学園改革支援の『開窓』 RSSを登録する

私立だからできる。今すぐ学校改革!先生、あなたが主役です!現場教師が学校を変える技術。

最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
2007/06/15

学園改革支援の『開窓』 −「基本機能の追求」−

この記事を取り寄せる

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

【 学園改革を支援する『開窓』 -065-】2007年6月号

私立学校の改革をお手伝いするメールマガジンです。
現場の声でトップを動かし、改革を推進するためのヒント集。
改革をゴールにせず、スタートにしなければ意味がありません。
そのプロセスを実現するのは、あなたです!

<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<


○○「基本機能の追求」○○


「明るいなあ!」
父の別荘がある外房・大原でのある日の夕刻。
届いたばかりの新車を駆り、久しぶりの休日を息子と過ごしてきました。
夏至が近づいていることもあり、午後6時を回っても海岸は視界が利きます。
穏やかな波の音を聞きながら、水平線に異郷への思いを強くしました。
月に一度くらいは心を洗う時間と空間が必要なのだな、と感じました。



あなたはこの商品をご存じでしょうか。自動車タイヤの宣伝サイトです。

http://www.playz.jp/

ブリジストンタイヤの「playz」という商品です。
軽快なネーミングからは想像できないほど、複雑な技術が集積されています。
その複雑な技術はたった一つのゴールを目指して研究が重ねられたものです。
それは「運転が楽になる」ということ。ちょっと意外ですよね。

これまでの売れ筋タイヤといえば、スポーツ性の高さを追求したものばかり。
乗り心地については、若干の犠牲もやむを得ないという考えが主流でした。
しかしこの「playz」は、運動性能を高めながら乗り心地まで高めています。
基本機能である「走る・曲がる・止まる」性能を追究した結果です。
その結果、運転者の心理負担までも軽減することに成功したのです。



翻って、学校の基本機能を考えてみましょう。
公立私立を問わず、学校に求められる基本機能はハッキリしています。
それは「知育・徳育・体育」の、バランスの取れた人材を育成すること。
加えるならば、社会性と公共性に対して、より高い意識を持たせること。
わざわざ言葉に出して唱えなくとも、全教員が認識していることでしょう。

ところが実際の学校現場を俯瞰すると、決してそうなってはいないようです。
たいていの教員が「知育・徳育・体育」のバランスを崩しているのです。
昨今の傾向として、教員のスペシャリスト化が進んでいるように思います。
そう言えば聞こえは良いのですが、実際は得意分野に逃げ込んでいるだけ。
あるいは、自身の関心事以外には向上心も好奇心も持たないだけのこと。



「教員はスペシャリストである前にゼネラリストたるべし」
かつて私は、このメルマガでそのように提唱したことがあります。
これは教員の在り方を示すと同時に、学校そのものの在り方にも共通します。
生徒はその時々、その状況に応じて、あらゆる方面で相談に来るのですから。
一人一人に合わせた対応と真剣さを要求されるのが、教員の仕事のはずです。

それにもかかわらず、実際の教育現場は学校(教員)都合による分業優先。
学校案内やホームページでいかに綺麗事を並べても、これでは骨抜きです。
「進路は私の担当ではありません。」「生活指導の先生に怒られるよ。」
こんな恥知らずな発言をするような教員が、学校に必要なのでしょうか。
真剣に生徒の心配をしているならば、絶対にあり得ない発言ですよね。



前号でお話ししたとおり、教員には究極の「共感力」が要求されるものです。
生徒の立場に立って、どうすれば不安や不満を解消してあげられるか、
どうすれば学校へのロイヤリティを高められるかを意識すべきなのです。
生徒から信頼されない学校に、自分の子供を入学させる親などいませんから。

生徒の心理負担を軽減し、安心して学校生活を送らせてあげられること。
できているようでできていない、「学校」の七不思議の一つだと思います。
目の前の問題を処理することしかできない教員は下の下です。
それどころか、目の前の問題を直視しない教員など、論外としか言えません。
学校として、これほど恐ろしい現実(真実?)はないのだとお考え下さい。



そう言えば近頃、疑問に思っていることがあります。
それは多くの私立学校のホームページを拝見していて感じていることです。
簡潔に言うと、「入った後はどうなってるの?」とでも言いましょうか。
確かに受験生は入学後の学校生活全体にまだまだ意識が及びません。
それを良いことに、「目玉商品」だけを陳列する学校の、実に多いこと!

