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2008/04/14

学園改革支援の『開窓』 −「派閥の弊害」−

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【 学園改革を支援する『開窓』 -075-】2008年4月号

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そのプロセスを実現するのは、あなたです!

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○○「派閥の弊害」○○


こんにちは。一ヶ月ほど続いたアレルギー鼻炎から、やっと解放されました。
その間は趣味の水泳にも行けず、毎日をイライラしながら過ごしていました。
先日、久しぶりに泳いだ時のあの解放感! 帰宅後のビールも最高でした。
待ち遠しいのは海開き。早くボディボードで波乗りを楽しみたいものです。



今回は派閥の弊害について考えてみたいと思います。
もちろん、あなたの職場でも大なり小なり派閥は存在することでしょう。
派閥を完全に消し去ることは、はっきり言って不可能です。
しかし、弊害を有しているなら、何らかの対策を講じなければなりません。

一般に派閥が弊害を誘発することは、誰もが漠然と感じているものです。
ところがその弊害の中身を整理しろと言われると、意外にも困難です。
その困難さゆえに、派閥の親分はあらゆる攻撃を免れて増長しやすいのです。
「私は迷惑をかけていない」。この一言で逃げ切ることができるからです。

派閥が存在することで、組織内には指示伝達系統の混乱が発生します。
時には恣意的にその系統をゆがめ、情報の一元化を妨げる例も見えます。
このことは、ただ単に人間関係の問題にとどまるものではありません。
組織にとって致命的な障害を発生させるに充分な要因にもなり得ます。

なぜなら、経営5資源の浪費と誤用につながる危険性が高まるからです。
「経営5資源」とは、「ヒト・モノ・カネ・トキ・情報」を言います。

学内の要素のほんの一部をあげつらい、いかにも正論のように主張する。
しかしそのことが組織全体の経営資源を圧迫することに彼らは気付きません。
いや、もしかしたら気付いていて、故意にそうしているかも知れません。
彼らが派閥に依存したがるのには、概して2つの理由があると思われます。

一つは自分の主義主張を通し易くするためです。国会議員と同じですね。
数の論理で押し切れれば、これほど楽な解決方法は他にないでしょう。
言わば「多数決」という民主主義に名を借りた、横暴な強要行為です。

もう一つは、自信や能力の欠如を隠蔽するために派閥を利用すること。
簡単に言い切れば、「傷を舐め合うための寄り合い」ということです。
自分が出世コースから外されたと思い込んだ人たちの結束力は固いもの。
この手の派閥ができてしまうと、職員会議は馬鹿げた時間浪費に堕します。
執行部に対する嫌がらせや、優秀な教員への攻撃が活動目標になるからです。

こう考えると、派閥は存在しない方が組織にとってプラスだと言えます。
ただ、先述したように派閥を完全に消滅させるのは、まず不可能です。
ではどうすれば派閥による組織の混乱を食い止めることができるのか。
どうすれば資源の乱用や浪費を押さえ込むことができるのでしょうか。



まず大原則として大切なのが、正論を正論として徹底的に守ること。
保身や嫉妬、中傷、逃避に起因する傍若無人な発想を食い止めるためです。
ここで気を付けたいのは、「正論」と「正義」は違うということ。
彼らを裁く必要はまったくなく、ただ粛々と正しい思考を守り通す。
これには上層部の断固たる意思と姿勢とが要求されることになります。

次に、システムとその運用において複数のルート(抜け道)を許さないこと。
「報告・連絡・相談」のルートを確定し、現場にこれを徹底させるのです。
やり取りをする相手が組織の誰なのか、内容によって明確に区別させます。
抜け駆けの「報・連・相」については、毅然と無効化する姿勢が必要です。
ただしこれも上層部の執行範囲となりますので、下地作りは欠かせません。

次に、信賞必罰の意識を現場に定着させること。
ここで言う信賞必罰とは、上層部への忠誠心が評価対象ではありません。
学校そのものと、そこにいる生徒に対しての責任遂行能力についてです。
職務規定違反などにより生徒に迷惑が発生した時、毅然と示すべきものです。
ここではコンプライアンス(法令と規範の順守)がその指標となります。
また、アカウンタビリティ(説明責任)の実行度も同様と考えられます。

