学園改革支援の『開窓』 RSSを登録する

私立だからできる。今すぐ学校改革!先生、あなたが主役です!現場教師が学校を変える技術。

最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
あなたの一票を待っています!まぐまぐ大賞2008
2008/01/16

学園改革支援の『開窓』 −「はたして他人事か」−

この記事を取り寄せる

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

【 学園改革を支援する『開窓』 -072-】2008年1月号

私立学校の改革をお手伝いするメールマガジンです。
現場の声でトップを動かし、改革を推進するためのヒント集。
改革をゴールにせず、スタートにしなければ意味がありません。
そのプロセスを実現するのは、あなたです!

<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<


○○「はたして他人事か」○○


読者の皆様、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
新しい年が明け、祝賀ムードかと思いきや、何かと不愉快なニュースばかり。
物価上昇や年金問題の行き詰まり。相次ぐ親族殺人事件や無責任な大人たち。
この国はいつになったら落ち着くことやら。穏やかならぬ世の中ですね。

過ぎる1月4日は、胃癌で他界した妻の1回目の命日でした。
おととしの夏、遠く離れた実家で倒れた妻は、わずか4ヶ月で他界しました。
その間の慌しさと混乱とを思い出すと、様々な後悔が身に迫ってきます。
そのころ不登校になりかけた息子は、4月以来、皆勤を継続して元気に通学。
ようやく喪が開け、親子二人、平穏な日々の有難さを実感しています。



さて、今回の「開窓」、実は別の原稿を準備していたのですが、
ネットサーフィン中に見つけたニュースが気になり、急遽差し替えました。
学校改革に直接の関連があるわけではないのですが、不安なニュースです。
今日は珍しく、政治関係の話題をもとにお話ししたいと思います。
まずはこちらのニュースをご覧ください。。。。。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080114-00000102-yom-pol


いったい何が不安なのか?「消費者重視」は歓迎すべきではないのか?
藤井はなぜ「消費者重視」政策に不安を抱くのだろうか?
読者の皆様は、おそらくそうお感じになるかもしれません。
それでは、なぜ私がこの政策発表に不安を感じるのか、お答えいたします。

そもそもの始まりは、平成7年の通称「PL法」に遡ります。
消費者保護の観点から、製造物に対するメーカーの責任を規定。
表面上は国民保護の看板を掲げながら、多くの欠陥を有する法制定でした。
最大の問題は、国民生活保護と消費者安全保護を混同したことにあります。
結果として、多くの国民が自己責任意識と生活思考力を失ったのです。

つい先日もガステーブルコンロとビルトインコンロが話題になりました。
そのメーカーは急遽、製品のリコールを公表して修理を急いでいます。
そのホームページを見ると、まず目に飛び込むのは「お客様重視」の語句。
一見すると企業の責任としては当然のようにも思えます。
しかし、当然に思えるこの対応こそ、日本国民の退化の象徴だと思います。

スイッチが凸型なので、何かが当たると着火やガス漏れを生じるのだとか。
多くの人は製品設計に問題があると考えることでしょう。それも一理です。
しかし、商品購入時に気付かないこと自体が、私には不可解なのです。
その程度の予測さえできずに、事故を発生させることがあるだろうか?
このニュースを見たときに、私は国民の思考力低下を考えてしまったのです。

ここ数年、機器の使用中に思いがけない事故を起こすケースが増えました。
しかしその中には、思いがけないのではなく思慮不足もあると思うのです。
消費者を守ることと、生活から思考を排することとは違うはずです。
あまりにも過剰な消費者保護政策の結果、自己責任意識が退化したのでは?
選挙対策として国民に媚びへつらう政策を進め、過保護に過ぎたのでは?

政治家だけではなく、目先の大衆受けを重視した報道機関の責任も甚大です。
何かあっても「企業のせいだ」と言えば済んでしまう日本社会。
今回の消費者庁構想も、その傾向に拍車をかける危険性は高いと思います。
支持率低迷に困惑する福田首相の気持ちがわからないわけではありません。
しかし国民へのお追従とも言える付け焼刃の政策は、国家の退化を招きます。



私が言いたいのは、企業に責任はない、ということではありません。
製品製造に責任を持てない企業など、存在価値はかけらもありませんから。
したがって、PL法の理念そのものが間違いだとは思っていません。
問題はその文脈を理解できない国民が増えてしまった結果にあるのです。
自分の生活を他者に守ってもらうのが当たり前、というのは誤解しすぎです。

この誤った消費者意識は、現在、教育界にも大きな波紋を広げています。
私学教員であるあなた自身も、聞き覚えがあるでしょう?
「高いお金を払って私立学校に入れたのに!」という保護者の一言。
その根底にあるのは退化した国民性としての、ゆがんだ消費者意識です。

その傾向を持つ一部の保護者は、子ども自身の思考責任には一切目を向けず、
気に入らないことがあれば、学校のせいにして自己責任から逃避します。
しかもその逃避理論は、国の法律によって裏付けられていると考えるのです。
金を払えば一切の責任から解放され、自主性を持たなくてもよいという思考。
もしその傾向が全国的に強まるとするならば、これはゆゆしき一大事です。