詳細を記すと特定の学校を批判することになりますので、それは避けます。
ただ、あなたの学校がそうなっていないかを気に留めて欲しいのです。
どう考えても生徒不在の改革断行に陥っている学校が多いものですから。
子供たちが何を求めて入学してきているのか。それを把握すべきです。
教員の改革アイディアを披瀝しても、信頼に直結するわけではありません。

学校サイドによる一方的かつ表面的な改革を、生徒に押し付けていませんか?
いかに目玉商品的な要素を並べても、それではロイヤリティは上がりません。
学校経営者が悦に浸っているだけ。教員が得意分野を発表しているだけ。
辛辣な表現かもしれませんが、ただの人数稼ぎに堕している学校もあります。
それどころか生徒が浅薄な学校改革の人柱になっているケースもあるのです。

正しい学校改革とは、生徒の中からも改革の機運が高まっていくものです。
「笛を吹けば生徒たちが踊るだろう」と思っているなら、慢心の極みです。
われわれ私立学校とその教員は、厳しい社会的評価を受ける立場です。
教育の基本機能を忘れた学校には、将来はないものと覚悟しなければ。
入学した生徒たちと、学校の将来を見る視点に齟齬があってはなりません。



私の勤務する学校には、残念ながら人材(教員)育成の仕組みがありません。
しかしそれでもリピーター(卒業生の子弟)が数多く入学してきます。
理由は単純明快で「生徒の立場でものを考えてくれる学校だから」です。
不器用な教員や実力不足の教員も、それなりの人数が存在しています。
でも、周囲の多数の教員が取り囲んでフォローしてしまうのです。

なぜならば、たった一人の生徒でさえ、困らせたくはないからなのです。
教育力の差こそあれ、どの教員も生徒の卒業後を真剣に心配しています。
「この子は社会に出て、きちんと一人立ちしていけるのだろうか?」
そんな意識を共有しているからこそ、生徒との一体感が生まれていくのです。
(もちろん教員同士がすべて仲良しグループというわけではありませんが)

こうした教員と生徒との関わり方が、驚異的にリピーターを増やす資源です。
教員個人の得手不得手を解消するには道のりの長い学校なのですが、
システム上、自由闊達な議論とクロスファンクションが容認されています。
ですから、一人でも生徒の立場でものを考える教員がその場にいれば、
いつでも軌道修正や臨機応変な対応が可能な状態となっているのです。

「知育・徳育・体育」のバランスを整え、社会性と公共性を重視する。
本校には目玉商品こそないものの、この基本機能を徹底することで、
多くの生徒や保護者・卒業生から厚い信頼を頂戴することができています。
毎日のように卒業生が遊びに来る事実からも、この点には自信があります。
改革と呼べるような激変は、この数十年、全くないにもかかわらず、です。

「走る・曲がる・止まる」基本機能を重視したタイヤが残した結果のように、
教育の基本機能を充実させることで、私どもは信頼を醸成し続けてきました。
決して奇を衒うことなく、もちろんイメージ戦略にも堕することなく。
生徒との緊密な連携の中で、彼らの将来へ向けて基本機能を重視しています。
そのご褒美としてロイヤリティの高いリピーターを確保できているのです。



ラクに走れるタイヤ「playz」を現実化させたブリジストンのように、
「学校生活は楽しい」という基本理念を充実させることで得たもの。
そして「知育・徳育・体育」のバランスを保つ教育活動で得たもの。
それは我々教員にとって、代行品のない、生きがいとも呼べるものでした。
生徒や保護者・卒業生からのロイヤリティは、学校にとって生命線なのです。

極端なスポーツ性能を重視すれば、乗り心地が犠牲になる。
乗り心地だけを追求すると、運動性能が犠牲になる。
タイヤの例を見てもわかるとおり、バランスを保つのは難しいものです。
あなたの学校はいかがでしょうか。特定の機能に偏重してはいませんか?
募集段階での目玉と、生活の場としての学校の機能は同一ではいけません。

なお、基本機能の追求には、次のサイクルを確実に回す努力が必要です。
「 PLAN(計画)→ DO(実行)→ CHECK(検証)→ ACTION(統制)」
このPDCAサイクルは、組織を死に体にしないための機能でもあります。
加えて、生徒や保護者の声を真剣に受け留める姿勢が必要なのは、
今さら私が説明するまでもないことだと思います。



ブログとメールアドレスは下記「発行者」欄をご覧ください。
コメントやトラックバックも歓迎します。
このメールマガジンへのご意見・ご感想など、ぜひお願いします!

本日もご購読、有り難うございました。



  このメールマガジンは!
  『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用して発行しています。
  配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000134521.htm
  発行者Webサイト: http://kaisou.seesaa.net/
---------------------------------------------------------------------

 【発行者】       【 学園改革を支援する『開窓』】
               スクール・アイデンティティ研究室
                       代表  藤井 宗茂
              http://kaisou.seesaa.net/
             メール:horus0204@ybb.ne.jp

  著作権:『開窓』    無断商用転載を禁ず。(勤務先内は複写可)

 ※私へのアドバイスや扱ってほしい題材など、メールでお気軽にどうぞ。
 ※このメルマガにあなたも寄稿してみませんか?まずはメールください。
 ※お友達やご同僚にも、ぜひこのマガジンをご紹介ください! 
 ※学内での回覧のみ自由ですが、ご利用の際、必ず出典を明記して下さい。

この記事を取り寄せる
最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る