また次に、鳥瞰的な視点と視野を現場に定着させること。
自分の部署やグループだけで学校が動いているのではないことを明確化する。
そう考えると、組織図さえ配布されていない職場は、最悪の環境と言えます。

また、財務状況の説明や組織のめざすべき方向を示すことも重要です。
「なぜ本校が存在するのか」という組織の存在意義を共通認識化するのです。
個人としてめざすものと学校としてめざすものとの違いを明確にしましょう。



他にもさまざまな事項が考えられますが、以上のことは最低ラインです。
組織は正確な「報・連・相」の堅持と、クレームへの事前予測とが生命線。
なぜなら、複数の情報伝達ラインが存在すれば学事運営が混乱し、
何ものも生み出さないクレームへの対応はコストの浪費となるからです。

そもそも派閥の始まりは主義主張や思想的な結束によるものではなく、
マイナス思考の集合体としての産物であることが多いように考えられます。
特定の部署に長期間所属していたり、得意分野での仕事が長かったり。
こうした状況では、当然のように思考の停滞を招きやすくなりますね。

得意分野だけで仕事を続けていると、総合的スキルの低下や視野の狭小化、
職務手法のマンネリズムが発生し、結果的に手抜きの温床となるものです。
やはり最終的には「傷を舐め合うための寄り合い」になってしまいます。
そもそも、教員はスペシャリストである前にゼネラリストであるべきです。
生徒がその教員の得意分野に限らず、あらゆる相談を寄せてくるからです。



さて、ここまでは甘えた教員を叩けば良いように聞こえたかも知れません。
しかし私は先ほど、「信賞必罰」という言葉を用いました。
そうです。「必罰」だけではただの恐怖政治になってしまいます。
むしろ「信賞」の部分にこそ、組織活性化のカギは眠っているものです。
ありふれた言葉で言えば「やりがい」のようなもの。熱意を呼び覚ますもの。

最も確実で簡潔な方法は、小さくても主体的な努力の跡を賞賛することです。
そして、組織全体に益する活動だと認められる時は学校案に昇格させます。
もちろんプレゼンターはその教員。上長は援護役に徹して欲しいと思います。
上長を通して職場への定着を図ると、必ずその内容が変容してしまいます。
彼の努力の跡をそのまま披露し、他の教員に受け入れさせるのが上長の務め。

その教員が何に困り、何を考え、どうして実現できたのかだけを発表させる。
上長が説明するのは、その結果がどのように組織に益したのかということ。
あえて付け加えるなら、「おかげで本校は一歩前進できた」の一言だけです。
その努力の過程と結果とを、学校の財産とする姿勢を示せば良いのです。
生徒への教育と同じことで、成長の実感を本人に持たせることが肝要です。

そうした学校側の姿勢を見れば、ただ愚痴を並べていようとは思わないもの。
中途半端に表面的な権限委譲をするのではなく、徹底した姿勢で臨むのです。
権限委譲は責任だけでなく、その成果と名誉まで委譲されるべきなのです。
そうすることで、働くことへの意義を初心に帰って感じてもらいましょう。
上長への「へつらい」や「攻撃」に正面から相手をしても生産性はゼロです。



生徒のためになる、あらゆる生産的な活動を前向きに評価しましょう。
生徒に不利な、あらゆる非生産的な活動を徹底して取り除きましょう。
「信賞」と「必罰」とのバランスを、いかに正しく取り続けるか。
上層部がこうした意識を高めることで、派閥の暴走にブレーキがかかります。
上層部がこうした活動を徹底すれば、派閥の存在価値そのものが低下します。

卑怯な気持ちを起こさせないこと。人の迷惑に考えを向けさせること。
相手が大人の教員だから難しく感じますが、これは生徒の教育と同じです。
つまり日常的に現場で遂行している職務の内容と、実は似ている仕事です。
存在価値は認めるが、一線を越えた時は許さない。まさに教育の基本です。
そして機会を逃さず、一段の高みへ進む後押しをすれば良いだけでは?





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 【発行者】       【 学園改革を支援する『開窓』】
               スクール・アイデンティティ研究室
                       代表  藤井 宗茂

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