当然、学事に責任を持てない学校など、存在する価値はないと思います。
しかし、モンスターペアレントと呼ばれる多くの非常識で横暴な保護者は、
こうした異常な世の流れに乗って増長し続けたのではないでしょうか。
だからこそ今回の消費者庁構想は、私学教員である私にとって脅威なのです。
ただ残念なことに、そうした非常識で横暴な保護者たちを抑えられない、
未熟な教員が増えてしまったこともまた事実であると認識しています。

「子供の教育は学校に全部お任せしていますから」

無責任な意味合いでこのような発言をする保護者が増えたとは思いませんか?
そうした人たちの中で、本心から学校を信頼している人は少ないものです。
過保護に育てられた国民感情として、被害者意識の高まりは当然の帰結です。
この先、授業料の高い私立学校だからこそ、用心と事前対策が肝要なのです。
ただし、消費者庁の構想には、現実的なハードルも多く存在します。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080113-00000917-san-pol


行政区分をどうするのかという問題は、この国では困難な課題となります。
各省庁の利権と覇権とを左右する問題に発展するケースが多いからです。
一朝一夕に成る構想とは言えませんが、この話題の報道自体が問題なのです。
過保護に慣れた一部国民は、さらに増長していく可能性が高いと思います。

しかも、小泉政権以来この国では、各省庁の意向や党利党則を押さえつけ、
総理の構想を通すこと自体が高い評価を得るケースが多くなっています。
「劇場型」政治に踊らされる国民は、往々にして自分の足元を見ていません。
不十分な下地のまま消費者庁が発足してしまえば、誤解はさらに広がります。
責任と権利とを区別できない、まさに消費者的保護者が増えるのは必定です。

「高いお金を払って私立学校に入れたのに!」という保護者の一言。

これから先の日本では、その発想が当たり前で正しい判断に変化してきます。
コーヒーを頼んだら熱くて火傷したから、そのコーヒー店を訴えた。
そんな異常な発想がこれから先、異常と言われなくなる可能性があるのです。
あなたの学校に置き換えて想像してみてください。
これは真に恐ろしい事態です。教育はただの産業と化すかもしれないのです。

先の阿部首相の単なる思い付きで、どれほど教育行政がゆがめられたことか。
教育界への競争原理の導入は、なるほど一つの理念として考えられます。
しかし、教育現場の構造や山積する課題に目を向けた政治家が何人いるのか。
そして今回もまた支持率を上げるためだけに教育行政をゆがめられたら?
想像上の政治理論と、現場で生きる生徒や教員の生活とは、別のものです。

我々私学教員は、自助努力によって学事の整合性と正当性を守るべきです。
また、自浄作用を発揮すべく、その仕組みを構築する必要もあるでしょう。
一部の破廉恥教員や犯罪教師のために苦しめられるのは、もうたくさん。
金額の多寡で教育の質を云々されるのは、読者の皆様も不可解なはず。
しかしこれからは、その傾向がますます強まることを意識しておきましょう。

お金に換算できる教育しか提供できない学校は、存在意義を問われます。
お金にさえ換算できない学事しか提供しない学校は、日本には要りません。
我々がめざすのは「教育は金額の問題ではない」ということを体現すること。
そして保護者は子供にとって唯一無二の保護者であり、消費者的な立場では、
真の教育を実現するのが困難であることを理解してもらうことなのでは?

授業料の高い安いは別として、対価を求める機運はさらに高まるでしょう。
その声に応え続けていかなければ、生徒募集が低迷するのもまた現実。
でも、そうした努力の中で、これだけは保護者に感じてもらいたいものです。

「ああ、私立で良かった。お金で買えない経験を子供は手に入れたから」と。

それを実現するのが、私学の教員一人一人の研鑽と地道な努力によることは、
いまさら私が申し上げても、釈迦に説法なので控えたいと思います。



※原稿差し替えにより、発行が1日遅くなりました。お詫びいたします。




ブログとメールアドレスは下記「発行者」欄をご覧ください。
コメントやトラックバックも歓迎します。
このメールマガジンへのご意見・ご感想など、ぜひお願いします!

本日もご購読、有り難うございました。



  このメールマガジンは!
  『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用して発行しています。
  配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000134521.htm
  発行者Webサイト: http://kaisou.seesaa.net/
---------------------------------------------------------------------

 【発行者】       【 学園改革を支援する『開窓』】
               スクール・アイデンティティ研究室
                       代表  藤井 宗茂
              http://kaisou.seesaa.net/
             メール:horus_kaisou@yahoo.co
                 (最後に.jpを付けてください)

  著作権:『開窓』    無断商用転載を禁ず。(勤務先内は複写可)

 ※私へのアドバイスや扱ってほしい題材など、メールでお気軽にどうぞ。
 ※このメルマガにあなたも寄稿してみませんか?まずはメールください。
 ※お友達やご同僚にも、ぜひこのマガジンをご紹介ください! 
 ※学内での回覧のみ自由ですが、ご利用の際、必ず出典を明記して下さい。

この記事を取り寄せる
最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る