な癖だ。

男性の一人がサンドイッチをほうばっている。
声のでかい「正直」オヤジの話に大きく頷きながら、食べている。
マヨネーズで手が汚れたのか、
話に夢中になりながら、椅子の脇で軽く拭いているのを見つけた。

(おい、おいッ!)

マナーも然ることながら、
こういう奴がいるから、椅子に理由のわからない汚れがつき、
壁に得体の知れないシミができるんだよなあ…

細かいオレ、やっぱり止められない。


                         つづく

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 「今」だけを見ていると、何行あっても語り尽くせないけれど…
    
     『『『  たった10行のストーリー  』』』
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